ファンクラブ作成アプリ「CHIP」で音声や動画での投稿が可能に

RINACITAは3月1日、ファンクラブ作成アプリ「CHIP」(チップ)のアップデートを発表した。今回のアップデートにより、音声や動画を投稿できるようになる。

CHIPは簡単に自分のファンコミュニティを作成できるサービス。リリースから半年で3600グループを超えるファンクラブが開設されており、YouTuberやイラストレーターなどさまざまなジャンルのクリエイターやアーティストが活動しているという。現在はiOS版のみだが、3月中にはAndroid版もリリースされる予定だ。次回以降のアップデートでは、コンテンツ部分での機能開発のほか操作面も改善を進めていくとのこと。

RINACITAは2018年3月設立のスタートアップ。2018年11月にEast Venturesと複数の個人投資家から総額4600万円を調達し、プロダクトの開発体系を強化しつつ、ブランドの構築に力を入れてきた。

建設業務の事務手間を軽減する「建設PAD」が登場、6カ月の無料キャンペーンも

建設テックラボは3月1日、建築業務に関連する事務処理の手間を軽減する「建設PAD」のサービスを開始した。同社は2018年5月に設立された建設業界の作業効率化を目指すスタートアップ。

「建設PAD」とは、スマートフォンやPCで簡単にできるアウトソージングサービスで、契約者や見積書、注文請書などの各書類をウェブ上でのキー項目入力のみで作成できるのが特徴。契約から工事までに関わる業務をペーパーレスで実現でき、コストカットと効率化に寄与するという。タイムスタンプと電子署名で承認業務も効率化する。

建設業界では、発注や案件の受発注などの契約から工事に至るまで1万枚近くの紙が使用されており、受け渡しはFAXや郵便が中心。同社は、このように低いままのバックオフィスの生産性をITによって効率化することを目指し「建設PAD」を開発したという。

建設PADの開発にあたり同社は、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」で2670万円を調達。建設会社のコンストラクショントーキョーで試験運用され、フィードバックなどによってシステムの改良を進めてきた。現在では、コンストラクショントーキョーと関わりのある100社以上の下請事業者にも建設PADが導入されているという。

今回のリリースを記念して、通常はタイムスタンプ使用1回につき100円がかかる利用料を、8月31日までの6カ月間は無料にするキャンペーンも実施する。今後は、売掛金の即時現金化サービスやデータベースを基にした閑散期と繁忙期を迎える企業同士のマッチングなど、新たなサービスを追加する予定とのこと。

「フォートナイ トシーズン8」配信開始、海賊、大砲、火山の噴火で大興奮

プレイヤー2億人のFortnite(フォートナイト)は現在世界最大のゲームの一つだが、先ほど待望のシーズン8を公開したことを発表した

Fortniteのプレイヤーではない読者のために説明しておくと、このゲームには「シーズン」という期間があり、一定の世界観とストーリーが用意される。各シーズンには特有のツールやマップが含まれ、2ヶ月半程度継続する。ゲームが定期的にリフレッシュされるのでゲーマーは新たな世界にチャンレンジできると同時にEpic Gamesも収入を確保できる。各シーズンには有料のBattle Passが用意され、武器やスキン、ツール、などをアンロックしたりemoteに新しいダンスを踊らせたりできる。

Season 8はおおむねリーク情報のとおりの内容だった。海賊には巨大なバナナ・スーツが用意されていた。新しい武器には海賊の大砲が含まれる。大砲で直接射たれるとダメージは100ポイントになる。近くに射ち込まれただけで50ポイントのダメージになるから要注意だ。またプレイヤーはこの大砲を使って別のロケーションに移動できる。

Fortniteではマップも重要な役割を果たす。シーズン8では火山に溶岩が追加された。プレイヤーが溶岩に触れるとそのつどダメージ・ポイントが付いてしまう。火山が噴火するとプレイヤーや乗り物が空高く噴き上げられることがある。海賊船の中には大砲、宝箱がある。

プレイのやり方で主要な変更は 「パーティー・アシスト」の追加だろう。このモードでは友達を招待し、協力してその日(あるいはその週)のチャンレンジをクリアすることができる。このチャンレンジをクリアするとスキンや宝などのアイテムをアンロックできるので大きな意味がある。実際、シーズン7でいくつかのチャンレンジをクリアしたプレイヤーはシーズン8のBattle Passを無料で入手できる。数百万の家庭が10ドルを節約できるかもしれない。【略】

最近の記事によれば、1月のFortniteの収入は大きく落ち込んだというのだが、これは事態をあまり正確に伝えていない。12月に新しいBattle Passが売れた後、収入が落ちるのは当然だ。また一般的に言っても12月はクリスマス商戦で売上が伸びる。.

情報源によれば、Fortniteの大ヒットで2018年のEpic Gamesの利益は30億ドルに上ったという。 この勢いを継続させるためには新しいシーズンにも優秀なゲームを提供しなければならない。 強力なライバルも次々に登場しているのでシーズン8に対するプレイヤーの反応は非常に重要になってくる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アップルはSiriに航空会社や料理注文、辞書など多数のショートカットを追加

昨年のWWDCで発表した通り、アップルはSiriショートカットを速いペースで増やしている。同社は現在「数千」種類のアプリがこのiOS 12機能を統合していると言っている。その結果さまざまなタイプのサードパーティー機能がスマートアシスタントで使えるようになった。

今日から新しいショートカットが5種類使える。特に注目されるのは(どの航空会社を使っているかにもよるが)おそらくAmerican Airlinesだろう。「Hey Siri, flight update」と言うと最新の旅行計画の情報が提供される。応答内容は位置情報を使って、フライト状況、移動時間、出発ゲートなど提供すべき情報を決定する。

Caviarも新しいショートカットを出した。ユーザーは食べ物の注文状況を調べたり、「order my usual pizza」(いつものピザを注文)と言ってよく利用する品目の再注文ができる。食事がパターン化しているわれわれには理想的な機能だ。Merriam-Websterは「word of the day」(今日の単語)ショートカットを追加し、Dexcomは血糖値モニターをスマートアシスタントで可能にした。

