Dropboxがアップデート―iOSアプリにOCRが追加されアナログ文書が簡単に検索、利用できる

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今日(米国時間6/22)、Dropboxはビジネス・ユーザー向けアップデートをリリースした。新たに追加された多数の新機能には企業での利用を促進する狙いが含まれている。

もっとも興味ある新機能は、モバイル・アプリを利用するユーザーがドキュメントをスキャンして直接Dropboxにアップロードできるようになったことだろう。ビジネス・ユーザーが日々取り組んでいる現実の仕事は非常に多様であり、その多くはまだデジタル化されていない。Dropboxは新たな機能を開発してサービスを使いやすく拡張する努力を続けている。

Dropboxのプロダクト責任者、 Todd Jacksonは「われわれは今でもアナログ・ツールが好きだ。あちこちに接着剤つき付箋を貼るし、ホワイトボードに図を描く。また文書をプリントアウトして読んでいる。Dropboxではユーザーがアナログ情報を手軽に取り込めるようにしようと努力している。そしてDropboxで簡単に検索し、利用できるようにするのが目標だ」と述べた。

ユニークなのは、Dropboxはモバイル・アプリにOCR〔光学文字読み取り〕システムを追加した点だ。OCRはユーザーが撮影した文書をスキャンして文字に変換する。Dropboxの主張どおりならこれによってアナログ文書を内容によって検索できるようになる。

「われわれは現実の世界における仕事の複雑さを認識し、それをシンプル化しようとしている。たとえば〔OCRスキャン機能は〕他社から送られてきた文書をDropboxにアップロードして利用できるようにする」とJacksonは述べている。

新機能には多様なユースケースが考えられる。メディアやカンファレンスには日々有用な情報が現れる。Droboxが画像をスキャンして文字化できるなら、これまで死蔵されていた情報が簡単に活用できるようになる。これがDropboxが主張するようにシームレスにできるなら、従来は重たく大きいフラットベッドスキャナを利用していた作業の大半が不要となるかもしれない。フラットベッドスキャナどころかロッカーを占領していたバインダーの書類も新しいテクノロジーで置き換えられる可能性がある。

OCRを始めとする新機能は当初iOS版が利用可能となる。Android版の登場はまだのようだ。Dropboxに問い合わせたが、Android版のスケジュールについて詳しい回答はなかった。

ビジネス・ユーザー向けの新機能は多数あるが、その一つはアプリ下部に表示される大きなプラス(+)ボタンだ。Instagramアプリだと写真のシャッターボタンに当たる位置だが、Dropboxアプリでは新しいOffice文書を作成するボタンになっている。ユーザーはアプリ内からWord、PowerPoint、Excelのドキュメントを作成できる。ユーザーはスキャンして取り込んだ文書をOffice文書にインポートすることもできる。

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今日リリースされた新機能には、過去のバージョンのさまざまな文書をプレビューする機能がある。文書を開こうとするといちいち新しいバージョンにアップデートするよう促され、時間を食ってしまうものだ。新しいプレビュー機能によれば、ユーザーはたくさんの文書をアップデートすることなく、必要な文書をすばやく見つけてることができる。その文書だけをアップデートすればいいので大いに時間の節約になる。また近く、一定地域のユーザーに共有されるコメントや閲覧のみのフォルダーの」共有なども実現するという。

単なるオンライン・ストレージはコモディティ化してきた。AppleとGoogleは日々無料ストレージの容量を拡張している。こうした中でDropboxのような企業にはある種のピボットが求められることになる。

しかし適切なバランスを発見するのはなかなか困難な作業だ。強力なライバルは多数存在する。 Boxは共同作業ツールに優れており、Microsoftのクラウド化した。Dropboxが新たなエンタープライズ・ユーザ-を獲得し、つなぎ止めるのは容易ではない。【略】

Jacksonは「Dropboxには登録ユーザーが5億人おり、最大級の企業にも多数のユーザーがいる」ことを指摘した。 Dropboxによればエンタープライズ向けプランを契約しているユーザーは15万社に上るという。またJacksonによれば、Fortune
500企業の大半はDropboxをなんらかの形で利用しているとされる(無料版ユーザーも含まれる)。

大企業は新しいテクノロジーの採用に関してきわめて動きが鈍いことで知られている。Dropboxのような企業にはトップダウンととボトムアップの両方の戦略が求められる。Dropboxの新ツールはこの点で採用の広がりを期待しているのだろう。【略】

Google、Apple、Microsoftなどが参入する中で、Dropboxのファウンダー、 CEOのドルー・ハウストンが長期間維持可能な強力なオンライン・ストレージ企業を築いていけるかは今後の課題であり、大きなクエスチョンマークだ。ハウストンは今月開催されたBloombergテクノロジー・カンファレンスでDropboxはキャッフローが黒字になったことを発表した。シリコンバレーの専門家の間ではこの発言における定義をさらに詳しく調べようとする動きが広がっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Red Hatはクラウドへの移行で50億ドル企業をねらうが、Linuxだけでは無理かもしれない

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長年(20+)、企業顧客にLinuxを売ってきたRed Hatが、オープンソース企業としては初めて、20億ドル企業になった。次の目標は(売上)50億ドルだが、そこまで到達するためには、Linux以外のものも必要だろう。

2年前にRed HatのCEO Jim Whitehurstは、売り上げが伸びているにもかかわらず、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)だけでいつまでも成長を続けることはできない、と自認した。RHELは好調だが、世界は変わりつつあり、彼の会社もそのほかの企業相手の企業と同じく、変わらなければならない。変わらないことは、大きなリスクを抱えることだ。彼は当時、そう語った。

その変化とは、Microsoftのコマーシャルが言っている“To the cloud!”(クラウドへ)だ。

Whitehurstが2014年に、同社はOpenStackを軸とするクラウド企業になると宣言したとき、かなりの人が驚いただろう。同社の長年の社員の中にも、びっくりした人はいたと思う。でもWhitehurstは、大きな変化のように思えるかもしれないが、実際にはそれほどでもない、とそのとき言った。

Linuxとオープンソースの未来

クラウド企業に変わることが同社にとってささやかな変化にすぎない理由は、クラウドがLinuxとそのほかのオープンソースソフトウェアで構成されるシステムだからだ。この二つ、すなわちLinuxとオープンソースソフトウェアは、Red Hatが長年、何にも増していちばんよく知っているものである。Red Hatでプロダクトとテクノロジーを担当している上級役員Paul Cormierは、そう語る。

