AWSの新しいロードバランサーはユーザーによるきめ細かいコントロールが可能

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ニューヨークで行われたAmazonの顧客向けイベントで今朝(米国時間8/11)、AWSのCTO Werner Vogelsが新しいロードバランサーを発表した。それはコンテンツを複数のサーバーに分散する場合、もっときめの細かい分散の仕方をデベロッパーや管理者が指示できる、という負荷分散ツールだ。

それはAWS Application Load Balancerと呼ばれ、これまでの(2009年からある)Elastic Load Balancingツールのように、何をどこに置くかということをロードバランサーが自分のアルゴリズムで勝手に決めるのではなく、人間管理者が決められる。

この新たに加わった制御方式は、これまでのアプリケーションを動かしているだけのユーザーにはあまり関係ないかもしれないが、複数のコンテナに収めた現代的なタイプのアプリケーションを使っているユーザーには、プロセスに対するより強力なコントロール能力を与えるだろう。コンテナ化したアプリケーションは複数のマイクロサービスで構成されることが多いので、個々のマイクロサービスごとにトラフィックを制御できた方がありがたいのだ。

Vogelsはこう言う: “これにより、ユーザーのシステムの個々の部位ごとに、トラフィックの送り方を完全に制御できる”。

たとえば、APIコンテンツ(のリクエスト)はすべてそれ専用のサーバーへ行かせ、モバイルコンテンツは別の専用サーバーが担当する。この新しいツールを発表しているブログ記事は、こう述べている: “こうやってリクエストをルーティングしてやれば、複数のマイクロサービスから成るアプリケーションをそれぞれ個別に、独立的に動かし、またスケールできる”。

ユーザー(デベロッパーや管理者)にはElastic Load Balancing Consoleというコンソールが提供されるので、その上で新しいロードバランサーを使うのか、従来ので十分か、を決めて指示できる。

技術的には、新旧の違いは大きい。前のツールは“Layer 4”のロードバランサーといって、ネットワークプロトコルのレベルで動作し、ネットワークのパケットの内部で起きていることを表す詳細な情報にはアクセスできない。そこでこのツールは今後、Classic Load Balancerと呼ばれることになる。

そして新顔のApplication Load Balancerツールは“Layer 7”のロードバランサーと呼ばれる。それはパケットの内部を覗くことができ、より詳しい情報へのアクセスにより、より高度な仕事ができる。たとえば、パケットの性質に基づいて行き先を仕分けする、といったことも可能だ。

また新しい情報に伴う測度も、CloudWatchメトリクスをはじめ、新しいより詳しい測度だ。たとえばトラフィックはGBで表され、現在のアクティブコネクションの数や、毎時のコネクションレート(1時間あたりの接続数)なども分かる。

この新しいロードバランシングツールは、WebSocketとHTTP/2をサポートしている。これらはどちらも、ネットワークトラフィックを扱うためのより現代的な方法を提供しているから、一部のユーザーにとっては、ありがたいだろう。

Application Load Balancerは今すでに可利用であり、機能が増えているにも関わらず料金は従来品より10%安い。課金の単位は、使用した時間プラス、Load Balancer Capacity Unitsと呼ばれるややこしい測度で、それは毎秒の新しい接続の数や、アクティブコネクションの数、ユーザーが送信するデータの量、などをベースとする単位だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookがフィードアルゴリズムを再変更。有益性の予測はニュース記事に有利か

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Facebookが6月に実施した、パブリッシャーより友達を優先するフィードアルゴリズムの変更によって、ニュース配信会社は集客力を失ったが、その一部を取り戻せるかもしれない。今日(米国時間8/12)Facebookは、有益な記事を予測し、「ユーザーの興味に関連が深い、活溌な議論の材料になる、あるいはニュース価値がある」記事を優先して表示する計画を発表した。

どんなフィード記事が有益であるかを知るために、Facebookは夥しい人数を対象に調査を行った。その結果上に挙げたような基準で人々が記事を認識していることがわかった。それを元にFacebookは、パーソナル化したニュースフィードのモデルを作り、関連性の高い記事と共通点の多い記事や、ユーザーが以前から好んでいる記事と似た記事を選ぶ。

Screen Shot 2016-08-11 at 10.05.31 AM「それは今起きてる出来事のニュースかもしれない」とFacebookは書いている。しかし、何が有益かについては誰もが主観的な視点をもっているので、「好きな有名人の話題やローカルニュース、近日公開の映画やレシピなど、その人にとって意味のある情報ならなんでも」選ばれるかもしれない。

Facebookはこれについて、劇的な変更ではなくすでにフィードの上位に来るような記事の順番が変わる程度で、特定の記事が選ばれたり外れたりするものではないと言っている。「ほとんどのFacebookページにとってニュースフィードへの配信状況が変わることはない。参照トラフィックがわずかに増えるページもあれば、わずかに減るページもある」。

この変更によって、友達の他愛もないコンテンツが重要なニュースより上に表示されてしまうのではないかという恐れを、一部のパブリッシャーに抱かせるかもしれない。パブリッシャーは2ヶ月前の「友達と家族優先」という変更の影響を今も評価しているところだ。伝聞ではあるが、フィードに現れるパブリッシャーの記事が明らかに減ったというユーザー報告もある。

Facebookはこうして有益性を予測する

今日の変更を発表したFacebookのブログ記事は少々曖昧だったが、私はどうやって新しい予測モデルを構築したのかを同社に問いただした。

開発チームはまず、クラウドソースによる調査結果と、フィード品質プログラムの結果を検討した。後者は、記事の重要さ、面白さ、および有益性を1(全く有益でない)から5(非常に有益)までの尺度でユーザーにランク付けさせたものだ。有益性ランク4と5の記事を予測モデルに取り込み、何を探すべきかを教えこむ。

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次に、ユーザー毎に記事の著者との関係、過去の投稿へのコメント頻度、どんな記事をよくクリックしているか等に基づき、モデルをパーソナル化する。こうして得られたヒントを、ユーザーが関心を持った記事のコンテンツ解析に従来から使用している機械学習アルゴリズムと組み合わせることによって、そのユーザーがどんな話題を気にかけているかを判定する。

ニュースフィードのアルゴリズムは、このモデルを使って閲覧可能なあらゆる投稿を解析する。その人にとって有益であると予測された記事は、露出度が高くなる。

Facebookによると、何が有益と考えるかは人によって異なるため、この変更によってニュースの認知度が上がるとは限らないという。それでも、ウェブ広告ブロッカーを回避する ― パブリッシャーの嫌悪する行為 ― という最近の発表と同じように、今日の変更はFacebookとニュース業界との関係を改善するかもしれない。ニュースに関心のある人は、さらにニュースを見るようになるのだから。

このようにニュースフィードの変更を詳しく公表することは、参照トラフィックをフィードに頼っている企業の不安を掻き立てるおそれがある。しかし、Facebookがフィードの法則を密かに変更している、というかつて繰り返し囁かれた疑惑はなくなるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3DプリンターのGlowforge、プロダクト量産と素材の拡充のため2200万ドル調達

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プラスチックの押出成形を始め、木材や金属からの削り出しや細胞を使った生体組織の生成まで、3次元オブジェクトの造形する最新の方法と言えば3Dプリンターだ。

家庭用またはオフィス用のデスクトップ型レーザーカッターとエングレーバーを製造するGlowforgeは、今回2200万ドルを調達し、製品の量産を開始する。同社のファウンダーでCEOのDan Shapiroによると、今後はあらゆる作り手に対応した素材カタログやプレミアムデザインを発表する予定でいる。

