家庭内のWiFiネットワーキングをストリーミングサービス向けに最適化するスマートルーティングシステムEero

最近、ワイヤレスのルータを買ったりインストールしたことある? ぼくはあるけど、あれは地獄だね。

まず、Amazon.comのようなサイトや地元のBest Buyなどへ行って、Wireless Gigabitのスピードやレンジを調べ、自分の家(うち)で最良の結果を得るためには、あの、蛸の足のようなアンテナがいくつ必要かを決める。

次は、そいつのインストールだ。アドミンのパスワードを設定して、外部からのハッキングを防ぐ、などなどの作業をする。全部終わっても、これでよいのかどうか、分からない。ぼくは廊下が長くて壁の厚いアパートに住んでるが、ぼくの今のWiFiのセットアップではカバーできてないところがある。

そこで新進のスタートアップEeroは、われわれ一般人のワイヤレスルータ観を変えようとする。同社は、Nestがサーモスタットに対してやることや、Sonosがホームオーディオに対してやることを、WiFiルータに対してすることによって、安上がりでスマートなワイヤレスネットワーキングシステムを作ってくれる。

Eeroはユーザのワイヤレスネットワーク上のデータトラフィックをインテリジェントにルートして、バッファリングを少なくし、家の中のデッドゾーンをなくす。製品はスタンドアロンのボックス(上図)または家の中にメッシュネットワークを作るための複数台のセットとして提供される。

ユーザのワイヤレスネットワーキングを変える、という作業をやる前にEeroのソフトウェアが、今ルータに接続しているデバイスや、そこにやってくるトラフィックのタイプなど、ネットワークの現状を調べる。ホームネットワーク上でほかに何が行われていても広帯域のアプリケーション…ビデオやゲームのストリーミングなど…をシームレスに楽しめるためには、このソフトウェアの仕事が重要だ。

Eeroはとても使いやすく作られているので、一般消費者がすぐにネットワークを作り、友だちと共有できる。EeroをケーブルTVやDSLのモデムにつなぐと、ユーザのスマートフォンとBluetoothで対話をして、5分でセットアップを終える。そしてそこにEeroのルータをつなげば、それでネットワークは完成する。

Eeroのルータは強力でスマートで使いやすいだけでなく、ビューティフルだ。カウチの下や本の中に隠さなくても、どこに置いてもサマになる。エイリアンのようなアンテナや、奇妙なフラッシュライトが、あなたを困らせたりしない。

同社を創業したCEOのNick Weaverは、前はMenlo VenturesとMcKinseyにいて、さらにその前はスタンフォード大学のスタートアップアクセラレータStartXのファウンダの一人だった。Eeroにはさらに、元TaggedのエンジニアAmos SchallichとParastructureのエンジニアNate Hardisonが加わった。

Eeroのルータをデザインした工業デザイナーFred Bouldの会社は、スマートサーモスタット/煙検出器Nestをはじめ、消費者電子製品をいろいろ手がけている。またEeroのアドバイザーのJon RubensteinはPalmの元CEOで、Apple在籍時にはiMacやiPodの開発に加わった。

同社は創業資金として、First Round Capitalが率いるラウンドにより500万ドルを調達した。そのほかの投資家は、スタンフォードのベンチャーファンドStartX、Menlo Ventures(Weaverがかつて在籍)、AME Cloud Ventures、Homebrew Ventures、Garry TanとAlexis OhanianのInitialized Capital、そしてTrae Vassalloだ。

予約販売価格は、単体のEeroデバイスが125ドル、三つのセットで299ドルだ。これらは最終小売価格では199ドルと499ドルになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sony若手チームが「物のメッシュネットワーク」でクラウドファンディング…”事前知名度”をねらう

昨年、シンプルなeペーパースマートウォッチをクラウドファンディングしたSonyが、またIndiegogoにプロジェクトを出している。どうもSonyにとってクラウドファンディングは、新しいアイデアの有効性を、宣伝しながらテストする試験紙なのかもしれない。

その最新のプロジェクトMeshは、すでに目標額の半分近い22000ドルを集めている。それはセンサを使うDIYのためのプラットホームで、複数のデバイス上のセンサはBluetoothで互いに通信し、またiPadのアプリとワイヤレスで対話する。それら物のネットワークの機能を、アプリのドラッグ&ドロップインタフェイスで構成する。その用途例は、Indiegogoのページの最初の方に書かれている。

MeshのセンサコンポーネントはTagと呼ばれ(上図)、LEDと動き検出センサとワイヤレスのボタンとデジ/アナ入出力用のGPIOなどが用意されている。システムはそこから、対象デバイス(照明器具、モーターなど)のセンサと対話することになる。

またソフトウェアのTagもあり、たとえば天気予報のサービスからアラートを送ったり、カメラやマイクなどタブレット上のハードウェアを使ったりする。

複数のMesh Tagが接続され、iPadアプリで構成される。アプリのインタフェイスがシンプルなので、複数のTagが接続されたプロジェクトを技術者でない人でも作れる。またMeshのSDKがあるので、デベロッパは独自のソフトウェアTagを作って、より高度なカスタムプロジェクトを作れる。

