ポケモンの背中にピッタリ―、フリマアプリのメルカリが米App Storeでランキング3位に急浮上

ポケモンGo人気で「日本発」アプリが引き続き注目されるなか、別の日本発アプリが躍進中だ。以前から着々と北米市場進出を狙っていたフリマアプリのメルカリだが、ここ2日ほど急にランキングをあげているようだ。App Annieのデータによれば、以下のように本記事執筆時点(日本時間7月29日午前、アメリカ時間28日午後)で米国向け無償iPhoneアプリ全体の3位に付けている。ポケモンGoの背中にピッタリとくっつき、Instagramを抑えている。ちなみにショッピング部門ではメルカリが1位で、類似の競合サービスで米国で人気のPoshmarkはショッピング部門9位だ。

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直近のメルカリのランキング推移(データはApp Annieによるもので画像はメルカリ提供)。オレンジがショッピング部門、水色が総合部門のランキング。120〜160位にいたのが2日ほどで急上昇しているのが分かる(縦軸は1日単位)

メルカリ創業者でCEOの山田進太郎氏によれば、10位以内にランクインして、まだ24時間程度。日本時間の28日には急浮上して3位に登りつめたようだ。何か特定の施策が奏功したというわけではなく、「普通にバズってる感じですね。一部のフォロワーの多い人たちから火が付いたようです。他にもこれかなという施策もなくもないのですが、まだ精査中」(山田CEO)という。最近実施したいくつかの施策に加えてインフルエンサーが取り上げたことで相乗効果が出ているようだ。

ランキング上位浮上以前には1日3万ほどだったダウンロード数は、現在30万弱と10倍程度になっているという。メルカリの米国でのダウンロード総数はiOS、Android両方で1200万以上。ちなみに、AndroidのPlay Storeでのランキング1位はポケモンGoだが、上位にメルカリは見当たらない。ユーザー層に違いがあるのかもしれない。

日本のスタートアップとしては過去2014年に10月にニュース部門で米国App Storeランキング1位ということあったが、ゲーム以外で総合部門上位ランキングに食い込むのは珍しい。ゲームと違ってネットワーク効果(ユーザーが1人増えるごとに、既存ユーザーにとっての利用価値が上がる効果がある)が効くプラットフォームサービスであることから、ユーザー増はクリティカルだ。いまの上位ランクインが瞬間最大風速のような現象だとしても、普及への弾みとなるだろう。

メルカリは日本向けでは手数料10%を課金している。すでに2015年12月時点で月間数億円規模の黒字を出しているということだったが、まだ米国では課金ははじめていない。メルカリ取締役の小泉文明氏によれば、米国市場での課金開始の議論は続けているものの「まだユーザー獲得のフェーズ」という。また、販売・流通サービスで重要な指標となるGMV(Gross Marchant Volume:取扱高)については「非公開」(小泉氏)としている。

実名グルメサービス運営のRettyがWiLなどから11億円の資金調達、月間ユーザー数は2000万人突破

Facebookアカウント連動による実名グルメサービス「Retty」を運営するRetty。同社は7月28日、WiL、ABCドリームベンチャーズ、既存投資家(EIGHT ROADS VENTURES JAPAN)を引受先とした約11億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。またRettyではあわせて、MAU(月間ユーザー数)が5月に2000万人を突破したことも発表した(2016年7月時点で2200万人)。

Rettyでは今回の資金調達を元に、開発者の確保やオフィス環境整備を行うほか、サービス改善や規模拡大を進める。

ちょうど1年前に開催した戦略説明会で月間ユーザー数1000万人と発表していたRetty。Retty代表取締役の武田和也氏によると、その後も1カ月に約100万人ペースでユーザーを増やしてきているという。口コミの投稿数は80万店・270万件で、「口コミが一定の数になって、(ユーザー増加の)カーブが大きくなってきた」(武田氏)という。また都内が中心だった口コミも、大阪や名古屋、福岡、札幌など地方都市でも増加しているという。ユーザーの属性は20代〜50代だが、中心となるのは30代。各種競合サービスと比較しても若い世代が利用しているという。

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このユーザー数増加の原動力は何か? 武田氏は流入経路の割合を非公開とした上で、「SEOの割合は大きい」と語る。またスマートフォン(ウェブ、アプリ含む)とPCで比較すると、スマートフォンからのアクセスが7割になっているという。同社では年内にも月間ユーザー数3000万人を目指す。

Rettyではナショナルクライアント向けのブランディング広告と店舗向けの集客支援サービスでマネタイズを進めている。売上は両事業で「ちょうど半々くらい」(武田氏)な状況だが、近い時期にも単月黒字化する見込みだという。「集客支援事業もユーザー数が1000万〜1500万人を超えた頃から認知も広がって伸びてきた。競合サービスに追加して導入を決めてもらっているイメージ」(武田氏)

友人とVRでファッションショーを見ながらショッピング、KABUKIが挑む未来型ECサービス

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2016年はVR元年と言われている。今年10月にはPlayStation VRも発売され、一通りのVR向けハードウェアが出揃う。けれども、VRが本当に立ち上がるためにはVRコンテンツが鍵となる。徐々に360ChannelなどのVR番組やゲームといったエンターテイメント領域でのコンテンツが立ち上がる中、KABUKIが提供を目指すのはVR内でのショッピング体験だ。KABUKIは「VR Shopping with Voice Chat」を8月下旬から提供開始するにあたり、本日、記者発表会を実施した。

「VR Shopping with Voice Chat」と銘打つこのサービスでは、どこからでも友人と一緒にファッションショーを見ながら、買い物を楽しめる体験を提供する。このサービスの利用方法は次の通りだ。専用アプリをダウンロードし、VRを視聴できるヘッドマウントディスプレイにセットする。LINEやFacebookなどでつながっている友人同士がアプリにアクセスすると、ファッションショーのランウェイが目の前に広がる。ランウェイには、マネキンが最新ファッションを着用して登場し、ユーザーは友人とおしゃべりをしながらファッションショーを楽しむことができる。ランウェイに登場するファッションアイテムは、ファッション情報サイト「コレカウ」のスタイリストによるスタイリングだそうだ。気に入ったファッションアイテムがあれば、VR画面内で詳細を確認することが可能だ。詳細画面では洋服を回転させたり、拡大表示させたりすることで細部まで確認し、そこからアイテムの購入もできる。

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KABUKIの代表取締役CEOを務める大城浩司氏は前職、楽天市場の営業部長を務め、複数の新サービスを手がけた経験を持つ。大城氏はインターネットショッピングが普及するにつれ、ECサイトはUIや検索の精度に重きが置かれるようになったが、ショッピングの楽しみもあるサービスを作ることを考えたという。例えば友人とデパートに行って会話をしながら買い物をするのもショッピングの楽しみだ。「VR Shopping with Voice Chat」では、沖縄と東京にいる友人同士でも場所に関わらず、そういった会話をしながらショッピングする体験を提供するという。

このVRショッピング体験は、同社が提供するメディア型ECモールである「kabuki ペディア」と連動していくと大城氏は説明する。「kabuki ペディア」は単に商品のECページだけでなく商品のストーリーを伝えることで、潜在的な需要を喚起するサービスだという。例えば、バルミューダーのトースターを紹介する記事では、商品の機能だけでなく、このトースターで「素敵な朝を迎える」ライススタイルをストーリーとして伝えることに重点を置く。KABUKIが目指すのは、そういった生活スタイルのストーリーを伝えることで商品が売れていく世界とし、VRショッピングもストーリーを伝える手段として取り入れるという。Kabuki pedia

具体的には、「kabuki ペディア」のECページの上部に「VRで見る」といったボタンを設置し、VR上で商品の詳細を見るための動線を置く計画だという。今回、重点的に紹介されたのはファッションという切り口だったが、今後はアウトドア関連商品やインテリア商品もVRショッピングに対応していく予定だそうだ。