今後数カ月の間に、アップルはAirbnb、Drop、ReSound、コーヒーメーカーのSmarterなどのショートカットを追加する。WazeとNike Run Clubはすでに最近追加されている。アップルがこの仕組みを利用してSiriの機能を強化することで、ライバルのGoogle、Amazonとの競争に備えていることは間違いない。

こうした機能追加によって音声エコシステムがますます豊かになる一方、サードパーティー開発者には多くの負担がかかっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

本社・店舗間における雇用契約業務の管理を一元化できる「Holmes for 店舗」がリリース

契約書の作成から管理までを一括サポートするクラウドサービス「Holmes(ホームズ)」を運営するHolmesいわく、外食業や小売業、宿泊業などの店舗ビジネスは、新規出店数の増加に伴い、慢性的な人材不足を抱えているという。

リソースが限られているため、店舗責任者や本社の人事担当者にとって、「店舗と本社」や「店長と採用予定者」の間でやりとりが発生する“雇用契約業務”はとても大きな負担になっていると言えるだろう。

加えて、4月からは「改正出入国管理法」の施行により、一定の知識や経験を有する外国人就労者に新たな在留資格が付与され、日本の多くの多店舗企業で外国人材の雇用が促進されることが予想される。

Holmesは「来たる東京オリンピック・パラリンピックに向けたサービス向上」のためにも「店舗責任者と本社の人事担当者は、この法改正に備えて雇用管理のオペレーションを見直す必要がある」と説明している。

そんな同社は3月1日、外食業や小売業、宿泊業などの多店舗展開企業向けの雇用契約ソリューション「Holmes for 店舗」を新たにリリース。上記のような課題の解決を目指す。

これまでもTechCrunch Japanで紹介してきたHolmesは、クラウド上で企業間の契約書の作成、締結、管理までを一括して行えるSaaSサービスだ。

そして、今回新たに発表されたHolmes for 店舗は、多店舗展開型の企業向けに提供される雇用契約ソリューション。採用予定者との「内定通知書」「入社承諾書」「誓約書」「雇用契約書」などのやりとりをクラウド上で行い、店舗と本社の間でリアルタイムに共有。本社と店舗間における契約書業務の管理を一元化し、雇用契約業務を効率化する。

なお、Holmes for 店舗はHolmesの機能の一部として提供されるため、利用するにはHolmesの契約が必要となる。

具体的に何ができるのか。Holmes for 店舗では、まず、自社で扱っている雇用契約書やその他の雇用契約に関連する内定通知書や入社承諾書などのデータを、テンプレートとして登録することが可能だ。クラウド上にデータが格納されることで、人事の負担の削減や業務効率の改善が期待できる。なぜなら本社の人事担当者は各店舗向けに雇用契約書を毎回作成し郵送する必要がなくなるからだ。

また、雇用契約の締結もタブレットまたはPCを渡し、もしくはメールなどでURLを送り、「必要事項の記入」と「本人確認書類の画像データの共有」に対応してもらうだけで可能だ。

さらに、Holmesのダッシュボードでは、雇用契約の締結内容や進捗状況なども確認することが可能だ。これにより、店舗責任者と本社人事担当者の間でのコミュニケーションロスの軽減や、記入漏れや添付漏れが起きない仕組み作りの構築などが期待できる。結果、雇用契約の未締結や書類不備といったコンプライアンス面でのリスクを最小限に防げる。

2017年3月設立のHolmesはHolmes for 店舗に続き、今後も新たな業種や業態に向けたソリューションをリリースしていく予定だという。今回のHolmes for 店舗は第一弾と位置付けられているみたいなので、第二弾、そして第三弾も発表されるのでは。

なお4月には「労働基準法施行規則」の改正により、「労働条件通知書」の書面交付義務がなくなり、電子メールによる交付が可能となる。この国における“雇用契約の電子化”の更なる加速に期待したい。

ディズニーがAT&TからHulu株を買い取り、70%所有を目指す

ディズニーはAT&Tが保有するHuluの株式の10%を買い取る交渉をしていると、米国時間2月18日にVarietyが報じた。

AT&Tがワーナーメディアを買収したことによりAT&TはHuluの少数株式となっていた。このニュースは予期されたものであり、AT&Tはすでに株式売却の意向があることを発表していた。ディズニーはHuluの持ち分を拡張しようとしており、21世紀フォックスから株式を買い取る取り決めをしている。ディズニーの持ち分は現在30%だが、契約が実行されればフォックスの持ち分30%がディズニーに移転する。

つまりFoxの株式買取後はHuluの60%をディズニーが所有することになる。AT&Tの持ち分の買い取りに成功すればディズニーの所有権は70%という圧倒的な割合になる。

Varietyによれば、Huluの他の大株主、Comcast/NBCUには現在Hulu株式を手放す考えはないという。

2018年9月にAT&Tはストリーミング・サービスの計画を説明する投資家資料でHulu株式の売却に触れていた。これは独自のストリーミング・サービスの構築に不可欠ではない資産を売却し、債務の圧縮と資金調達を図る計画の一環だった。この場合、Huluの持ち分は9億3000万ドルの価値だとされた。

AT&TはHuluの運営には強い関心を抱いていない。AT&TはDirecTV Nowのようなライブ放映を含むインターネットをベースにした独自のストリーミングサービスを構築しようとしている。傘下のワーナーメディアはHBO NOW、Boomerang、DC Universeなどの資産を保有しており、 軽さを特徴とするWatchTVなどと合わせて自社ブランドの新しいストリーミングサービスを年内にスタートさせる計画だ。

一方、ディズニーはNetflixのライバル、Disney+を立ち上げようとしてるが、こちらが伝統的にディズニーらしい家族向けのコンテンツを中心とするのに対し、Huluはもっと大人向けの作品のプラットフォームにする考えだ。

現在、Huluには2500万人の契約者がいるが、まだ世界展開が遅れていることもあり、Netflixに比べればはるかに少ない。またオリジナル・プログラムについてもNetflixほどの巨額投資をするまでになっていない。ディズニーが持ち分を増加させれば状況は大きく変わるかもしれない。そうなればHuluはNetflix、AT&T/ワーナーメディア、そして参入計画が報じられているアップルなどのサービスに対抗できる大型サービスに成長する可能性がある。