いわば複数の多機能なTag群をメッシュネットワークで接続して一つのプロジェクトを仕上げるのだが、具体的にはどんなプロジェクトだろうか? Sonyが例として挙げているのは、たとえば、ドアが急に開いたらその瞬間に、びっくり顔の自己像を撮る写真撮影システムとか、何かが持って行かれそうになったら通知をするシステムなどだ。あるいはゲーマーの動きをTagが感知して、それにふさわしい効果音を発する、とか。要するにいろんなTagを組み合わせた作った一つのメッシュネットワークが、特定の、ユーザやデベロッパが狙った機能を発揮するのだ。アイデアやニーズは、無限にありえる。

クラウドファンディングの目標額が得られれば、Meshのキットは5月にまず、合衆国と日本で発売される。Indiegogoの支援者なら、ベーシックなキットが105ドル、GPIO Tagはやや高くて、別途55ドルだ。

過去に類似製品として、ワイヤレスのセンサキットSAMや、デベロッパ向けにはrelayrのWunderBar、健康とフィットネス専門のBITalinoなどがあった。しかし何よりも興味深いのは、今回のように消費者電子製品の大企業が、クラウドファンディングに頼るスタートアップのような形で、社内の創造性を育てようとしていることだ。

MeshのチームはIndiegogoのページ上で、“Sonyの社内起業育成事業から生まれた熱心な技術者たちの小さなチーム”、と言っている。Bloombergの記事によると、Sonyは昨年から、既存の組織分けになじまないような新しいプロジェクトを見つけて、スピーディーにそれらを育てるための、新しい部署を作った。いわばSonyの社内の起業家的社員たちが、Sonyという名の社内VCにアイデアを売り込んで、必要な資金とともにゴーサインをもらう、という形だ。最初のアイデア売り込み大会は、昨年6月に行われたそうだ。

このMeshも、その最初のピッチ大会から生まれて、その後のプロトタイピング等により実現のめどが立ったので、今年の前半までに製品化できる、という確信を持ったのだろう。クラウドファンディングの目標額は5万ドルで、期限まであと53日ある。

でも、Sonyほどの有名大企業が、なぜクラウドファンディングを頼るのか。それは、このところ企業イメージがひたすらダウンしている旧タイプの古参企業が、スタートアップ全盛のこの時代に、そういう新しい世界の一員になって、AppleやSamsungに負けないフレッシュな企業イメージを確立したいからだ。言い換えるとクラウドファンディングを利用することによって、Sony自身からも体にたまった垢が落ち、自分自身も、若い熱心な技術者チームが引っ張る若い企業になれる。少なくともイメージ的には。

しかもクラウドファンディングには、資金が得られるだけでなく、コミュニティが形成されるメリットがある。そこでは彼らは、エリート企業のエリート社員ではなく、ふつうの若者として、コミュニティの一員になれるのだ。しかも、忌憚のないフィードバックが、無料で得られる。

“Meshをさらに良くしていくための、どんなアイデアでも歓迎します。あなたならどんなものを作るか、それを知りたいのです”、とチームはIndiegogのページのオーディエンスに語りかけている。

Sonyという老朽企業が、滝に打たれて若返るための、謙虚な修行の場。それが、彼らにとってのクラウドファンディングと、スタートアップ界隈のコミュニティだ。それは、世の中に対して教える企業から、世の中から教わる企業への、180度の変身だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


香港の民主化活動で実証されたメッシュネットワーキングの威力、メッセージングアプリFireChatが$10.8Mを調達

人気のメッセージングアプリFireChatを作っているOpen Gardenが、August Capital率いるシリーズAのラウンドで1080万ドルを調達した。そのほかの投資家はFirebolt Ventures、Future Perfect Ventures、Kima Ventures、Tseung Kwan Ventures、そしてSherpaloだ。これでOpen Gardenの資金調達総額は1280万ドルになった。

同社は最近FireChatを立ち上げたことによって、現実的な足がかりをつかんだ。この匿名メッセージングアプリは、そのほかの接続が使えない場合でも、メッシュネットワーキングによって近くのユーザ同士を接続する。OpenGardenが2012年のTechCrunch Disrupt NYでローンチしたときは、スマートフォンのユーザが互いに自分の接続性を共有しあうメッシュネットワーキングアプリの構築を目指していた。しかしその技術的にはすばらしい挑戦も、今年初めにFireChatを立ち上げるまでは、何の成果も実績もなかった。

今度の資金で同社は、FireChatの成長を促進し、今後の成長市場であるインド、ラテンアメリカ、アジアなどのモバイルアプリデベロッパとパートナーシップを築きたいと考えている。同社のネットワーキング技術はAPIをまだ公開していないが、デベロッパ市場に食い込むためにはそれをやらなければならない、と自覚している。いろんなアプリに使われるようになれば、メディアの露出が増え、知名度も上がるだろう。

OpenGardenのCEOで協同ファウンダのMicha Benolielは、今日の声明文の中で次のように述べている: “それはすでに、神様が壁に書いておられる。ピアツーピアネットワーキングはモバイルインターネットの未来だ。FireChatの人気は、近々に差し迫っている大規模なディスラプションの予兆だ。世界中の人びととコミュニティが、自分のスマートフォンと無料のアプリさえあれば‘自分だけのインターネット’を作れることを知っている。それは、既存のインフラストラクチャや既成勢力に依存しない”。