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今回私もVRショッピングのデモを視聴してみたが、残念だったのは全体の解像度が低いためにファッションアイテムの魅力を伝えきれていないように思えたことだ。もちろんこういった部分は技術の進歩とともに改善することだろうし、視聴コンテンツに関してもクオリティー面も内容も充実していくことが期待できるだろう。また、VRコンテンツは自分1人で視聴するとVR空間が広いために寂しさを感じることもある。けれど、今回の友人と一緒になってファッション談義に花を咲かせることを勧める「ソーシャル」な体験を強調したVRショッピングはコンテンツとしては面白いかもしれない。

ヤフーとYJキャピタル、テック領域特化の新ファンド「YJテック」を組成

ヤフーと100%子会社であるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のYJキャピタルがテック領域での投資を強化する。両社は7月27日、ビッグデータやAI、サイバーセキュリティ分野特化の投資ファンド「YJテック投資事業組合(YJテック)」を5月に組成。あわせて国内外2つのファンドへのLP出資を決定したことを発表した。

YJテックは2016年5月末時点で35億円規模(持分割合ではヤフー98.6%、YJキャピタル1.4%)の資金を運用する投資ファンド。米国やイスラエル、日本などで最先端技術を保有するスタートアップ企業への投資を行い、最先端の知見や技術トレンドをYahoo! JAPANが提供するサービスに活用していくことを目指すという。

ファンド組成にあたり、ヤフーコーポレート統括本部企業戦略本部総合事業企画室長/データ&サイエンスソリューション統括本部D&S事業開発室長を兼任する谷口博基氏が専任パートナーに就任する。これに加えて、Yahoo! JAPANの技術領域の3人の執行役員が助言を行う。

またYJテックでは米Data Tribeおよび慶應イノベーション・イニシアティブの両ファンドに対してのLP出資を決定したとしている。Data Tribeはサイバーセキュリティ、アナリティクス、ビッグデータ領域のスタートアップに特化した投資を実施している。また慶應イノベーション・イニシアティブはグリー共同創業者で元副社長の山岸広太郎氏が手がける7月設立の慶應義塾大学初のファンド。IT融合領域、デジタルヘルス、バイオインフォマティクス、再生医療の4分野を中心にして、大学の研究成果を活用したスタートアップへの投資を行うとしている。

ケータイ利用で数秒審査、新型クレジット決済「Paidy」がSBIなどから約16億円を調達

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事前登録不要でケータイの電話番号とメールアドレスだけで数秒で審査が完了し、オンライン決済で支払いができる新しいタイプのクレジットサービス「Paidy」を提供するエクスチェンジコーポレーションは7月27日、シリーズBとして1500万ドル(約15.8億円)の資金を調達したことを発表した。(※記事初出時1600万ドルと誤記していました。訂正してお詫びします)

今回の調達ラウンドでリード投資家を務めたのは、SBIインベストメントが運営するFintechファンドEight Roads Ventures Japan(旧Fidelity Growth Partners Japan)で、ほかに伊藤忠商事、Arbor Ventures(香港)、SIG Asia Investments(米国)も参加している。エクスチェンジコーポレションは2008年に元ゴールドマン・サックス日本法人のトレーダーだったラッセル・カマー氏らが設立し、P2PレンディングのAQUSHからスタートして、現在のサービスにピボット。2014年7月にシリーズAで330万ドルを調達した経緯がある。

エクスチェンジコーポレーションの説明によれば、Paidyは日本国内で1億人以上が利用可能な「リアルタイム・クレジット口座」だという。事前登録は不要で、利用者はメールアドレスと携帯電話番号を使って決済できる。SMSまたは自動音声で案内される暗証コードを本人認証として使っている。利用者は当月利用総額を翌月10日までにコンビニか銀行で支払う。加盟店への支払いはエクスチェンジコーポレションが保証する。エクスチェンジコーポレションは、機械学習を使った審査をしているという。

paidy02Paidyの加盟店は現在国内60万店舗以上。アディダスやリーボック、DEAN&DELUCA、Stores.jp、SHOPLISTなど、ファッションやスポーツウェア、コスメなどのブランド商品を扱う加盟店が増えているという。主要な加盟店ではPaidyの利用率は20〜30%。今回の投資ラウンドで新役員となるEight Roads Ventures Japan代表のデービッド・ミルスタイン氏は発表文のなかで「日本ではオンラインショッピングの約40%で代引きやコンビニ払いといったクレジットカード以外の決済手段が選択されている。このような日本特有の決済市場において、Paidyはより使い勝手の良い、直感的なソリューションを消費者に対し提供し、加盟店の利益やオペレーションの向上に貢献している」としている。

エクスチェンジコーポレーション代表のカマー氏も、今回リード投資家の1人で新役員として入っているEight Roads Ventures Japan代表のミルスタイン氏も、外資金融出身の日本在住歴の長い外国人。投資資金もドル建てということもあって、そうは見えないかもしれないが、日本市場をターゲットとした日本発のFintechスタートアップだ。SBIや伊藤忠が入った今回の大きな資金調達でどこまで普及が加速するか要注目だ。

“検索しない”美容室予約アプリ「requpo」が正式ローンチ、TLMなどが支援

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ネットで美容室を予約しようとすると、サイト上でエリアやスタイリスト、カットやカラー、パーマといったメニュー、さらにはカレンダーから空いているスケジュールを選び…と、なかなか面倒だったりする。「美容室の都合に合わせて予約を入れる」と考えれば仕方がないことだが、今回紹介するリクポは、その考え方を真逆に変えるような予約サービスを展開するという。同社は7月27日、これまでクローズドベータ版として提供していた美容室予約アプリ「requpo」を正式ローンチした。

requpoは、「ユーザーの都合に対して美容室がオファーを行う」という、今までとは逆転の発想の美容室予約アプリだ。美容室を予約したいユーザーは、希望するメニューと予算、追加サービスを希望する「おねだり」、さらに希望のスケジュールや現在の髪型、希望する髪型(髪型は任意)を入力する。ユーザーの予約情報はサービスを利用する美容室に通知されるので、条件が合えば美容師側がユーザーにアプローチ(予約のオファー)を行う。ユーザーがそのアプローチを受け入れれば予約完了。入力した内容がそのまま電子クーポンになるので、あとは美容室に向かえばいい。その後ユーザーが実際に来店した際に「来店しました」のボタンを押すことで一連の作業は完了(ここで美容師ごとに1回980円の課金が行われる)。


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美容室側にはユーザーの予約を断る機能があるので、無茶な条件では予約できない仕組みだという。サービスは当初東京の渋谷から表参道、原宿エリアに限定して展開。年内にも東京都内での展開を目指すほか、今後はユーザー、美容師の評価機能を実装し、いわゆるドタキャンやノーショウ(連絡なし・来店なし)を防ぐ仕組みを作る。ビジネスモデル特許も出願中だという。

美容室から見ればrequpoは新規顧客獲得のための新しいツールだ。美容業界のマーケティングツールとしては、リクルートライフスタイルの展開する「ホットペッパービューティー」が圧倒的なシェアを誇っている。だがホットペッパーを代表とする販促メディアなどは、プランや地域によっては月額で数十万円の固定費がかかるし、ドタキャンやノーショウを防ぐ決定打となる施策があるかというとそうでもない。それを成果報酬型(かつ今後は評価制度を導入すること)にすることで、幅広い店舗での利用を狙う。約2カ月、ユーザー200人、美容室30店舗でテストを行った結果、30件ほどのマッチングが成立。ドタキャンはほぼなかったという。もちろんこれはあくまで知人を中心としたクローズドなテストなので今後この割合がどうなるかは不明だけども。

リクポは2015年12月の設立。独立系ベンチャーキャピタル・TLMのほか、IT業界の経営者を中心にしたエンジェル投資家5人がシードマネーを提供する。代表取締役CEOの木崎智之氏は学生時代にオフラインのコミュニティ運営(共同創業)やファッションショーの企画・プロデュース(代表)などを手がけてきた人物。その後ウェブ制作会社などを経て美容・婚礼業界向けのウェブマーケティング会社の子会社代表となった。美容業界について学ぶ中で同僚だった現・リクポ取締役の姫野航平氏とrequpoの事業を企画し、今回の起業に至ったという。