CEOのWhitehurstもこう言う: “クラウドを軸に今起きつつあるイノベーションが、オープンソースの中で起きていることは、弊社にとって本当にすばらしいことだ。Linux, Kubernetes, Docker, OpenStack, …主要部位はすべてオープンソースだ。弊社のユニークな立場は、オープンソースソフトウェアに取り組んで10年以上自分たちがやってきたことをそのまま、企業のサポート、企業の消費物、そして企業のためのライフサイクル管理に応用できることだ”。

弊社の事業計画の前提は、既存のポートフォリオだけで無理なく50億ドルに到達できる、という感触だ。
— Jim Whitehurst, Red Hat CEO

ただしそれは、移行は簡単、という意味ではない。営業のやり方が違うし、R&Dから営業からマーケティングに至るまでの、全社的な機構を考えなおす必要がある。これまでは費用低減と選択の自由を軸とする価値提案を売っていけばよかったが、クラウドの場合は、顧客が購入する理由がそれほど単純明快ではない。

“それは、それまであった何かを別のものに代えることではなくて、プラットホームを作ってその上で何かを開発することだ。だから価値提案が事業価値の理解に基づくものになる”、とWhitehurstは説明する。だから企業だけでなく、その市場もよく知らなければならない。新しい課題が山積みになる。

“うちも、ぐーんと背伸びをして、顧客に接近し、彼らのニーズを深く理解しなければならない。彼らがどうやって価値を作り出しているのか、それのどこをどうやってうちが助けるのか、それを理解することだ”。

そこで問題は?

Crumpled cap with Red Hat logo on it.

Photo by Paul Hudson on Flickr。 CC by 2.0のライセンスによる。

Forresterでエンタープライズを追っているアナリストDave Bartolettiによると、それがRed Hatの難関だ。

“これまでのように、高価でプロプライエタリなもの〔Windowsなど〕に代わる安いものを売るのではなくて、誰もがどこででも使えてソフトウェアをより迅速に作れるための、一連のツールを売らなければならないのだ”、と彼は語る。

またIDCのアナリストAl Gillenは、それだけではなく、Red Hatはパブリッククラウドのベンダたちと直接、競合することになる、と言う。

“顧客がパブリッククラウドのインフラストラクチャへ移行していくことに関して、Red Hatにはコントロールがあまりない。それは、コアとなるインフラストラクチャレイヤとしてノンブランドのプロダクトに大々的に依存している。たとえばオペレーティングシステムも、実質的にはノーブランドだ。これが、Red Hatの成長にとって向かい風になる。なぜなら同社は、低コストで汎用的なインフラストラクチャのソリューションに、勝たなければならないからだ”、とGillenは説明する。〔*: たとえばAWSでは、ユーザーからの‘見かけ上は’、オペレーティングシステムとして何を使っているかは、知る必要のないこと。つまりノーブランド。〕

彼の考えでは、従来どおり企業のために分散アプリケーションを作っていくコアビジネスで当面は快調でも、顧客をクラウドに移行させて次世代のアプリケーションを作っていくことになると、Red Hatは上記のような低コストのコンペティターたちとの競合対策、その必勝対策が必要になる。

厳しい目標

しかしそれでもなおWhitehurstとCormierは、この変化を乗り切ることに自信満々であり、それまでの単なるRHELの企業だったときよりも大きく伸びる、と考えている。Whitehurstによるとその目標は、5年後に50億ドル企業になることだ。

“弊社の事業計画の前提は、既存のポートフォリオだけで無理なく50億ドルに到達できる、という感触だ。”、と彼は述べる。

彼によると、クラウドとRHELをそれぞれ個別のサイロと見なすことはできない。お互いがお互いに供給しあっているし、ミドルウェアのレイヤもある…これも別の収益源だ。

オープンソースだけではなくもっと一般的に、エンタープライズソフトウェア企業で50億ドルの売り上げを達成したところはひと握りしかいない、とWhitehurstは指摘する。MicrosoftとOracleとSAPとSalesforceとVMwareだ。Ciscoもソフトウェアの売り上げだけならそれぐらいになるし、Adobeも今年は$5Bを超えそうだ。

彼自身も認める。今20億ドルで5年後に50億ドルなら、年率約58%で成長しなければならない(ぼくの暗算が正しければ!)。相当厳しい目標だ。もっと多様なプロダクトをテーブルに並べれば、それは不可能ではないかもしれないが、それもかなり厳しい。

いずれにせよWhitehurstによれば、この目標は同社のパートナーカンファレンスで発表したものであり、今の同社はそれが実現できるだけの、良い立ち位置にいる。さてしかし、彼が正しいかは、時だけが知っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

熊本発「シタテル」はアパレルの低価格・小ロット生産を実現する、全国の縫製工場と提携で

消費者の趣味が細分化する中、アパレル業に求められるのは多品種・少量生産。そんな時流に乗って、アパレルからじわりと熱視線を集めるサービスがある。オリジナル商品を作りたいアパレルブランドやデザイナーと、中小・零細の縫製工場とマッチングする「SITATERU(シタテル)」だ。

利用しているのは、個人デザイナーだけでなく、ビームスやユナイテッドアローズといった有名セレクトショップに商品を卸すブランド、パリコレに参加するハイブランドまで。会員登録数は前年比300%の約1800事業者と急増し、流通総額は5億円に上る。

中小・零細の繊維工場をネットワーク化

シタテルは全国120以上の縫製工場と提携し、これまで難しかった15〜100枚単位の発注を可能にした。アパレル事業者にとって小ロットの発注は単価が高くつくため、数百枚単位で発注するのが通例だった。

アパレル事業者は、電話かチャットで作りたい服を伝えると、目安の料金がわかる。生地が決まるとシタテル側でパターン(型紙)を作成。その後、サンプルを送ってもらい、問題がなければ本生産に移る流れだ。

アトリエは「マイ・アトリエ」という会員サイトを通じてシタテルとやりとりをする

アパレル事業者は「マイ・アトリエ」という会員サイトを通じてシタテルとやりとりをする

工場とのマッチングは独自アルゴリズムを使う。

データベース上には縫製レベル、対応可能アイテム、料金、リードタイム(発注から納品までの期間)、稼働状況といった情報があり、アパレル事業者の要望に応じて最適な工場をマッチングする。

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ここで気になるのが、縫製品質。メイドインジャパンの縫製技術は海外に比べると高いと言われるが、実際のところはどうなのだろう。この疑問についてシタテルの河野秀和社長はこう答える。

「総じて品質は高いが、工場ごとに差があるのも事実。そのため、工場に提出してもらうサンプルを元に、シタテルが5段階で評価している。これによって、縫製技術の難易度に応じた工場をマッチングできるようにした」