Glowforgeはまず初めに、自社サイトでクラウドファンディングのキャンペーンを実施した。主力製品の先行予約は2790万ドルにも達した。またシードとシリーズA投資で900万ドルを調達している。

シアトルに拠点を置くGlowforgeは、シリアルアントレプレナーでエンジェル投資家でもあるDan Shapiroにより創設された。彼はテクノロジー関連の商品比較検索サイトで、後にGoogleによって買収されたSparkbuyのCEOだった。現在、Glowforgeには35人の正社員がいる。

Shapiroによると、調達した資金は人材確保と製造に充てるほか、自社の3Dプリンター用に最適化されたプレミアム素材のブランド「Proofgrade」のマーケティングにも使う予定だ。

新たに開発したProofgradeの素材にはコーティングが施されており、このコーティングは素材をデザイン通りにカットした後で簡単にはがすことができる。

Shapiroによると、ユーザーはProofgradeのコーティング上に直接、黒い油性のマーカーペンでデザインを描くだけで、その線に沿ってレーザーが素材を自動でカットしたり彫ったりすることができる。

さらに、GlowforgeのプリンターはコーティングにプリントされているUV(紫外線)バーコードを読み取ることで、素材に応じて自動で設定を行う。新しいユーザーにとって負担となるプリンターの複雑な設定の手間を省くことができる。

Glowforgeは材料工学の専門家と共同で特別仕様のレザー、木材、アクリルやボール紙などを用意することで、複雑なデザインでも素早くカットでき、切り口もスムーズで高品質な仕上がりを実現するという。

以前に投資したFoundry GroupTrue Venturesは、今回もGlowforgeのシリーズBラウンドに投資している。

FoundryのBrad Feldは彼が以前に投資して、誕生したばかりの3Dプリンター市場で成功を収めたMakerbotとGlowforgeとを比較する。

Makerbotの3DプリンターはレーザーカットではなくFDM方式(熱溶解積層法)をデスクトップ型で実現した。Makerbotは2013年、4億300万ドルでStratasysに買収されたと伝えている。

「Glowforgeは高性能なハードウェアに加えて、ソフトウェアとユーザーコミュニティーにも多くのエネルギーを注いでいます。ハイエンドなプロだけが使うものから、「プロシューマー(プロとコンシューマーの中間)」も使うものへとシフトを起こしていて、それは業界を一新してしまうプロダクトに見られる特徴です」とFledはコメントしている。

Glowforgeは寿司のデコレーション用の海苔やチョコレートなど、食材のデザインも扱えるため、料理愛好家の中でも人気を集めている。Shapiroによると、Proofgradeのラインナップに追加できる食材も調査中とのことだ。

Glowforgeが提供するGlowforge Proのパッケージにはエアフィルターが付き、また素材を通すスロットもあるため、ユーザーは特大サイズの素材、例えば長い木材やレザーなどもカットすることができる。

レーザーカットでは蒸気や煙などが発生するため、Glowforgeはエアフィルターまたは排気口の使用を奨励している。

現在、他社の3Dプリンターを始め、メーカーコミュニティーに向けた「個人で使用可能なデバイス」やビジネス向けのレーザーカッターのFSLaserやEpilogLaserなどの相次ぐ出現で、Glowforgeは競争の渦中にいる。

Glowforgeについての詳しい紹介は、昨年12月のTechCrunchの実演ビデオレポートを参照してほしい。

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(翻訳:Maki Itoi)

AWSの新サービスKinesis AnalyticsはリアルタイムストリーミングデータをSQLで分析できる

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AmazonのクラウドコンピューティングプラットホームAWSが今日(米国時間8/11)、リアルタイムのストリーミングデータをSQLのクェリで容易に分析できるツール、Kinesis Analyticsを立ち上げた。Kinesis Analyticsは、AWSのリアルタイムストリーミングデータプラットホームKinesisを利用するユーザー向けだ。デベロッパーは、Kinesisを使ってストリーミングデータを取り込み、それを自分たちのアプリケーションで使用する。

Kinesis Analyticsを使えば、入ってくるデータを継続的なSQLクェリでフィルタしたり操作することによって、データをアプリケーションがすぐにでも使える形にできる。

AWSのチーフエヴァンジェリストJeff Barrが今日書いているところによると、通常のデータベースクェリは基本的に静的なデータを見る。しかしストリーミングデータに対してKinesis Analyticsでクェリするようになると、このモデルは二義的になる。“クェリは長期にわたって行われ、その間にデータは、新しいレコードや観察結果、ログのエントリーなどとして毎秒何度も々々々変わる。データをそんな動的なものとしてとらえるようになると、クェリによるそれらの処理がとても理解しやすいことが、分かるだろう。パーシステントな(持続的な)クェリを作って、次々と到着するレコードを処理するのだ”、と彼は語る。

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Kinesis Analyticsの主な対象はリアルタイムデータだが、ときには、ちょっとした遅れを挿入したり、到着したデータを集めてバッチ処理した方が、その集まったデータに見られるトレンドを見つけやすくなる。そんなユースケースのためにKinesis Analyticsでは、“ウィンドウ(窓)”をセットできる。窓には三種類あり、周期的なレポート用にはタンブリングウィンドウ、モニタしてトレンドを見つける用途にはスライディングウィンドウ、この二つでだめなときには、時間間隔を任意に設定できるカスタムウィンドウを作れる(何らかの対話性に基づく間隔でもよい)。

Kinesis Analyticsは、AWS Lambdaのように、サーバーレスで処理を行うAWSのプロジェクトの一環だ。このサービスの標準的なユースケースはIoTのアプリケーションだと思われるが、そのほかに、オーディエンス追跡システムや、広告の取り替え処理、リアルタイムのログ分析などにも好適だ。しかもSQLがそのまま使えるので、特殊なSDKをインストールしたり、新しい言語を勉強する必要はない。

このサービスは現在、AmazonのEU(アイルランド)、US East(ノース・ヴァージニア)、US West(オレゴン)の各リージョンで使える。料金は処理量に応じての従量制だ。処理量の単位は、仮想コア一つ、メモリ4GBの仮想マシン一台相当とする。それは、アメリカのリージョンでは1時間あたり11セント、アイルランドのデータセンターでは12セントだ。ただし料金は可変であり、たとえば追加のデータをバーストで処理するような場合には変わる。デフォルトの料金は、毎秒1000レコードというデータ取り込み量を想定している。サービスのスケールアップ/ダウンは、必要に応じて自動的に行われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのクラウドサービスのトップDiane Greeneはどんな人か…Disrupt SFで会えるよ

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Googleが自社のサービスを駆動するために使っているクラウドサービスは、一級品だ。しかしあまりにも長きにわたって同社は、成長著しいクラウドコンピューティングの分野で地歩を築くことができなかった。その一方で、AmazonのAWSやMicrosoftのAzureといった競合相手は、どんどん伸びている。そこで同社は、この船を正しい方向へ向けるために、昨年BeBop Technologiesを3億4800万ドルで買収し、Google Cloud Enterpriseを担当するVPとしてDiane Greeneを迎えた。

Greeneは9月に本誌が主催するDisrupt SFで、Googleのクラウドにおける意欲と、多くの企業をGoogleのプラットホームへ連れてくるための彼女のプランを話してくれるだろう。

エンタープライズ経験の長さと豊富さで、Greeneの右に出る人はいない。BeBopを自分の企業として立ち上げる前には、彼女はVMwareのCEOだった。そこで彼女は、同社のEMCによる買収などの交渉を、差配してきた。また2007年のVMwareのIPOも彼女が担当し、そして2008年に同社を去った。