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リクポのメンバー。前列左が代表取締役CEOの木崎智之氏、前列右が取締役の姫野航平氏

JX通信社がQUICKと共同通信から数億円規模の資金を調達、金融分野でのニュース技術の開発へ

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ニュース速報アプリ「NewsDigest」などを開発するスタートアップ、JX通信社は7月27日、QUICKおよび共同通信社を引受先とした第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。金額および出資比率は非公開。関係者からの話によると、数億円規模の資金を調達したと見られる。

JX通信社は2008年の設立。2012年に自社初となるニュースアプリの「Vingow」をリリースしている。Vingowの特徴はキーワードを元にした記事収集と自動要約機能。現在はこの機能をカスタマイズし、法人向けのニュースエンジン「XWire」として提供。これまで共同通信や産経新聞をはじめとする大手新聞社、ニュースアプリなどに導入。その数は200メディアを超えるという。

またこれと並行して、2015年には速報配信に特化したニュースアプリ「NewsDigest(ニュースダイジェスト)」の提供を開始。さらにこの速報配信技術をもとに、法人向けサービス「FASTALERT」も開発。大手メディアや金融機関への提供を進めているという。先日資金調達を発表したSpecteeも速報性(とAI)を武器に報道機関に情報を提供するサービスだが、JX通信社もまた違うアプローチで速報性の高い情報配信にチャレンジしている。

JX通信社では今回の調達を受け、QUICKと共同で金融分野でのニューステクノロジーの開発を進める。なお同社は2015年にも共同通信デジタルとの資本業務提携を実施しており、共同通信グループとの連携もより強化していくという。

任天堂の次世代ゲーム機、NXに新たな情報―分離式コントローラー、TVドックを装備し本体はポータブル

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任天堂の次世代ハードウェア、NXを覆う秘密のベールは依然として厚い。しかし今までよりすっと詳しいスペックが報じられた。この記事によると、次世代ゲーム機の本体はポータブルのようだ。しかも他のゲーム機には見られない多様な機能を追加するモジュールも付属する。

Eurogamerの新しい記事によれば、NXシステムのコアは「ディスプレイを装備するハイパワーなポータブル・デバイス」だという。付属の2個のコントローラーは必要に応じてディスプレイの両側に取り付け可能だ。しかしコントローラーを外した状態ではゲーム機というよりスマートフォンに近い。携帯網を利用した通話機能があるかどうかは不明。Eurogamerは「初期の噂とは異なり、NXはAndroidに依存せず、任天堂が独自に開発したOSを搭載する」としている。

これまでの報道によれば、NXはプロセッサーとしてNvidiaのTegra X1モバイル・チップの後継モデルを利用する。そうであれば他のモバイル・デバイスとくらべても十分なコンピューティング・パワーを得られるだろう。しかし最新の据え置き型ゲーム機ほどのパワーはなさそうだ。しかしNXは家庭内で使えるようデザインされており、テレビに接続するためのドックも付属する。これによりNXは居間でも外出先でも利用できるようになる。

任天堂はこれまで最新のグラフィックス能力を追求したことはない。任天堂のゲーム機が画期的であるのは単なるハードウェアのパワーによるものではない。ゲーム体験そのものの改良に集中するのが理にかなう方向だろう。NXは現在のWii
Uに期待されながら実際には欠けている能力を提供するものになるようだ。つまりユーザーが居間のテレビに接続して大画面でゲームを楽しんだ後、ゲーム機をポケットに入れて外出し、地下鉄に乗ったところでゲームの続きをシームレスに再開できる能力だ。

またEurogamerはNXのゲームはダウンロードと同時にカートリッジでも提供されると報じている。

報じられた内容が事実であれば、NXはスタグネーション気味のゲーム機の世界に魅力的なオプションを投入して再活性化されるものとなりそうだ。「ゼルダの伝説 Breath of the Wind」が完全にハンドヘルドでプレイできるだけでなく、同時に通信機能を利用した屋外ゲームにも対応するというのは魅力的だ。しかし実物が登場するまでは任天堂がバッテリー駆動時間の問題をどう解決できたか不明だ。また居間でのプレイ時にテレビと接続するドック・モードの能力や使い勝手も重要なポイントになるだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ヘルスケアスタートアップのFiNCがFitbitと提携、ライフログデータの自動転送が可能に

左からFitbit副社長兼アジア・パシフィック責任者Steve Morley氏、Table for two事業開発マネージャー 張一華氏、FiNC代表取締役社長 溝口勇児氏

左からFitbit副社長兼アジア・パシフィック責任者Steve Morley氏、TABLE FOR TWO事業開発マネージャー 張一華氏、FiNC代表取締役社長 溝口勇児氏

法人向けウェルネス経営ソリューションなどを手掛けるFiNCは7月26日、フィットネス用ウェアラブルデバイス大手のFitbitとの提携を発表した。これまで手動で入力していた活動量や睡眠時間などのデータの自動入力を可能とし、FiNCサービスにおけるユーザーの継続意欲の向上を狙う。

FiNCはこれまで、法人向けウェルネスサービス「FiNCプラス」や、企業の人事・労務向け健康データ分析マネジメントツール「FiNCインサイト」を通じ、従業員の心身の健康データを収集し分析。従業員の健康リスクの見える化や、個々人に最適な生活習慣改善に役立てる”ウェルネス経営ソリューション”を提供してきた。

FiNCが掲げる“ウェルネス経営”は“健康経営”に似た意味合いだが、FiNC代表取締役社長の溝口氏は「健康経営は身体だけに焦点を当てているイメージが強い」として、「心」にもフォーカスする意味を込めて、ウェルネス経営という言葉を2012年の創業時から使い続けていると語る。

心身の不調による従業員の離職・休職者の増加や生産性の低下。そして健保組合の財政悪化は企業にとってコスト要因になっているといい、FiNCはデータとソリューションによってこれらの問題の解決するとしている。人工知能(FiNC AI)を活用することで、トレーナーや栄養士を雇うよりも低コストなソリューションを実現したという。

ウェアラブル連携でユーザーの継続率向上狙う

今回の提携により、Fitbitのウェアラブルデバイスで測定した睡眠・心拍・歩数などのライフログデータを、FiNCサービスに自動転送できるようになる。手動でライフログを入力する手間を省くことで、FiNCサービスのユーザー継続率向上が狙えるというわけだ。

連携可能デバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種

連携可能デバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種

連携可能なデバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種。対応サービスはFiNCプラス、FiNCダイエット家庭教師、FiNCウェルネス家庭教師、ボディデザインプログラムの4つ。連携に追加費用は発生しないが、別途Fitbitのデバイス代が必要になる。

なおフィットネス用ウェアラブルデバイスを開発しているメーカーは、FitbitのほかにもWithingsやMisfitなど複数ある。提携先にFitbitを選んだ理由についてFiNC ライフサイエンス事業部 グローバル対応業務担当のLucas Hannell氏は「世界で一番売れているのがFitbit、信頼性があり、かつ一番リーチがあると判断した」と説明。また今後については、「我々はデータの会社なので、Fitbit以外のメーカーを連携対象に加えることもありえる」とした。

またFiNCはFitbitのほか、開発途上国支援を行う特定非営利法人のTABLE FOR TWOとも提携。FiNCプラス導入企業の従業員の減量分を450g=20円として換算し、相当する金額を開発途上国の給食支援プログラムに寄付する取り組みを発表した。

日本のオフィスから紙をなくす、請求管理サービスMakeLeapsが資金調達

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クラウドの請求管理サービス「MakeLeaps」を展開するメイクリープスがシリーズAの資金調達を行ったと発表した。調達額は非公開だ。リード投資家はRakuten Venturesが務め、既存投資家である500 StartupsとAngelListのファウンダー、ナバル・ラビカント氏がこのラウンドに参加している。