シタテル社内には、アパレル事業者の要望を聞くコンシュルジュや、デザインをCADでデータ化するパタンナーも在籍。すぐに稼働できる工場も把握していることから、通常3カ月かかるリードタイムを最短6日に短縮しているという。

シタテルのメンバー(右から2番目が河野社長)。お揃いのコートはもちろん、シタテルで作ったものだ。おしゃれ感が漂う

シタテルのメンバー(右から2番目が河野社長)。お揃いのコートはもちろん、シタテルで作ったものだ

工場の代わりに新規開拓

大手アパレルが海外に生産拠点を移したことで、国内の縫製工場は仕事が激減。特に営業力がない零細・中小の工場は新たな仕事の受注ができず、苦境にあえいでる。「国内の縫製工場は15年前の1万5000から、5000ほどに減ってしまった」と河野氏は言う。

「最近の円安傾向と中国の人件費高騰で、国内工場への回帰も進んだ。とはいえ、工場には繁忙期と閑散期があり、すべての工場が1年中稼働しているわけではない」

稼働していないなら小ロットでも受注すればいいと思うかもしれないが、工場側からすると効率が悪く、旨味のある仕事ではない。そこでシタテルは、工場が受注時に経由する卸売や企画会社を迂回することで、小ロット生産でも利益を確保できるようにした。

提携工場の中には、ふだんはレディース専門の縫製しかやっていなかったが、その技術をメンズ商品で生かすようなケースが少なくない。営業力のない工場にとってシタテルは、非稼働の時間を埋めるだけでなく、新規顧客を開拓してくれる存在ともいえる。

ディオールやコム・デ・ギャルソンといったハイブランド、有名セレクトショップに卸すブランドが発注する縫製工場とも提携する

ディオールやコム・デ・ギャルソンといったハイブランド、有名セレクトショップに卸すブランドが発注する縫製工場とも提携する

震災復興を後押しする熊本発スタートアップ

シタテルは2014年3月に創業した熊本県のスタートアップだ。

河野氏は熊本出身。前職は地元企業の相談に乗る経営コンサルタントだった。そこで気づいたのが、小ロットで商品を作りたいアパレル事業者が多いにもかかわらず、需要に応える工場がなかったこと。

この構造を変えようと、アパレルと縫製工場をつなぐ、現在のビジネスモデルにたどり着く。創業当初は地元の工場と提携し、全国から注文を受けては縫製を依頼。現在も熊本県内34の縫製工場と提携している。

4月の熊本地震直後は、県内で多くの提携工場が操業を停止したが、徐々に生産を再開。パリコレに参加する世界的な国産ブランド「アンリアレイジ」が県内の縫製工場に依頼するなど、復興を後押ししている。

アンリアレイジがシタテルで作ったコート。生地にはコード(!)が埋め込まれていて、ドットや市松模様、花柄やらが浮かび上がるそうだ。すごい

アンリアレイジがシタテルで作ったコート。生地にはコード(!)が埋め込まれていて、ドットや市松模様、花柄やらが浮かび上がるそうだ。すごい

シリーズA調達でアパレル・工場向けアプリ開発へ

6月17日にはオプトベンチャーズと三菱UFJキャピタルを引受先として、シリーズAとなる第三者割当増資を実施。金額は非公表だが、数億円程度と見られる。

調達した資金では、アパレルと工場が必要事項を入力する専用アプリの開発、双方がやりとりするクラウドプラットフォームの強化などにあてる。

シタテルは2014年10月にも、三菱UFJキャピタル、日本ベンチャーキャピタル、リブセンスから資金調達を実施。リブセンスとクックパッドがスタートアップを支援するプログラム「STARTUP50」の第一号のファンディング先でもある。

Samsungがクラウドコンピューティング企業Joyentを買収

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Samsung Electronicsは本日、クラウド・コンピューティング企業Joyentの買収に合意したと発表した。今回の買収はSamsungのスマホとインターネット接続端末向けのクラウドベースサービスの成長につながると韓国の大手テクノロジー企業は声明で伝えている(買収額は非公開)。

Joyentは、Samsungのモバイル・コミュニケーション部門に統合されるが、買収後もスタンドアローンの企業として運営を続ける。テクノロジーチームの主要メンバーであるCEOのScott Hammond、CTOのBryan Cantrill、プロダクトVPのBill FineはSumsungのクラウドプロジェクトに携わるという。

Samsungがここ数年で買収したアメリカのテクノロジー企業はこれで3社目だ。他の2社はスマートホーム用品のSmartThingsとMagnetic Secure Transmission(MST、セキュアな磁気通信)テクノロジーを開発したLoopPayだ。MST技術はSumsung Payにとって、Apple Payなどのモバイル決済サービスや既存のクレジットカードと対抗する助けとなる。

2004年に創業したJoyentは、ここ数年買収のターゲット企業となっていた。似たサービスのVirtustream、SoftLayer、Metacloudは到来したM&Aの波に乗って買収されていった。Joyentの主要プロダクトは、モバイルやウェブアプリのためのコンテナインフラ・プラットフォームTritonやクラウドベースのオブジェクト・ストレージサービスMantaなどだ。

ブログ投稿でHammondは以下のように伝える。

「買収の結果、JoyentのTritonとMantaのソリューションにおいてSamsungはアンカーテナントとなります。私たちのチームの成長、そして世界規模のデータセンターの取り組みを拡張する助けとなります。

この買収は、財政面とスケールする体力を得たというだけではありません。JoyentとSumsungはイノベーションと卓越した技術を求める共通の意識があり、私たちは共に、一連の補完的なクラウド、ビッグデータ、モバイル、IoTテクノロジーを提供することができるようになります」

CrunchBaseのデータによると、Joyentは累計1億3100万ドルを調達していて、出資元はIntel Capital、Greycroft Partners、Peter Thiel、Telefonica Venturesらだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Dropbox、キャッシュフローが黒字に―CEO、「上場は急がない」

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クラウド・ストレージ・サービス、Dropboxの会社評価額は100億ドルで、たいていの上場企業より巨大だ。しかしファウンダー、CEOのドルー・ハウストンにはDropboxを近く上場する考えないという。

ハウストンは上場の計画について尋ねられ「今のところ全くない」と答えた。サンフランシスコで開催されたBloombergのテクノロジー・カンファレンスでハウストンはDropboxは「目下、成長と人材獲得に集中している」と述べた。

「Dropboxは資金の調達を必要とする状況にはない。〔上場するとすれば〕われわれ自身のスケジュールで行うだろう」とハウストンは述べた。

Dropboxが前回プライベートな資金調達ラウンドを実施したのは2年前になる。投資家にはSequoia、Benchmarkを含む有力ベンチャーキャピタルが含まれていた。ハウストンは財務状況に関するネガティブな報道を否定し、銀行には運営に十分なキャッシュがあることを強調した。

