Google Clond Platformはエンタープライズに専用オンランプとしてのインターコネクトを提供

Googleは9月に、Google Cloudのエンタープライズユーザーのための専用インターコネクトローンチした。Google Cloud Platformへのこのような直接接続は、企業にGoogle Cloudへのプライベートなオンランプを与え、それは自社のデータセンターと、Googleのデータセンターで動くアプリケーションを組み合わせるときとくに重要だ。今日(米国時間10/31)その専用インターコネクトがベータを脱して、いくつかの新しい機能を獲得した。

企業はGoogleのクラウドに接続するために、GoogleがサポートしているコロケーションファシリティからGoogleのネットワークにつながる。Googleが先月ベータを発表したときは、そういうロケーションが35あった。今日のアップデートで、さらに4箇所(アトランタ、ムンバイ、ミュンヘン、モントリオール)が加わった。〔参考

並行して重要なのは、GoogleがグローバルなデータセンタープロバイダーEquinixとパートナーしたことだろう。それは、“専用インターコネクト(Dedicated Interconnect)へのアクセスをグローバルな複数のマーケットに提供するため”、とされている。このパートナーシップの詳細は不明だが、これによりGoogleのインターコネクトのリーチが現在のロケーションを超えて拡大するだろう。ただしこのサービスはすでに、Equinixのデータセンターの相当多数をサポートしている。

このDedicated Interconnectには、新たなロケーションに加えてCloud Router Global Routing(専用ルーティング)のサポートがある。これにより企業は、自分のデータセンターをGoogle Cloud Platformにつないで、その世界中のさまざまなリージョンにある自社のサブネットのすべてに、このインターコネクトから容易にアクセスできる。

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このハックは音声を利用する仮想モデムでインターネットに接続する

伝説のプログラマーMartin Kirkholt Melhusは、インターネットのない会社で仕事をしていたことがある。でも、そこでの仕事はStackOverflowからコピペすればできるようなものばっかりなので、彼はネットを使いたいと思った。そこで彼は、彼のスピーカーとマイクロフォンを(理論上は使えるはずの)モデムに改造した。“それはギミックであり、概念実証のつもりだった。仕事で実際に使うものではなくて”、と彼は書いている。“コメントでぼくを非難する前に、そのことを理解してもらいたい”。

そのシステムはHTML5のWeb Audio APIを使用し、テキストをモデムのトーンに換えた。スピードは当然遅いが、Pythonの大きなコードを盗んでVisual Editorへドラッグするには十分なはずだ。

Melhusは書いている:

最近ぼくは、開発用コンピューターがインターネットに接続されていない顧客のところで仕事をしていた。GoogleやStack Overflowにアクセスできないと生産性がガタ落ちになるので、とても困った。実はぼくの仕事の大半は、ブラウザーからVisual Studioへコピペすることだったんだ。

そこでは、1台のラップトップがインターネットに接続されていたし、ぼくの開発用コンピューターには3.5mmのオーディオジャックがあった。これで、問題を解決できる! Web Audioを利用して、この会社の、インターネットの「有る」と「無し」のギャップを填(う)めたのだ。

で、このお話の教訓は? おもしろくて賢いことは、いつでも人生の難関を切り拓く良い方法だ。コードはここにあり、モデムのインタフェイスはここにある。

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モバイルアプリにメッシュネットワーキング機能を持たせるSDKを提供するBridgefy

今日(米国時間9/18)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したBridgefyをモバイルアプリのデベロッパーが利用すると、インターネットが使えないところでもデバイス同士がネットワークを作って互いに通信することができる。

2012年のBattlefieldでローンチしたOpen Gardenや、その意外なヒット作となったオフラインメッセージングサービスFireChatなどは、そんなネットワークアプリケーションの例だ。Bridgefyは、それらと同じことをする。

Bridgefyの協同ファウンダーでCEOのJorge Riosによると、ファウンダーたちはあるハッカソンの直前に会って友だちになり、全員がこのネットワーキングのアイデアに関心を持って、インターネットがなくても使えるメッセージングアプリを作ってみよう、という話になった。そのハッカソンでは二位になったが、スタンドアローンのプロダクトを作るよりは、ほかのアプリが使えるSDKの方に将来性がある、という点で全員の意見が一致した。

そこでアプリのデベロッパーたちは、AndroidとiOS用のBridgefy SDKを使ってBluetoothによるネットワーク機能を自分のアプリ上に作り、それによりデバイス間の通信を可能にする。ひとつの接続はBluetoothの100メートルという範囲に限定されるが、お互いのスマートフォンを中継機にすることによって長距離をカバーできる。このSDKでは、近くの全ユーザーにメッセージを拡散するブロードキャストネットワークも作れる。ただしOpen GardenのMeshKitと違って、ネットワーク内のスマートフォンのどれか1台をインターネットへの進入ランプとして使うことはできない。

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ユースケースとしては、“災害現場での利用をメインに訴求していきたいが、教育やゲームやソーシャルメディアの分野でも便利でおもしろい利用がありえる”、という。“スマートフォン上のアプリを使いたいけど身辺にインターネット接続がない、というユーザーは世界的にとても多い”、とRiosは語る。彼はそのほかのユースケースとして、プレイに順番のあるゲームや、クルーズ船上、ライドシェア、チェックインなどを挙げる。

同社の技術は今、およそ35000台のデバイスに載っており、今商談を進めている企業ユーザーを数社獲得できればユーザーは一挙に数百万のオーダーになる、とRiosは語る。課金は、このSDKを使っているアプリのアクティブユーザー数をベースにする予定だ。

Open Gardenはその後経営トップが変わったりして、最近はその動向が伝わってこない。でも同社は、今年初めのMWC BarcelonaでMeshKit SDKを発表している。このようなメッシュネットワークは、同じ場所で複数のデバイスがそれを使う〔例: 会社のチェックインシステム〕、という状況がないとあまり有用でない。この制約を乗り越えることができれば、あるいは制約をうまく利用できれば、Bridgefyも本当の成長軌道に乗れるだろう。

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複数のブロックチェーン間の通信を支えるNucoのAionネットワーク、最終的スタンダードになるか?

ブロックチェーンの普及と並行して、複数のブロックチェーンが互いに通信できる仕組みの必要性が顕在化している。トロントのNucoは、今日(米国時間8/30)リリースしたブロックチェーンネットワークAionで、そんな通信のために必要なネットワーキングインフラストラクチャを提供しようとしている。

NucoのCEO Matthew Spokeによると、個々のブロックチェーンの中での、それにふさわしいレベルの信頼性を築くのは各ネットワークの究極の責任だが、いったん、プライベートなブロックチェーンの外の領域に出るようになると、全体的な信頼性を確保するためのシステムが必要になる。銀行でも、政府機関でも、ヘルスケアのプロバイダーでも、必然的にそういう、外にも行く性質のデータを扱っている。NucoがAionを作ったのは、そのための仕組みを提供するためだ。

彼によると、Aionの中核的機能は、データをあちこち移送するための配管系になることだ。Aionが提供するミドルウェアにより、ブロックチェーンは互いに通信し、メッセージを渡しあうことができる。

Spokeと彼の協同ファウンダーたちはDeloitteのブロックチェーンチームにいたが、昨年Nucoを創ってエンタープライズのためのブロックチェーンインフラストラクチャを作り始めた。が、しかし、彼らは気が付き始めた: 多くの大企業がプライベートなブロックチェーンを構築しているが、それとともに、パブリックなメカニズムのニーズも拡大している。ブロックチェーンというコンセプトがスケールし始め、経済システムの不可欠な部分になっていくに伴い、情報を移送するためのジェネリックな〔nonプロプライエタリな〕方法が必要になる。

このようなシステムの構築と利用に対しては、大きなハードルが二つある。ひとつは、情報を複数のブロックチェーン間でパブリックに移送することを、企業が承知することだ。第二は、情報の移送にはネットワーキングプロトコルのような単一の方法が必要なこと。前者に合意が得られたら、その次は後者が、避けて通れない要件になる。