画像:Dan Goodman / AP

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

約60分かかる物件提案を1分に短縮、不動産仲介会社向けSaaS「PropoCloud」公開へ

AIを活用した中古マンションの提案アプリ「カウル」を展開するHousmart(ハウスマート)は2月28日、不動産仲介会社向けの新サービスを3月1日にローンチすることを明らかにした。

PropoCloud(プロポクラウド)」と名付けられた同サービスは、カウルのコアとなる技術を用いた仲介会社向けのSaaSだ。

これまで住宅購入検討者1人に対して1回あたり約45〜60分かかっていた物件の提案やメール追客業務を、テクノロジーを用いて約1分にまで短縮するのが特徴。営業担当者がより多くの時間を顧客と向き合うことに使えるようにサポートする。

独自のデータベースとアルゴリズムで物件提案をシステム化

もともとHousmartでは、居住用の中古マンションの購入を検討している個人向けのアプリとしてカウルを提供してきた。

同サービスでは東京と神奈川の主要エリアにおいて3万件以上の物件データを集約した独自のデータベースを構築。ユーザーの好みや条件に加え、アプリ内での行動を基に豊富な物件の中からオススメのものをレコメンドする。

加えて新築時の分譲価格や過去の売買・賃貸事例、築年数、物件の広さ、間取り、最寄り駅情報といったビッグデータをAIが分析し、物件ごとに現在の適正価格や35年後までの推定価格などを算出できるのも特徴だ。

このシステムがあるからこそ、Housmartでは1人の営業パーソンが通常の約30倍に当たる600人以上の顧客をサポートできているというのは以前紹介した通り。今回リリースするPropoCloudは、まさにこの仕組みを他の不動産仲介会社にも開放しようという試みだ。

Housmart代表取締役の針山昌幸氏の話では、都内だけでも毎日数百件ほどの新しい物件が売りに出されているそう。これらの情報を日々キャッチアップし、顧客ごとのニーズに合わせて最適な提案をするのは簡単な仕事ではない。

「従来は営業担当者が毎日レインズをチェックしながら、人力で分析やシミュレーションをして顧客に情報を送っていた」(針山氏)そうで、物件の選定から分析、コスト算出などを含めると1人あたり約45〜60分かかるのが通常だという。

一方PropoCloudではカウルと同様に、3 万件以上の物件データが即日から利用可能。初回に営業担当者が1分ほどで簡単な顧客情報や希望条件を登録しておけば、あとは担当者に代わって“勝手に”物件の選定や提案をしてくれる。

物件に関する顧客のアクション(お気に入りをしたか、ゴミ箱に入れたかなど)を蓄積することで、提案精度を高めていくことも可能。提案は普段顧客とのコミュニケーションで使っているメール上で行うため、わざわざ専用のアプリをダウンロードしてもらう必要もない。

現在の適正価格や35年後までの推定価格、購入時の経費・毎月のランニングコストをAIが算出する機能も備える。

従来1ヶ月あたりの追客可能なメール数が約160通だったのに対し、「PropoCloud」を使うことで約6000通(約38倍)の追客が見込めるという

これまでは営業担当者が人力でやらざるを得なかった仕事をシステムと上手く分担することで、各顧客に対してより手厚いサービスを提供できるのがPropoCloudの特徴。針山氏も「物件情報の提供にマンパワーを割かずに済めば、担当者は顧客のサポートや物件見学など付加価値の高い業務により多くの時間を使えるようになる」と話す。

試験的に複数社で活用してもらったところ「今までほとんどできてなかった追客ができるようになった」「お客さんの行動や営業担当者がどのようにコミュニケーションをとったのか、一連の履歴を簡単に残せるようになった」といった反応があり、手応えを感じているそう。生産性の向上だけでなく「(顧客の方を向いて仕事をできることで)従業員の満足度のアップや退職率の低下にも効くのではないか」といった声も寄せられたという。

料金体系については、抱えている顧客数を基準にした複数の定額プランを用意する方針。だいたい1人の顧客に対して毎月100〜200円ほどで情報提供ができるようになるイメージとのことだ。

リリース時にPropoCloudの対象となるのは東京都23区、武蔵野市、三鷹市、⻄東京市、横浜市、川崎市の居住用中古マンション(オーナーチェンジ物件除く)。初年度は180店舗への導入を目指していく。

アップルがVoIPアプリのクローンをApp Storeから削除

米国時間2月26日、私の記事が公開された後、アップルは私が指摘した数多くのアプリを削除した。App Storeで探そうとしてももう見つからない。

App Storeレビューガイドラインはアプリの重複に関して実に明快だ。4.3項によると、同じアプリを複数回App Storeで公開することはスパム行為とみなされ禁止されている。

しかしこのルールはほとんど強制されておらず、それを悪用している会社もある。私は先の記事であるカテゴリーに特に注目した。それはVoIPアプリで、ユーザーは第2の電話番号を与えられそれを使って通話やSMSの送受信ができる

デベロッパーは同じアプリを複数回公開することで、異なる名前、異なるキーワード、異なるカテゴリーを利用できる。そうすることで、誰かがApp Storeで検索したときにさまざまなカテゴリーで発見してもらえる可能性がでてくる。

では昨日私指摘した一連のデベロッパーを見てみよう。これらのアプリが何らかの変更を施されたうえで再登場するのかどうかはまだわからない。

TextMe, Inc.

BinaryPattern and Flexible Numbers LLC

Appverse Inc.

Dingtone Inc.