同社は今日(米国時間12/18)、FireChatのアップデートも発表し、写真共有やほかのユーザをフォローする機能が加わった、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dockerコンテナの集合をSDNでネットワーキングするWeaveworksが$5Mを調達

今、Docker関連の企業のエコシステムが急速に成長しているが、ここでご紹介するWeaveworks(元Zettio)も、その一員だ。ファウンダのAlexis RichardsonとMatthias Radestockは、メッセージブローカーRabbitMQを作った人たちだが、Weaveworksはアプリケーションをコンテナ化したいと考えているデベロッパを支援するサービスだ。

同社は今日(米国時間12/3)、Accel Partners率いるシリーズAのラウンドにより、500万ドルを調達したことを発表した。Accel PartnersのKevin ComolliがWeaveworksの取締役会に加わる。同社によるとその資金は、製品開発チームの増員と、ロンドンのチームを補完する合衆国の組織の拡充に充てられる。

現在のWeaveworksのサービスの主軸は、Dockerのコンテナを複数のホストにまたがってネットワーキングさせるSDN(software-defined network)の構築だ。それは基本的に、仮想イーサネットスイッチによって、ネットワーク上のさまざまなコンテナを接続する。このサービスは、Dockerエコシステム内のそのほかの主力選手たち、たとえばCoreOSやKubernetesなどとも良好に統合する。

Weaveworksは今年の9月にローンチしたばかりだが、すでにGitHub上のDocker関連プロジェクトの中で上位につけている。

同社が最近プレビューをローンチしたweaveDNSは、Weaveworksのネットワークのための分散DNSサービスで、IPアドレスの代わりに名前を使って、ネットワーク上のサービスをより見つけやすくする。

WeaveworksのCEO Alexis Richardsonは、次のように語る: “アーリーアダプター(early adopter, 初期採用者)たちはすでに、コンテナ化による費用節減効果がそれまでの10倍に増幅された、と報告している。Weaveworksは、今後使いやすさに注力することによって、そのようなメリットをもっと多くのユーザ企業にお届けしたい。うちのツールやサービスの構成は、UNIXやインターネットですでに実証されている、モジュール化設計(modular design)とそれらのAPI集に従っているから、顧客は新しいスキルを勉強したり、未実証の運用ツールを使ったり、それにまた、アプリケーションを根本からリライトする必要がない”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


気球からネット接続を提供するGoogleのLoonプロジェクト、オーストラリアの実験でさらに前進

GoogleのProject Loonは世界のインフラ未整備地域の成層圏上層に気球を飛ばしてインターネット接続を提供しようという試みだ。このプロジェクトが実用化に向けてまた一歩進んだ。数日前、われわれはGoogleがオーストラリア最大のテレコム企業、Telstraと協力して気球の打ち上げ実験を行う予定だと聞いた。今日(米国時間11/20)、Googleはもう少し詳しい情報を発表した。

たとえば、気球の滞空時間は昨年の実験開始当初より10倍も伸びている。多くの気球が100日間飛び続け、130日間飛び続けたものもあるという。気球の飛行距離は延300万キロにもなる(もっとも数日前に南アフリカに墜落した気球はそんなに長く飛べなかったようだが)。.

またGoogleは、気球のコントロールでも進歩があったとしている。Loonチームは今日 Google+ に、 「何千もの飛行パターンのシミュレーションを続けた結果、われわれは気球を相当の精度で目標に近づけることができるようになった。たとえば、あるフライトでは9000キロを飛行した後で目標の1.5キロ以内に着陸させることができた。気球は成層圏の風向、風速を予測、利用することによってのみ制御された」と書いている。

Googleはまた気球をふくらませるための新しい装置を開発した。これによって1基わずか5分で必要なガスが注入できるようになった。Googleは「現在、毎日20個の気球を打ち上げる能力がある」としている。

今年始めに、Google Xのチーフ、アストロ・テラーはわれわれのインタビューに答えて、「Googleはこのプロジェクトの実用化にあたってはテレコム企業と提携していく」と語った.。 つまりGoogleはインターネット接続を提供する際に、自ら周波数帯域を購入することはせず、既存のプロバイダーと提携し、それらが得ている許可を利用して気球からの送信を実施するという仕組みのようだ。当初はまさしくクレージーなアイディアに思えたが、Googleが真剣に取り組んでいるのは疑いない。しかも着実に前進を続けているようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


物のインターネットにメッシュネットワークを構成させるOpen Garden…インターネットがなくても互いに通信して情報を伝達

Open Gardenは2年あまり前のTechCrunch Disrupt NYでローンチした。当時の同社は、Androidスマートフォンによるメッシュネットワークの構築がメインだったが、その後、オフラインチャットのFireChatで成功した。そして今同社は、物のインターネット(IoT)への進出をねらっている。

Open GardenのMobile Network for IoTデバイスは、同社がそのモバイルアプリのために開発したものと同じメッシュネットワーキング技術を使って、互いに対話をする。また対話だけでなく、そのシステムは単一のアクセスポイントにより情報をインターネットに渡せる(上図)。つまり、そのネットワークの中にインターネットに接続しているデバイスは一つだけあればよい。