MakeLeapsは「日本のオフィスから紙をなくす」ことを目指し、帳票の作成・発送・入金管理業務を自動化し、紙ベースの作業を効率化するクラウドサービスだ。MakeLeapsには発注書、納品書などの書類作成、口座連携機能、書類の郵送代行といった機能がある。また、MakeLeapsは外貨とバイリンガル機能にも対応しているため、国際間の取引でも使用できるのも特徴だ。

代表取締役CEOジェイ・ウィンダー氏と最高技術責任者CTOのポール・オズワルド氏が立ち上げたMakeLeapsは、2011年10月からサービスの提供を開始している。2014年8月には、サンフランシスコの投資プラットフォームAngelListを介して60万ドルを調達した。このラウンドにはAngelListのファウンダーであるナバル・ラビカント氏、はてな非常勤取締役のリチャード・チェン氏を始め、複数のエンジェル投資家が出資している。

今後の展望として、MakeLeapsは請求管理特化型サービスから、業界ごとの異なるニーズに合わせた 総合的なビジネスプラットフォームを構築・展開していくと伝えている。

TechCrunch JapanはMakeLeapsに今回の調達についてコメントを求めている。返信が到着次第、追記したい。

AIがSNSから“現場の映像”を収集、「Newsdeck」にフジテレビが出資

  • spectee人工知能(AI)で事件や事故、災害の画像・動画をネット上から自動収集し、投稿者の許諾を得て報道機関に提供するサービス「Newsdeck」に、テレビ局からの注目が集まっている。

今年3月にアルファ版をリリースしたばかりだが、すでにNHKに加えてフジテレビやテレビ朝日などの民放キー局が導入。地方のテレビ局やウェブメディアも合わせて15社が報道で利用している。

運営会社のSpecteeは7月26日、フジテレビ系列のVC「フジ・スタートアップ・ベンチャーズ」をリードインベスターとする資金調達を実施したことを発表。金額は非公表だが、関係者によれば1億円前後とみられる。

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Newsdeckのダッシュボード画面。報道機関は「事件」「事故」「自然災害などの項目から画像や映像を検索し、ニュースで利用できる

AIで「火事」と「焚き火」を識別

Newsdeckは、TwitterをはじめとするSNSから事件や事故、災害に関する画像・動画をリアルタイムに収集し、AIが「火災」や「人身事故」「爆発」といった項目に分類する。

例えば、火災の画像を収集するにあたっては、あらかじめ「燃えている画像」「煙が出ている画像」「消防車の画像」などを学習させ、収集した画像が「火事」らしいかどうかを判定。火事と焚き火の画像もAIで識別できると、Specteeの村上建治郎社長は説明する。

「火を囲んで談笑しているか、火から離れて見ているのか、といった複数の要素と、過去の学習成果をかけあわることで、AIが一瞬で判断する。」

SNSの投稿を使う報道機関は通常、投稿者から個別に許可を得るが、Newsdeckも同じ。アルファ版公開当初はボットで定型文を送って許諾を求めていたが、「返信率が上がらなかった」ため、現在は人力でメッセージを送っている。

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新宿・ゴールデン街の火災で注目

Newsdeckが報道機関から熱視線を送られるきっかけとなったのは、4月12日に発生した東京・新宿ゴールデン街の火災だった。

ゴールデン街の火災では、現場に居合わせた一般人がTwitterに動画を投稿。その動画を番組で使用するために、多くのテレビ局が投稿者へ利用許諾を求めた。

その模様をまとめたTogetterによれば、最も早く利用許諾を求めたのはSpectee。Twitterに火災動画が投稿されてから、わずか3分後の出来事だった。

Specteeに続いたのはテレビ朝日で、動画投稿から10分後、TBSは20分後、フジテレビは2時間26分後と、AIと人力による収集能力の差が如実に表れた形だ。

スタッフをネットに貼り付けて動画や画像を探し、その都度、投稿者に許可を得るのは手間とコストがかかるーーそう考える報道機関がNewsdeckに依頼するケースが増えているようだ。

デマ投稿にどう対応する?

Twitterに事故や災害の第一報が投稿されるのは珍しくなくなったが、中には「デマ」が出回ることもある。

4月の熊本地震では「ショッピングモールが火災」といったデマ写真がTwitterで拡散。この情報に惑わされたフジテレビが震災特番の中で報道し、番組中に訂正したこともあった。

こうしたデマ投稿に対応するために、Newsdeckは過去に同じ画像や動画が投稿されていないかをフィルタリングする。「ネタ画像」の使い回しかどうかをチェックするためだ。

熊本地震では「ライオンが動物園から脱走した」というデマ写真もTwitterで拡散したが、これはヨハネスブルグの画像を使い回したものだった。

「自動収集した画像や映像は最終的にスタッフが目視する。それでもデマかどうか判断できないものは消防や警察の情報にも当たっている。」(村上氏)

報道機関に変わって画像の収集から権利処理までを肩代わりする

報道機関に変わって画像の収集から権利処理、情報の裏取りまでを肩代わりする

フジテレビと動画・画像キュレーションで提携

VCを通じて出資したフジテレビは、7月に「ネット取材部」を新設。同部署のコア機能として、Newsdeckの利用を見込んでいる。フジテレビ報道局での導入も進める。

子会社のフジテレビラボとも提携。視聴者投稿型サービス「FNNビデオポスト」とNewsdeckを統合して、動画・画像のキュレーション事業を年内に開始する。

「アジアでは勝てる」

今回の出資を受けてSpecteeは、台湾や香港、韓国、シンガポールの報道機関にもNewsdeckを売り込む。アジア進出にあたっては、フジテレビとともに出資したCBCのネットワークを活用し、その後は欧州と米国にも進出する。

国内に競合はないというが、海外に目を向けると、2015年7月にソフトバンクなどが1億ドルを出資したことでも話題になった米BanjoYouTubeと共同で報道映像を配信する米Storyfulなどがある。これら海外勢への優位点について、村上氏は次のように語る。

「権利処理や現場状況の聞き込みなど、投稿者との丁寧なやり取りが強み。この点は海外プレイヤーが抜けている部分。日本でもテレビ局をはじめ既存の顧客からは、AIの技術以上に、その点を評価いただいている。」

アジアの報道機関には「米大手テレビで採用されている」というよりも、「NHKで採用されている」という方が説得力があると村上氏は言い、アジアでは勝てると踏んでいる。「小資本でもレバレッジが効き、小さくても勝てるエリアを探してそこから欧州、米国を攻めていきたい。」

“現場の映像”の通信社

今後は、SNSの投稿を提供するだけでなく、ドローンで自ら映像を撮影したり、タクシーのドライブレコーダー(事件の現場近くに止まっていたタクシーで撮影した映像が役に立つことがあるらしい)などの映像も収集する考え。

収益源は報道機関が支払う月額料金。将来的にイメージしているのは、国内外の報道機関にニュースを配信する「通信社」の画像・動画版だ。

「日本では共同通信社がテレビ局と年間億単位で契約している。Specteeは国内外の報道機関と契約し、2018年までに売上高10億円を目指す。」

「500円のスキル売買」から「相談のゲートウェイ」に——ココナラが8月下旬にも法律相談サービス開始

ココナラ代表取締役の南章行氏

ココナラ代表取締役の南章行氏

500円でユーザー同士が経験や知識を売買できるCtoC型のサービスECサイトとして、2012年にスタートした「ココナラ」。サービスを手がけるココナラ(2014年にウェルセルフより社名変更)が、2015年11月にジャフコ、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、VOYAGE VENTURESらから総額5億4000万円の資金調達を実施した同社が、「2018年上場」の目標を掲げてサービスを拡大する。その第1弾となるのは弁護士に無料・非公開で相談ができるマッチングサイト「ココナラ法律相談」。8月下旬のローンチを目指してティザーサイトを公開。サービスに登録する弁護士の募集を開始した。