今回のケースは、アップルがApp Store王国の鍵を握っていることを改めて浮き彫りにした。会社は司法のごとく行動して企業を生かすことも殺すこともできる。

会社によっては自社アプリのクローンを公開し、何年にもわたってその戦略の恩恵にあずかってきている。最大の問題はApp Storeのルールが一貫性を持って強制されていないことだ。

他のカテゴリにもクローンがいっぱい

クローン災害は終息にほど遠い。多くのカテゴリーでこの「App Store最適化」戦略が使われている。

JPEG Labsは近くのウォルグリーン(Walgreens、米国の薬局チェーン)やコンビニエンスストアで写真をプリントするアプリを4種類公開している。いずれも機能は同じだが名前とキーワードが異なっている(しかもこれらのアプリは開いた直後にレビューを要求する)。

Photo Prints: 1 Hour Photos

Print Photos: 1 Hour Prints

Printmatic 1 Hour Photo Print

Same Day Canvas Photo Prints

倒せないなら買収しろ

もうひとつの典型例がMailPix, Inc.だ。同じアプリが複数見つかる。さらにこの会社はApp Storeでの存在を高めるために、徐々にライバルを買収しそのアプリを自社アプリの複製で置き換えている。

MailPixはPhotobucketのプリントアプリを買収し、自社のクローンにすり変えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

金を支払って書かせたAmazon上の偽レビューを米国連邦取引委員会が初告訴

連邦取引委員会(Federal Trade Commission、FTC)の米国時間2月26日の発表によると、同委員会は初めて、偽のレビューを使ってオンラインで製品を売る行為を訴件として取り上げることになった。同委員会によると委員会はニューヨークの企業Cure Encapsulations Inc.とそのオーナーのNaftula Jacobwitzを被告として、減量サプリメントに関する嘘の主張と、サードパーティのウェブサイトに金を払ってAmazonに偽のレビューを投稿させた件で起訴することになった。

偽のレビュー(フェイクレビュー)はAmazonで買い物をする者(ショッパー)に常につきまとう迷惑行為だ。レビューシステムのアルゴリズムに安全策を講じたり、偽レビューの投稿をビジネスにしているWebサイトを告訴しても、それらを掃除できなかった。

FTCの訴えによると、Cure Encapsulationsは熱帯の果実ガルシニアの成分を含むピルを売っていたが、その果実は自然な減量促進食として利用されることもある。そのピル、Quality Encapsulations Garcinia Cambogiaは、Amazonでのみ売られていた。Jacobwitzはwww.amazonverifiedreviews.comと呼ばれるウェブサイトに金を払って好意的なレビューを投稿させ、その製品の評判を上げようとした。

FTCのCure Encapsulations Inc.に対する訴状より。

2014年10月8日にJacobowitzはそのサイトの運営者にメールを送り、評価の星の数4.2を4.3に上げるために、1日に3つ、計30のレビューに対し1000ドルを払う、と言った。それは売上を得るために必要な措置であり、最終的には製品が星5つに留まるようにしたい、とも言っている。そこでwww.amazonverifiedreviews.comは、そのピルを褒めそやす一連の5つ星レビューを投稿した。FTCによると、それらのレビューは、そのピルが強力な食欲抑制剤であり、最大で20ポンド(9キログラム)の減量を達成し、新たな脂肪細胞の形成をブロックする、といった嘘の主張をしていた。

FTCによる同委員会の調停案は、FTCに5万ドルと未払い所得税などを払えば罰金1280万ドルの判決を猶予する、というものだ。その調停はまた、Cure EncapsulationsとJacobwitzが今後、人間に対する臨床試験により得られた信頼できる科学的エビデンスなくして減量や脂肪ブロック、疾病治療などを主張する食餌療法的サプリメントを売ることを禁じている。また彼らは、フェイクレビューなどの偽りの推奨を禁じられ、さらにAmazonと実際にピルを買った顧客には、どのレビューが偽であったか、および今回のFTCの申し立てについて、メールなどで報告しなければならない。

FTC消費者保護局のディレクターであるAndrew Smith氏はプレスリリースの中で、「企業がフェイクレビューを買ってそのAmazonの格付けを膨張させようとする行為は、ショッパーと規則に従って行動している企業の両方を傷つける」と述べている。

AmazonのスポークスパーソンはThe Vergeへの声明で、「私たちはこの分野におけるFTCの働きを歓迎する。Amazonは私たちのストアにおけるレビューの真正性を護るために大きな投資をしており、それは、お仲間のショッパーたちと共有する知見や体験を顧客が重視することを、私たちもよく知っているからだ。私たちには、レビュワーと物販パートナーの両方に対する明確な参加指針があり、私たちのポリシーに違反する人びとには、参加の停止や禁止、法的措置などを講じている」と述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VMware第3のKubernetes、完全にオープンで全部位を顧客が自由に選べる

VMwareが米国時間の2月26日、VMware Essential PKSと呼ばれる新しいKubernetesプロダクトを発表した。それは、2018年末に5億5000万ドルでHeptioを買収したことの成果だ。

VMwareにはすでに、2つのフレーバーのKubernetesがある。ひとつは完全な管理を伴うクラウドプロダクト、もうひとつはエンタープライズバージョン。後者にはVMwareがあらかじめセレクトしたレジストリやネットワークなど、すべての部位がある。そして今回の新しいバージョンは、「Kubernetesの完全にオープンなバージョンを提供し、すべての部位を顧客が選べるため柔軟性が高い」と、VMwareでクラウドネイティブアプリケーションのプロダクトマーケティングを担当しているシニアディレクターのScott Buchanan氏は語る。

Buchanan氏によると、この新製品は買収前のHeptioがKubernetesを売っていたやり方そのものだ。「今度の新製品VMware Essential PKSは、Hepatioの人気の源泉だったやり方をパッケージ化したものであり、VMwareにおけるこれまでのKubernetesプロダクトの、足りない部分を自然に補完する」と彼は説明する。

同氏も認めるように、この市場の大半は完全に管理され完全に構成された方式に向かっているが、逆にもっと選択の幅の大きいKubernetesの実装系を求めるユーザーもいる。

彼はこう説明する。「大企業のインフラストラクチャは複雑だから、そのアーキテクチャの作り方にもきわめてカスタマイズされたやり方が求められる。彼らは自分が何かに統合されることを嫌う。むしろ彼らは、自分がその上で何かを自由に構築していける基盤を求める。大きくて複雑な組織では、各部署で社内的なDevOpsやSREOpsの連中がその日その日のオペレーションを彼らなりのやり方でこなしているからだ」(SRE、Site Reliability Engineering)。