Greeneは2012年以来、Googleの取締役だから、同社にとって彼女は他人ではない。同じビジョンを共有している仲だ。

この前の本誌インタビューで、彼女はこう言っている: “エンタープライズに関しては、今はGoogleの出番だ。Googleには外部に提供したいものがたくさんあり、しかもそれらの状態がとても良い。エンタープライズ方面の取り組みもかねてから多く、しかもそれらは、Google内部のいろんなもののセットアップに良い結果をもたらしている”。

Googleのエンタープライズ提供物は、それらを今や同社の大量のリソースが支えている。ディスラプトでも、この点が話題になるだろう。

Disrupt SFは再び第48埠頭で行われる。先着順のチケットはまだ少し残っているが、ただし、ほんの少しだ。

ディスラプトを開催できるのも、スポンサーのおかげだ。スポンサーになっていただける方は、sponsors@techcrunch.comにメールをいただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Yelp、Nowaitと連携してレストランでの行列を無用に

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YelpがNowaitと連携して、行列なしにレストランなどを利用できるサービスを提供する。Yelpを使って目的とするレストランの待ち時間をチェックして、そしてアプリケーションからリモートで列に並ぶことができるようにするのだ。またYelpは今回の提携に伴い、Nowaitに対して800万ドルの戦略投資も行う。これはYelpの第2四半期の財務レポート中で明らかにされたものだ。

Nowaitはペンシルベニア州ピッツバーグに拠点をおき、国中で4000件以上のカジュアルレストランと提携している。Chili’sやFirst Watchなどといった全国展開をするチェーン店も含まれている。Nowaitのアプリケーションを使えば、予約を受け付けていないレストランでの待ち時間を確認でき、やはりリモートからウェイティングリストに登録することができるようになっている。

順番がくるとテキストメッセージで通知される。またテキストメッセージにて遅刻を伝えたり、待ってもらえるかどうかの確認を行うこともできるようになっている。

Nowaitはレストランから月額料金を受け取っている。2012年8月に最初の資金調達を行なっており、これまでに2350万ドルの資金を集めている。

NowaitのCEOであるWare Sykesによれば、Nowaitの機能は「来月中に」Yelpに組み込まるとのこと。「まだ明確な日にちをアナウンスする段階ではありません」としている。

「Yelpとの連携は関係者全員にとってメリットのあるものだと考えています」と、Sykesは続ける。「Nowaitを使っていただいているレストランへの訪問は増えることになるでしょうし、Nowaitのサービスをより多くの人に利用してもらえるようにもなるでしょう」。

Yelpからの800万ドルの使い道については「Yelpを使う多くの人々にNowaitを使ってもらえるようにして、そしてNowaitを利用するレストランをさらに広げていきたいと考えています」とのことだった。

ちなみにYelpに登録されている施設のうち、18%がレストランとなっているそうだ。Yelpの広報によれば、レストランを見つけるのにYelpを使う人が増えているのだとのこと。配管修理を頼んだり、犬のグルーミングサービスを探すような使い方がそれに続いているのだとのこと。

Yelpのビジネスディベロップメント部門でシニア・バイスプレジデントを務めるChad Richardによると、知人からの紹介でNowaitのサービスを知り、春から提携に向けて動き出していたのだとのこと。

「Nowaitは、私たちの既存サービスをうまく補完してくれるサービスとなるでしょう」とのこと。「予約なしのレストランでは未だに紙と鉛筆を使ってウェイティングリストに書き込む方式が一般的です。これを効率化する、すばらしいテクノロジーだと感じています」。

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(翻訳:Maeda, H

チェスと囲碁でトップに立ったロボットが、今度はテーブルサッカーの世界チャンピオンを目指す

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昔のコンピューターゲームには、人間同士でプレイするか、コンピューターを対戦相手にするか、という選択肢があった。しかし今では、現実世界の伝統的なゲームでもコンピューターの方が強くなり、人間の方が強いと言える卓上/盤上ゲームは、もはやないのではないか。次にコンピューターにやられるのは、何だろう? フーズボール(foosball, テーブルサッカー)だ。

École polytechnique fédérale de Lausanne(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のロボット工学の研究者たちが、平均的な人間プレーヤーに勝つシステムを作ったが、それはディープなニューラルネットワークが過去の数百万のゲームを分析した結果ではない。本物の戦闘ロボットである彼らに、何よりも重要なのはスピードと力だ。

プロジェクトを指揮したChristophe Salzmannがニュースリリースでこう言っている: “このシステムは小さな脳のある筋肉マンだ。とっても基本的なことしかできないけど、それで十分に勝てるのだ”。

当然ながら、テーブル本体も特製だ。というか、テーブルがロボットだ、と言ってもいい。透明なフィールドの下にカメラがあって、それが毎秒300フレームでボールの位置を追う。コンピューターは至近の選手を数分の1ミリの精度でボールを蹴れる位置へ移動させる。そしてモーターがバーを人間よりも速く回して、ボールを猛スピードで蹴り飛ばす。

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でも、名人のプレーヤーにはかなわない。コンピューターには、位置やバンクショット、相手の盲点などを活かしたトリックができないし、また、相手の位置から動きを予測することもできない。

このような‘知能’をコンピューターに授けるためにチームは、対戦相手のハンドルの動きをレーザーで追おうとしている。その方が、バーをカメラで追うより計算効率は高いだろう。今よりも高度なAIを、作れそうだ。でも、真価が問われるのは、ロボットだけでトーナメントをやるときだ。それもいずれやる、と彼らは言っている。

Why would you do this!

ほんまかい?!

プロジェクトは今も継続している。その状況は、ここで分かる。詳細は彼らのラボのWebサイトでも分かるが、でもそのロゴが問題だ(右図)。巨大なターミネーターの両手が、われわれの惑星を抱っこしている。しかし、どう見ても、人間の味方のようではない!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Teslaの新しいオートパイロットシステムは、3台カメラシステムを採用、レーダーも追加

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Teslaのオートパイロットが近く大幅に改訂されると複数の記事が伝えている。中でもElectrekの最新記事は、新システムの基礎となる新たなハードウェアの詳細を紹介している。Tesla車の自立運転アシスタントは、前方撮影用にトリプルカメラシステムを導入し、車体の周囲にレーダーを追加することで現行モデルの前方レーダーを補完する。

すでにTeslaは、新しい3台カメラシステムの筐体を車体に装着し始めていると記事は報じている。レーダーの追加は、先日Elon Musk がTwitterに書いた、「ライダーではなくレーダーを使ってライダーの効果を実現する」という話とも一致する。

新ハードウェアは、まず現行のAutopilot 1.0で運用されるが、新装置を使用して収集したデータに基づき、今後機能を追加していく。Electrekによると、オートパイロットは「ライブ」データを使用可能であり実際に利用もするが、GPSデータおよび全Tesla車から集めたデータから作成した独自の「高精度マップ」も大いに頼りにしている。マップには新ハードウェアを装備した車を通じてさらに質の高い情報が送り込まれる。

Autopilot 2.0の導入時期について正式な発表はないが、Elon Muskは、同社の自動運転技術にもうすぐ非常に大きな改革がやってくることをほのめかしている。最近の決算会見でMuskは「誰もがあっと驚くことがある」と言い、「それはみんなが思っているより早くやってくる」、新技術は「私を大いに驚かせたので、初めて見た人たちも驚くに違いない」と付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoftがゲームのライブ配信サービスBeamを買収