ハウストンはDropboxのキャッシュフローは黒字であることを明らかにし、「投資家の資金ではなく、顧客が支払った料金によってこの重要なステップが達成できたことは、われわれ自身が会社の目的をコントロールできることを意味する」と述べた。

ハウストンはDropboxもいくつかの困難を経験してきたことを認めた。CarouselやMailboxのような新たなビジネスが失敗に終わったことについて尋ねられると、「切り捨てなければならない場合も出てくる。どちらのサービスも100万以上のユーザーを獲得していたが、Dropbox全体の利益には少しもなっていなかった」と述べた。

Fidelityが評価額を大幅に下げるなどいくつかの機関投資家はDropboxの評価額を切り下げている。ハウストンは最近目立っていた「青天井の評価額」に強い懸念を示し、「われわれは『ポスト・ユニコーン』の時代にいるのだと思う」と語った。 「ユニコーン」というのは10億ドル以上の評価額を得たスタートアップ企業のことで、Dropboxの評価額は100億ドルに達しているとはいえ、理論的にはユニコーンだ。

「経済が過熱してくると、企業はファンダメンタルを見失いやすい」と述べたのはあるいはDropboxも財政運営に問題があったことがあったのを認めたのかもしれない。ハウストンは続けて「市場が行き過ぎを修正する局面に入ったら、企業は何をおいても成長の実現に全力を上げねばならない」と述べ、さらに「経営者はコストを厳しくチェックする必要がある。経費は急速に膨れ上がるものだ」と付け加えた。

Dropboxには5億人のユーザーがいるが、同時にこの分野には強力なライバルが充満している。Google、Microsoft、Amazonはすべて同種のクラウド・サービスを提供しているし、エンタープライズ向けクラウド・ストレージのBoxはすでに上場を果たしている

ハウストンによれば Dropboxのエンタープライズ・ユーザーは 15万社もあるということだが、全体としてみれば有料ユーザーの割合は極めて低い。しかしハウストンは「それだけ著しい成長の余地があるということだ」とした。

「この分野を作ったのはDropboxだ。われわれは引き続きこの分野をリードしてく」とハウストンは述べた。

〔日本版〕Drew Houstonの苗字は「ハウストン」という表記が近い。マンハッタンのハウストン・ストリートと同じ発音。Drewはドルー、ドリュー、両方の発音があるが、アメリカ英語では「ドルー」が一般的(母校MITでの卒業式のスピーチのビデオ)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マネーボール理論を企業でも、ビズリーチが採用管理システム「HRMOS」公開

映画「マネーボール」といえば、貧乏球団のアスレチックスを強豪チームに変えた実在のGM(ジェネラルマネージャ)、ビリー・ビーンの活躍を描いた物語である。

ブラッド・ピット演じる主人公のビリーは、野球のデータを統計学的に分析して、選手の評価や戦略を決める「セイバーメトリクス」という手法を採用。これによって、資金不足にあえぐ弱小チームを、ア・リーグ記録の20連勝を遂げるまでに育てあげた。

このセイバーメトリクスを企業人事で実践しようとしているのが、転職サイトを手がけるビズリーチだ。

ビズリーチが発表した戦略人事クラウド構想

ビズリーチが発表した戦略人事クラウド構想

人事業務のムダをなくす

人材の採用から育成、評価までをクラウド上で最適化する構想「HRMOS(ハーモス)」を6月14日に発表。第一弾として、求人媒体ごとの採用状況を一元管理するサービス「HRMOS 採用管理」をスタートした。

例えばリクナビやマイナビといった求人媒体からCSVファイルを取り込むと、ダッシュボード上で応募者のステータスを一覧表示する。ビズリーチの転職サイト経由の応募者情報は自動的に、人材紹介エージェントや社員紹介による応募者情報は手動で入力すれば、ダッシュボード上で一元管理できる。

設定済みの面接や要対応メールの有無などのタスクをダッシュボードでわかりやすく表示する

ダッシュボード上では、「書類選考」「最終面接」「内定」といった応募者のステータスがわかり、人事担当者はやるべきタスクがひと目でわかる。応募者とのメールのやり取りもHRMOS上で完結する。

応募者の情報や面接の進捗状況をExcelで管理して、そこからメールアドレスをコピペして連絡する……といった人事業務にありがちな面倒な事務手続きから開放されそうだ。

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応募者ごとの選考ステータス

応募経路別の採用単価をグラフ化する機能もある。求人媒体や人材エージェント、社員紹介によるリファラル採用などで、一人あたりの採用にかかるコストを比較することで、もっとも効率のよい採用方法に注力できる。

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応募経路別の選考状況

面接官が応募者に出した評価もグラフ化する。面接官の山田さんは内定者に「A評価」を出す傾向があるが、面接官の鈴木さんは内定者に「C評価」を出す傾向があるので、「山田さんの判断を重視すべき」といった意思決定を支援してくれそうだ。

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面接官別の選考評価レポート

企業経営でマネーボールの理論は実践できるか

採用管理サービスに続き、第二弾として「HRMOS 勤怠管理」を今秋、第三弾として「HRMOS 業績管理」を来春にリリースする。これらのモジュールが連動しながら、自社で活躍する人材の行動や成果を人工知能が学習し、戦略的な人材活用の意思決定を支援するという。

ビズリーチの南壮一郎社長は「人事関連のデータを活用した企業経営が実現できる」と意気込む。

「◯◯さんは現在、どれだけ会社に貢献していて、採用時はこんなパラメータだった、ということがわかるようになる。自社で活躍する社員のデータと照らし合わせることで、高い実績を残すハイパフォーマーの採用や育成にもつながる。」

とはいえ、企業の業績は市場環境や競合などの外部要因で左右するもの。南氏も「経営は野球ほどシンプルな指標で分析できない」と認めるが、人事領域では「採用したら終わり」で完結しているのが問題点だと指摘する。

「営業やマーケティングでは効果検証を行うにもかかわらず、なぜか人事領域は例外。採用した人材が3〜5年後にどんな成果を出したかを数値化し、次回の採用の改善に役立てている企業は少ない。」

プレイヤーが乱立するATS業界

HRMOSをリリースするにあたっては、セールスフォース・ドットコムと業務提携し、機能面での連携を視野に入れている。今年3月に実施した総額37億3000万円(37.3億円で「みなみ」ということらしい)の資金調達では、Salesforce Venturesからも投資を受けている。

スタート時は特別価格として月額5万円で提供。すでに試験提供を開始していて、スタートアップ業界ではRettyやSansan、ラクスルなどが導入済み。2019年6月までに、ビズリーチの利用企業を中心に2000社以上の導入を目指すという。