Open Gardenの技術を採用した最初のデバイスは、車のキーや財布やペットを見つける TrackRだ。一般的には、キーが何らかの形でインターネットに接続していれば、それを見つけることができる。しかし、キーが家のカウチの後ろにあるなら問題ないが、路上でなくしたのだったら、そいつはあなたにpingできない。でもOpen Gardenなら、ほかのTrackRユーザや、Open Gardenのアプリをインストールしているデバイスを持ってる人が、紛失物から100フィート以内に来ると、彼らの電話機が接続をセットアップしてオーナーにアラートする。

TrackRはこれまで、約25万台のデバイスを売った。Open Gardenのモバイルアプリと、FireChatと、TrackRアプリを合わせて、Open Gardenはまあまあのリーチを確保しているが、まだまだユビキタスにはほど遠い。範囲が広く、密度が密になるためには、たくさんのパートナーとの積極的な提携関係が必要だ。同社はそれを目指して、いろんなデバイスメーカーにAPIを公開し、彼らのすべてのデバイスがOpenGardenのメッシュネットワークをサポートしている状態の実現を、目指している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ゲームを完全にクラウド化しても遅延が生じないネットワーキング技術”DeLorean”をMicrosoft Researchが発表

ゲームの未来を考えるとき、たぶんいちばん魅力的で夢のようななコンセプトが、“ゲームのNetflix”だろう。それはすでに、OnLiveの早くからの取り組みや、Sonyの出したてほやほやのPlayStation Nowなど、いくつかの形で実現している。

ゲームをサーバの大きなクラスタから提供することには、自分のコンソールやPCでゲームをすることにないメリットがいくつかある。ストリーミングビデオでHDのゲームをプレイできるデバイスならどんなデバイスでも使えるし、コンソールのハードウェアを買い換えることに比べるとクラウドの技術的な改良に期待する方が簡単だから、グラフィクスなどが早く着実に良くなる。それに、20GBのゲームをダウンロードすることに比べると、ゲームをすぐにプレイできる。

Microsoftはストリーミングゲームの提供に関してまだSonyほどのプラットホームを築いてはいないが、すでに関心は示している。4月にMicrosoftはデベロッパたちに、TitanfallのようなXboxの超大作ゲームがクラウドプラットホームAzureを利用して、全体的なパフォーマンスを落とすことなくより高度なAIや物理演算を実現しているところをデモした。

昨日(米国時間8/21)Microsoft Researchが発表した報告書は、同社はその高度なクラウド技術を活用して将来的に独自のゲームプラットホームを作りたい、とりあえずその方式を模索したい、と述べている。そこに具体的な名前として登場している“推論型実行エンジン”*DeLoreanは、MicrosoftのAzureサーバとプレーヤーのデバイスとのあいだに、ネットワークの遅延を招く複数の要因がどれだけ多層的に存在しても、見かけ的に遅延のないゲームプレイを提供する仕組みだ。〔*: “speculative execution engine”〕

報告書はその結論部分で、この調査に加わったユーザの多くが、高速アクションの多いDoom 3Fable 3をプレーして、ローカルシステム上と、DeLoreanを250ミリ秒の遅延に設定したクラウドからのゲームの、違いを判別できなかった、と述べている。それが事実なら画期的だ。250ミリ秒もの遅延があれば、これまでならどんなゲーマーでも、いらだってコントローラを投げつけていただろう。

Microsoft Researchは、何をどうやったのか? DeLoreanを理解する鍵は、“推論型(speculative)”という言葉にある。ビデオゲームはユーザのアクションによって次に起きることが多様であり、事前にそれらを決められないから、YouTubeやNetflixのビデオのようにバッファリングができない。ぼくが自分の銃でTitanfallを撃った直後の画面が、Titanfallでなくぼくがジャンプする絵だったら、全然おかしい。でも、プレーヤーのそれまでの入力から次にありえるアクションを“推論する”ことはできる。Microsoftはプレーヤーの次の瞬間のありえるアクションをいくつか予測する方法を見つけて、それらを事前にプレーヤーのデバイスのメモリに、つまりバッファに、送り込んでいるのだ。そして実際のアクションの直後には、クラウドからでなくローカルメモリから、最適画像をレンダリングする。

ただしMicrosoftによると、この方式が有効であるためにはネットワークの帯域が、予測対応をしないおとなしいクラウドに比べて1.5倍から4.5倍ぐらい高速でなければならない。つまり、地球上のどこにいても、Xboxのストリーミングサービスで遅延のないゲームを楽しもうと思ったら、PlayStation NowやNvidiaのGridなどを使う場合よりも速い接続を必要とする。ただしそれは、PlayStation NowやGridなら遅い接続でもゲーム展開に遅延がない、という意味ではない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ネットワークアドミンが毎晩安眠できるための、AWS出身者らによるトラブル自動フィクサーNeptune.io

ネットワークの管理者(ネットワークアドミニストレータ)のポケベルが鳴ったりスマートフォンがネットワークのトラブルをアラートしてきたときには、徹夜になることが多い。これまで何百回も直してきた同じ問題が、彼をベッドから蹴り出すのだ。YC育ちのスタートアップNeptune.ioは、よくあるネットワークのトラブルを自動的にフィックスして、そんな彼らを助けようとする。アドミンたちに安眠を約束し、まれにある本当に深刻な問題のときだけ、起きていただくのだ。