Aionのトークンを一種のデジタル通貨と見なして課金し、ある種のデータをチェーン間ブリッジにまたがって移送するようにすれば、企業のNucoのネットワークへの参加を収益源にすることもできる〔Aionの利用を課金する〕。それにより、Aionのネットワークをサポートする企業も増えるだろう、とSpokeは説明する。

とは言え、彼によるとAionのようなものは、市場がどうしても必要とするインフラの一部だから、直接的に商用化を目指すべきではない。将来、ブロックチェーンがメインストリームになれば、成熟したインフラストラクチャが必要になり、同社や他社はそれを成功の源泉にすればよい。Spokeによると、同社の現状は、市場の成長を助けるためのコントリビューションが主体だ、という。

この問題に取り組んでいるのはNucoだけではないが、Spokeはこのようなプロセスが必要であることを確信しており、他の技術の場合と同様に、スタンダードになる勝者を決めるのは市場だ、と考えている。

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インフラストラクチャのマーケットプレースInflectがサービスプロバイダー30社データセンターとピアリングロケーション2200を新たに加える

サンフランシスコのInflectは、企業が適切なコロケーションファシリティやネットワークサービス、エクスチェンジプロバイダーなどを見つけようとしているとき、それをより容易にしてくれるスタートアップだ。2か月前にローンチしたばかりの同社は今日(米国時間8/24)、そのデータベースに新たに30あまりのサービスプロバイダーと約2200のデータセンター、およびネットワーキングのピアリングロケーションを加えたことを発表した。新しいサービスプロバイダーには、CenturyLink, Cogent, Comcast, Equinix, Level 3, T5, Telstraなどこの業界のヘビー級のプレーヤーたちも含まれる。

ネットワーキングやコロケーションのプロバイダーの詳細情報や課金情報は、あまり簡単には得られない。データや通信の企業は、非常に古いタイプの営業過程を経て契約が決まることが多く、その過程は透明性が乏しい。シードで200万ドルを調達したInflectは、そういった過程を21世紀にふさわしいものにしたい、と考えている。同社はデータをプロバイダーやPeeringDBのデータベースから自分で集める。後者は、ネットワークのピアリング情報を得るためのデファクトスタンダードだ。InflectはPeeringDBのデータをもらい、それを同社独自の検証処理にかける。そして情報のどこをどう変えたかを、PeeringDBと共有する。

協同ファウンダーでCEOのMike Nguyenはこう語る: “ここまで数週間のローンチ直後の反応は、嬉しいものであると同時に、反省を迫られるものでもあった。ユーザーは私たちに、正確で特定ベンダーに傾かないデータを低コストで提供するInflectのようなプラットホームをずっと求めていた、と言う。しかし同時に、サービスプロバイダーたちは、実際にこれから買おうとしている買い手の目の前に、自分たちのサービスを置いてくれるようなプラットホームを探していた、と言うのだ”。

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GoogleのCloud Platformが自社の高速ネットワークを使わない低能力な廉価版ネットワーキングを提供

Googleのクラウドプラットホーム(Cloud Platform)に、廉価版が加わる。これまでの高級版(Premium Tier)は、できるかぎりGoogle自身の高速ネットワークへユーザーのトラフィックをルートして、中継と距離を最小化する。そして今度の安価な標準版(Standard Tier)では、トラフィックを一般の公共的なインターネットにルートし、起こりうる速度低下や中継の増加を我慢していただく。これからのデベロッパーは、そのどちらかを選べる。

Googleのインフラ担当SVP Urs Hölzleは曰く: “これまでの18年間で、Googleは世界最大のネットワークを築き、今ではそれがインターネットの全トラフィックの25-30%を配達していると推定される。Premium Tierではその同じインフラを享受できるが、しかしユースケースによっては、安価で低能力なネットワーキングを選んでもよい。両者を合わせたサービスをNetwork Service Tiersと呼んでいるが、アプリケーションごとに、もっとも適したネットワークをお選びいただける”。

北米およびヨーロッパでは、標準版は高級版より24-33%安い。また課金方式は、高級版ではトラフィックの起点から終点までの距離で計算されるが、標準版は距離は関係なく、起点がどこにあるかによって、料金が異なる。

今現在は、Google Cloudの全ユーザーがいわゆるPremium Tierを使っている。トラフィックはできるかぎりGoogle自身のネットワークを通り、そして同社のエッジネットワーク上に存在する100あまりのグローバルポイントのどれかで、よりワイドなインターネットへ渡される。ちなみに、このように、できるかぎり長く起点ネットワークがトラフィックを保持する方式をcold-potato routing(コールドポテトルーティング)と呼ぶ。この方式では遅延が最小化され、トラフィックはGoogle自身のケーブルを通るから、パケットロスも少ない。このことは、アプリケーションからユーザーへの往路だけでなく、ユーザーからアプリケーションへの帰路についても、同様に言える。帰路ではトラフィックはできるだけ早くGoogleのエッジネットワークに渡され、そして企業のデータセンターへと旅をする。

新たにできたStandard Tierでは、トラフィックはGoogleのネットワークではなく一般的な(公共的な)インターネットへ渡される。そしてトラフィックは、ネットワークからネットワークへ、ISPからISPへと中継されるから、当然、単一のネットワーク上より遅くなる。クラウドサービスでも、Googleのような大きな自前ネットワークを持ってないところを使うと、このStandard Tierと同じ結果になる、とGoogleは宣伝っぽく言っている。

この二種類のネットワーキングのパフォーマンスの測定と公共的なモニタリングを、GoogleはCedexisと協働して行っている。当然ながらStandard Tierではスループットが遅く、遅延(レイテンシー)は高い。より顕著なのは、レイテンシーの違いよりもむしろ、スループットの違いである。

なお、Standard TierではGoogleのグローバルロードバランサーとCloud CDNが使えない。代わりに、リージョン内のロードバランサーを使わなければならない。

アプリケーションの特性やニーズによって、どちらのネットワーキングを使うべきか迷ったときは、Googleが作った下図のフローチャートを使ってみよう:

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GoogleのNearby Connections APIを使えば近くのAndroid機同士でオフラインのネットワーキングができる

Googleが今日(米国時間7/31)、互いに近くにいるAndroid機/Androidアプリ同士がオフラインでもコミュニケーションできる、というAPIを一般公開した。Googleが挙げているいろんなユースケースの中には、(1)ホテルの部屋が来客を感知してその人に合った室温や音楽を提供する、(2)近くにいるデバイス同士でアドレス帳を合体する、などがある。

この技術はNearby Connections API(近傍接続API, NCA)と呼ばれ、最初のうちはメディアのオフライン共有や、ネット接続の不安定な地域における災害警報などの用途に使われるようだ。

このNearby Connections APIをGoogleはかなり前から作っていて、APIは2015年に初めて発表された。そのときは、テレビを使ってやってるゲームのセカンドスクリーン(第二画面)としてモバイルデバイスを利用する、というユースケースが紹介された。

そして今年のGoogleのデベロッパーカンファレンスI/Oでは、このAPIのアップデートが紹介された。

(Nearby Connections APIの説明は24:15あたり)

近くのデバイスとの近傍接続には、Wi-FiやBluetooth LE、Classic Bluetoothなどが利用される。そのとき使える電波はアプリ自身が選び、また、新たな電波が使えるようになったら、その検出もできる。デベロッパーがそのためのコードを書く必要はない。

このAPIで構成されるネットワークには、二つのタイプがある。

ひとつは、中央集権型。たとえばゲームのサーバーや先生が生徒と対話するサーバーがこのNCAを使ってクライアント(ゲーマーや児童生徒)と対話する。もうひとつは、メッシュネットワークを構成してオフラインでチャットやそのほかのグループ活動をする使い方だ。