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ビズリーチの南壮一郎社長

クラウド型採用管理システムは、ATS(アプリカント・トラッキング・システム)と言われ、米国では大企業向けのOracle「Taleo」やSAP「SuccessFactors」が先行、スタートアップではairbnbやsnapchatが導入することでも知られる「greenhouse」がある。

国内でもTaleoやSuccessFactorsが先行するが、古株では2005年に開始した「リクログ」、2008年に開始した「ジョブスイート」、直近3年では「jinjer」や「talentio」、シンガポールに本拠を置く「ACCUUM」も日本市場に進出するなど、新興サービスの参入も相次ぐ。

ちなみにマネーボールの舞台となったアメリカでは、人事にもビッグデータを活用するのは当たり前という風潮になってきている。このあたりの話は過去記事「経験や直感による採用はもう古い、人材採用に広がるデータ・ドリブンなアプローチ」に詳しいので、興味のある方は読んでほしい。

HTML5はこれからのWindowsか?、普遍的なアプリケーションの普遍的な開発/利用ベースとして

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[筆者: Paul Stannard](SmartDrawのCEO)

1990年代の初めには、MS-DOSからWindowsへという重要な移行が起きた。MS-DOS上の人気アプリケーション、Lotus 123やWordPerfectなどは、この地殻変動に対応できず、市場から姿を消した。Microsoft WordとExcel for WindowsがLotusやWordPerfectの座を奪い、ワードプロセッサーと表計算ソフトの分野でトップになった。ソフトウェアのそのほかの分野でも、同様の移行が生じた。

1990年5月にWindows 3.0がリリースされたとき、その革命が始まった。それは、5年という短い期間に、世界中の企業の、何百万台ものコンピューターで、DOSのプロンプトをアイコンやマウスで置換した。

Windows 1.0がリリースされたのは1985年だったが、アプリケーションメモリの640Kという制約と、とても遅いプロセッサーのため、本格的なアプリケーションをその上で使うのは無理だった。Windows 3.0がメモリ640Kの壁を破り、Intelの80386プロセッサーがスピードの限界を上げてから、ついにゲームが始まった。

WindowsのUIと、640Kという拘束衣が破られたことにより、オペレーティングシステムやユーザーインタフェイスだけでなく、日常的に使われるアプリケーションにも新しいスタンダードが生まれ、そして広まった。

Webブラウザーの中で動き、データをクラウドに保存するクラウドベースのアプリケーションは、今多くの人が使っているデスクトップ環境を大きく上回る利点を持ち、同様の移行を起こすだろうか? 実は、クラウドベースのアプリケーションの到来と、30年前のWindowsの到来は、互いに似ている点が少なくない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージ

私はごく最近、クラウドベースのアプリケーションを使い始めたばかりだが、たちまちファンになった! この川を渡ってしまったら、もう戻る気にはならない。どうしてか? 自分のアプリケーションとそのデータを、どんなコンピューターやどんなデバイスからでも、そしていつ何時(なんどき)でも使える。それは、ものすごく便利だ。これまでは、自分のメールを見るためには会社へ行って自分のコンピューターの前に座り、そのコンピューターの上にあるメールソフトを起動する必要があった。私も15年前までは、そんなサラリーマン生活をしていた。クラウドベースのアプリケーションがなければ、ドキュメントの操作に関しても同じだ。

HTML5が強力なアプリケーションをブラウザーに持ち込む

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか? 同じ理由で、Windows 3.0の前には誰もWindowsアプリケーションを使わなかったのだ。それらは、ごみだった! 初期のWebアプリケーションは、それらがリプレースしようとしているデスクトップアプリケーションのコピーのようなものだった。Google DocstとGoogle Sheetsが最初無料だったのは、WordやExcelにはかなわないからだ。

HTML5はスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり投資の対象にもなる。

しかし、昨年あたりから状況が変わってきた。1990年にWindows 3.0がWindowsへの移行の契機になったように、HTML5スタンダードの採用が広まり2014年には公的な規格がリリースされたことにより、それと同じような革命が始まっている。今では、デスクトップアプリケーション並に強力なWebアプリケーションを、書くことが可能だ。Microsoft Wordのブラウザーベースのバージョンは、ルックスも動作もWindowsバージョンと酷似している。

HTML5はHTMLとCSSとJavaScriptにスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり、十分に投資の対象にもなる。

それはファイルへの普遍的なアクセスだけではない

ドキュメントにどんなデバイスからでもアクセスできるだけなら、アプリケーションの出番はない。Dropboxは、ファイルを複数のデスクトップPCでシンクする(同期化する)ソリューションを提供し、その後ほかのデバイスでもそれができるようになった。Dropboxは、アプリケーションを特定しない。ファイルを読むアプリケーションが、ユーザーのデバイスにあるだけでよい。たとえば職場でWordのファイルを保存し、家の自分のコンピューターの上のWordでそのファイルを開けばよい。

Microsoftの、Officeのアップデートも、これと似たやり方だ。そのOneDriveと呼ばれるプロダクトはDropboxに似ていて、Office 365の有料会員になるとOfficeのネイティブアプリケーションを複数のコンピューターにインストールできる。基本機能だけのOfficeアプリケーションなら、今ではWindows, Mac, iPad, それにAndroidにもある。Office自体にもクラウドベースのバージョンがあって、それはブラウザーの中で動く。無料だけど、ネイティブアプリケーションの機能の一部がない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか?

どのデバイスからでもファイルにアクセスできることは、アプリケーションがブラウザーで動かずに各機の上にあることを擁護する理由になるだろうか? それとも、それはまだ道半ばか? 私の個人的な考えとしては、それは道半ばだ。アプリケーションがどのマシンの上にもインストールされていなければならないことは、“どんなデバイスからでも”というクラウドのアドバンテージを大きく制約している。自分のコンピューターにそのアプリケーションがない人と、そのドキュメントを共有しなければならない場合、困ったことになる。だから今の、データはクラウド、アプリケーションはネイティブ、というハイブリッドな形は、いずれ、データもアプリケーションもクラウド、という形に変わり、ますます多くの人がそのメリットを享受するだろう。

クラウドベースのアプリケーションの採用で世界が一変するか?