いろいろやり方の違うDevOpsたちは導入する実装系に柔軟性を求めるから、その目的のためにも、VVwareのようなシステム屋の営業にはコンサルタント的な役割が期待される。Heptioには40名のフィールドサービスチームがいて、彼ら全員がVMwareに来た。彼らは顧客にコンサルティングを提供して、それぞれの部署がKubernetesのインストールのためにそのニーズに応じて選ぶべき部位を推薦できる。

Buchanan氏もまさに買収でVMwareにやってきた一人だが、今やDell系列の企業であるVMwareで気づいたことは、営業に複数の層があることだった。VMware、Pivotal、そしてDellの各層がそれぞれのプロダクトをそれぞれの顧客に売っているのだ。

HeptioはCraig McLuckie氏とJoe Beda市が創業したKubernetesスタートアップであり、さらにこの二人はGoogleにいたときKubernetesを開発した。Heptioは2016年の創業で、Crunchbaseによると、買収前には350万ドルを調達していた。

関連記事: Kubernetes誕生後の最初の4年(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MAツール開発のSATORIが12.2億円調達、匿名客へのアプローチ機能を強化

SATORIは2月27日、第三者割当増資により総額12.2億円を調達したことを発表。第三者割当増資の引受先は、インキュベイトファンド、SMBCベンチャーキャピタル、TIS、キャナルベンチャーズなどで、インキュベイトファンドがリードした。

同社は、メール、SNS、 ウェブサイトなどのマーケティング活動を自動化・可視化するマーケティングオートメーション(MA)ツールを開発している2015年設立のスタートアップ(2014年にトライアックス内の社内ベンチャー事業としてスタート)。今回調達した資金を活用して、今後4年で3000社への導入を見込んで、SATORIの機能開発、カスタマーサクセス、パートナー連携を加速させるという。

機能開発については、匿名客へのアプローチ機能を強化。SATORIは、もともと各種データを一元管理するDMPとして開発され、その後セールス&マーケティング担当者向けのMAツールの機能が加わったツールで、「匿名客へのアプローチ」が強みだという。2019年1月時点現在で、国内400社以上への導入実績があるとのこと。

カスタマーサクセスについては、人員を現在の10名から2年で50名まで増員する目標を立てている。パートナー連携としては、新たに100社のパートナーを募集し、金融や不動産、製造、IT、メディア、学校法人などの業種、大手企業やスタートアップ、地域の中小企業などにも対応するそうだ。

AIがキャリアシナリオを診断・提示するアプリ「VIEW」正式ローンチ

20代の転職者を対象に転職支援サービスを提供するアサインは2月27日、ミレニアル世代のためのキャリアシミュレーションアプリ「VIEW(ビュー)」を正式にローンチした。

VIEWは、ユーザーが経歴と価値観を登録するとAIがキャリア診断を行い、今後のキャリアシナリオを提示してくれるアプリだ。ユーザーの価値観に合う職業、生涯年収やロールモデルなど、そのキャリアを選んだ場合の将来像を見ることができる。

キャリアシナリオは業界・職種単位で提示され、合計1000以上の業界×職種の組み合わせから、ユーザーに合ったものをランキング形式で確認できる。興味のあるシナリオを見つけたら、それぞれのシナリオを得意分野とするプロの転職エージェントへ無料で相談することもできる。

アサインは2016年12月の創業で、若手層を対象に転職エージェント事業を行ってきた。副業解禁や採用ルールの廃止など就労を取り巻く環境を踏まえ、「特に若手ハイクラスの転職は活性化している」としながら、「若手の転職志望者は働き方の多様化が広がる今、『このままでいいのかわからない』という漠然とした悩みを抱える傾向にある」と同社の調査結果を公表している。

若手転職希望者の意識調査(アサイン調べ)

そうした中で、若手転職者層の価値観と経歴によってキャリア支援を行ってきたノウハウと、独自のAIエンジン「VIEW AI」とを組み合わせ、今回のアプリ開発・提供に至ったという。

今後、アサインでは新卒採用領域へのサービス範囲拡大も視野に入れながら、VIEW AIの利用を広げてデータを蓄積し、機械学習によるレコメンド精度の向上を図るとしている。

ナイキやエクスペディアも顧客、好調のSEOサービスBotifyが2000万ドル調達

SEOをサービスとして企業化したBotifyは、ナイキやエクスペディアなどを顧客として抱えている。同社は米国時間2月26日、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。

共同ファウンダーでCEOのAdrien Menard氏によると、SEOというサービスの商機は「昔に比べるとむしろ今の方が大きい」。そしてSEOという問題は、多くの人が理解しているよりもずっと幅広い問題だそうだ。

彼曰く、「SEOというとキーワードの最適化ぐらいしか考えない人が多いけど、でも大きなWebサイトのページの50%以上はインデクスされていないのだ」。そこでBotifyは、Googleがどのページをクロールしているかを特定し、コンテンツのもっと良い構成の仕方を顧客に勧奨する。

最近Botifyは、JavaScriptで書いたクローラーやモバイルとデスクトップを比較するツールなどのほかに、キーワードプロダクトというものを立ち上げた。それにより同社は今や、“検索というプロセスのすべてのステージを最適化”できるプラットホームを提供している、という。

過去記事: BotifyはGoogleの検索クローラーGooglebotがあなたのページを訪れるようにしてくれる新種のSEOサービス

今回の投資はフランスのIdinvest Partnersがリードし、Ventechが参加した。これでBotifyの調達総額は2700万ドルになる。

フランス生まれの同社は、2016年のDisrupt NYに出たことを契機に米国でもローンチし、近くシアトルに第2のアメリカ本社を開く。それは、ウェストコーストの市場開拓と顧客サポートのためだ。第1本社はニューヨークである。

オフィスの拡張と並んで同社は、Christophe Frenet氏をプロダクト担当SVP、Rachel Meranus氏をCMO(Chief Marketing Officer)として招聘するなど、経営陣の充実にも努めている。最近ではNeolaneの共同ファウンダーStephane Dehoche氏とBuzzFeedの元社長Greg Coleman市を取締役会に迎えた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