Googleは今日、このAPIを使ったアプリもいくつか発表した。

その中のThe Weather Channelは、キャリアのデータ通信が十分に使えない状況でメッシュネットワークにより台風などの緊急気象情報を伝え合う。Hotstarは、同様の状況(飛行機、地下鉄など)でメディアを共有する。そしてGameInsightは、近くに仲間のプレーヤーを見つけて完全にオフラインでゲームを進める。

このほか、このAPIを使ったAndroid TVのリモコンで、初期のセットアップが楽になる。また、Androidデバイスをそのセカンドスクリーンとしても使える。

これまで一部のパートナーだけに提供されていたこのAPIは、今日から一般公開される。AndroidのバージョンはJelly Bean以上、インストールされているGoogle Playは11.0以上が必要だ。

そのほかのパイロットアプリも近く公開されるが、それらに関してはまだ具体的な情報がない。またGoogle Playの11.0以上という要件は、現状ではかなり客層を狭めるので、このAPIの採用に乗り気でないデベロッパーもいるそうだ。せっかく、近傍接続を生かしたアプリを作っても、まだユーザー数が少ない、と見込んでいるからだ。

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エキスパートが足りないネットワークのセキュリティ、機械学習で監視を自動化するJASKがステルスを脱して$12Mを調達

このほど1200万ドルを調達した自動化ネットワークモニタリングのJASKが、今日(米国時間6/27)ついにステルス状態に終止符をうつ。

JASKが、機械学習を利用する同社のネットワークモニタリング自動化サービスに、スタートアップとしての将来性あり、と見るのは、企業のネットワークのセキュリティを担当するエキスパートが慢性的に足りないからだ。したがって企業がセキュリティの侵犯に遭遇しても、すぐにそのことが分かって対策をとれる人が十分にいない。

危機を自覚している企業と、自覚していない企業のうち、前者はJASKのような自動化サービスに頼ろうとする。そのサービスはネットワークをモニタし、会社が直面しているさまざまな脅威を見つけ、それらの対応プライオリティをCIOと彼/彼女のチームに告げる。

JASKを創ったGreg Martinはネットワークセキュリティのベテランで、同じくネットワークモニタリングのThreatStream(今のAnomali)を過去に創業した。

JASKの最新の資金調達ラウンドは、Dell Technologies CapitalとTenEleven Venturesが仕切り、これまでの投資家Battery VenturesとVertical Venture Partnersが参加した。

これに伴いDell Technologies CapitalのマネージングディレクターDeepak Jeevankumarと、TenEleven VenturesのマネージングパートナーMark HatfieldがJASKの取締役会に席を持つ。

同社によると、資金はデータサイエンティストの増員、製品開発のスピードアップ、そして機械学習の応用研究に充てられる。

“AIと機械学習がなければ、サイバーセキュリティは依然として解決の困難な問題だっただろう”、とJeevankumarは述べている。

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企業内に便利なモバイルイントラネットをセットアップするWorkwell、ヨーロッパ最大のオフィスビル企業も利用

大企業に勤めている人なら、イントラネットのかったるさをよく知っているだろう。必要な情報を見つけるのに時間がかかりすぎる。モバイルで使えない。日常よく使うサービスをうまく統合できない。しかしフランスのモバイルイントラネットWorkwellなら、あなたも好きになるかもしれない。

難しい仕事のようだが、でもWorkwellはすべてのボックス(□)にチェックが入っている。最初からモバイルアプリである。自らのSDKを利用してサードパーティサービスを統合している。必要十分にソーシャルである。

実は、前にこのチームのNever Eat Aloneというプロダクトを本誌で取り上げたことがある。それは、大企業の人がほかの部課の人をランチに誘える、というアプリだ。いろんな人を知る機会になり、コラボレーションを促進する。

Workwellもそれと同じ企業のプロダクトで、しかし構想が大きい。Never Eat Aloneもまだ売っているが、でもオフィス生活を楽にするサービスはほかにもいろいろある。

たとえば、レストランの予約をする、ライドシェアのシェア相手を見つける、オフィスのフロアマップを見る、会議室を予約する、エアコンを操作する、などなど。それに、ランチ配達サービスもこのイントラネットから呼べる。

同社はすでにUnibail-Rodamco〔ヨーロッパ最大の“森ビル”的企業〕と契約しているから、その持ちビルに会社のある人ならWorkwellを利用できる。

ほかに、SephoraやAmerican Expressなどがフランスの事業所でWorkwellを使おうとしている。昨年Workwellは(USドル換算)1670万ドルの評価額で150万ドルを調達した。モバイル中心で企業のセントラルハブを作る仕事は、今後伸びるだろう。

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Cisco大変身、ハードウェア屋からクラウドベースのサブスクリプションモデルへ、今度はSD-WANのViptelaを買収

Ciscoはこのところかなり貪欲で、2015年以来19社を買収している。今日同社は、クラウドベースのSD-WANベンダーViptelaを6億1000万ドルで買収した。

Viptelaは2012年に創業され、これまでに1億800万ドルを調達している。いちばん最近では、昨年5月の7500万ドルだ。6億1000万ドルの売値は、投資家にとっておいしいリターンだろう。

カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、VCからの資金に支えられてSD-WANのソリューションを作っている。SD-WANはsoftware-defined wide area network(ソフトウェア定義広域ネットワーク)、の意味だ。そのソフトウェアベースのネットワークにより、企業は地理的に離れた複数の事業所を互いに接続できる。

Viptelaはその工程を単純化し、これまでとても複雑だったデプロイと管理を容易にする。Cisco Enterprise Networking GroupのPM担当SVP Scott Harrellが、声明文の中でこう述べている: “Viptelaの技術はクラウド-ファーストで、単純で容易なデプロイとともに、豊富で多様な能力とスケールを提供する。今日の顧客は、まさにこの両者を求めている”。

これは確かに、Ciscoにとっては理にかなった買い物だ。ここ数年同社は、猛烈な勢いでクラウド企業を買い漁っている。思い出せば同社は、今年の初めには37億ドルという大金でAppDynamicsを買収したが、それは純粋なクラウド企業ではなかった。しかし昨年14億ドル買ったJasper Technologiesは、クラウドベースのIoTプラットホームだ。

従来型のネットワーキングビジネスの大手老舗である同社は、現代的なソフトウェア定義ソリューションをクラウドに求め、市場の変化に自分を合わせようとしている。近年のCiscoは、“作るか買うか”を比較した場合圧倒的に買う方に傾いているが、それも悪くはない。なにしろ同社の手元には700億ドルあまりのキャッシュがある。6億1000万ドルは、ポケットの小銭のようなものだ。

また最近の買収には、ハードウェアベンダーからサービス指向へ、という舵取りの変化も見られる。Ciscoと言えば伝統的にネットワークハードウェアの企業だが、今徐々に、企業顧客から毎年サービスの料金収入が得られるサブスクリプションモデル〔≒会費収入型ビジネスモデル〕へ、軸足を移しつつある。

Ciscoはオンプレミスとクラウド両方のSD-WANプロダクトを提供するが、Ciscoの対企業事業開発担当VP Rob Salvagnoはブログの記事で、この買収は同社に、これまで内製で提供してきたものに代わる現代的なビジネスをもたらし、サブスクリプションの売上という魅力的な収益源を与える、と述べている。“CiscoとViptelaが力を合わせることにより、あらゆるサイズとスケールの顧客ニーズに対応するSD-WANのベストソリューションを作り出せる。しかもまた、ソフトウェアベースのビジネスモデルという繰り返し性*のあるビジネスモデルへの、Ciscoの遷移を促進する”、とSalvagnoは書いている。〔*: recurring, 再現性がある、ハードウェアのように売ったら終わりではない〕

同社の2月の決算報告では、売上は116億ドルだが、今では上記の‘遷移’すなわちサブスクリプションの売上がその1/4近くを占める。そのときの報告でCEOのChuck Robbinsは、“ソフトウェアとサブスクリプションによる繰り返し性のある売上は51%増加し、40億ドルに達した”、と述べている。

このところ縮小傾向にあるハードウェアの売上を、新たなサービスの買収で埋め合わせようとする同社の動きは、今も続いている。Viptelaの買収も、その一環だ。クラウドベースのサブスクリプションビジネスへの遷移の努力は、今後もしばらくは続くだろう。

この買収の完了は今年の後半になると思われるが、その後ViptelaのチームはCiscoのNetworking and Security Business部門の一部であるEnterprise Routingのチームに加わる。

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いまさら聞けない「ゼロレーティング」入門

あなたがビデオを見たり、写真を投稿したり、あるいはメッセージを送るたびに、そのアイテムを構成するバイトはインターネットプロバイダによって分析され集計されている。そしてそのデータ量が一定量まで積み上がったら、通信制限に達したということだ。全く迷惑な話だ、そうだろう?