WindowsやMacのデスクトップからクラウドベースのファイルシステムへの移行は、25年前のWindowsの採用と同じぐらい、急速に進むだろう。機能が完全に揃ったアプリケーションをブラウザベースのアプリケーションとして提供しないソフトウェアベンダ、ブラウザーバージョンはごく一部の機能しかない、というベンダは、市場を失うおそれがある。

MicrosoftのWord, Excel, PowerPoint, それにOutlookを、OneDrive+Office 365という形で提供するやり方は、まさに上記のやり方だが、その、ネイティブプラットホームにこだわるやり方は、そのうち限界にぶつかるはずだ。

でも、そのほかのアプリケーションが、その隙(すき)に乗ずるかもしれない。人気の高いんグラフィクスアプリケーションのVisionやPhotoshopも、完全な移行を成し遂げていない。Accessなど単純なファイルマネージャーも、やはりそうだ。

デスクトップからクラウドベースのアプリケーションへの移行はしたがって、デベロッパーにすばらしい機会を提供し、マーケットシェアをこれまでのマーケットリーダーたちから奪っていくだろう。それは、落ちこぼれになりたくないと願っている今現在の勝者にとって、深刻な脅威にもなる。

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「顔と名前が一致しない」を解決、人材管理ツールのカオナビが3億円調達

「顔と名前が一致しない……」

急成長中のスタートアップにありがちな悩みを解決しているのが、顔写真を切り口にした人材管理ツールの「カオナビ」だ。

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最大の特徴は、社員の顔写真がずらりと並ぶインターフェイス。顔写真をクリックすると、その社員のプロフィールに加えて、異動履歴、取得資格、評価といった項目が見られる。これらの項目は導入企業の環境に応じて自由に追加できる。

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顔と名前が一致するメリットは?

いたってシンプルなプロダクトだが、利用シーンはこんな感じ。

人事異動の会議。社員の名前がうろ覚えでも、「彼はこっちだ、あ、いや彼女はこっち」と組織全体の評価バランスを見つつ、最適な組織配置をドラッグ&ドロップ検討できるわけだ。

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カオナビを最初に導入したサイバーエージェントでは、入社年度を横軸、社員のグレードを縦軸に並べた上で、新規事業の責任者やチームを決めるような使い方をしている。

アパレルメーカーのトゥモローランドは、全店舗1200人のスタッフ情報に「身長」という項目を追加。スタッフを店舗異動させる際、身長をばらけさせている。身長の異なるスタッフが自社の洋服を着ることで、来店者が自分に似合うかイメージしやすくするためだ。

日本全国に店舗を構えるトゥモローランドは、エリアマネージャーが1日に数店舗を周ることも少なくない。そんな時は移動中にスマホアプリでスタッフの情報を把握し、一人ひとりに名前で声がけしているそうだ。

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「顔と名前が一致する」メリットは一見わかりにくいかもしれないが、「名前で呼ばれると、自分が認識されているという気持ちになる。その結果、やる気が出るだけでなく、ミスや不正も減る」とカオナビの柳橋仁機社長は語る。

メルカリから日清まで、前年2倍の200社超が導入

カオナビは2012年4月にサービスを開始。2016年5月末時点の導入企業は、前年同月比2倍の224社。社員数が数十人規模のスタートアップから、1万人以上の大企業までが導入する。

TechCrunch Japan読者にお馴染みの企業ではメルカリやgumi、Sansan、ピクスタなど、大企業では学研や日清食品など、意外なところでは、20歳以下のラグビー日本代表が選手選考のために活用している。

初期費用は無料、月額料金は3万9800円〜。IT・ウェブだけでなく、外食業やアパレル・流通業、スポーツ業界など、企業規模や業種を問わずターゲットが広がっていて、今後の成長が予想されそうだ。

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カオナビの柳橋仁機社長

国内の人事システムとしては、中小ベンチャー向けには「人事奉行i10」、大企業向けには数百万円の「OBIC7」、大企業向けには「SAP」などがあり、クラウド上でタレントマネジメントサービスを提供するスタートアップには「CYDAS」もある。

これらの人事システムについて柳橋氏は、顔と名前を一致させることに特化したツールはカオナビ以外になく、競合にはならないと見ている。既存の人事システムとの連携機能も用意していて、「顔と名前並べるだけで事業を伸ばす」と意気込む。

6月8日には、大和企業投資と日本ベンチャーキャピタル(NVCC)の2社から、総額3億円の資金調達を実施。調達した資金は新機能開発やマーケティング活動に当て、2019年3月までに1000社導入を目指す。

WordPressホスティングサービスのMedia TempleがAWS上でサービスのエンタープライズバージョンを展開

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Media Templeが今日(米国時間5/17)、新たにエンタープライズクラスのWordPressホスティングサービスを立ち上げる。ここで興味深いのは、この今やGoDaddyがオーナーである企業が、AWSの上でサービスをホストすることだ。

つまりこのプロダクトには、同社の(mt) Oneによるきめ細やかなWordPress運用サービスと、サポートサービスのCloudTech Premier、およびAmazonのクラウドコンピューティングサービスのスケーラビリティが組み合わされている。

Media Templeのようなホスティング企業が自前のサーバーではなくAmazonのプラットホームからサービスを提供するのは奇妙に思えるかもしれないが、実は同社はすでに、AWS上の管理サービスを伴うクラウドホスティングを、前から提供している

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MediaTempleのプロダクトマネージメント担当シニアディレクターBrendan Fortuneによると、“Media Templeのサーバーも悪くはないけど、仮想プライベートサーバーではできないことがAmazonの技術ならできる、という場合もある”、という。たとえばAmazonのサーバーレスコンピューティングサービスLambdaとか、EC2 Container Serviceによるロバストなコンテナサポートなどだ。Fortuneによれば、Amazonのコンテナ管理サービスを利用した方がMedia TempleもWordPressのデプロイを、ニーズに応じて迅速にスケールアップ/ダウンできる。

そしてそれは同時に、ユーザーに安心感を与える、ということでもある。たとえばユーザーは専用のアカウントマネージャーを持ち、いろんな問題を解決できるとともに、ユーザーとMTが共にプロアクティブに仕事ができる。WordPressのインストールそのものはMedia TempleのCloudTechのチームが行うが、そのときモニタリングシステムを使ってインストールの過程を見守ることもできる。

セキュリティ問題の監視やWordPressインストールのパッチの自動化などはMedia Templeが本来的に提供するが、同時にAmazonのDDoS防御システムCloudFrontの利用もできる。

ただしユーザーへの課金に、AWSの料金が直接現れることはない。Media Templeとしてのプランは2つあり、ひとつは月額2500ドルのエンタープライズ標準プランで、サイトは5つ、クラウドストレージは1TB、月間最大1.5TBまでのCDN利用、コンテナを使用するEC2インスタンスは最大10まで、AmazonのRDSデータベースの利用、などがセットとなる。