飛び込み営業の無駄をなくす、戸別訪問マーケティングのPolisが250万ドル追加調達

PolisのファウンダーであるKendall Tucker氏は、地元の民主政党の選挙対策責任者としてキャリアをスタートした。ただし、一般市民と1対1で会話する機会をもつことが目的だった。そしてその戸別アプローチを政治活動からビジネス世界へと持ち込む会社を作った。

そして今、米国人は戸別訪問セールスマンの再来を歓迎するだろうという彼女の主張を検証すべく、3年前に設立した会社がこのたび250万ドル裕福になった。新しいラウンドにはInitialized Capital(Garry TanとRedditの共同ファウンダーであるAlexis Ohanian氏が設立したファンド)とSemil Shah氏のHaystack.vcが参加した。

ボストン拠点の同社は現在政治活動ツールと新しいマーケティング・プラットフォームの二股をかけている。これはファウンダー自身も危うい状態であることを認めている。

この緊張は、同社が自らにとった最大の政治運動シーズンを終えたばかりであるという事実によって高まるばかりだ。テキサス州の上院議員候補ベト・オルーケのための投票推進運動の後押しとして、Polisのソフトウェアは州内300万人の有権者への呼びかけを調整した。

しかし、政治に焦点を絞ったソフトウェアやサービスのビジネスはリスキーだ。今年、Sean Parker氏が支援するBrigateが閉鎖し、政治活動をターゲットにしているほかのスタートアップも後に続くと噂されている。

「私たちは企業分野への進出を非常に楽しみにしている。なぜなら、インターネットはあまりにも扱いにくいからだ」とTuckerは言った。「そして、結局のところデジタル広告は以前ほど効果的ではない」

デジタル広告分野での顧客獲得コストは上昇している。NRG EnergyやInspire Energy(いずれもPolisのクライアント)などの会社では、オンライン獲得コストが1人あたり300ドルにも上るという。

Polisは、営業員がどの世帯をターゲットにすべきかを識別し、クライアント企業と協力して消費者にとって最も説得力のあるシナリオを作る、とTuckerは言った。また同社は、営業活動を監視してプロセスを管理することによって、しつこい営業員が何度も同じ世帯のドアをノックしないようにしている。

「私たちは戸口の会話を通じてすべてを行う。ターゲティングをして、セールストークの台本を揃えて(どの台本を使うか、いつ台本から外れるかなども)、APIも公開しているので、ほかのマーケティングにもデータを利用できる」とTucker氏は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleドキュメントの文法チェッカーがAIベースになり精度が向上

米国時間2月26日、Googleは、Google Docs(G Suiteユーザーのみ)に、機械学習を応用した新しい文法チェッカーを組み込んだことを発表した。同社は当社この新機能をCloud Next 2018で発表したが、それ以来限定公開状態が続いていた。

文法チェッカーは新しいものではなく、Docs自身にも以前からあった。何が新しいかといえば、文の明らかな間違いや微妙な問題を見つけ出すために機械翻訳技術を応用したことだ。書かれたものを辞書にある単語と比較して間違いに印をつけるも一つの仕事だが、地域や文体によっても異なる複雑な文法規則を理解することはまったく別の話だ。このようなチェックを決められた規則のみに則って行うのは非常に難しいが、同社の機械翻訳技術を使って見つけることが可能になった、と言っている。

「機械翻訳を使用することで、間違いを認識して修正を提案することができる」とG Suiteのプロダクトマネージャー、Vishnu Sivajiが今日の発表で説明した。「われわれは言語学者と密に協力して機械翻訳モデルのルールを解読し、それを元にユーザーの文書に対して自動的に提案するしくみをつくった。すべてAIの力を利用している」

つまりGoogleは、まず大量の正しい文を使ってモデルを訓練し、次に英語からフランス語に翻訳するときに使う同様のモデルを使って、誤りのある文を正しいものに修正している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがモバイルUIツールFlutterを刷新、アプリや機能のオンデマンド配信も可能に

米国時間2月26日、バルセロナで開催中のMWC 2019でGoogleはクロスプラットフォームのUIフレームワーク「Flutter」をバージョン1.2にアップデートした。

今回のアップデートでFlutterはAndroid App Bundleをサポートする。これはアプリや機能をオンデマンド配信するためのGoogleの最新テクノロジーだ。Androidアプリを効率的にパッケージできるだけでなく、ダウンロードせずにアプリを利用できるInstant Appも作成できる。

また新しいFlutterフレームワークにはデベロッパーがアプリ内課金によって収入を得ることを助ける仕組みなど多数のウェブベースのツールが用意されている。

昨年のMWCでFlutterのアルファ版が公開された後、Flutter 1.0がリリースされたのはわずか数カ月前だった。それならバージョン1.1はどうしたのだといぶかる読者もいるだろう。実は先月のベータリリースがそれだった。Flutterチームは毎月一度程度の割合で1.xアップデートをリリースする計画だという。

当然のことながらFlutterは今回のアップデートでパフォーマンス、信頼性とも改良されて通常の安定版になっている。また最新のDart 2.2 SDKがデフォルトでバンドルされる(FlutterアプリケーションはDart言語で書かれている)。開発チームはiOSのサポートにも力を入れておりフローティングカーソルでのテキスト編集にも対処しているという。

Flutterはモバイルに重点を置いたプロダクトだが、最近、Googleではこのフレームワークを使ったデスクトップアプリケーション開発の可能性に言及するようになった。準備の一環として、1.2ではキーボードイベントとマウスカーソルを乗せるイベントのサポートが追加された。Project HummingbirdはFlutterをWebに移植するためのプロジェクトだが、今後数カ月以内にテクニカルプレビューとして公開されるという。

開発ツールとして見た場合、GoogleはすでにAndroid StudioでFlutterをサポートしている。またMicrosoftのポピュラーなツール、Visual Studio Code向けのツールを追加している点も注目だ。また新しいWebベースのプログラミングツールであるDart DevToolsも開発中だ。これらのツールはローカルに実行され、ウィジェットインスペクタ、タイムラインビュー、ソースレベルのデバッガ、ロギングビューなどを含む。