協同ファウンダのKiran GolluはそれまでAmazon Web Servicesにいたので、このように夜中に叩き起こされるときの状況を体験的に知っている。“ディスクが満杯になったりプロセスが壊れたら、飛び起きてその問題を30分か45分以内に直さないといけない”、とGolluは説明する。“Amazonには5年いたが、夜中に起こされてそういう問題のフィックスをやるのは、ほんとうにかったるい”。

彼が、もう一人の協同ファウンダSatish Talluriと共にNeptune.ioを始めた大きな動機の一つがそれだった。彼によるとNeptune.ioは、これまであったモニタリングツール(New RelicやAppDynamics)とアラートツール(PagerDutyなど)の間隙を填めるものだ。NewRelicやAppDyamicsは問題をウォッチする。PagerDutyはアラートを作ってそれを担当のアドミンに送る。

しかしNeptune.ioは、問題をフィックスするための二つのオプションをアドミンに提供する。ひとつは、よくある問題をスクリプトによって自動的に修復すること。たとえばディスクが満杯になったらログや古いアーカイブファイルを掃除する。メモリが過負荷ぎみなら、スレッドダンプをやらせる。

Golluによると、スクリプトは顧客の要望に合わせてどんな言語でもよい。“それならどんなシェルコマンドでも使えるし、セキュリティの懸念がある場合はNeptuneが使えるコマンドのパーミッションを顧客が制限できる”。

Neptuneのもうひとつのオプションは、解決方法の示唆を含むメールによるアラートだ。たとえばディスクが満杯の場合、従来のモニタリングツールは修復の参考になるようなコンテキスト情報をくれないから、アドミンが自分で調べて、オフロードしてもよい大きなファイルを見つけなければならない。そんな場合Neptune.ioは、ヒントを提供して時間節約を図る。

彼によると、NetflixやGoogle、Facebookなどの大企業ではそういった修復用スクリプトを内製しているが、公開と共有をしてない。モニタリングツールの中には、スクリプトを提供しているものもあるが、それらはあまりにもベーシックなものばかりだ。Neptune.ioは、それぞれの問題の性質やコンテキストに合ったスクリプトを提供する。

同社の今の主なターゲットはAWSのユーザで、仮想サーバ数50〜100基という中規模な展開を一人のエンジニアが担当しているようなところを、主にねらう。そして将来的には、そのほかのクラウドIaaSや、もっと大規模な展開も対象にしていきたい。

同社は、総合的なネットワーク管理エコシステムを作ることにも関心があり、モニタリングツールやアラートツールの既存の企業たちに働きかけている。そんなコミュニティができれば、企業のITの人たちも万一のための監視修復のシステムを構成しやすいだろう。

同社は昨年11月にスタートしたが、YCのインキュベータ事業に加わったのはこの夏だ。すでにプロダクトは稼働しており、有料の顧客もいる。これまでは自己資本のみだったが、秋ごろには正規の資金調達を図りたい、とGolluは言っている。

同社の窓口はNeptune.ioのWebサイトで、今は有料顧客と共にパイロットを進めている段階だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、総建築費3億ドルで日米間を結ぶ高速海底ケーブル建設プロジェクトに出資

Goolgeは、他5社と共同で、日米間を結ぶ新たな海底ケーブル「FASTER」の建設にあたることになった旨をアナウンスした。最大60Tb/sの能力をもつ。他の5社とはChina Mobile International、China Telecom Global、Global Transit、KDDI、およびSingTelだ。NECがシステムの構築を担う。

Googleで技術関連インフラストラクチャ部門のバイスプレジデントを務めるUrs Hölzleは、Googleプロダクトの安定性および高速性のためにも「高性能なネットワークインフラストラクチャが必要となります。十億人規模のAndroid利用者にも、そしてGoogle Cloud Platformを使って開発を行なっている開発者にも役立つものとなります」と述べている。

もちろんこれまでにもGoogleは海底ケーブルの敷設に関与したことがある。たとえば2008年には3.3Tb/sの性能を持つ太平洋間海底ケーブルの「Unity」コンソーシアムに資本参加している。また(子会社であるGoogle SJC Bermuda Ltd.を通じて)東南アジアと日本の間を結ぶケーブルを敷設する4億ドルのプロジェクトにも参加しており、こちらは6月から稼働を開始している。こちらの方の容量は最大で28Tb/sとなっている。

今回のFASTERは、西海岸のLos Angeles、San Francisco、PortlandおよびSeattleなどのハブと結ばれることとなる。Googleのオレゴン州ザ・ダレスにあるGoogleのデータセンターとも近く、ここに保管される各種データの通信速度も向上することとなろう。

(via: The Next Web)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


巨大サーバ/データセンターを廃止し、ユーザ各自がサーバであるインターネットの構造をめざすSandstorm

【抄訳】

インターネットの構造を変えたい、と思っておられる方にとっては、おもしろい時代になってきたようだ。最近本誌TechCrunchが取り上げたMaidSafeというオープンソースのプロジェクトは、サーバを完全に葬り去ったP2P型のインターネットを構築しようとしている。