まずはココナラのこれまでについて紹介しよう。このサービスがローンチした2012年当時といえば、まだ今どきのCtoCだのシェアリングエコノミーだのという波が日本に押し寄せていない時期。一方米国を見てみると、5ドルでユーザー同士がスキルやサービスを売買できる「Fiverr」が2010年にローンチしており、ココナラはいわばそのクローン的なサービスの1つという印象が強かった。ココナラ代表取締役の南章行氏は、当初から“その先”の展開を見据えていたと語る。「2016年に入るまではマーケティングも行わず、会社の目指す姿もあまり発信せずにここまで来た。だが大型な調達を行い、2018年に上場すると打ち出し、プレゼンスを取って行くフェーズになった」(南氏)

ココナラの現在の出品数は8万件。カテゴリーの上位3位は占い・鑑定、心の悩み・健康、似顔絵・イラストだが、これ以外にも幅広いスキルが売買されている。また、過去4年間、約10%の月次流通高成長率を維持。7月は月次流通高8000万円超を達成する見込みだという。当初500円均一だった売買額も、おひねり機能やランク制度の導入などを経て上限金額を上げていった(現在500〜5万円で設定可能)ことも流通高の向上に寄与した。

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また特徴的なのが継続課金率。一度購入したユーザーの課金率は最初の数カ月で10数パーセント〜20%程度に落ち込むものの、以後、ほぼ継続して課金を続ける。また出品者がブログやソーシャルメディアで告知することで、口コミでそのファンが流入するということが起こっているそうだ。

「ココナラのメインユーザーはざっくり言うとPCで来訪する男性ビジネスマンと、スマホで来訪してプライベートな相談をする女性。案件ベースで言えば占いなどが多いが、どんなことでも『相談するならココナラ』と考えてもらえる立ち位置を取れている。ユーザーごとの購入カテゴリーを見ても、3〜5カテゴリーと複数にわたるケースが6割以上。もちろん継続課金率自体を上げていく施策は必要だ」(南氏)

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「500円のスキル売買」から「相談のゲートウェイ」に

そんなココナラがこれから目指すのは「相談のゲートウェイ」。無料のQ&Aサービスや一般的なクラウドソーシングでは解決できないような重要性・緊急性・個別性の高い相談の依頼者(購入者)と、固有のスキルを持っているが集客に向けた広告費を負担したくない、できない出品者、さまざまなジャンルで存在するそんな依頼者と出品者を結ぶための入り口になるという。

具体的にはどういうことか? これまで占いやデザインなどの低単価・高頻度の案件が発生する業界についてはトランザクション単位で課金する手数料モデルでビジネスを展開してきたが、今後は高単価・低頻度の案件が発生する業界にも参入。こちらは広告モデルで出品者から課金するのだという。その第1弾が冒頭で触れたココナラ法律相談だ。

このサービスは、ユーザーが遺産相続なり男女のトラブルなりの相談を投稿すると、最大5人の弁護士が回答をくれるというもの。相談は無料で、他のユーザーに相談内容が見えることはない。そして相談の結果、訴訟などを行う場合、ユーザーは最適な回答をくれた弁護士に連絡をして、直接依頼ができる。

このサービスで弁護士にかかる費用は月額3〜6万円程度になる予定。無料版のサービスも用意するが、有料版ではプロカメラマンによる撮影などで弁護士紹介ページを拡充するほか、得意領域の登録機能などで露出を強化する。なお早期本日から一定期間までは無料でサービスを提供する。2018年8月までに弁護士2500人の登録(うち有料1000人)を目指す。

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実は法科大学院の設立などを背景に、2000年以降弁護士の数は大幅に増加し、その結果弁護士所得は減少傾向にある。そのため若手弁護士を中心にウェブでの集客は進んでいるという。そこにいち早く目を付けたのは弁護士ドットコムが運営するQ&Aサイト型の「弁護士ドットコム」。また最近では弁護士トークの運営するチャットアプリ型の「弁護士トーク」なども登場している。

ココナラでは法律相談の運用を踏まえて、2017年以降新カテゴリーでのサービス展開を狙う。また2018年にはサービスEC領域のM&Aや海外進出なども進める計画だという。

3タップで株を売買できるスマホ証券One Tap BUY、ソフトバンクから10億円の資金調達

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10年ぶりに新規設立されたスマートフォン特化のネット証券会社One Tap Buy。昨年開催の「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルでは、審査員特別賞とAWS賞を受賞。その後金融商品取引業者登録を完了し、6月にスマートフォン向け株式取引アプリ「One Tap BUY」をローンチしたばかり。そんなOne Tap Buyが7月25日、ソフトバンクから10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。両社は今後サービスの連携を図るとしている。

One Tap BUYは2013年10月の設立。代表取締役CEOの林和人氏は以前にも中国株取引のオンライン専業証券会社を立ち上げ、イグジットした経験を持つ人物。同社は3月にソフトバンクから資金を調達。それ以外にもモバイル・インターネットキャピタルやDBJキャピタル、オプトベンチャーズなどから資金を調達している。

提供するアプリのOne Tap BUYは「ロゴマークで銘柄を選ぶ」「売買する」「確認」の3タップで株式の売買が可能だ(通常、スマートフォンでオンライン証券を利用する場合は10タップ以上の操作が必要となる)。AppleやFacebookなど、30銘柄の米国株を1万円から購入可能。ポートフォリオの円グラフをタップで操作するなど、直感的なUIも特徴だ。2016年度内には日本株やETF(上場投資信託)の取り扱いも開始するとしている。

6月のローンチ以降、アプリのダウンロード数は3万5000件以上。ユーザーは20〜60代、特に20代後半〜40代前半が中心だという。特徴的なのは全ユーザーの半数以上が投資未経験者だということ。One Tap BUYでは「新しい個人投資家市場を開拓している」としている。

エムスリー出身のファミワン、無料診断と生活習慣のサポートで“妊活”を支援する「FLIPP」をローンチ

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妊娠に向けた活動を指す「妊活」。これを支援すべく立ち上がったスタートアップがファミワンだ。同社の調査によると、妊活を開始する平均年齢は28.1歳、平均期間は19カ月、平均費用は59万円だそう。妊活は大きく分けて(1)タイミング法(排卵日予測)、(2)人工授精、(3)体外受精の3つがある。(1)、(2)に関しては保険が適用されるが、より確度の高い(3)は保険適用外で1回30〜50万円かかるそう。期間的にも経済的にも負担は小さくなく、まだまだ「負」が存在する領域なのだという。

そんな負を解消すべく、ファミワンは7月25日、妊娠のパーソナルサポートサービス「FLIPP(フリップ:Fertility Life Improvement – Personal Program)」ベータ版の提供を開始した。

FLIPPはオンラインでの無料妊娠力診断とその改善サポートを組み合わせたサービス。妊娠力診断では、食事・運動・夫婦関係・ストレス・習慣の5つのカテゴリーの質問を元に、妊娠を望む家族向けに、10段階評価での「妊娠力」を診断する。診断内容は聖路加国際大学 不妊症看護認定看護師教育課程の専任教員である川元美里氏が監修する。改善サポートでは、サプリメント、書籍、自然食品、メールによるパーソナルサポート、妊活後のサポート(出産後のお祝い金5万円)の計5点を月額9800円(3点6800円)で提供する。

FLIPPでの支援内容

FLIPPの支援内容

「妊活で苦しむ人をゼロにしたい。年間200万組が妊娠を希望していると言われているが、では実際に何をすればいいか、誰に聞けばいいかという不安を抱える人は多い。そんな人の道しるべになるようなサービスにしたい」——ファミワン代表取締役の石川勇介氏はこう語る。