現在、これらのツールは公式プレビュー版が公開されており、既存のVS Code、Android Studioの拡張機能やアドインとともにインストールできる。

今回のアップデートのリリースに加えて、FlutterチームはFlutter Createと呼ばれるコンテストを実施することを発表した。参加者はFlutterを使って「面白くてためになりビューティフルな何か」を作ることを求められる。Dartのコードのボリュームは5K以下でなければならない。賞品には1万ドル相当のiMac Proが含まれているが、メモリー128GBというスペックなので5Kのコードの処理に手間取る心配はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOSアプリのサブスクは間もなく最大10種類の割引を提供できるようになる

モバイルアプリ開発者にとって、定期購読(サブスクリプション)がかなりの収入源に成長し続けている。このためここ数週間のAppleは、そのガイドライン、規則、そして定期購読管理のためのツールまでをも見直す必要に迫られていた。Appleは定期購読が消費者に提示される方法に対するより厳しいガイドラインを発行し、既存の定期購読をキャンセルする方法をより簡単なものにした。今回Appleは、開発者のための新しいツールの提供を開始した。このツールは既存の顧客を維持し、退会してしまった定期購読客を取り戻す役にたつものだ。

同社は金曜日に、定期購読を自動更新するアプリがほどなく、顧客ベースを拡大/維持するために、特定の期間、定期購読をディスカウント価格で提供できるようになることを発表した。これにより、開発者はこれまでよりも、定期購読価格を細かく制御することが可能になる。

今回の変更が行われるまでは、開発者は消費者の気を引くために、最初の登録時だけに使える初回特別価格(introductory offer)を提供することしかできなかった。たとえば開発者は、満額の定期購読価格を課金する前に、消費者に1回限りの初回特別価格や無料試用版、あるいは一定期間のディスカウントを提供して気を引くことができたのだ。

しかし、こうした特別価格はいずれも、初めての顧客に対してのみ適用可能だった。だが新しい定期購読方式の提供により、開発者は既存の顧客にも似たようなディスカウントを提供したり、一度は定期購読を行っていたものの、その後キャンセルしてしまった顧客を取り戻したりすることが可能になる。

この新しい販促特別価格では、初回特別価格と同じ種類のディスカウントが可能だが、その使われ方の点で、より柔軟である。

これまでの初回特別価格は、開発者は地域ごとに1つの定期購読に対して1回だけの特別価格を与えることを許可されていた。新しい販促特別価格を使用することで、開発者は1定期購読あたり最大10種類の特別価格をアクティブにすることができる。これにより、どれか1つだけを選ぶのではなく、どの特別価格が顧客にとって一番訴求するのかをテストすることができる。

また開発者は、ある特別価格が、顧客に表示される時期、表示される地域、そして1人の顧客が申し込むことができる回数の上限などを制御することができる。

なお、初回特別価格は指定したときにApp Storeに表示されるが、今回の新しい販促特別価格はApp Store上には表示されない。すなわち開発者はビジネスロジックを用いて、もっとも価値ある顧客を取り戻すために、他の顧客に提示されているものよりも、良い価格を個別にこっそり表示することができるということだ。また、既存の顧客を維持するためのプロモーションとは異なるサービスとして、一度退会してしまった顧客に対しては、よりディスカウントされた定期購読などのお得価格を提供することができる。

開発者はレシート確認ツールを使用して、自動更新をオフにした顧客を見つけることもできるため、現在の定期購読が期限切れになる前に、新しい特別価格を提示することができる。また、一定期間定期購読を行ってからキャンセルした人ではなく、無料の試用期間中にキャンセル人に対象を絞りこむことなどもできる。

今回の変更を受けて、お金を節約したいエンドユーザーとしては、ときどき定期購読をオフにして、再定期購読のために有利な価格が提供されるかどうかをみてもいいかもしれない。

開発者たちは新機能についての予告を先週受けているが、一般への特別価格提供はまだ行われていない。

特別価格提供を行うためには、開発者は最新のXcode 10.2ベータ版をダウンロードする必要があり、新しいStoreKit APIで実装する必要がある。その後、iOS 12.2、macOS 10.14.4、およびtvOS 12.2の最新のベータ版でその特別価格をテストすることが可能だ。Appleは販売特別価格提供機能は「すぐに」一般に開放されると語っている。

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(翻訳:sako)

メルカリがシェアリングエコノミーに関する共同研究を実施、新たな消費モデル「SAUSE」とは?

メルカリは2月26日、三菱総合研究所とシェアリングエコノミーに関する共同研究を実施したと発表。

同研究では、フリマアプリで洋服や化粧品の取引を行うユーザーを対象にアンケートを実施、アプリ利用前後における行動心理、購買内容の変化を分析した。

メルカリいわく、同調査では以下のことが判明した。

  • モノのシェアを日常的に行う消費者は、「売却」を意識して新品を購入する
  • 消費者の一部は、売却金額を念頭におくことで、新品購入が増加、あるいは購入する商品ブランドが高価格帯に遷移している

三菱総合研究所では、シェアリングサービス普及後の従来とは異なる新たな消費モデルを「SAUSE(ソース)」と定義。これは「Search(検索)」「Action(行動)」「Use(一時利用)」「Share(再販売)」「「Evaluation(評価)」の頭文字を取ったもの。以下3つの消費者行動の変化に着目し、定義した。

  1. Searchから始まる消費行動:スマホの普及により意思決定までのプロセス(認知・興味・関心)がひとまとめになり、リアルタイムで情報収集(検索)にいたる行動に変化。
  2. モノの「所有」から「一時利用」へのシフト:購入した商品を一時的に利用するものとして捉える心理が働くことで、消費においてもその心理に影響された行動をとるように。
  3. モノの貸与・売却後に決まる商品評価:シェアリングによるモノの貸与・売却を通じて、手元から商品が離れた時に、「利用対価(購入価格から売却価格を差し引いた実質の支払い金額)」という観点で改めてモノに対する評価を行うように。

調査では新品洋服購入時の場合は65%、新品化粧品購入時の場合50%が、将来売却することを意識すると回答。「あとで売却する」という意識は新品購入時において大きく影響を与えていることがわかった。