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Microsoftがシアトルに拠点を置くゲームストリーミングサービスBeamを買収した。Beamでは、ゲームをプレイするストリーマーと一緒に視聴者もゲームをプレイすることができる。Beamの形式は、ストリーミングのファンにとってTwitchやYouTubeといったサービスでおなじみの受動的なインタラクションをベースに、さらに視聴者はクラウドソースのコントロール経由でストリーマーと交流することができる。

Beam経由のプレーヤーは、ストリーミングしている人を誘導し、例えばマルチプレイのショーティングゲームで戦いに持っていく武器の種類を設定したりすることが可能だ。BeamはTechCrunch Disrupt NY 2016でローンチし、Startup Battlefieldで優勝した。ヴィジュアルコントロールで視聴者は、プレーヤーのゲーム場面選択を助けたり、さらには通常にはない、ゲームを大きく変えるような設定をすることもできる。

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BeamはMicrosoftのXboxチームに加わる。「プラットフォームを超え、ユーザーとストリーマーを惹きつけるというこれまでのミッションを追求します」とMicrosoftは伝えている。

BeamのファウンダーでCEOを務めるMatt Salsamendiは、Xboxのコミュニティーに注力している点が、彼ら若い企業にとって良い相性であるとメールで答えた。

「Xboxがコミュニティーに注力している点にとてもわくわくしています」と彼は記している。「Beamは根本的に、熱心なゲーム好きの個人をグループにつなげています。Xboxはその理念に合致しています」。

このニュースを伝えるブログ投稿でSalsamendiは、すぐにBeamのプラットフォームが変わることはないと伝えたが、Microsoftの買収によりBeamはプラットフォームを成長させ、大企業のサポートのもと新機能やゲームの実装を進めるという。

「今のところ通常通りのビジネスです」とSalsamendiはプロダクトプランについて説明する。「私たちは3つの新しいインタラクティブな機能を実装したばかりで、今後もBeamのプラットフォームが視聴者と関わりたいと思うゲームコミュニティーにとって最適な場所になることに注力していきます」。

買収の詳細は公表されていない。Beamは今年の1月5日にローンチし、正式にこのインタラクティブなツールをデビューしたのは5月のDirsruptイベントでだった。 Salsamendiは、Microsoftのレドモンド本社でBeamのチームを率い、そこではXboxのエンジニア部門の下でサービスを運用する。

TechCrunch Disruptの優勝の他に、Beamのチームはシードラウンドで42万ドルを調達し、Techstarsのシアトル2016年のクラスに参加している。

Microsoftにとって、Beamを買収することはインハウスでプレーヤー参加型のストリーミングサービスを構築する助けとなるだろう。買収を発表したブログ投稿でMicrosoftは、Beamのソフトウェアがよりソーシャルなゲームプレイを促進する例としてMinecraftを挙げた。MinecraftはBeamが提供するインタラクティブな機能にもってこいのゲームだ。MicrosoftがLet’s Play動画が大好きな若いユーザーにコミュニティーの間でエンゲージメントを促進することができるなら、今回の買収はとても価値あるパートナーシップになると言えるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

SGI(元Silicon Graphic)をHewlett Packard Enterpriseが$275Mで買収

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この10年あまり、SGIは低迷を続けた。かつてSilicon Graphicsという名で知られた同社は2009年に破産を宣言し、その同じ年に二束三文でRackableに買収されたが、そのときに社名をSGI(Silicon Graphics Internationalの頭字語)に変えられ、世間を混乱させた。

昨年HPからスピンアウトしたHewlett Packard Enterpriseが、かつて(HP時代)の競合他社SGIのまるまるすべてを、約2億7500万ドルで買収することになった。この額には同社のキャッシュと債務の両方が含まれる。一株あたりでは、7ドル75セントだ。

SGIは今でも、サーバーマシンと高性能コンピューターのメーカーであり、全世界に1100名の社員がいる。買収の発表声明でHPEは、以前の競合相手であるSGIが、“わが社に新しい製品ジャンルとそれに伴う新たな市場機会もたらす”、と述べている。買収の完結…各種の規制をクリア…は来年のQ1を予定しているが、その後は同社のプロダクトが一つのポートフォリオに入れられる。

SGIのCEO Jorge Titingerはこう述べている: “弊社の高性能コンピューターと高性能なデータ技術および分析能力は、30有余年にわたるイノベーションの歴史を持ち、HPEの業界最高のエンタープライズソリューションを補完する。両社の組み合わせは、今日の複雑なビジネスの諸問題に対応し、必要とされるデータ分析能力と、大量のデータをセキュアに処理できるツールを提供する”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

3DSの新ゲーム『ポケットモンスター サン・ムーン』には悲しげな魚と波乗りライチュウがいる

どうか私を新しいポケモンが作られている部屋へ行かせてください。 小さくて悲しげな魚、Wishiwashi[ヨワシ]があるレベルに到達すると、悲しみの薄れた魚集団に変わるというアイデアを開発チームが思いついた時、いったい何が起きていたかを正確に知りたい。Wishiwashiは、近く発売されるNintendo 3DS用ゲーム『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場する全く新しいポケモン3種のうちの一つだ。

新しいポケモンは他にも、Pyukumuku[ナマコブシ]とMorelull[ネマシュ]がいて、前者は “innards out”(とびだすなかみ)と呼ばれるこれまた素晴らしい能力を持つ。しかしゲームについて分かったことはそれだけではない。サン・ムーンのゲームの舞台となるアローラ地方にだけ存在する、今いるポケモンの変種を見ることができた。

例えば、落ち着きはらっていけてるニャースや、いつも尻尾でハング・テンをやりたがる波乗りライチュウ。燃え盛るガイコツを両端につけた棒を操るガラガラもいる。

ポケモン株式会社は最後に、悪役集団Team Skull[スカル団]を紹介してくれた。ポケモンの中には良からぬことを企む「チーム」が必ずいるが、この世代の代表がスカル団だ。チームを率いるPlumeria[プルメリ]とGuzma[グズマ]は反社会的な父母を持ち兵隊を従えている。まるで意味がわからないという読者は、心配ご無用みんなの仲間だ。ちなみにスカル団の兵隊は専用のタンクトップを買わなくてはいけない、とポケモン株式会社は言っていた。

『ポケットモンスター サン・ムーン』は、Nintendoのモバイルゲーム機、3DSファミリー向けに11月18日に発売される。これは同社史上最大のポケモンイベントになるだろう。これもポケモンGOのおかげであり、このゲームでどんなに突飛なポケモンが登場しても驚くことはない。浮かぶキーリングにはなかなか勝てない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

同業他社が沈む中iFoodが3000万ドルを調達し南米市場を攻める

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世界的にフードデリバリースタートアップの勢いが落ちてきているようだが、南米の投資家は、少なくともひとつのある企業に新たな光を見出している。

ブラジル発のオンデマンドフードデリバリーサービスを展開するiFoodは、この度3000万ドルを新たに調達し、南米でのビジネス拡大とオンラインフードデリバリー市場での基盤固めをしようとしている。

オリンピック選手がブラジルで金メダルを目指す中、iFoodは新規に調達した資金を利用して、フードデリバリースタートアップ界の表彰台のトップを見据えているのだ。

3000万ドルの資金はiFoodもよく知る投資家から出資されることとなった。Naspersが投資を行ったモバイルコマースの雄Movileや、イギリスを拠点とするグローバルオンラインテイクアウトサービスの上場企業JUST EATは、昨年にもiFoodに対して5000万ドルの投資を行っていた