もうひとつの、“最大パフォーマンスプラン”は、カスタムメイドのプランなので、料金はその構成によって異なる。

料金を見てもこの新しいエンタープライズホスティングサービスが、巨大企業までは行かない中〜大企業をねらっていることが分かる。一見高い料金のようだが、従来の同社の、管理サービス付きWordPressホスティングサービスPagelyも、ハイエンドのプランではこれぐらいの料金になる。

Fortuneによると、AWS以外にAzureやGoogle Cloud Platformなども検討したが、チームが比較的よく知っている技術であることと、AWSのコンテナサービスを使いたい、というところからAmazonに決まった。

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Kubernetes/Docker Swarm両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher LabsがシリーズBで$20Mを調達

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KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher Labsが今日(米国時間5/9)、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードした同社の新しい投資家は、中国の投資企業GRC SinoGreenで、既存の投資家MayfieldとNexus Venture Partnersも参加した。これで同社の資金調達総額は3000万ドルになる

新たな資金は、営業とマーケティングの強化および、ユーザーの要望に合わせての製品の改良に充てられる、という。

Rancher LabsのCEO Sheng Liangは今日の発表声明の中でこう述べている: “コンテナ化によって企業は、アプリケーションのパフォーマンスと可利用性とコストを改良するための、すばらしいことがいろいろできるようになった。このパズルの次のピースはコンテナ技術の完成に貢献するものであり、それはコンテナの管理に関連するツールだ。ユーザーがコンテナ技術をフルに利用して、コンテナが約束する財務的および組織的な利益を得ていけるための、正しいツールを提供していくことが、弊社の目標である。弊社が今後もこの目標追求のための努力を継続できることは、きわめて喜ばしい”。

コンテナプラットホームの市場はやや混み合ってきたが、Rancher Labsによれば、KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートしているために、Rancherはエンタープライズのコンテナ展開のための正しいツールになっている。しかしおそらくさらに重要なのは、 それが、使用するクラウドを特定しないこと、およびエンタープライズがパブリックとプライベート両方のクラウドと、さらに従来からのデータセンターで、コンテナを使えることだ。

なお、Rancherはマルチテナントプラットホームなので、各チームが自分たちのニーズに即したやり方で自分のクラスタを管理できる。この方式では、たとえば、Kubernetesのクラスタのセットアップがわずか5分でできる。(ただしクラスタのデプロイを初めてやる方は、もっとかかるかもしれない。)

コンテナのデプロイを容易にするために同社は、アプリケーションカタログを提供している。それを利用すると、かなり複雑なアプリケーションのデプロイでも、わずか数クリックで簡単に構成できる。

投資をリードしたGRC SinoGreenのパートナーDr. James Zhangは発表声明の中でこう語る: “コンテナはソフトウェアの開発とITのオペレーションを急速にディスラプトしつつある。Rancher Labsはそのすばらしいオープンソース技術によって、ソフトウェア開発の加速化のためにはコンテナ管理が重要であることを企業に示し、同じく適正なコンテナ管理によってアプリケーションをプロダクション(本番稼働)における高い信頼性と効率で動かせることを、示してきた”。

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GoogleのBigQueryによる大規模データ分析をGoogle DriveやGoogle Sheetsのユーザーにも可利用に…CloudとAppsの融合を進める

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Googleが今日(米国時間5/6)、Google Cloud PlatformとGoogle Appsのツールを部分的に接近させるような発表を行った。Googleの、サーバー不要(serverless)の分析型データウェアハウジングサービスBigQueryが、これからは、Google Driveからファイルを読んだり、Google Sheetsのスプレッドシートにアクセスできるようになる。

これまでは、Googleのクラウドコンピューティングサービスと、Google Appsの消費者ないし企業向けの一連の生産性ツールは、まるで両者間にファイヤーウォールでもあるかのように、互いに遮断されていた。しかし今日Googleのスポークスパーソンが述べたところによると、同社は今、両サービスを統合するためのより良い方法を模索しており、それにより今後はGoogle AppsとGoogle Cloud Platformの両方を合わせたような、統一的ソリューションを提供していく予定だ。

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そのスポークスパーソンはこう語る: “Diane Greeneが何度か指摘したように、顧客はGoogleの複数のプロダクトを使っているので、弊社としてもエンタープライズチーム全体との協働により統一的なソリューションを作り、最良のユーザー体験を提供していきたい。今回の統合によって、高度で大規模なデータ分析を生産性アプリケーションのエンドユーザーが気軽に利用できるようになり、データ主体のワークロードを単純化し、エンタープライズの顧客がGoogle Cloud PlatformとGoogle Appsの両方を容易に使いこなせるようにしていきたい”。

具体的にはこうなる: ユーザーはBigQueryによる分析結果を直接、Google Sheets(“GoogleのExcel”)にエキスポートできる。またBigQueryから直接、Google Driveのファイルにアクセスして分析を行える(データをいったんBigQueryにロードする必要がない)。さらにBigQueryは、編集中のGoogle Sheetsにも直接アクセスできる。

ユーザーはGoogle Driveに、最大5TBまでのファイルを保存できる。BigQueryはもっと大きなデータベースでも楽に扱えるが、でもGoogle Driveからのユーザーは、もっと小さなファイルを使用/保有しているだろう。非常に大きなデータベースともなれば、BigQueryの料金も必ずしもお安くはないが、各月の最初の1TBのデータ処理は無料だから、小さなデータ集合やGoogle Drive上の大きなスプレッドシートでBigQueryを試すぶんには、ふところもほとんど痛まないだろう。

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Spirocallは専用アプリなしで世界の誰もが肺の検診を受けられるサービス

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最近のスタートアップの多くは利己主義で近視眼的だと批判されることがある。そうした時代に「今までなぜこういうテクノロジーの応用がなかったのか?」と思えるほど画期的で、しかも実際に人々のために役立つサービスを発見するのはすばらしい経験だ。

Spirocallはまさにそのような例だ。無料通話番号に電話するだけで世界中の誰でも肺の健康診断を受けることができる。そう聞けば話がうますぎると思われるかもしれない。しかしこれは現実のサービスで、しかも実際そのとおりに機能する。

肺の疾患は世界で毎年何十万という命を奪っている。しかも喘息のような慢性疾患の患者は何百万人にもなる。途上国の遠隔地では状況は一層悪い。検診を実施できる医師も設備もほとんど存在しないからだ。

プロジェクトのニュースリリースで、サービスを開発したチームのメンバーであるワシントン大学の博士課程の大学院生、Mayank Goelは「一部の地方ではそのような検診を受けるために何日も旅行しなければならないことがある」と述べている。

Spirocallは肺機能の検診で重要な役割を果たすスパイロメーター(肺活量計)という機器の機能を再現する。このサービスは肺がどれほどの空気を吸入、保持できるかを音響によって測定し、これによってさまざまな重要な診断が可能になる。しかも診断を受けるためには普通の電話で息を吐き出すだけでよい。