新品購入頻度が増加したユーザーは理由として「フリマアプリでの売れ行きが良いから」「フリマアプリで小遣い稼ぎができるようになったから」などと回答。メルカリは「『あとで売却できる』という心理が働くことで、商品購入に対する心理的ハードルが下がる効果がある」と推察している。

また、20代と30代に限って言うと、洋服の場合だと45%、化粧品の場合だと36%のユーザーがフリマアプリ使用後、購入する商品が高価格帯にシフトしたと回答している。

調査方法:WEBアンケート

調査期間:2018年9月21日〜9月27日

調査対象者:フリマアプリで「洋服」の取引経験者(※20代以上の男女、フリマアプリ利用頻度が3ヶ月に1回以上)フリマアプリで「化粧品」の取引経験者(※20代以上の女性、フリマアプリ利用頻度が3カ月に1回以上)

回収サンプル数:1642件

数百万件の民泊物件を一括検索できる「StayList」が公開、4000万円の調達も

「わかりやすく言えば『trivago(トリバゴ)』の民泊版」。2月26日に正式公開された「StayList(ステイリスト)」の概要について、StayList代表取締役の本間陽介氏はそう説明する。

その例えだけでも十分にイメージは伝わりそうだけど、StayListは民泊物件を対象とした一括検索サイト(メタサーチ)だ。トリバゴが様々な宿泊予約サイトの情報を集約して横断検索できる仕組みを提供しているように、StayListを使えばAirbnbやHomeAwayなど、複数の民泊サイトの情報を一箇所で検索することができる。

同サービスで探せるのは日本やその他のアジア諸国を始め、ヨーロッパや北米、南米など幅広い地域にある民泊物件で、今の所はだいたい数百万件ほどが掲載されているそう。エリア軸のほかアパートメントやコテージといった「物件タイプ」、キッチンやプールなど「設備」を軸に、該当する物件を調べられるのが特徴だ。

現在は日本語、英語、韓国語、中国語(繁体字)の計4言語に対応。今後も対応言語を拡充していく計画で、特にアジア圏に住むユーザーを中心に利用を促進していきたいという。

4000万円の資金調達も実施、連携サイト数の拡大と機能拡充へ

StayListではサービスのローンチと合わせて、2018年10月にジェネシア・ベンチャーズとサイバーエージェント・キャピタルから4000万円の資金調達を実施したことも明らかにしている。

調達した資金を通じて組織基盤を強化し、連携サイト数の拡大や検索機能の拡充など使い勝手の向上に取り組む方針。また調達先となる2社はアジア市場における知見やネットワークを持っているので、資金面以外のサポートも見込んでいるそう。本間氏によると、すでにアジア圏で連携先を繋いでもらったりなど事例もあるようだ。

民泊物件を扱うサービスと言えばAirbnbのイメージが強いかもしれないが、近年グローバルでは数百もの民泊サイトが生まれている。加えて「Expedia」や「Booking.com」といった既存の宿泊施設予約サイトも民泊の取り扱いを始めていて、各サイトに散らばった情報を効率よく比較・検索できるサービスへのニーズが高まってきた。

すでに北米やヨーロッパでは「HomeToGo」や「Tripping.com」のような民泊の一括検索エンジンが台頭。急ピッチで成長を続けている(昨年12月にはHomeToGoがTripping.comを買収している)。日本発のものでも「Stayway」など、関連するサービスがいくつか出てきた。

本間氏もそのような状況を知っていたため、起業前から民泊の一括検索サービスに関心を持ち市場環境や国内外の規制などを調べていたそう。日本でも2018年6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるなど、これから周辺環境の整備が進み市場が拡大していくタイミングだと捉え、10月に会社を創業。StayListの開発に着手した。

本間氏は前職のリクルートホールディングスに新卒で入社して以来、HR領域のデジタルマーケティングに一貫して取り組んできた人物。メタサーチの領域はSEOやデジタル広告など「自分が磨いてきたスキルと相性が良く、デジタルマーケティングドリブンで伸ばしていきやすい」ということも、このプロダクトに決めた理由のひとつだという。

まずはこれから数ヶ月間でStayListのキモとなる連携サイトを増やしつつ、プロダクトの機能拡充を進める方針。6月ごろまでを目処に一通りの機能を揃えた上で、プロモーションなどにも取り組む計画だ。

音楽ストリーミング売上がはじめてダウンロードを超えた、日本レコード協会発表

Spotify、Apple Music、Google Play Music、そして2018年11月に日本上陸したYouTube Musicなど、音楽ストリーミングサービスはビックプレイヤーたちが入り乱れる大混戦の様相を呈している。そして、統計的にもこの領域が大きく盛り上がっていることが分かった。

2月26日、一般社団法人日本レコード協会は、同団体に加盟する全社の音楽配信売上高の合計を発表した。その統計データによれば、2018年における音楽ストリーミングサービス経由の年間売上高(広告収入含む)は349億円となり、全体の54%のシェアを獲得。はじめて音楽ダウンロードによる売上高 (256億円)を超えた。

過去10年間における音楽配信売上の推移は以下の通りだ。注目すべきなのは、2009〜2013年まで急速に落ち込んでいた音楽配信売上高が、2013年を境にV字回復を果たしているという点。そして、それを支えているのが音楽ストリーミング売上高だ。

ダウンロード、ストリーミングのそれぞれの内訳は以下の通りだ。

ダウンロード

  • シングルトラック 160億1400万円(前年同期比97%)
  • アルバム 93億6800万円(同92%)
  • 音楽ビデオ 2億5700万円(同82%)

ストリーミング

  • サブスクリプション/音楽 310億3100万円(前年同期比130%)
  • サブスクリプション/音楽ビデオ 5億3100万円(同91%)
  • 広告収入/音楽 3億3600万円(同388%)
  • 広告収入/音楽ビデオ 29億6800万円(同162%)

音楽を「買って自分のものにする」というダウンロードは根強い支持があるとは言え2009年から徐々に売上を落とし、逆にサブスクリプションモデルのストリーミングの売上高が急拡大している。この統計ではCDやレコードなど“アナログな音楽”の売上高は含んでいないが、少なくともデジタルな世界では、音楽はすでに所有するものではないみたいだ。