しかし、もしそうしたデータヘビーなアプリやサービスの中に、制限に向けてカウントされないものがあるとしたらどうだろう?それが「ゼロレーティング」(zero rating)と呼ばれるものだ。理屈の上では良いものに聞こえるものの、実際には問題を含んでいる。さて、どのようにそれは動作し、誰がそれを行い、そして何故皆がそれを大したことだと考えるのだろうか?

多くの人が最初にゼロレーティングという言葉を聞いたのは比較的最近のことだ。例えば特定のビデオ並びに音楽ストリーミングをデータカウントから除外するT-Mobileの”Binge On”(やりたい放題)プログラムなどのようなサービスを耳にしたことがあるだろう。こうすれば、例えば通勤に使うバスの中で毎日Netflixを視たとしても、通信制限に引っかかる心配はなくなる。

技術的には、ゼロレーティングはとても単純なプロセスだ。インターネット上であちこちに移動する全てのデータパケット(有線でも無線でも)には、発信元と送信先のラベルがついている。これによってルーターやスイッチは誰にパケットを送るかを知ることができ、またそれが届かなかったときに誰に通知すべきかを判断できる。

全てのインターネットプロバイダは、パケットがインターネットのある場所へ送られたり、反対にある場所から送られてきたりした際に、それらを記録する必要がある。例えばYouTubeのようなIPアドレスが特定されたサービスなどが対象だ。それらのパケットは他のものと同様に取り扱われ、同じように送信される。ただ単に送信が完了した際に、公式台帳に利用データ量として記録されない。それらのパケットはプロバイダの「おごり」というわけだ。

案の定、Binge Onとそのゼロレーティングの仲間は大人気を博した、全ての加入者がオプトインを行い、誰もがBinge Onや他のキャリアやプロバイダーの提供する同等のサービスを使うことで、超過料金を避けるようになったことは言うまでもない。

しかし、あまりにも話がうますぎると思えるときは、普通はやはり裏があるものだ。少し立ち止まって考えてみれば、問題が徐々に見えてくるだろう。

パケット問題

例えば、もしプロバイダーが自身の競争力を高めようと自分自身のサービスに対してゼロレーティングを適用したらどうなるだろうか?それこそが、かつてComcast(米国のCATV)が「Stream TV」オンデマンドビデオサービスで行ったものだ。そのサービスを使って視た番組は、IPSの通信制限に向けての加算は行われないが、NetflixやYouTubeのような競争相手は加算された。(これに対する同社の弁明は、他のサービスはケーブルサービスが付加されたインターネット(cable-powered internet)だが、同社のサービスはインターネットサービスが付加されたケーブルサービス(internet-powered cable)だというものだった。その主張の正当性に関する判断は読者にお任せする)。

あるいは、そのプロバイダーがある特定のサービス、例えば音楽ストリーミングサイトに対して、ゼロレーティングクラブに入りたかったら、それなりの前払金を払えと要求するかもしれない。Spotifyのような大企業ならば現金を支払う余裕があるかもしれないが、市場に参入しようと考えている新興サービスにはそのような余裕はないだろう。消費者たちは、たとえそちらのほうが優れていたとしても、データ許容量の大部分を食ってしまうようなサービスを選択することは、ほとんどないだろう。

あるいは、企業がシステムの動作に関して完全に正直ではない可能性もあるだろう。T-Mobileはこの点に関して有罪だ。同社はある特定のサイトに対しては無制限ストリーミングの代償としてビデオ品質を480pへと下げると言っていた。しかし実際に明らかになったのは、そのサイトがBinge Onパートナーかそうでないかに関わらず、同社がネットワーク上のすべてのビデオの品質を低下させていたことが判明したのだ。誰かが調べる価値のあることだと思わないか?

そして勿論、ゼロレーティングサービスが比較的無害なままのものだとしても、消費者が慣れた頃に課金を始めるというやりかたを簡単にできる。それは昔から行われていた、撒き餌戦略「最初の1つは無料」そのものだ。そしてISPたちは、移行の費用や制限に関して分かりにくく表現することで悪名高い。

これらが、ゼロレーティングの悪意あるあるいは不注意な利用が、競争を阻害することもあることを示す例だ。しかしより微妙な問題も存在している。

FacebookがインドでFree Basicプログラムを提案したとき、同社はおそらく最高の善意を持っていただろう。Free Basicsは沢山のインターネットリソースに対してゼロレーティングのアクセスを行わせるサービスで、そこにはWIkipedia、ローカルニュースと天気予報、求人情報、そして…ご想像通りだと思うがFacebookも含まれる。同社がこれを、人びとを同社が大切なものと考えるオンラインツールにつなげるための手段だと考えていた一方で、米国の超大企業が、低所得のモバイル加入者たちにアクセスできるものを制限しに来たと考えた人たちも居た、そしてその過程でユビキタスソーシャルネットワークに彼らを取り込もうとしているのだと。

ということで、基本的なゼロレーティングそのものは、それほど有害なものではないかもしれないが、ある特定のビットとバイトを他のものとは異なるやり方で扱うという意味で、それはネットの中立性の原則に反する行動の一部だ。全てのメソッド、ビジネスモデル、そして動機を精査することで皆の時間を無駄にするよりも、このようなことをまず行わないことがよりシンプルで効果的だ。

とても非論理的

そして何よりも、このゼロレーティングモデルが、消費者が気が付くことはあるまいと思っている、ややカモフラージュされた論理的誤謬に基づいていることは指摘しておく価値があるだろう。考えてみて欲しい:

  • ビデオストリーミングのような高トラフィックのアクティビティが無料で通信制限にカウントされないように提供できるなら、ネットワークはそれ以上の帯域幅を持っていなければならない。
  • もしネットワークがそれらを扱うのに十分な帯域幅を持っているのなら、通信制限は必要ない。
  • もし通信制限の必要がないなら、ゼロレーティングにも何の意味もない!