そのため、この度の資金調達は3社の複雑に絡み合った関係の延長線上にあると言える。今年に入ってiFoodはブラジルにあるJUST EAT傘下のhellofood Brazilを買収しており、新たな資金の一部はメキシコへの拡大を目的として、JUST EATのメキシコ子会社SinDelantalの買収に利用される予定だ。

以前のTechCrunchの報道によれば、MovileはiFoodの支配権の60%を握っている一方、グローバルプレイヤーであるイギリスの巨大フードデリバリー企業Just Eatもその30%を保有している。

メキシコ最大のフードデリバリー企業であるSinDelantalは、2015年2月にJUST EATに買収された。そして2016年2月にJUST EATが買収したhellofood MexicoのオペレーションをSinDelantalと統合したことで、SinDelantalの勢いはさらに増した。

新しい買収話がまとまれば、iFoodはSinDelantalの株式の49%を保有し、SinDelantalはiFoodと、iFoodの30%を保有するJUST EATのジョイントベンチャーとして事業を行うこととなる。なお、買収金額は発表されていない。

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「iFoodは常にモバイルエクスペリエンスのことを意識しています。私たちは携帯電話を使ったフードデリバリー業界で、1番簡単で使いやすいサービスを提供したいと考えています」とiFoodの共同設立者兼CEOのFelipe Fioravanteは説明した。「Movileが持つモバイルの強みのおかげで、常に進化を続ける世界レベルのサービスを生み出すことが出来ました」

この南米のスタートアップに対する新たな投資は、フードデリバリー業界への投資に勢いが無いグローバル市場の流れとは逆行するように映る。

グローバル市場で企業の統合や評価額の急低下が普通になっている中、JUST EATとiFoodだけがその恩恵を受けているのだ。アメリカではSpoonRocketが業務を停止し、その資産をiFoodに売却した一方、ヨーロッパではRocket InternetがJUST EATに対してフードデリバリー事業の売却を行った。

新興市場の状況はさらに悪く、最近のBloombergの記事が示唆しているように、特にインドは大きな打撃をうけている

以下はBloombergのウェブサイト上にあるSaritha Raiの記事の抜粋だ。

ベンチャーキャピタルの資金は干上がり、スタートアップは次々と市場から消えていっている。ムンバイを拠点とし、フードデリバリーアプリの先駆け的存在でもあるTinyOwlは、Sequoia Capitalを含む投資家から2300万ドルを調達していたものの、資金がほぼ底をついてしまったため、TinyOwlよりも規模の小さな競合のRunnrに身売りすることとなった。また、GoogleやAmazon幹部から資金調達を行ったDazoの昨年の事業停止に続き、SequoiaとSnapdeal.comの支援を受けた食料品配達サービスのPepperTapも4月にその幕を閉じた。グルガーオンを拠点とし、インドで唯一のフードテック系ユニコーンであるZomatoでさえ、HSBC Securities and Capital Markets (India)のアナリストによって、今月その10億ドルにおよぶ評価額を半減させられてしまった。

一方、南米でも特にブラジルとメキシコのビジネスは様子が違うようだ。

5年前にローンチしたiFoodは、1万軒以上のレストランとパートナシップ契約を結び、毎月170万件の配達実績を積み上げている。

「ブラジルでの成功を見た後、メキシコでもiFoodと協力関係を結ぶというのは当然の決断でした。」とJUST EAT CEOのDavid Buttressは声明の中で述べた。「iFoodはローカル市場について細部まで理解していて、モバイルサービスにも強みを持っています。この勝利のコンビネーションこそ、私たちが拡大に向けて求めているものでした」

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細かな情報を超えて、南米中のテクノロジー・サービス業界の成長率を表す数字の中には驚くべきものがいくつかあり、これがJUST EATやMovileによる南米企業への投資の理由なのかもしれない。

言葉にするととても味気ないが、世界銀行は南米の中期的な経済見通しの中で、その大きな成長可能性について触れている。

以下が世界銀行のコメントだ。

マクロ経済の持続や物価・金融の安定、さらには引き続き強気の投資家の存在を背景に、経済成長の原動力が再度バランスし、安定した消費拡大を補完するような形で(ネット)輸出額や、プライベートセクターへの投資が増加していくだろう。中期的には、金融・通信・エネルギー分野でのさらなる構造改革によって、経済活動の活発な拡大に向けた土台が固められることが期待される。

世界銀行のこの評価は星の数で言えば3個半くらいに値する。また、マクロ指標と同じくらい重要なのが、他の業界が縮小している南米経済でのEC業界のシェアの大きさだ(多くの新興市場で似た現象が起きている)。

南米中で劇的に増加しているスマートフォンの保有率や、WhatsApp・Facebookといったソーシャルメディアを支配する膨大な利用者数(人口の半分しかインターネットを利用できないにも関わらず、南米のユーザーがWhatAppのユーザーベースの38%、Facebookのユーザーベースの20%を占めている)を背景に、ソーシャルメディアの利用者数は今後さらに増えていくだろう。

同時にアメリカのテック企業は南米の可能性に気づきはじめた。PayPalは最近メキシコの通信大手América Móvilとパートナシップを組んで、モバイルウォレットプラットフォームの開発にあたっている。

18カ国で約3億人の契約者(AT&Tの契約者数の約3倍)を抱えるAmérica Móvilも、Uberと同社のLTV(顧客生涯価値)の一部を含む戦略的提携を行い、南米でモバイル業界が担う役割の重要性を強調する結果となった。

ECが同地域では突出しており、2015年には南米全体で23%の成長率を記録している。これは中国を除く全ての市場を上回る成長率で、中でも経済危機で何年にもわたる打撃を受けたアルゼンチンでは40%の成長を遂げていた。クレジットカードの普及率が15%程度で、人口の約半数が銀行口座を持っていない地域におけるこの数値の意味を考えてみてほしい。このような状況にあっても、様々なデジタルソリューションが人々に求められるているという実態が数字から見て取れる。

これらのトレンドは、iFoodが成功し続ける上で良い前兆となるものばかりであると同時に、マクロ経済が振るわない市場にあってもデジタルビジネスは成長できるということを証明している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

アリアナ・ハフィントン、ハフィントンポストを離れる―新しいウェルネス・スタートアップThriveに集中

2016-08-12-ariana-huffington

今日(米国時間8/11)、有力ニュースブログ、ハフィントンポストの共同ファウンダー、編集長のアリアナ・ハフィントンがハフィントン・ポストを去り、ウェルネス・スタートアップのThrive Globalの育成、運営に集中することが明らかとなった。

今朝アリアナ・ハフィントンは次のようになツイートを投稿した。

HuffPostが最後の仕事になるだろうと思っていたが、私はHuffPostの編集長の職を降りることを決めた。今後は私の新しいベンチャーであるThrive Globalの運営に当たる。 

Thrive Globalというスタートアップはアリアナ・ハフィントンの最初の自己啓発書のタイトル(Thrive: The Third Metric to Redefining Success and Creating a Life of Well-Being, Wisdom, and Wonder)から取られており、 人々が優先順位を選択し、心身の健康をベストに保つことを助ける。

新しいスタートアップは金額は不明だがシリーズAの資金調達に成功している。プレスリリースによればThriveはセミナー、コーチング、その他の方法を用いてユーザーのストレスと疲労を減少させ、健康や心身の充実を図ることを一歩ずつ進めていくという。

Arianna Huffington

Arianna Huffington

シリーズAのラウンドをリードしたのはLerer Hippeau Venturesで、ハフィントンポストの共同ファウンダー、 Ken Lererと元CEOのEric Hippeau創立したベンチャー・キャピタルだ。Blue Pool Capital、Greycroft Partners、Advancit Capital、Female Founders Fund、Zoë Baird、Nicolas Berggruen、Joanna Coles、Ray Dalio、Mohamed El-Erian、Nick Green、Gunnar Lovelace、Fred Harman、Isabella Huffington、Andre Iguodala、Sean Parkerもこのラウンドに参加している。