そしてここでご紹介するもうひとつのオープンソースプロジェクトは、個人が自分のサーバを動かし、自分でコンテンツをサーブすることによって、Webのユーザと彼らを支えるインフラストラクチャとの関係を抜本的に変えようとする。

この、自称“パーソナルクラウドプラットホーム”を名乗る、Sandstormと呼ばれるプロジェクトは、元GoogleのエンジニアでCap’n Protoの作者でもあるKenton Vardaが率いている。

以下はSandstormのミッション声明文だ:

今のWebはあまりにも中央集権的だ。今日(こんにち)あなたが使っている多くの–おそらくすべての–Webアプリケーションは、巨大企業が開発し、そのすべてが彼らのデータセンターで動いている。オープンソースでインディーのWebアプリケーションも存在するが、それは多くの場合、どっかのサーバがすでに動かしているのではなく、利用したい人が自分でサーバを動かす必要があるため、ほとんど使われていない。自分でサーバを動かすことは、人びとの一般的な慣行になっていない。したがって、各人が自分のデータを自分のサーバ上で管理する、いわゆる連邦型ネットワーク(federated networks)は、事実上実現不可能である。

解決策は、誰もがもっと簡単に自分のサーバを持てるようにして、それを自分でコントロールし、自分が動かしたいアプリケーションだけを動かせるようにすることだ。Sandstormは、それを可能にする。

Sandstormは、技術知識のない個人が容易に自分のサーバを動かし、その上にあるものや、その上で動くものを各人がコントロールすることによって、完全に分散型のネットワークを実現しようとする。つまり各ネットワークユーザは小さなインディーの、あるいはオープンソースのアプリケーションを自分のサーバ上で動かすので、それらに対して巨大企業が口出し手出しをすることがない。ネットワークのノードとしての各ユーザは、まったく大企業にコントロールされない。動いているものが、彼らのアプリケーションではなく、自分のアプリケーションだから。

実は各ユーザの自己保有/自己管理サーバは、物理的にはSandstormのサーバファームから提供されるので、なんだ、これもやっぱし旧構造か、と思いがちだ。しかし、個々のユーザサーバの所有権と完全な管理権は法的にもユーザ個人のものになるので、Sandstormにできるのは、それらの運用のヘルプと助言だけだ。またSandstormは、物理サーバ、すなわちサーバマシンを自分で動かしたいというユーザもサポートする。

Verdaは、次のように語る:

“Sandstormはユーザが自分のサーバを保有して動かすことを、きわめて容易にする。これによってユーザはプライバシーと自由を確保し、政府等からの盗聴もなく、アプリケーションが突然消えることもなく、すべてのデータが手元の一箇所にあり、アプリケーションの変更や編成も自由にできるようになる。またこれにより、デベロッパによるアプリケーションのマネタイズも容易になり、サーバのメンテナンス作業が不要になる。とくにインディーでオープンソースのアプリケーションは到達オーディエンスが一挙に拡大し、それと同時に、小さなスタートアップのビジネスモデルが、きわめて単純化される”。

Sandstormは、すでにデモが動いているので、それをここで試せる。そして同時にチームは今、Indiegogoで5万ドルのクラウドファンディングに努めている。

【中略】

Sandstormはまた、企業がSaaSプロバイダのサーバにアクセスしてSaaSを利用するという形から、完全に自己サーバ上から提供される、より安全なSaaSへ移行するためのツールやアプリケーションも準備中だ。たとえばメールサーバも、GoogleのGmailよりは、自己サーバ上のメールサーバの方が、セキュリティやプライバシーの面で安全かもしれない。

このサーバ上ではすべてのアプリケーションがサンドボックス化されて、システムから隔離されるので、本質的なセキュリティがある。またアプリケーション間の通信機能により、コンテンツを複数のアプリケーションが共有することもできる。

Sandstormが各個人のサーバをホスティングする際の費用は月額5ドルを予定しているが、企業のための利用プランはまだこれからだ。すべてのデータをサードパーティSaaSではなく自社内に置きつつITコストを下げるためのツールを、今同社は開発中だ。

Sandstormが提供する自己サーバ上で使えるアプリケーションとしては、現時点で、コラボレーションによるドキュメントエディタEtherpad、メールクライアントMailpile、ブログパブリッシャーGhost、RSSフィードリーダーTiny Tiny RSS、対話型コンピューティング環境IPython Notebookなどがある。

下のビデオでは、VardaがSandstormのシステムの細部とプロジェクトのねらいについて説明している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


インターネットを救うためにはサーバが死ぬ必要がある

【抄訳】

今のインターネットは、私たちにとってふさわしいインターネットだろうか? もちろんそうだ、という意見もある。Webのユーザたちは、コンテンツが無料であることを当然のこととしている。しかし実は、私たちは払っているのだ。目に見えるお金だけでなく、自分のプライバシーを支払っている。デジタル世界のビジネスモデルでは、彼らが集める大量のユーザ情報が、一見無料のサービスが成り立つための暗黙の貨幣だ。

ユーザは、大量の時間とエネルギーを、広告や、広告が仮装した劣悪なコンテンツを見るために支払っている。私に何かを売るために、彼らは友だちの写真まで利用する。もちろん、私自身のプロフィールやインターネット閲覧履歴も、大々的に利用される。