ゼロレーティングの概念全体が、そもそも通信制限が必要だったという考えに矛盾するということが明らかになった。帯域幅は無限ではないが、キャリアは相当の量に対して課金しなくても大丈夫なほど余裕があることも明らかだ。ゼロレーティングサービスを使って、通常の通信制限にかかる10倍のデータをストリーミングしても、キャリアは特に文句は言わない。しかし、メッセージングサービスやゲームのダウンロードで、1キロバイトでもオーバーしたら課金されてしまう。

この事が意味していることは、通信制限量も、そしてそれを追跡するやりかたも、まったく恣意的なものであるということだ。どれくらいの帯域幅が実際にあるのか、そして実際にあなたがどれくらいの量を使っているのかには無関係なのだ。だとすると、なぜキャリアはそうした通信制限を設定しているのだろうか。やりかたが詐欺的かどうかはさておくとして、お金を稼ぐためだ。結局、それがキャリアがゼロレーティングを提供する理由でもある。それはぶら下げられたニンジンで、それを吊るしている棒が通信制限だ。

今のところ、ゼロレーティングは、ほとんどの場合、あなたがオプトインしたりオプトアウトしたりすることを選べるプログラムに限定されている。しかし、これらのプログラムの合法性の決定に責任を担うFCCは、最近既存のそして将来のゼロレーティングスキームの内容にこの先干渉しないという立場を明らかにした。少なくともそれが極端に悪いものでない限りは。そうした干渉が行われるまでは、ゼロレーティングはより一般的なものになるだろう。それがより良いものにはならないとしても。

(訳注:日本ではLINEモバイルが、LINE、Twitter、Facebookにかかる通信料を無料にするというサービスを打ち出したことでゼロレーティングは有名になった。なおLINEの場合はそのサービスを「カウントフリー」という名称で呼んでいる)

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(翻訳:Sako)

インターネットを使わないローカルな通信ネットワークを作るgoTennaがシリーズBで$7.5Mを調達

インターネットを使わない通信を指向して2012年に創業されたgoTennaは、今や社員が23名にもなり、専用ハードウェアを発売するまでに成長した。今日同社は、Union Square Ventures率いるシリーズBのラウンドで、新たに750万ドルの資金を調達した。

goTennaのアプリ等を使うとスマートフォンがウォーキートーキー(トランシーバー)になり、同じくgoTennaを使っている近くのスマートフォンと通信できる。ニューヨークのブルックリン出身の同社は、消費者と企業団体の両方をターゲットにしているが、より将来性があるのは後者の方だ。自分たちだけの独自の通信ネットワークは、週末のピクニックなどには便利だが、行政機関などの災害対応チームにとっては、人の命にかかわるほど重要だ。

goTenna team at REI

goTennaのチーム(アウトドア用品ストアREIの店頭で)

今日(米国時間4/13)のラウンドも含めて合計わずか1680万ドルの調達資金で、同社はこれまで3つの製品を作った。goTennaとgoTenna Mesh、そしてgoTenna Proだ。そのうちgoTennaはアメリカの消費者が対象、Meshは国内と海外のユーザー、そしてProは行政や企業が対象だ。goTenna Meshはこの春発売予定で、Proは秋以降になる。

goTennaは基本的にはハードウェア企業だが、これまでずっと、収益源の多様化に努めてきた。昨年の秋には、goTenna Plusというサービス製品を立ち上げた。このサービスは、オフラインの地図検索や、受信確認、位置追跡などの機能がある。

また、国際化にも熱心だ。CEOのDaniela Perdomoによると、国際展開によって、応答性の優れたサプライチェーンを構築できる、という。

“これまではずっとR&Dモードでやってきたけど”、とPerdomoは語る。“それでも数百万ドル相当の製品を無理せずに売れたから、今後もR&D企業のままでいたい”。

資金調達があまり好きではないPerdomoは、それに臨む姿勢もかなり保守的だ。つまり、向こう1年半から2年のあいだに必要と思われる金額の50%増し、という額の調達をねらうのだ。その後は、外部資金に依存しなくてもやっていける、と彼女はきっぱりと言った。

今日のシリーズBには、goTennaの既存の投資家たちも参加した。それらは、Walden Venture Capital, MentorTech Ventures, Bloomberg Beta, BBG Ventures, そしてCollaborative Fundだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Open GardenがオフラインチャットFireChatの基盤技術であるメッシュネットワーキングをSDKで公開

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オフライン(インターネットや携帯電話不要)のメッセージングソフトFireChatを作っているOpen Gardenが、FireChatを支えているメッシュネットワーキング技術をすべてのデベロッパーのために公開する。今日バルセロナのMobile World Congressで同社が発表したMeshKit SDKによりデベロッパーは、自分のアプリにピアツーピアの通信機能を容易に実装できる。すぐに思いつくユースケースはチャットだが、音声やビデオにも使えるし、スポーツの実況なども可能だ。

数か月前に同社のWebサイトで秘かに発表されたこのSDKは、当面Androidのみだが、iOSバージョンのローンチも遠くない、という。SDKを利用したい人は、同社に登録する。

MeshKitは、人びとがメッシュネットワーキングに期待する標準的な通信機能をすべて備えている。たとえばひとつの接続ノードから全員がインターネットにアクセスできる機能や、完全なオフライン機能などだ。なお、すべてのメッセージがエンドツーエンドで暗号化されている。

このSDKに関して同社とパートナーしているブラジルの音楽アプリStudio Solは、このメッシュネットワーキングを使ってユーザーが友だちと音楽を共有できる機能を提供している(インターネットの接続がなくても)。同社は、アプリの配布にもこのSDKを使うことを考えている。OpenGardenの試算では、インターネットのWiFi接続や4Gの携帯接続を使う場合の最大15倍高速な、アプリのダウンロードが可能だ。

このSDKに利用は有料だが、まだ料金は発表されていない。“まだ料金は決めてないが、デベロッパーからの相談には応じる”、ということだ。

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今さら人に聞けないVPN入門…VPNの神話をはぎ取る

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あなたは今、映画を見ている。スポーツカーに乗った悪者が、高速道路を走って逃げようとしている。ヘリがそれを、上空から追っている。やがて車は、出口が複数あるトンネルに入り、ヘリは車の行方を追えなくなる。

VPNの仕組みは、この映画のトンネルに似ている。そのトンネルは複数の道をひとつの入り口へつないでいるが、トンネルの中で何がどうなっているのかは、ヘリには分からない。

読者のみなさんはこれまで、いろんな人からVPNを勧められたことがあるだろう。アクセスに地理的制限のあるコンテンツを見られるようになる、中国の万里のファイヤウォールを出し抜ける、インターネットを安全に閲覧できる、といった話を聞いたはずだ。でもVPNは、仕組みをよく理解せずに利用すると、それを使わない場合と同じぐらい危険なこともある。

そもそも、VPNって何だ?

自分の家に複数のコンピューターやスマートフォンやタブレットのある人は、ローカルエリアネットワーク(local area network, LAN)を使っているだろう。これらのすべてのデバイスが、自宅内の同じWi-Fiネットワークにつながって、お互いが直接、インターネットを介さずに写真やムービーを送信/受信できる〔そのためのソフト/アプリがあれば〕。ローカルエリアネットワークは、本質的にプライベートだ。サーバーソフトなどを動かしていないかぎり、外部からはアクセスできない。

しかしVPNは、その名(virtual private network)のとおり、仮想的にプライベートなネットワークだ。‘仮想’とは、デバイス自身の能力ではなく、ソフトウェアの力で実現している、という意味。しかもその仮想プライベートネットワークは、遠くにいるあなたでも、一時的にそのメンバーになれる。たとえばあなたの会社は、遠くにいる社員のためにVPNを動かしているかもしれない。遠くの社員はIDやパスワードでそのネットワークのメンバーになり、あたかも会社のLANにアクセスしているみたいに、会社のプライベートなネットワークを利用できる。その遠くの社員は仮想的に会社内にいて、会社のWi-Fiネットワークを利用するのだ。

VPNの使い方は、とても簡単だ。会社やデベロッパーなどは、自分のところでVPNサーバーを動かす。そのサーバーに正しいIDとパスワードでアクセスしたユーザーは、VPNのクライアント(一般ユーザー)になる。そのVPNには、あなたのコンピューター以外のコンピューターや、モバイルデバイス、ときにはルーターなどもアクセス/接続しているだろう。Windowsや、Android、iOS、macOSなどが動いているコンピューターは、いずれもVPNのクライアントになれる。

あなたのコンピューターがどこかのVPNに接続する場合、コンピューターとVPNサーバーが接続して、データは暗号化されて両者間を行き来するから、VPNは情報のトンネルのようなものになり、上の例でヘリに相当する、第三者からは見えないようになる。

なぜVPNを使うべきか?