石川氏は医療従事者向けの情報サイトなどを展開するエムスリーの新規事業開発部門の出身。自らの家庭でも妊活に苦労した経験から2015年6月にファミワンを創業した。同年11月より試験的に妊活支援サービスをリリース。サービス自体はうまく回らなかったが、2016年3月にはその一部を切り出す形で無料のQ&Aコミュニティ「famione」をローンチ。さらに妊活支援のオウンドメディア「famit」をローンチしたのち、FLIPPの提供に至った。

同社は現在、エンジェル投資家からシードマネーを調達しており、サービスの進捗を見て、今秋をめどにも資金調達を検討する。3年後に課金ユーザー5万組を目指す。また今後は、FLIPPで得た妊活のデータをもとに、妊活ついての研究も進めるとしている。「妊活のプラットフォームを作っていきたい。現在はヒアリング1つとっても難しい領域だが、生活習慣のデータが集まることで、まだ解き明かされていない点も多い妊活を科学的にひもといていけるのではないか。もちろん医療行為はできないが、リスク提示や『こういうことをやってみればいい』ということは伝えていきたい」(石川氏)。なおファミワンは7月15日〜16日にかけて開催されたIncubate Camp 9thに参加している。

CRMと地図を統合して「サラリーマン巡回」最適化―、UPWARDが2億円を調達

自社プロダクトの資料ダウンロードが起こった瞬間に、その資料を閲覧している企業担当者のすぐ近くにいる営業マンに「○○ビル5階に訪問してご説明すべき」とスマホの地図で示せたら良くないだろうか?

最近横浜から東京・日本橋へオフィスを移転するとともに社名も変更したUPWARDがやっているのは、まさにこのCRMと位置情報の統合だ。マーケティング・オートメーションツールやCRMといったツールには、今のところ地図・位置情報を扱うレイヤーが欠けている。

2002年創業で受託中心の開発会社だった「オークニー」は社名を「UPWARD」へ変更し、改めて自社プロダクトで勝負する。受託開発中心だった横浜時代に区切りを付け、Draper Nexus Venture Partners日本ベンチャーキャピタル(NVCC)から総額2億円の資金調達を行ったことを今日発表した。

UPWARDはCRMと地図・位置情報の連携で実現したフィールドセールス向けのクラウドサービス。ツールとしては、iOSアプリがあるほかモバイルブラウザで動くHTML5版がある(次期プロダクトではReact Nativeの採用を検討しているそうだ)。すでに大手メーカーやサービス業を中心に、約140社でUPWARDは導入されている。グリコ、ダスキン、アサンテなどが顧客企業の例だ。直近での導入事例としても大手機械メーカーに全国で約1600人いるフィールドセールスマンが利用する行動支援サービスとして採用された。この機械メーカーでは一人の営業マンの担当エリアが大きいためUPWARDの採用は効率化のメリットが大きいという。

UPWARDの金木竜介CEOは、「都内で動く人のナビゲーションが提供されてない。いまは住所で検索して地図を見てるだけ。それで訪問している」と現状の非効率を指摘する。UPWARDではエリアごとの集計営業計画の立案効率的な訪問ルートの計算といったことができる。移動時間も考慮して直帰の設定も可能だ。「顧客とのアポ設定やターゲットリストの絞り込みは時間がかかっていて、これをマネージャーがやってたりするのが現状です。ここをオートメーション化していく」(金木CEO)。UPWARDは、もともとオークニーの受託時代から主にオープンソースを使ったサーバーサイドの地図情報システムに取り組んでいて「ある区画の顧客情報だけを引っ張ってくる」というような処理が得意という。


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UPWARDは2011年から動作しているプロダクトで、2013年にはセールスフォースと資本提携して3000万円の投資を受けた。その後、シリーズAでみずほキャピタルから3000万円、2014年のシリーズBでサイバーエージェント・ベンチャーズSMBCから8000万円、2016年に入って4月と6月にDraper NexusとNVCCからそれぞれ1.5億円、5000万円の合計2億円を調達した形だ。ピーク時30人だったときよりも社員数は12人と減ったが「筋肉質となった」と金木CEO。受託開発から急速な成長を目指すスタートアップへの脱皮には、変化に伴う「成長痛」もあったようだが、CRMへの位置情報レイヤーの統合は興味深い領域。セールスフォースから出資を受けていることもあるし、日本市場にとどまらず、新社名どおりUPWARDが上向きにスケールできるか注目だ。

日本発のKeychainは“認証だけのブロックチェーン”、電子メールや金融取引を低コストに暗号化

日本法人を設立準備中のスタートアップKeychainは、ブロックチェーン技術を応用した低コストなPKI (公開鍵基盤)に基づくサービス群を2017年2月にローンチすべく準備を進めている。2016年7月19日に都内で開催したお披露目のイベントで、同社は計画中のサービスの内容を初めて明らかにした。

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Keychain CEOのJonathan Hope氏。この日のデモもHope氏がコードを書いたもの。手にしているのはIoTデバイスに見立てたRaspberry Pi。

Keychainが考えていることをざっくり要約すると、「仮想通貨/アセット管理なし、認証だけのブロックチェーン」を用いたソリューションを企業向けに提供するというものだ。例えば、ビットコインの送金と同じぐらい簡単に電子メールの暗号化ができるようにする。電子メール暗号化といえばPGPが有名だが、KeychainはPGPのような複雑な初期設定なしに、Microsoft OutlookプラグインとQRコードの組み合わせで暗号化メールの送受信を手軽に実現できると同社は説明する。

もちろん用途は電子メールだけではない。金融機関どうしがSWIFT(国際銀行間金融通信協会)など既存のシステムを使って交換するメッセージに電子署名を付与することや、IoTデバイスとクラウド間のセキュアなメッセージ交換も視野に入っている。つまり同社は、「認証だけのブロックチェーン」を、他のブロックチェーン技術が狙っているのと同じ市場に売り込もうとしているのだ。

Keychainのサービスは2017年2月に正式ローンチ予定で、それに先駆けPOC(Proof of Concept)に参加する企業を募集中である。さらに「シード投資家も募集中」だと同社は言っている。

低コスト認証基盤と既存システムを組み合わせ、メール暗号化や金融システムのセキュアなトランザクションを狙う

今のところKeychainのメンバーは2人。Goldman SachsやBloombergでの開発者経験を持つJonathan Hope氏(共同創設者CEO)と、慶應義塾大学SFC出身で第一勧業銀行、ソフトバンク・ファイナンス(のちのSBIグループ)、ゴメス・コンサルティング、仮想通貨取引所Krakenでの経験を持つ三島一祥氏(共同創設者COO)だ。彼らが組んで立ち上げたKeychainのキャッチフレーズは「Decentralized Authentication Platform(分散認証プラットフォーム)」。その中核にあるのは、先に説明した認証だけの独自ブロックチェーン技術だ。同社は技術の詳細は公開しておらず、NDAベースで個別に開示していると話している。同社の独自ブロックチェーン技術の中核部分は2016年末頃にオープンソースで開示する予定とのことだ。

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COOの三島一祥氏。前職は仮想通貨取引所Krakenだ。

これは私個人の意見だが、Keychainのサービスの説明は、世の中で盛り上がっている仮想通貨やブロックチェーンの知識をいったん棚上げして、「分散型で低コストの認証基盤」として見た方が分かりやすいと感じた。

同社はKeychainについて「ブロックチェーン・ベースのPKI(公開鍵基盤)」だと言っている。従来型のPKIではCA(認証局)のコスト負担が大きかったし、肝心の認証局がハッキングされる残念な事例も発生している。これに対して、Keychainはブロックチェーンを活用して従来より低コストな認証基盤を提供する。分散した複数のノードが全体として信頼性を獲得するブロックチェーンの仕組みをうまく応用すれば、セキュリティと低コストを両立させた認証基盤を作ることは可能なように思える。同社は2014年11月から19カ月にわたりこの認証基盤の開発を進めてきたとのことだ。

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電子メール暗号化のデモから。QRコードで公開鍵を交換し、Microsoft Outlookのプラグインを導入するだけで暗号化が可能。この画面では「なりすまし」を警告するメッセージを表示している。

同社がイベントで見せたデモは次の3種類だ。(1) 金融機関が交換するメッセージ(電文)の暗号化。(2) Microsoft Outlook用のプラグインにより送受信するメールを暗号化。(2) IoTデバイスとクラウドサーバー(デモではRaspberry PiとAWS)の間で交換するメッセージを暗号化。このように用途は広い。すぐに使えそうな用途は電子メール暗号化だ。一方、同社が本命として狙っているのは、金融機関のシステムに組み込まれる用途だろう。Keychainは認証だけを引き受け、金融機関が持っているシステムを使って電子署名付きのトランザクションを処理する。セキュアで、しかもブロックチェーン技術より速いペースでスケールさせることが可能だと同社は主張している。

逆張りのブロックチェーン活用

ここまでの説明で、ブロックチェーンや仮想通貨に詳しい人ほど疑問が湧いてくるのではないかと思う。誰がブロックチェーンをホスティングするのか? 独自ブロックチェーンがハッキングされない保証はあるのか? 仮想通貨なしにどのようなインセンティブ設計をしているのか?