Webの商業化は、今のインターネットを動かしている大量のサーバやデータセンターが稼働できるための隠された費用である、という醜い現実がある。そして、その、Webの商業化は、今日のWebを支配する巨大なデジタルプラットホーム、GoogleFacebookAmazonなどによって増幅される。友だちがそこにいるデジタル空間に自分も参加したければ、彼らのルールに従わざるをえない。

でも、もっと良い方法があるのではないか。個々のWebユーザと、スタートアップのデベロッパたちの両方の、利益になるような。

スコットランドのTroonという小さな町で生まれたMaidSafeは、今日のインターネットの数々の問題点は、その基盤的なアーキテクチャの設計がおかしいことに、その根本原因がある、と見ている。Webの慢性的な問題、1)コンテンツのための持続可能なビジネスモデルを見つけることや、2)ユーザのデータとプライバシーを安全に守ること、3)ハッカーやマルウェアや政府等による監視を未然に防ぐこと、などなどの解決や実現は、インターネットの基本的な利用形態〔アプリケーション層〕のアーキテクチャを完全に変えることから始まる、と彼らは主張する。

もちろんそれは、簡単に実現できる課題ではない。MaidSafeは2006年からネットワークのアーキテクチャの問題に取り組み、今年やっとステルスから抜け出て、彼らのプランの詳細を明かし始めた。今は、計画している三つの試験的なネットワークのうちの最初の一つを、今年のQ4のベータローンチを目指して、まだアプリケーションがまったくない状態でテストしている。その試験的なネットワークは180のノードから成り、それらはシンガポールとサンフランシスコとアムステルダムとニューヨークに散在している。

MaidSafeのNick Lambertは、そのプロダクトをこう説明する: “それは完全にクロスプラットホームで、完全に分散自律型のデータ送受信とコミュニケーションのためのネットワークだ”。具体的にどういうことかというと、コミュニケーションをしたいAさんとBさんのあいだに、今のインターネットのように中間者(サーバやデータセンターの層)が介在しない状態を指す。言い換えるとそれは、完全にピアツーピアのネットワーキングインフラストラクチャだ。元SkypeのCOO Michael JacksonがMaidSafeのアドバイザーであるのも、偶然ではない。ピアツーピアのコミュニケーションシステムの元祖といえば、Skypeだから。

このネットワークでは、ネットワークのユーザが自分が常用しているハードウェアをネットワークのインフラとしても提供する。そして、そのためのインセンティブとしてネットワーク固有の暗号化通貨SafeCoinを使用する。

Bitcoinのマイニングに新たなBitcoinの作成と流通というインセンティブがあるように、 MaidSafeネットワークのユーザも、コンピューティングリソースの寄与貢献をSafeCoinを稼ぐことで償われる。SafeCoinの現在価値はUSドル換算で約2セントだが、もちろんネットワークの拡大とともに価値が上がることが期待されている。同社は、この、リソース寄贈行為のことをfarming〔仮訳: 農場拡大〕と呼んでいる。

Lambertの説明は続く: “このネットワーキングソフトウェアでは、ネットワーク上のすべてのコンピュータが一つの巨大なコンピュータを構成する。一つの巨大なサイバー頭脳、と呼んでもいいだろう。つまりネットワーク上のすべてのノードがつながって、一つの巨大なデータセンターになる、と考えてもよい。もちろん今のような(コミュニケーションの当事者にとって)第三者的なデータセンターは存在しない。むしろこれは、データセンターをリプレースするネットワークインフラストラクチャであり、願わくば今日のような巨大なテクノロジ企業も不要なものとしたい”。

【中略】
〔完全な分散化〜P2Pネットワークにおけるリダンダンシーの実現・確保の方法、デベロッパの仕事がどう変わるか、など。〕
〔原文は、ものすごく長い!〕

“われわれが今やろうとしていることは、ものすごく難しい。だからこれまで、実現しなかったんだ。インターネットの完全分散化は、これまでとまったく違う考え方だ。それを実際にやろうとするMaidSafeのような企業も、これまでなかった。巨大サーバパラダイムに対する批判は前からあったが、実際に完全にプライベートに自分のデータにアクセスする方法は、どこにもなかった。中間者が介在しないデータの保存共有の方法も、なかった。ぼくの知るかぎり、一つもなかったと思う”。

“みんな、考え方を変えなければならない。今のデベロッパは初期の段階から、サーバがあってクライアントがある、クライアントがサーバにログインする、等々という構造を頭に叩きこまれている。そしてこの構造が、プログラミングの世界全体を支配している。MaidSafeのような発想がこれまで、なぜあちこちで生まれなかったのか、それは、この頭脳支配に原因がある”。

“協同ファウンダの一人であるIrvingが、蟻たちの生態をヒントに、MaidSafeの前身であるSafeネットワークを設計したときは、サーバの存在を前提としてサーバが抱える問題を克服しようとしていた。でも最終的には、サーバの存在そのものが問題だ、と気づいたのだ”。

“これまではみんな、サーバをどうやって良くするか、を考えていた。でも、そうやってサーバを問題視することを続けるのはやめて、むしろ、サーバをなくすことを考えようじゃないか”。