VPNは、仕事のために使い始める人が多いだろう。とくにそれは、在宅勤務をしている場合だ。VPNは、会社にとっていくつかのメリットがある。社員はプライベートなネットワークにアクセスするから、彼/彼女をインターネットに接続されていない会社のサーバーにもアクセスさせられる。クラウドから提供されるOffice 365のサーバーやG Suiteなどがない時代には、多くの企業が自前でメールサーバーやカレンダーサーバーなどを動かしていた。それらが提供するサービス(メールやカレンダー)は、社員がまず会社のVPNに接続してからでないとアクセスできない。それは、機密情報を保護する優れた方法だ。

しかし、欠点もいくつかある。ユーザーがVPN接続を使うと、インターネットのトラフィックを含むすべてのネットワークトラフィックがVPNを通る。会社のITサービスは厳しい閲覧ルールを敷いて、社員ユーザーがTwitterなどを利用できないようにする。あるいは閲覧履歴を見て、あなたをクビにするための、都合の良い理由を見つけるかもしれない。

しかし、オフィス環境はVPNの唯一のユースケースではない。あなたがアメリカの外に住んでいてHBO NowやNetflixのアメリカの映画ライブラリ、あるいはHuluなどのストリーミングサービスにアクセスしたい場合、VPNがそれを可能にしてくれる。

それは、VPNサービスを提供している企業の多くが、世界中のいろんなサーバー〔例: アメリカのHulu〕へのアクセスを提供しているから、ユーザーは今自分がいる国を詐称することができるのだ。前述のように、VPN接続ではすべてのネットワークトラフィックがトンネルを通るから、HBOなどのサーバーは、自分の地理的ルールどおりにアメリカのユーザーに向けて映画をストリーミングしているつもりでいても、VPNのトンネルを出たストリーミング映画のデータは、今あなたがいる地球の裏側の国へ実際には行ってしまうのだ。

そのトンネルの幅が小さいと、映画のストリーミングデータが正しいタイミングで通れないこともある。そのためにNetflixなどは、VPNサービスからと分かるIPアドレスを、アメリカのアドレスであっても拒否する場合がある。せっかくVPNサービスを使ったのに、映画が見れなくなってしまう。

また、中国など、一部のインターネットサービスをブロックしている国へ旅した人は、VPN接続を利用してGmailやFacebook、Twitterなどに接続したことがあるだろう。つまり、それらのWebサイトにアクセスするためには、中国の外にあるVPNサービスに接続する必要がある。しかし中国政府は多く利用されるVPNサービスのIPアドレスを禁じようとしているから、この方法は今後、より困難になるだろう。

VPNを使ったインターネットアクセスは安全か?

コーヒーショップやホテルなどが提供しているWi-Fi接続サービスは、セキュリティにあまり気を使っていないものが多い。だから家庭のネットワークのように、そのローカルネットワークのほかのユーザーのコンピューターが見えてしまうことがある。そうなれば、ハッカーがあなたのインターネットトラフィックを盗み見するのも、簡単である。

これは数年前には深刻な問題だった。多くのWebサイトが、ログインページへのアクセスに安全な接続を使っていなかったから、ハッカーはあなたの銀行口座のIDやパスワードを取得して、お金をすべて盗むことができた。

そんなルーズなWi-Fiネットワークは、使わないのがいちばんよいけど、どうしてもホテルの部屋でメールをチェックしたい、なんて場合には、信頼できるVPNサーバーを利用すればよい。トンネルの中で起きていることは、誰にも見えないのだから。

しかし今では、状況が大きく変わった。今やインターネットサービスの大多数がHTTPSに切り替え、VPNがなくても、エンドツーエンドの暗号化によって、プライベートな情報を他人に読まれることはない。

これによって今では、VPNに関する間違った認識が世の中に跋扈している。正しくは、VPNによってあなたがインターネット上でより安全になることはない。安全性は、VPNサーバー次第だ。

自分の今の在住国を変えたり、検閲を逃れたり、コーヒーショップにおける接続を保護するためにVPNを使えば、片方のエンドにあるVPNサーバーにはあなたのネットワークトラフィックのすべてが見える。あなたはリスクを、VPNのトンネルに移しただけだから、よほど注意しないかぎり、とても危険である。

Apple App StoreやGoogle PlayにあるVPNアプリは、ある理由から、すべて無料だ。それらはあなたの閲覧習慣を分析してアドバタイザーズに売り、安全でないページには自分の広告を挿入し、あるいはあなたのアイデンティティを盗む。あなたは、どんなことがあっても、無料のVPNだけは避けるべきだ。

有料のアプリやサービスは、月額5〜20ドルでインターネットのプライバシーを守る、と約束している。でも、彼らのプライバシーポリシーやサービス規約を、まず見るべきだ。ぼくが見たかぎりでは、多くのVPNがあなたのインターネットトラフィックをログし、その情報を警察などとシェアしている。小さな字で書かれている注記を、よーく読もう。

プライバシーポリシーが善良に見える場合でも、実際に何をやらかすかを検分する方法がユーザーにないから、彼らを盲目的に信ずるしかない。多くの場合、ランダムに選んだVPNサーバーに接続するよりは、MACアドレスのホワイトリストの方が安全だ。見知らぬ相手が、あなたの家には侵入しないと約束しているから、そいつに家の鍵を渡してしまう人はいない。

暗号に関しては、一部には、安全でないプロトコルもある。たとえば事前共有鍵を使うL2TPによる認証は、解読されることがあり、見破られないトンネルという概念を裏切る。サーバー証明を伴うOpenVPNを動かしている安全なサーバーの方が、ずっと堅牢だ。

かなりややこしい話になってしまったが、でも結論は単純だ: VPNは大いに有能であり、今でもそれが役に立つニーズはある。でも、信用できない人やサービスを相手にビジネスをしてはならない。

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5G通信で変容する世界に備えよ

Networks and computer data around head of businessman

【編集部注】著者のTom Goodwin氏はZenith Mediaの技術革新担当上級副社長である。

私たちは、新しい、よりシンプルな世界の入り口にいるのかもしれない。

現代の「複雑さのピーク」から、その新しい時代は社会の変化の1歩を踏み出すのだ。それは発展途上世界に競争力を与えながら、成長のためのプラットフォームを構築する。

先月Huaweiが開催したモバイルブロードバンドイベントに参加して、私は5Gの未来がどのようなものかを垣間見た。超高速、常時接続、生活はよりシンプルになる。自動化されたインテリジェンスとセンサーを備えた環境に囲まれた、データとコラボレーションに基づく世界は、ビジネスを創造し、教育し、生活をより効率的にするためのキャンバスになる。

技術の進化は、多くの場合、真の基準ではなく想像できる基準に基づいている。

私たちはしばしば、技術が可能にする行動や事業、そして技術が変える期待よりも、技術そのものに焦点を当てている。あまりにもしばしば、新しい考え方や技術が真のパラダイムの飛躍を生み出す前に、私たちは1つのソリューションに押し込まれてしまっている。それが例えば、音楽の真の「ゲームチェンジャー」である購読ベースのストリーミングが出現する以前に、レコード、カセット、CD、MP3が登場し、その当時は妥当な手段に見えた理由なのだ。

インターネットはダイヤルアップの時代には十分過ぎるように思えた。私たちは可能ではなかったものではなく、可能だったものに驚いていた。期待されていなかったので、画像や動画がすぐに読み込まれなくても焦れることもなかった。ブロードバンドインターネットがそれを変えた。私たちがオンラインに行くのではなく、私たちオンラインだったのだ。

次の変化が訪れようとしている。それが5Gだ。

5グラム

3Gは私たちが、あらゆるもの、あらゆる場所に、迅速にアクセスできることを意味していた。自撮り、音声放送、マイクロブロギングはすべて、迅速かつ一定なデータ転送によって可能になった。2005年の時点で、世界中の特に好きでもない人がランチに何を食べたかを知らずにどのように眠りについていたかは想像が難しい。Uber、WhatsApp、Instagram、およびSeamlessなどのビジネスを可能にしたのは、この、特にGPS対応携帯電話からの、データ転送環境だった。