Thriveは11月、大統領選終了後にスタートする予定。

ハフィントン・ポストは独立企業としてスタートした後、2011年にAOLが買収した。その後AOLはVerizonに買収されている。

〔日本版〕AOLのCEO、Tim ArmstrongのAOL社員向けメモは原文参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AdBlock Plusが「広告ブロックにブロックされないFacebook広告」を再びブロック

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気づいた読者も多いだろうが(ともかく私は気づいた)、最近Facebookが広告の表示を方法を変えた。広告を一般投稿のように変装させブラウザの広告ブロック機能をすり抜けて表示させようとした。広告は至るところに溢れたが、幸いこうした現象は長く続かない。AdBlock Plusのコミュニティーはわずか2日で広告ブロックを無効化する広告を再びブロックする方法を発見した。

火曜日にFacebookは広告表示方法の変更を実施した。Adblock Plusは「別に世界の終わりではない」と冷静に受け止めた。 Adblock Plusのブログは「Facebookが〔直接的に排除に〕動いたことは、広告ブロックがメインストリームの機能となったことを意味する」と述べた。

これはむしろひとつの時代の始まりだったかもしれない。断固たるアンチ広告派のプログラマー、ハッカーは世界中にいる。彼らは力を合わせて即座に結果を出した。

「オープンソース・コミュニティーは素早く対処するだろうと書いたが、実際、期待を上回る成果が出た。とはいえ、これは偉大な勝利というわけではないということは注意しておくべきだ。広告ブロックという地道な作業の一日に過ぎない」とブログは書いている。

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「オープンソース・コミュニティーの広告ブロックの努力と広告掲示側のすり抜けようとする努力の応酬は広告ブロックが発明された当初から続いている。近々Facebookがわれわれの最新のフィルターを無効化するコードを追加するのは大いにあり得る。そうなれば広告ブロック・コミュニティーはまた対応するだろうし、Facebook側もそれをまた無効化するコードを考え出す、等々だ」という。

実際、この記事が発表された後、TechCrunchの取材に対してFacebookの広報担当者は「われわれはこの問題に対処する計画だ」とメールで返事をよこしている。

もちろんハッカーが押し付けられた規制に反発して無効化を試みるのは普遍的現象だ。ある場合には称賛される努力となる。 たとえば〔脱獄などの〕デバイスのブートローダーのハッキングは所有するハードウェアにユーザーが好みのソフトウェアをインストールすることを可能にした。しかし別の場合には、スパマーやマルウェアの拡散者となり、セキュリティーを無効化し、多くの人々に深刻な被害をもたらす。さらにその中間のグレーゾーンもある。広告ブロックというのはこの場合に相当する。

ある考え方によれば、広告ブロックというのはウェブサイトなりサービスなりから売上を盗むことだ。別の考えによればユーザーには自分の見るコンテンツに関して完全な決定権があるべきだということになる。オンライン広告は無意味であり価値がないという主張もある。広告ブロック・ソフトのデベロッパー自身がある種の不当な金儲けをしているという意見もある。ターゲティング広告は役立つが絨毯爆撃的な広告は無意味だからブロックされるべきだと考えるものもいるし、逆に一般広告はよいがターゲティング広告はプライバシーの侵害だと考えるものもいる。

この他にもさまざまな視点があるだろうが、そうした議論を深めるのは別の場所に譲りたい。はっきりしているのは広告ブロックのテクノロジーは誰にでも自由に利用可能であり、何千万人ものユーザーがウェブ体験の改善のために日々利用しているということだ。広告収入によって成り立っている企業はその事実を認める必要があるし、広告ブロックによって妨げられない収入の方法を探る必要があるのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

宇宙探索ゲームNo Man’s Skyのプレイヤーたちがひと晩で1000万種以上の生物を発見

宇宙探査ゲームNo Man’s Skyは、地球が羨望でむせび泣くほどの生物多様性を備えていて、プレイヤーたちは信じられないほど分類熱心である。Hello Gamesの創業者Sean Murrayは今日、プレイヤーたちがこれまでにゲームの中で1000万以上の生物種を発見したことをツイートした。この数は誰の数字を信じるかによるが、地球上で知られている種の数の6.5倍である。

人間の科学者たちによる地球上でのユニークな生物種の正確な数にはゆらぎがあるかもしれないが、No Man’s Skyの宇宙には、その総数をバックアップし、勇敢な探求者たちのゲーム内でのアクティビティの集計を開発者に伝えるサーバーが存在している。

例えば一晩で1000万種の生物がNMSの中で発見された…これは地球上で発見されたものよりも多い。
どうなってるんだ!!!

— Sean Murray (@NoMansSky) August 10, 2016

サーバーの不調にもかかわらず発見はどんどん報告されている。この不調により多くのプレイヤーたちがサービスの接続に問題があることを示す赤いインジケーターを目にしているが、この理由は180億個の探索対象の惑星を提供するこのユニークなゲームに対する圧倒的な関心によって、アクティブ・プレイヤーの数がHello Gamesの予測したものを遥かに上回ってしまったからのようだ。

関心が高いことを示すもう一つのサインは、ゲームが運用され始めた初日に2人のプレイヤーがなんとかお互いを発見することができたことで、これに対してはMurrayはツイッター上で「本当に驚かされた(blown mind)」と発言している。Murrayは、2人のプレイヤーがゲーム中で出会うチャンスは宇宙のサイズを考えると「限りなくゼロに近い」と述べていたので、これはおそらく1000万種の生物種が発見されたことよりも偉業なのだろう。

最初のプレイ時間で、私はかなりの数の新種を発見した。それでは読者に私のベストフレンドを紹介しよう:

フレンド

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(翻訳:Sako)

宇宙居住設備の開発にNASAが6500万ドルを投入

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NASAは火星到達を真剣に考えている。しかも短期滞在ではない。このほど2年にわたり6つの会社に6500万ドルを投入する発表をしたばかりだ。あの赤い惑星へ向かう途中そしてその惑星の表面上で使用できる、宇宙向け居住施設の開発とテストが目的だ。

これは、NASAの Advanced Exploration Systems(民間の研究を宇宙探索のテクノロジーに転用するためのファンド)主導のもとに遂行されている、NEXTStep(NeXTSTEP OSと混同してはならない)パートナーシッププログラムの一部である。

NEXTStepによる昨年の契約のテーマは様々なものだったが、今年の契約のテーマは皆同じである、即ち「地球からの補給なしで独立して数カ月から数年の間、人間が生活し働くことのできる深宇宙用居住設備」。ここで想定されているのは宇宙船である ‐ それも巨大な。

金額も巨大だ、昨年の契約ではおそらく合計1500万ドルが10の企業に振り分けられたが、今年は6500万ドルが6つの企業に振り分けられる。言うまでもないが、遥かに巨額の投資である。

こららの幸運な企業はすべて、深宇宙居住の問題に対し少しずつ異なるアプローチをとっている。

左上から:ロッキード・マーチン、ボーイング、軌道ATK、シエラネバダ山脈のコンセプト宇宙船。

左上から時計回りに:Lockheed Martin、Boeing、Sierra Nevada、そしてOrbital ATKによるコンセプト宇宙船。

Bigelowは既にお馴染みの名前かもしれない:Bigelow Expandable Activity Module(BEAM)は最近、国際宇宙ステーションに接続され、現在テストを受けている最中である 。これから同社はその20倍の大きさ(現行の16に対し330立方フィート)の、Expandable Bigelow Advanced Station Enhancement、別名XBASEを開発する計画を立てている。モジュールをしっかりと折り畳み、後に展開することができるという特長がある、しかしBEAM配備時に起きたトラブルは、課題も多いことを意味している。もちろん、それこそがテストが必要な理由である。