これらの質問への回答はごく常識的なものだった。ブロックチェーンをホスティングするのは同社の顧客となる金融機関などだ。独自ブロックチェーンのセキュリティは第三者の専門家の監査により担保する。仮想通貨とは無縁の仕組みなので、ライセンス料や利用料によりビジネスモデルを構築する。独自ブロックチェーンの開発はKeychain社が責任を持って行う。説明を聞く限り、ブロックチェーンのホスティングにパートナー企業が参加する以外は従来のソフトウェア・スタートアップとほぼ同じモデルといっていい。

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Keychainの説明資料から。ブロックチェーンを「認証だけ」に使い、メッセージ交換や取引は従来のシステムを活用する。

秘密鍵の管理はどうするのか、との疑問もある。回答は、仮想通貨の場合とそれほど変わらない。複数の秘密鍵を組み合わせるやり方(ビットコインのMultisigと同じだ)や、ハードウェアに秘密鍵を持たせるやり方によりセキュリティレベルを高めるというものだ。

Keychain CEOのJonathan Hope氏は、ブロックチェーンのメリットを(1)アセット管理(価値記録)、(2)スマートコントラクト(ブロックチェーン上で自動執行されるプログラムによる電子契約)、(3)認証の3点に整理した上で、次のように説明する。「ブロックチェーンによるアセット管理が定着するには5〜10年はかかるだろう。スマートコントラクトに至っては定着は無理だ。しかし、低コストの認証プラットフォームは今後2〜5年で定着する」。これはHope氏が知る金融機関の実情を反映した発言かもしれないが、私が知っている仮想通貨やブロックチェーンに熱心に取り組む人々の顔を想像すると、彼らからのブーイングが聞こえてきそうな予感もする。ブロックチェーンの可能性を低く見積もりすぎなのではないか? しかしながら、こうした常識的で穏健な将来予測に共感する人も大勢いるのかもしれない。

ブロックチェーンへの意見はさておき、日常的な電子メールの暗号化に使えるような低コストで手軽に使える認証基盤に価値があることには大きな異論はないはずだ。独自ブロックチェーン技術を武器に日本から世界へ向けてビジネスを立ち上げようとしているKeychainがどこまで行けるか、気になり始めている。

「ポケモンGO」、日本マクドナルドがコラボレーションを正式に認める

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米国でのローンチ以降、何かと話題を振りまいているNianticのスマートフォン向けARゲーム「ポケモンGO」。米TechCrunchが「日本でのリリースは7月20日」だという記事を掲載したことを契機に、その熱気はさらに高まっていた(その後米TechCrunchはローンチ延期に関する記事を掲載した)。

冒頭の記事では、マクドナルド(日本マクドナルド)が日本のローンチパートナーとなると記載されており、その後同社の内部資料らしき画像もネット上に流出。各種メディアでの報道が相次いだが、その日本マクドナルドの持ち株会社である日本マクドナルドホールディングス(日本マクドナルドHD)が7月20日19時半付の適時開示でコラボレーションの実施を正式に認めるアナウンスを出した。内容は以下の通り。

日本マクドナルド株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼 CEO:サラ・エル・カサノバ)はiOS/Android向け『Pokémon GO』(読み方:ポケモン・ゴー)とのコラボレーションを近々実施する予定です。

『Pokémon GO』は、世界で人気の位置情報を活用したモバイル向けのゲームアプリケーションです。
現在、サービススタート時のご不便がないよう、開発元が鋭意準備していると伺っております。環境が整い次第、速やかにコラボレーションの詳細を含め、ご報告させていただきます。

※本日の新聞等における様々な報道は当社が発表したものではございません。

上場企業が適時開示を出すと言うことは、すなわち投資判断に重要な影響を与える情報だということ。IPを提供する任天堂の株価がこの2週間で2倍超になった(7月8日に1万4935円だった株価は7月19日には3万1770円。20日には2万7765円となった。いずれも終値)。マクドナルドの発表もこういった影響があるということだろうか。日本マクドナルドHDの7月20日の終値は前日比9.84%増の3515円となってる。

だがここまで来ても、ポケモンGOの公式サイト、Nianticの特設サイトとも正式な日本ローンチのアナウンスは出ていない。僕もいちファンとして、そのローンチを見守りたいと思う。

解析サービスのユーザーローカル、クリムゾンG、YJ、EVから数億円を調達してAI事業を強化

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ウェブサイトのアクセス解析やビッグデータ解析サービスを提供するユーザーローカルは7月20日、クリムゾングループ、YJキャピタル、East Venturesからの資金調達を実施したことを発表した。詳細な金額は非公開だが、数億円に上るとしている。ユーザーローカルは2015年5月にもYJキャピタル、East Venturesから合計2億6000万円の資金調達を実施している。

ユーザーローカルは2007年に設立して以来、ユーザーのマウスの動きやタップなどをヒートマップで可視化する「User Insight」、ソーシャルメディアのマーケティング分析・管理ツール「Social Insight」、メディア運用者向けに記事コンテンツの分析ツール「Media Insight」などを提供してきた。これらの分析プラットフォームは20万以上のサイトで活用されており、ビジネス面でも「非常に好調に回っている状況」(ユーザーローカル代表取締役社長の伊藤将雄氏)

また同社は5月から人工知能ボットAPIを開発。これはプログラミングを行わなくともSNSの設定だけでLINE、Facebook、Twitter、Slackといった主要サービスにチャットボットを実装できるサービスだ。正式ローンチの時期は明記されていないが、サイトでは事前申し込みを受け付けており、すでに4000人の開発者に提供して、クローズドなテストが進められているという。

今回の資金調達は、この人工知能分野の拡充に向け、ディープラーニングや機械学習インフラの人材の採用を進める予定だ。2015年5月の資金調達以降、同社がさらにこの領域に踏み込むことに決めたと言っても過言ではない。伊藤氏は提供予定のプロダクトは「チャットボットだけではない」としているが、数カ月のうちにもプロダクトの正式ローンチを示唆した。

TechCrunchでは直近にもZEALSがメディア向けに提供するボット開発運用ツール「BOT TREE for MEDIA」などを紹介しているが、ボット用のAIエンジン、チャットのUIを利用したサービス(実は裏側はAIだけでなく、人力だったりすることもあるのだけど)などは国内でもその数を増やしつつあるようだ。

なお今回出資したクリムゾングループは代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の個人資産管理会社。実は伊藤氏はユーザーローカルの設立以前に事業を楽天に売却した経験がある。そこからの繋がりもあって今回の出資に至っているようだ。

日本では明日7月20日(水)にPokémon Goが発売、最初からスポンサー店あり

This photo illustration taken in Tokyo on July 13, 2016 shows the Pokemon official site through a Japanese internet website announcing the latest information for "Pokémon GO".
With Pokemon-mania sweeping the planet, Nintendo's nascent shift into mobile gaming has proved a massive hit, vindicating the Japanese videogame giant's decision to unshackle itself from a long-standing consoles-only policy. / AFP / KAZUHIRO NOGI / TO GO WITH Japan-US-IT-Nintendo-Pokemon-lifestyle,FOCUS by Harumi OZAWA
        (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