4Gはウェブの基本単位をビデオにした。それがSnapchat Stories、Periscope、Facebook Liveをもたらした。動画を作る力が皆の手に宿った。

クラウドファンディングや公開無料のビデオプラットフォームが、皆にグローバルなチャンスを与えた。これにより、360度のビデオと基本的なバーチャルリアリティがもたらされ、触感と没入感を感じるコンテンツへの進出がもたらされた。

4Gのより深い影響は、それが忍耐力と放置感覚を葬ったということだ。デートはTinderによる淡々としたスワイプの行為になった;ホテルの予約はHotel Tonightで希望を入れるだけでになった;そして親指で押すだけで、衣服を購入したり銀行口座にアクセスしたりできる。4Gは、シームレスで、即時で、そして摩擦のない取引を私たちに与えた。彼らは、個人的かつ豊かな感触を持つインターフェイスとインタラクションを通じて提供される。

しかし、人類はその帯域幅と同じ速度では進んでいない。まもなく、私たちは携帯電話に4Kのコンテンツを期待し、それを大きなテレビ画面に「スワイプ」(横滑りさせて映し出すこと)できることを期待するようになるだろう。この環境では、セットトップボックス、テレビチャンネル、またはデジタルビデオレコーダーはどのようなものになるのだろうか?

同様に、膨大なデータ処理システムは、インターネットが日常生活の基幹となることを意味する。濃密な個人情報はAIと組み合わせることで予測的なものとなる。IM、Google Now、Siri、Alexaを介してアクセスされるアプリのネットワークが私たちが必要とするものを予測し、私たちの欲しいものを知らせる。それはかつて私たちがそう呼んでいた「サーフ」する場所ではなく、広大で、包含的で、支援的なレイヤーなのだ。

5G記号

これに対応するために、端末メーカーは、他のサービスとパートナーシップを構築できるように、プラットフォームとデータをオープンする必要がある。私たちの携帯電話は、私たちが想像する以上に重要になってきているが、彼らはすぐに私たちの生活の中心をさらに占めるようになる。財布からセキュリティパス、ビザ、パスポートまで、私たちの携帯電話は、2000年代に約束されていたホームサーバーのような、デジタルライフサイクルの中心になる。

すべてのビジネスが、このことについて考える必要がある。Mコマース(モバイルコマース)は孤立したユースケースではなく、消費する際の主要な手段である。それは思考の転換を必要とする。私たちはメディアがどのように人びとの生活に関連しているのかに対する、私たち自身の理解をリセットしなければならない。私たちの周りにあるスクリーンは、意味を生み出すためのプラットフォームになる。5Gになれば、コネクテッドカーや真の仮想世界のような、今姿を現し始めている技術が誰にとっても当たり前のものになるだろう。

私たちは私たちに開かれている沢山の新しいチャンネルによって生み出された驚くべき機会を、どのように活用すべきかを検討する必要がある。これまで私たちはメディアチャネルを特定のデバイスに結びつけていた。しかし、これは全てがデジタル接続されクラウドに保存されている世界では意味を失い始めている。また、このことはブランドが、私たちの生活に変容をもたらす、もたらすはずである、ということも意味している。

それぞれの消費者のために、ブランドは異なる意味を届ける。ブランドは消費者に最も深く共鳴する意味を特定するために、消費者の願望と思考に深く入り込む必要がある。これらの洞察に基づくつながりは、より深い関与、信頼、そして欲求をもたらし、消費者との関係を強化するのに役立つだろう。

5Gの立ち上げ時には、デバイスを介して消費者とつながる方法や、交流方法を見つけることが、ブランド、起業家、イノベーターの主要な目的になる。 5G接続とIoTが本当に実現することは、サービス、パートナーシップ、およびビジネスを構築するためのプラットフォームを構築することである。

この旅は私たちを、モバイルがすべての世界から、新しいプラットフォームの相互接続されたウェブを介して意味のある関係を作り上げることが大切な世界へと連れていくことだろう。

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(翻訳:Sako)

Facebookがデータセンター内ネットワークを新型スイッチとともに40GBから100GBにアップグレード中

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Facebookは今、同社のデータセンター内の光ファイバーネットワークを40GBから100GBにアップグレードしようとしている。同社のトップ・オブ・ラック・スイッチ(ひとつのラック上のすべてのサーバーを接続するスイッチ)Wedge 100は今日(米国時間11/8)すでにOpen Compute Projectに受諾され、またすべてのラックをデータセンター内で接続する次世代100GスイッチプラットホームBackpackもベールを脱いだ。

FacebookのDirector of Software Engineering for NetworkingであるOmar Baldonadoによると、同社がこの、より高速なネットワーキング技術を必要とする理由はいくつかある。しかしその最大の要因は、ライブと録画双方のビデオのサポートを拡大することだ。さらに、360度の写真やビデオも含まれる。Facebook自身の内部的なデータセンタートラフィックも、ユーザー体験の改善のために、アナリティクスなどのデータへの需要がデベロッパー部門から増えており、それにも対応しなければならない。

しかし100Gは、今でもまだ、高速ネットワーキングの最先端技術だ。もちろん今それに取り組んでいるのはFacebookだけではない。たとえばLinkedInも最近、オレゴン州のデータセンターを将来100Gにする計画を発表した。Facebookが他と違うのは、サーバーの設計やネットワーキング技術、およびそれらを支えるソフトウェアを、業界全体のためにオープンにすることに、コミットしていることだ。

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Baldonadoによると、40Gから100Gへの移行で生ずる問題の一つが、新しいデバイスの“電力大喰らい”癖、そして冷却の困難さだ(彼は、“ゲーム用PCをオーバークロックでずっと使うようなもの”、と言った)。“それだけのハイスピードはどうしても必要だけど、そのためにはスイッチだけでなく、データセンター全体としての対応が必要になる”、と彼は語る。“だから業界のあらゆる部分…サーバーのベンダ、NICのメーカー、光りファイバーのメーカー、などなど…と協働しなくては、これだけのスケールアップは実現できない”。

Backpackの能力が前の“6-pack”スイッチの2.5倍だとしても、その電力消費量も2.5倍なのだ。

Facebookは、BackpackスイッチもOpen Compute Pojectに出す予定だ。それは今、社内テストの段階から徐々に、同社のデータセンターに実装されつつある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

いまさら聞けない「ダークウェブ」入門

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おそらくLinkedIn、Tumblr、そしてDropboxのパスワードが、その辺りを漂っているという話を聞いたことがあるだろう。あるいは、ドラッグや他の違法商品を販売していたサイトSilk Roadを運営していた罪で、逮捕された男の物語を読んだことがあるかもしれない。たぶん「ダークウェブ」という言葉が見出しに踊るのを見たか、その言葉が友人から発せられるのを聞いたことがあるのではないだろうか。しかし、一体全体「ダークウェブ」とは何だろう?どうすればそこに行けるのか?そして、何がそれを「ダーク」にしているのか?

ダークウェブは一般的に、ユーザーが匿名のままでいる事が許されて、アクセスには特別なソフトウェアが必要となるサイトで構成されている。Google検索をすることで、こうしたサイトに出会うことはない ‐ そうしたサイトは検索エンジンによってインデックスされていないのだ。匿名性はダークウェブの統一属性であり、想像できるあらゆる用途に利用されている。比較的穏健なもの(内部告発、暗号通貨)から、もっと極悪なもの(児童ポルノ、麻薬の販売)まで。

これは、ディープウェブと同じものなのか?

違う。ディープウェブとしてして知られているのは、オンラインでありながら検索エンジンによってインデックスされないもの全てである。例えばあなたのメールの受信トレイはディープウェブの一部である。なぜなら私がGoogle検索をしても決してあなたの受信トレイに到達することはないからだ。同じことは、有料の壁の内側にあるサイトなどにも適用される。「ディープウェブ」と「ダークウェブ」はSilk Road事件以来混同されることが多いが、この2つは同じものではない。

どのようにすれば見えるのか?