Lockheed Martinは高品質な宇宙機材を無駄にはしたくないと考えている。彼らの計画は、スペースシャトルによって運ばれる貨物モジュールを、居住可能な多目的環境へと転用することだ。アイデアの基本は、実績のある機材を将来の開発の基礎として利用することである。ちょうどモジュールとオリオン宇宙船との間でデータや乗組員を移動させるように。

居住モジュールの内部のNASAのコンセプト。

居住モジュールの内部のNASAによるコンセプト図。

リサイクルに熱心なもう1つ業者はNanoRacksである。同社のISS外実験プラットフォームは昨日運用が開始されたばかりである。NanoRacksはかなりクレイジーなアイデアを暖めている:ロケットの最終段にある大きな燃料タンクを、居住空間に転用しようというのである。同社は、Space Systems LoralならびにUnited Launch Allianceと共に、これが実現可能なクレイジーなのか、あるいは単なるクレイジーなのかを確かめようとしているところだ。

Sierra Nevada(正確にはその子会社のSpace Systems)の計画はおそらく1番野心的なものだ。4回の以上の商業打ち上げで、 ロケット推進装置、拡張可能な環境、そして生活サポートを付け加えて、同社のDream Chaser貨物モジュールの1つの上に構築を狙っているのだ。段階的にそれを進めることは、良いリスク管理を意味している。

BoeingとOrbital ATKはあまり詳細を発表していない。前者はただ広範なテストのためのフルスケールプロトタイプを作成中であるとし、後者はそのCygnus宇宙船を目的のために改造中であると言うばかりである。

もちろん、すべてはまだ始まったばかりだ。そしてとりわけこれらのプロジェクトは、実際に火星やその彼方へ私たちが送り出すものを創り出すわけではないが、可能性の追求と潜在的なリスク発見の任を課せられている。これらの企業によって調査されるテクノロジーは、まずは地上で、次に静止軌道上で、そして最終的には月と地球間で、その性能を証明しなければならない ‐ 長期にわたるミッションのためのハードウェアの「信頼できる基礎」となるために。

NASAはそれぞれのプロジェクトが幾ら受け取るかの詳細を発表していないし、正確なタイムラインや成果物についての発表もまだである ‐ 最終成果は24ヶ月後に現れるという契約ではあるにせよ。現在NASAに対し詳細を問い合わせ中である、もし何らかの回答があればこの記事を更新する。

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(翻訳:Sako)

エネルギー省の研究所が5000台のロボットを使って銀河の3D地図を作る…ダークエネルギー探究のため

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全宇宙に分布する数百万もの銀河の地図を作る仕事は、中途半端が許されない。それは相当な大仕事になるから、たとえばそれをロボットにやらせるなら、高さ10インチの筒状のロボット5000基のひとつひとつに、銀河や星や、ブラックホールから生まれた超大質量のクエーサー、などなどからの光を集めるフィンガーの幅を、測定させることになる。

そしてもちろん、エネルギー省のLawrence Berkeley National Laboratory(ローレンス・バークレー国立研究所)のようなところでも、スイッチを入れればマッピングを開始する、という単純な仕事ではない。まず、エネルギー省の予算承認が要る。その承認を最近得たばかりの同研究所は来年、アリゾナ州ツーソン郊外のキットピーク国立天文台で、DESI(Dark Energy Spectroscopic Instrument, ダークエネルギースペクトル分析装置)の据え付け工事を開始する。

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その巨大な計器が観測を開始するのは2019年だ。さまざまな天体の特性を、光を利用して分析する。われわれから遠ざかっていくスピードも分かる(前にも言ったかな?)。これらの観測によって、急速に膨張している宇宙の110億年前の姿も分かる。それは、宇宙の創成とほぼ同じ時期だ。

観測を行うのは5年間で、空の1/3を対象とし、その2Dのマップに三次元の測度を与える。もちろん、すべての科学者が、新しい発見をこのプロジェクトに期待している。

同研究所の広報、Risa Wechslerが、ダークエネルギーについて語る: “DESIは、現存するものよりもずっと大きな赤方偏移を使って宇宙の3Dマップを作れるだろう。それによって宇宙の物理を探査でき、ダークエネルギーの本質を発見できるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleはどうやって私たちをドングル好きにさせるのか

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まもなくAppleから発売予定の、〈ヘッドホンジャックの無いことがほぼ確実なiPhone〉に関する私の義務的記事へようこそ。私はこのアイデアには全面的賛成ではない。またこれはAppleが以前にも見せた行動でもある ― 一番有名なところで、30ピンコネクターからLightningへの移行によって起きた電子廃棄物問題では、ユーザーだけでなくホテルの室内iPhoneドックもアップグレードを強いられた。また同じことが起きようとしている。しかももっとずっと身近なテクノロジーが対象だ。人々は腹を立てている。

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懸念は理解できる。誰もがお気に入りのヘッドホンを持っているのだから。私はBoseのQuietComfortsが好きで、ランニングにはPhilipsのイヤホンを使っている。どこへ行くにも一緒だ。しかし、このふたつが互いに絡まり合わなければどんなに嬉しいいだろうか。

一般に、ワイヤレスヘッドホンは優れものだ。飛行機の中でも快適に使え、ランニングやスポーツにも実に具合がよい。しかし、本当に変わろうとしているのはドングルだ。それは新機種で旧テクノロジーを使うためのAppleによる中途半端な試みだ。有線ヘッドホンを使うために、何百万という色も大きさも価格も品質も様々なドングルが、iPhoneからぶら下がっているのを見ることになるだろう。そこにできるのはドングルのエコシステムだ。

これまでのところ、Appleのドングルの扱いは…賢明だろうか? 私のMacBookには小さなUSBポートドングルが常に差さっている。79ドルのポートはiPhoneの充電以外ほとんど何もしない。フルサイズのノートパソコンから一切の外部ポートを取り除くという決断。そのおかげでAppleは美しく実用的な超軽量パソコンを作ることがてきた。同時にそれは、アンチAppleの人々に〈パソコン界のマセラティー〉と揶揄させる機会を与えた。市街地を1ブロック以上走るために巨大なトラック用スペアタイヤを必要とする車のことだ。

しかし、良くも悪くも、それはAppleの得意とするところだ:失くした物を惜しいと思わせないよう説得すること。たしかに私もDVDプレーヤーが欲しくなることはあるが、ノートPCからDVDプレーヤーがなくなったおかげで、何年も光学ディスクを見ていないし、もっと良い解決策を見つけた。古いジャンクをつなぐためにシリアルポートが欲しくなることもあるが、古いジャンクはどのみち使えなくなっている。今われわれは未来に向かっているのであり、未来にポートは少ない。

だから恐れることはない。あなたのBeatヘッドホンはiPhoneでも使える。そのためにドングルが必要なだけであり、カラフルな選択肢が山ほど出てくると私は確信している。そしてゆっくりだが確実に、人々は有線より無線のヘッドホン、USBポート付きよりUSBポート無しのノートを選ぶことが増え、必然的に次のことを受け入れるようになるだろう:ポートはわれわれの進歩を妨げてきた。未来はシームレスでクリーンだが、なぜかドングルが溢れている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook出身の2人のエンジニアが、新しいライフログアプリFabricをリリース