今や、思想が実装へと動き出している。

[画像: Tristan Schmurr/Flickr]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


インターネットに依存しないメッシュネットワーキングによるチャットアプリFirechatがAndroidにも対応

Open GardenのFirechatは、AppleがiOS 7で導入したマルチピア・メッシュネットワーキング(multi-peer mesh networking)機能を利用する初めてのアプリケーションの一つだった。ユーザはこれを使って、インターネット接続のないところでも互いに匿名でチャットできる。Androidにはこの機能がないので、Open Gardenは立ち上げ(2014/4)から数週間後に同等の機能を、独自にAndroid向けに提供する予定だった。その時点では、Android機とiOS機がピアツーピアでメッシュネットワーキングするための、方法はなかった。

そして今日(米国時間6/24)行われたFirechatのアップデートで、AndroidiOSユーザが、同じ自前のメッシュネットワーク上でチャットできるようになった。iOS上で着実にユーザ数が増えていたFirechatに、次のより大きな成長の機会が訪れたと言える。

Open GardenがAndroid上に独自に実装した、Appleマルチピアメッシュネットワーキング互換技術について、同社は多くを語ろうとしないが、ピアツーピアのWiFiやBluetoothのパーソナルエリアネットワーキングを利用する、とだけ述べた。Open Gardenはこれまでの2年間、メッシュネットワーキングに関する技術と知識を内部的に開発し蓄積してきているので、どこかのサードパーティの技術を利用したのではないことは、確かだろう。

Open Gardenの営業とマーケティング担当VP Christophe Daligaultによると、今同社はSDKを制作中なので、やがてサードパーティのアプリがFirechatとOpen Gardenの技術を利用できるようになる。

どうやらねらいは、WiFiやセルラーネットワークに加えてサードパーティのアプリケーションがインターネットへの流入ランプを提供する、ということらしい。つまり、完全に自前のメッシュネットワークの中でも、その中の誰かを利用すれば“外の世界”(インターネット)につながる、というわけだ。問題は課金の方法だが、Daligaultによれば、それはSDKの立ち上げまでに決める、ということだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


WANをクラウド上で仮想化するVeloCloudが$21Mを調達して一般公開へ

クラウドへ移行しつつある技術のリストに、今やネットワーキングも加えるべきだ。長年CiscoやJuniperなどネットワーキングの巨人企業の領分だったwide area networks(WAN, ワン)を今では、 VeloCloud Networksのような企業がサービスとして提供している。そのVeloCloudが今日(米国時間6/17)、数社の有力VCから2100万ドルの資金を調達し、ステルス状態を脱して一般公開にこぎつけた。

カリフォルニア州ロスアルトスに本社を置く同社は、企業のネットワーク利用を最適化するサービスを売っている。CEOのSanjay Uppalによると、同社の技術によりモバイルユーザや企業の支社支店などが、ネットワークをもっとも効率的かつ費用効果の高い方法で利用できる。

Uppalは曰く、(性能が二年ごとに倍増するという)“ムーアの法則が通用しない領域が二つある。それは、電池とWANだ”。彼によると、従来のプライベートネットワークの費用は1メガバイト/1人/1か月あたりほぼ200ドルぐらいだったが、インターネットとその上のサービスを利用すれば、その1/100ですむ。

“うちがやろうとしているのは、その、200ドルではなく2ドルしかかからないインターネットを使ってプライベートなWANを構築し、ユーザ企業の選択肢を広げることだ”、とUppalは語る。

このプロジェクトをVeloCloudはこれまで、2年がかりで育ててきた。ネットワーキング方面のインキュベータThe Fabricから孵化したVeloCloudは2012年11月にシード資金を獲得し、次いでNEAから500万ドルを調達した。さらにその次はVenrockの指揮のもとに1500万ドルのシリーズBを調達、それは同社がステルスを脱する1か月前だった。以上で、合計調達額が2100万ドルになるのだ。

WANをクラウド上に仮想化するといっても、あまりぴんとこない人が多いかもしれないが、支社支店などの事業所が各地に分散している大企業にとってはネットワーキングの費用を大幅に節減できる可能性がある。VeloCloudはベータ時代にすでに20社の顧客があり、いずれも全国各地に多くの事業所を抱える大企業だ。

“うちはディープ・パケット・インスペクションを行っている。だから全国で2000の事業所があって、そのそれぞれでネットワーキングアプリケーションが動いている場合でも、それぞれに対して最良の情報伝送ラインを判定できる”、とUppalは述べる。

NEAのゼネラルパートナーKrishna “Kittu” Kolluriにとっては、ネットワーキングの仮想化は、エンタプライズアプリケーションがクラウド化しつつある今日の重要なトレンドの、一端を担うものだ。

彼のポートフォリオ企業の一つであるStorvisorは、ストレージを仮想化している。そしてVeloCloudはネットワークの仮想化だ。Kolluriはこう言う、“NEAのパートナーになったのは8年前だが、当時はセキュリティとネットワーキングの分野にはあまり動きがなかった。でも今では、コンピューティングとストレージとネットワーキングを区別する境界が、(消えたわけではないが)、非常に薄れつつある”。

写真: Flickr/Simon Cockell

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))