ダークウェブのどの部分にアクセスしようとしているかで、異なるサービスを使う必要がある。もっともよく耳にする可能性があるのはTorだ。TorブラウザはMozillaブラウザに変更を加えたもので、ここからダウンロードすることができる。そして通常のブラウザとは異なり、Torのブラウザを使用すれば、Torネットワークに接続してダークウェブサイトにアクセスすることができる。他にも、I2Pのような利用可能なサービスがある。

Torには詳しい説明があるが、ここで特徴を挙げておこう。Torネットワークは極めてクールな代物である ‐ あなたのデバイスを直接訪問先のウェブサイトに接続する代わりに、Torがあなたのトラフィックを複数のリレーサーバーを各ステップで暗号化を施しながら届けてくれる。Torとは「The Onion Router(タマネギルーター)」の略で、そのルーティングプロセスをタマネギの皮のように考えることができる。Torは、あなたを自宅から目的サイトに直接アクセスさせるのではなく、ランダムで折れ曲がったルーティングを提供し、あなたを追跡しにくくする。

ダークウェブを見ることでトラブルに巻き込まれる可能性は?

まあ、TechCrunchはあなたの担当弁護士ではないが、理論的にはYesだ。Torの上では匿名であるものの、ダークウェブ上で時々愚かなことをして逮捕される人はいる。あなたはもう大きな子供なのだから、テックブロクに助言を求めずとも何が適法で何が違法かの区別はつくだろう。

とは言うものの、ダークウェブ上にはあなたに決して害を為さないものも沢山存在している。Torは、強力な監視対抗および検閲対抗ツールであり、Facebookなどの企業は、活動家や人権擁護家達がより安全な方法で自分のサイトに接続できるようにするためのTorアドレスを持っている。

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(翻訳:Sako)

Qualcommがネットワークカメラの汎用機能性に本腰、多様な機能を満載した参考製品を発表

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今週香港で行われたQualcomm 4G/5G Summitでは、同社の将来像を示す二つの重要な発表が行われた。本社のある好天の日の多い南カルフォルニアから、ずっと遠い場所で例年のカンファレンスを行った同社は、もちろんいくつかの(1)新しいチップを発表したが、それらと並んで、同社が将来の主力製品とすることを目指す、(2)汎用のカメラ機能も発表された。

汎用、というのは、これまで同社はさまざまなスマートフォン用カメラを(同社によると数十億台も)サポートしてきたが、これからは、360度VR、IPセキュリティカメラ、車載カメラ、人体装着カメラ(bodycams)、アクション/スポーツカメラ(GoProに対抗)などなど、ネットワーキング機能を持つあらゆるタイプのカメラに対応する、という意味だ。

また、サポートを計画しているカメラの機能性も、ワイヤレス(4G, Wi-Fi and Bluetooth)、深層学習(ディープラーニング)、ビデオアナリティクス、4Kエンコーディング、各種セキュリティ機能と、きわめて多様だ。同社は、発表に先立つメッセージで、こう述べている: “まるっきり矛盾しているようだが、IoTネットワークでもっともセキュリティの弱いデバイスが、セキュリティカメラなのだ”。

これらの多様な機能性を、Snapdragon 625プロセッサーとLinuxオペレーティングシステムが支える。同社の参考設計/デザインであるSnapdragon 625 IPカメラ(上図)にも、これらの機能が実装されている。同社が、世界中のあらゆるカメラメーカーに採用して欲しいと願っている、この参考製品のハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、Thundercomm Technologyとのパートナーシップにより作られた。

この参考製品がOEM各社に提供されるのは、年内を予定している。そして実際の商用製品が登場するのは、“その直後だろう”、という。

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他のルーターと協働してホームネットワークを拡張するWi-FiルータをGoogleが129ドルで発売へ

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Android Policeの記事によるとGoogleは、同社のWi-FiルーターOnHubの姉妹機として、家庭用のWi-FiルーターGoogle WiFiを発売するらしい。お値段は129ドルで、10月4日に行われるイベントで披露される。その日はほかに、同社の自己ブランドのAndroidスマートフォンの新製品と、4K対応のChromecast、そしてAmazonのEchoに対抗するGoogle Homeの一般供用も発表される。

このWi-Fiルーターの最大の特長はたぶん、信号の弱い地域や家屋などでは、他のルーターとチームを組んでホームネットワークを容易に拡張できることだ。Droid-life説明によると、その機能はEero似ている。つまり複数のルーターが協働して、ユーザーの苦労を要さずに、ネットワークを拡大する。

今ではふつうのルーターでもネットワークの拡張はできるが、EeroやGoogle WiFiでは、ユーザーがセットアップ作業をする必要がない。Droid-lifeの記事によると、それはAC1200デュアルバンドネットワーキングをサポートし、Bluetoothにも接続する。

ブランド的にOnHubの一族になるのか、それはわからないが、記事によるとOnHub機との併用もでき、IFTTTの統合などOnHubと同じ機能を提供する。

10月4日のビッグイベントは午前9時にスタートするが、本誌TechCrunchはそこにこのWi-Fiルーターも含まれるのか、今確認中だ。いずれにしてもこのイベントを本誌が取り上げることは、間違いないけどね。

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AppFormixの総合クラウド監視最適化サービスが監視対象として仮想化ネットワークをサポート

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AppFormixは、Rackspaceなどのクラウドプラットホームを利用する企業の、OpenStackおよびコンテナベースのクラウド上のシステム監視し最適化する。その同社が今日、そのサービスにvirtualized network functions(VNF, 仮想化ネットワーク機能)*のサポートを加えた、と発表した。〔*: 日本では言葉として、NFV(Network Function Virtualization, ネットワーク機能の仮想化)の方がよく使われるようだ。〕

これまでのネットワーキングは、高度な専用ハードウェアを駆使するシステムだったが、しかし最近では徐々に、ありふれた日用品のようなコンピューターの上でソフトウェアを動かしてネットワークを実現するようになった。ハードウェアに要する費用は激落した。ただしネットワーキングという機能は、とくに通信業界などではレイテンシー(遅延)に敏感だ。しかもこの業界はVNFの主要ユーザーのひとつであり、またOpenStackのユーザー企業がとても多い。しかし、厳しくチューニングされた専用ハードウェアではなく、安価な日用品的コンピューターを使うと(そのままでは)、遅れやジターといった問題に悩まされがちだ。

AppFormixの協同ファウンダーでCEOのSumeet Singhによると、同社のサービスを利用するとジターを最大70%減らせる。彼は述べる: “VNFはまだ新しい技術だが、通信企業はこれによりネットワーキングをハードウェアからソフトウェアへ移行させようとしている。そして問題にぶつかる。弊社のサービスは一種のリアルタイムシステムで、これら仮想化ネットワークの状態…あらゆる性能要素…を常時監視し、分析し、その結果に基づいて最適化する”。

VNFの場合、最適化とは、ワークロードの構成やリソースの割り当てを変えることだ。AppFormix自身の調査によると、CPUの割り当てはジターにあまり影響しない。むしろ、問題の原因は多くの場合、キャッシュやメモリの使い方にある。たとえばAppformixのサービスがキャッシュの割り当てを適正化すると、ジターは減少する。

Singhが強調するのは、仮想化ネットワーキングの常時監視と最適化が重要なのは通信企業だけでなく、ユーザーを満足させる迅速なネットワーキングサービスをコンスタントに提供しなければならないeコマースなどでも重要、という点だ。

AppFormixの総合的なクラウド最適化サービスにVNFのサポートが加わったことにより、OpenStack(によるクラウド)とKubernetes(によるコンテナ管理)をベースとするクラウドシステムのユーザー企業はより安心して、ネットワーキングのソフトウェア化に取り組めるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))