Pokémon Goのフィーバーで任天堂の時価総額は一挙に倍になり、Sonyを抜いた。このゲームがポケモンの生まれ故郷日本に上陸したら、一体どういうことになるのやら。

しかしそんなに待つ必要はない。Pokémonの日本発売は明日の水曜日(7/20)だ、と情報筋が確認した。ついでにこのゲームを作ったNianticにコメントを求めたが、無視された。

Pokémon Goは火曜日現在、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの大半など30か国で発売されているが、日本は仲間はずれだった。もちろん根っからのポケモンマニアは大怒りだが、Nianticはこの状況を合理化しようとしている。ちなみにこのゲームは、アクティブユーザー数が、TwitterやTinderなど並みいる人気アプリをことごとく、抜いてしまった

NianticのCEO John HankeがForbes誌に語ったところによると、日本の関連企業、株式会社ポケモン〔公式サイト〕や任天堂などが、日本ローンチで必ず起きるであろう巨大な需要に対応すべく、サーバーの強化に取り組んでいるので、日本発売に遅れが生じた、ということだ。

そのときHankeは、“リリースは7月末の予定”、と言っている。

だから、明日水曜日の発売は寝耳に水の驚きだ。とにかく日本のインターネットがポケモンマニアで超満員になるのを見るのに、あと10日待つ必要はなくなったのだ。

アプリのクレイジーな売れ行きと、任天堂の時価のさらなる爆発的アップ、しかし日本のPokémon Goにはもうひとつ、注目すべき情況がある。それは、任天堂がオフィシャルパートナーを持つのはこれが初めて、ということ。

Hankeが前にも言っていたように、Nianticの売上はすでに大きく増加しているが、今後はそれに上乗せする形でアプリ内購入による収益が入ってくる。それは、複数のパートナー企業にゲーム内で、“スポンサーがいる位置(sponsored locations)”を提供しているからだ。その位置にスポンサーが作った“ジム”では、ゲームのプレーヤーがポケモンを捕まえたり戦わせたり、訓練したりできる。“位置”はたとえば、特定のお店だったりする…だから文字通り、そのお店へ行く人が増えて売上に貢献するのだ。

本誌が得た情報では、日本でのローンチ時からのパートナーは、マクドナルドとその3000あまりのお店だ。そこが、ポケモンを蒐集したい人たちのためのジムになる。一般企業とのこういうコラボレーション関係は、もしかしたらとても重要だ。Pokémon Goが一過性の流行で終わらずに定番のカジュアルゲームとして全世界的に定着したら、このスポンサー制度は、ゲームのメーカーとブランドの両方にとって、尽きることのない金儲けの源泉になる。

Nianticは最初、北米とヨーロッパを重視していたから、日本はアジアにおける最初のPokémon Goのローンチとなる(オーストラリアとニュージーランドはアジアじゃないからね)。ヨーロッパ各国でもやはり、小出しの段階的ローンチだったから、アジアも今週と来週にかけては、すこしずつローンチが相次ぐだろう。だからしばらくは、毎日々々どこかでローンチ、となるのである。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アジア版Tinderの「Paktor」が日本と韓国でもローンチ、YJキャピタルなどから1000万ドルを調達済み

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東南アジアでTinderと対抗するデートアプリ「Paktor」が自社のグローバル化に拍車をかける新たな動きを見せた。シンガポールに拠点を置くPaktorは、グローバル展開の一部として、日本と韓国へ進出するために資金調達1000万ドルに右スワイプしたのである。

今回の投資ラウンドはYahoo Capitalのコーポレートベンチャーキャピタル、YJ Capitalがリードし、既存投資家のVertex Ventures(シンガポール政府が持つ投資会社Temasekが所有)、MNC Media Group、MajuvenとConvergence Venturesに加え、Global Grand Leisure、Golden Equator Capital、Sebrina Holdingsといった新たな投資会社も参加した。

Paktorは昨年のシリーズBで調達した740万ドルを含め、これまでに総額2200万ドルを調達している。その資金を駆使してTinderのような出会いだけでなく、グループ旅行やスピードデートなど、オフラインでのイベントやサービスなども提供してきた。さらにPaktorが当初視野に入れていた地域を超え、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナムと、東南アジア6大国に進出を果たした。

今回の日本と韓国への進出は、Yahoo! Japanと強い繋がりがあるYJ Capitalが支援する。時価総額85億ドルにもなる日本最大級のポータルサイトとメディア会社であるYahoo! Japanは、ソフトバンクとYahoo! による合併会社だ。しかし、Paktorが企む進出計画はそれだけではない。

Paktorは、Match.comやTinderなどの企業を所有するInterActiveCorp(以下IAC)の元役員2名を雇用し、アジアを超えた国際進出も視野に入れている。IAC傘下のスペインの出会い系サイトMeeticの元役員であるJose RuanoとMiguel Mangasは、それぞれ現在Paktor InternationalのCEOとマーケティング部門のヴァイス・プレジデントとして、同社のグローバル化を担当している。M&Aやメディアとのパートナーシップを担うという。

Paktorはこれまでに南アメリカ拠点の「Kickoff」を未公開の値段で5月に買収している。2013年に2人の友人とPaktor起業したCEO兼共同ファウンダー、 Joseph Phuaによると、Paktorはさらに欧州とアジアの企業2社の買収を直に完了するという。現時点でPhuaはそれ以上語っていないが、バックエンド技術、ブランディングの強化や配信プラットフォームを獲得するために、すでに他国のメディア会社とパートナーシップを結んでいる。

興味深いことに、中国とインドはまだその計画に入ってはいない。

「私たちには(インドや中国)について知識がなく、今はそのような不確実性に挑戦したくはないと、明確な判断を下しました」とPhuaはあいまいに語った。(一方でTinderは、インドが同社の最大規模のマーケットとなる可能性があるとし、初の国際オフィスを同国に設置している。)

いずれにせよ、今後2ヶ月間で買収が完了すれば、Paktorと買収された企業(もうすぐ3社になる)は合計1500万の登録ユーザーを確保することになると、Phuaは言う。昨年10月に筆者がPhuaと話した際、彼は東南アジアに600万の登録ユーザーがいると言っていたが、現時点の数字は公開していない。

ただ、Paktorはユーザーエンゲージメントを向上させる様々な新機能を追加したという。それらの新機能はユーザーの1日の平均スワイプ数を160回から200回に、日々の利用時間を30分から40分に、そしてマッチされたユーザー同士の間で交わされる、3つかそれ以上の会話を200%増加させたと主張する。

さらに、Paktorはインドネシア、ベトナムやタイなどの新興国市場で新たな料金モデルの導入を決定し、今年は少なくとも1000万ドルの利益の獲得を目標としている。それらの新興国市場では、価格に敏感なユーザー向けに、会員料金をより小規模で手頃なプランに再構成する予定だ。

「既存のマーケット外にチャンスを見つけたので、今回のラウンドで資金を調達しました。今回のラウンドは、私たちを戦略的にサポートするものです」と、Phuaは電話インタビューで語った。「1、2年も経てば、投資家は私たちの長期プランに関心を持つと考えています」。

「次のステップは、運用資産をかさ上げし、収益をあげることです。12ヶ月後には、合併買収のターゲットになるか、あるいはさらなる買収を計画するなど、踏むべきステップはより明確になっているでしょう。しかし、現時点ではなんとも言えません」とPhuaは続けた。

「今はまだ私たちのブランドが強いためにチャンスが舞い降りてきます。しかしそれに挑戦するならば、今後12〜18ヶ月の間にエクジットが実現することはないでしょう。」

[原文へ]

(翻訳:Tomoya Mori)