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テクノロジーは、投稿、写真、ビデオなどを通じて、デジタル記憶を取得し保存することを簡単にしてきた。しかしそうした過去 ‐ 思い出、活動、その他の体験 ‐ を簡単な手段で呼び出そうとしても、しばしば苦労が伴う。2人の元Facebookのエンジニアによって開発された、新しいモバイルアプリケーションFabricは、こうした問題を解決することを狙っている。

共同創業者であるArun VijayvergiyaとNikolay Valtchanovは、Facebookで過ごした過去数年間に、そのソーシャルネットワークを10億人を超える人々と結びつけるための多くのプロダクトに関わって来た。Vijayvergiyaは(のちにFacebook Memoriesと呼ばれる)Facebookのタイムラインの最初のバージョンをハッカソンで作った人物だ(これは、タイムラインになる前に、TechCrunchが当時記事にした際、偶然リリースされている )。

タイムライン上の最初のエンジニアであることに加えて、Arunはまた「友達とのやりとり」、「今年のまとめ」、そして「過去のこの日」といったプロジェクトの開発にも関わった。一方Nikolayは、ランニングとサイクリングのためのモバイルアプリケーションとFacebookとの統合に力を注いでいた。

Facebookのを去った後、2人は共に様々なプロジェクトに取り組んだものの、ついに日々の生活の自動記録というアイデアに立ち返ってきた。

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特にArunが、彼の父親についての(父親の大学時代の友人たちによって書かれた)物語が満載の、印刷された本を手にした時に、このプロジェクトの実行を促されたのだ。その本は父親が行った旅行や父親が知り合いだった人たちに関する詳細が書かれたものだった ‐ それまでArunが知らなかったことで溢れていた。

「この世を去るとき、自分自身について語ることができる物語を残して行きたいと思うのです – 誰に対してもというわけではなく、ただ気にかけてくれる人のために」とArunは語る。おそらく彼の父親の本のようなものを、但しデジタルで。

Fabricは現在iOSで利用できるようになっている、サインアップが終わるとすぐに、あなたの物語を自動的に記録し始める。FacebookやInstagram、そしてカメラロールから写真を取り込み、それらを地図ビューの上にプロットする。横にはタイムラインが表示され、いつそれらの写真を撮影したかがわかるようになっている。

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インポートが完了すると、スワイプして日々の記録を見ることができるようになる。このアプリは、会った人、訪れた場所、そして記録した瞬間を追跡する、それらはカラフルな円として表示され、ジャーナルビューの中でタップすることができる。

同時にFabricはソーシャルな要素も持っている。アプリに友人を追加しておくと、2人が一緒に行動する度にその記録を行う。

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将来的な目標は、利用者が覚えておきたいと思う全てのもの ‐ メモ、歌、その他何でも ‐ を記録できるようにすることだ。そして、TimehopやFacebookが1年もしくは数年前の今日を振り返らせるやり方とは違う方法で、あなたの過去を浮かび上がらせる手段を助けようと彼らは努力している。

その代わりに、たとえば「最後にお母さんに会ったのはいつ?」といった質問にFabricは答えることができるようになる。

「おそろしく長い時間はかかると思いますが、私たちは拡張記憶(augmented memory)ソリューションを提供したいと考えています。ある時点での脳内を検索してみたいと思うでしょう ‐ 私たちはそれは実現可能だと考えています。私たちは、その第1歩を進めようとしているのです」とArunは語る。

現在、マウンテンビューのY Combinatorのクラスである同社は、現在ブートストラップの段階である。ArunとNikolayだけがフルタイムで働いている。

Fabricはまた「自分データ定量化の熱狂的推進者」であるNick Feltonからのアドバイスを受けている。Feltonはその年次報告書でインターネットの有名人となり、その後Facebookのタイムラインを再構成した人物だ

FabircはiTunesのApp Storeから無料でダウンロード可能

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(翻訳:Sako)

Facebookが360度動画に自動モードを設定するGuideや視聴者の関心を示すHeatmapなどのツールを発表

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マーク・ザッカーバーグは将来ビデオ・コンテンツがFacebookのベースとなると約束した。これを実現するためにFacebookはビデオ・アナリティクスを公開した。ビデオの作成者は視聴者の人口動態、ライブ放映の場合の視聴者数の時系列変化、各種共有の影響などを簡単に知ることができるようになる。

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しかし標準的なビデオ・アナリティクス・ツールよりさらに興味深いのはFacebookの360度動画の設定を効果的にするツールだ。Facebookにはすでに25万本の360度動画がアップされている。現在のところ視聴者はビデオのどこからスタートしてどこを見るか、すべて自分で決める必要がある。ビデオの作成者はどのアングルから見るのがいちばん面白いかを視聴者に伝えることができなかった。この問題を解決する2つの新しいツールが公開された。

360度動画でストーリーテリング

Guideツールは 360度動画のデフォールト視聴パスを設定できる。つまり視聴者側から何もしなくてもビデオの視聴アングルはクリエーターがあらかじめ指定したラインに沿って動く。360度動画をアップロードするとき、詳細設定コントロールに新しいタブが追加され、「Guideを有効にする(Enable Guide)」をクリックすると画面中に視聴アングルを指定するポイントが表示され、動的なパスを設定できるようになる。Guideを使用して視聴パスが設定された動画をユーザーが再生すると、このパスに沿って360度動画の視聴窓が動くので興味ある箇所を見逃さずにすむ。

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Guideを使えばクリエーターは視聴者が重要なポイントを見逃すことを心配せずに360度動画でストーリーを表現できるようになる。Facebookによれば、Guideでパスを設定すれば「〔水中撮影の場合〕ダイバーが飛び込んでくる瞬間やサメが背後から近づいてくるところ」を視聴者は見逃さずにすむというわけだ。視聴はスワイプ動作でいつでもGuideを中断させ、関心を抱いた場所を見ることができる。またGuideボタンをタップすることでいつでもGuideを再開できる。

360度動画にGuideが実際に使われている例のひとつはNew York Timesのオリンピック記事だ。リオデジャネイロのメインスタジアムでウサイン・ボルトが100m走で世界最速を記録した様子を見ることができる。

Heatmapを利用すると、ビデオのクリエーターは360度動画がどのように視聴されているかを知ることができる。30度以上の窓の移動データが記録され、累積視聴回数に応じて色分けされるため、もっともポピュラーな視聴アングルが簡単に分かる。

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4月下旬以降、ユニーク視聴回数が5万回以上のビデオすべてでHeatmapが利用できるようになる。クリエーターはHeatmapの地図を利用して視聴者の関心を知り、Guideでデフォールト・パスの設定を行う助けにすることができる。

Facebookは今回発表されたツールにより、 ソーシャルメディアの360度ビデオでますます有利な立場を獲得しそうだ。YouTubeも360度ビデオの再生機能があるが、TwitterとSnapchatにはまだ欠けている。ザッカーバーグはこれまでも繰り返し「Facebookはテキストと写真ベースからビデオ、特に360度動画ベースの存在になっていく」と述べている。しかし新しい新しい表現媒体が登場した場合、クリエーターが効果的な使い方を発見するまでには時間がかかる。Facebookのアナリティクス・ツールとビデオ設定ツールは360度ビデオを本格的なアートの段階に推し進めるために役立ちそうだ。

〔日本版〕Facebook日本語版では360 videoを「360度動画」と訳している。再生時にコンパスの上部が点滅している場合はGuideによる自動モードが設定されている。視聴者がコンパスをクリックすると自動モードが開始される。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+