チームを指導したワシントン大学のShewak Patel教授は「われわれはこのサービスをスマートフォン、フィーチャーフォン、固定回線、公衆電話、その他あらゆる種類の電話に対応させた」と述べた。

プロジェクトがスタートした2012年だが、まずスマートフォンのみに対応するアプリが開発された。しかしその後チームはアメリカ、インド、バングラデシュで4000名以上の患者からデータを収集し、サービスをクラウド化することに成功した。

ユーザーは 1-800の無料通話番号に電話するだけでよい。電話の指示にしたがって息を吸い込み、強く吐き出す。.この音がサーバー側で過去のデータと照合、分析され、肺活量が測定される。原理はシンプルだ。

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テストの結果、Spirocallの測定は商用医療機器である肺活量計の測定との誤差が6.2%であることが判明した。誤差の範囲として十分に実用的な数値だった。強く息を吐き出すことができない患者や十分に感度の高い電話にアクセスできない人々のために3Dプリンターで出力可能な一種のホイッスルも用意された。このデバイスは息を吐き出す音を増幅して診断に役立てる。

われわれの取材に対し、Goelはメールで「さまざまな種類の電話のさまざまなマイクに対応させることがシステムの精度を高める上で非常に重要な意味を持った」と書いている。このシステムは電話の種類と性能をその場で判断することができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftがイタリアのIoTプラットホームSolairを買収、Azure IoT Suiteに起用か

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Microsoftが今日(米国時間5/3)、2011年に創業されたイタリアのIoT企業Solairを買収した、と発表した。それは、格納式の日よけを作っている合衆国のSolair社ではない。

Solairはすでに、MicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureを使ってサービスを提供しているので、Microsoftがその技術をAzure IoT Suiteに統合したいと考えても不思議ではない。しかし今のところは、Solairに関するMicrosoftの計画はよく分からないし、ただ声明文で“彼らの技術と才能はすばらしい…彼らをMicrosoftのチームにお迎えすることは喜ばしい”、と言っているだけだ。

買収の価額等条件は、公表されていない。

Solairはまだ知名度の低い企業だが、すでに多様なクライアントを抱え、その中にはイタリアのエスプレッソマシンのメーカーRancilio Groupや、食品加工機械のMinerva Omega Groupなどがいる。

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MicrosoftのPartner Director for Azure IoT、Sam Georgeはこう語る: “Solairは、顧客が彼らの未使用データを有効活用してIoTによる新しいインテリジェンスを作ることを、われわれがお助けする、という弊社の強い意思を共有している。そして今回の買収は、エンタープライズのためのもっとも完成度の高いIoTを提供していく、という弊社の戦略を支える”。

Solairは、IoTシステムの構築に必要なほとんどすべてのツールやサービスを提供しており、その中には、データ収集のためのゲートウェイや、カスタムデプロイメントのためのエンタープライズプラットホーム、既存のサービスとの統合、などがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Appsの使い方を対話形式で教えるSynergyseをGoogleが買収、サービスの無償提供へ

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Googleが、Google Apps for Workの使い方教育を対話方式で提供するSynergyseを買収した。トロントの同社は、Googleの元社員たちが2013年に創業した。同社のサービスSynergyse Training for Google Appsを今後Googleは、Google Appsの顧客に無料で提供する。

買収の価額などは公表されていない。CrunchBaseによると、Synergyseはこれまで外部資金を導入していない。

Google Apps for Workの使い方なんて、本誌読者には簡単と思えるかもしれないが、実はこの種の教育訓練の需要はかなりある。Synergyseによると、これまで同社はおよそ3000の企業団体の400万あまりの人びとに、教育訓練を提供してきた。Google Appsの教育訓練サービスとしては、たぶん同社が最大だろう。

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Googleによると、この教育訓練プログラムを利用している企業は、Apps中のより幅広いプロダクトを採用している(他社に比べ35%多い)という。

Synergyseは、同社の大飛躍(incredible journey)についてこう言っている: “Google Appsのチームに参加することによって、われわれのミッションを加速できる。なぜなら、Google Appsを実際に作っているチームと密接に仕事ができるのだから。ミッションをより迅速に進められることはSynergyseのチームにとってすばらしいことであり、われわれの前進とともに顧客も直接、利益を得ることができる”。

SynergyseのサービスはこれまでもGoogleのCloud Platformを利用しているから、Googleのサービスとの統合も比較的容易だろう。

Googleによると、同社プロダクトへのSynergyseの統合は今年後半になる。既存の顧客はサービスを使い続けることができ、新規の顧客はChromeのエクステンションを無料でダウンロードできる。

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CoreOSのStackanetesを使えばOpenStackのコンテナをKubernetesで管理運用できる

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オースチンで行われているOpenStack Summitで今日(米国時間4/26)CoreOSが、OpenStackと、Googleのコンテナ管理サービスKubernetesを共用できるシステムStackanetesを発表した。OpenStackとKubernetesはともにオープンソースのソフトウェアで、前者OpenStackは、企業がそれを使ってAWS的なクラウドコンピューティングサービスを自己のプライベートな、あるいはパブリックなクラウドで運用できる。Stackanetes(そう、あまり良い名前ではないかもしれない*)を利用すると、Kubernetesで管理されるOpenStackソリューションを、Kubernetes単独、またはCoreOSのTectonicプラットホーム上で動かせる。〔*: Stackanetesの’netes’はたぶん、Kubernetesの’netes’。〕

OpenStackプロジェクトは、Dockerの成功でコンテナの人気が盛り上がるよりも以前にスタートした。最初、OpenStackとコンテナという二つの技術は同じ市場を争う、と思われていたが、しかし実際には両者は相補的な関係にあることが分かってきた。CoreOSは最初、コンテナを作って動かすことを主眼とする同社の軽量Linuxディストリビューション(CoreOS)に力を入れてきたが、その後、同社独自のコンテナ管理プラットホームTectonicを立ち上げた。

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そしてこれからは、Tectonicの上でOpenStackのクラウドを運用し管理することができる。CoreOSの仕事はすべてGitHubのレポジトリにあるので、CoreOSのユーザーであれば誰でもTectonicを使える。特別の会員登録などは、要らない。Tectonicを介さずに直接Kubernetes + OpenStackを使うこともできるが、その場合は、今日のデモで示されたように、コマンドラインからの操作になる。

Kubernetes自身がいわゆる自然治癒(self-healing)のためのツールセットを提供しているから、そこからOpenStackのHorizonダッシュボードを自動的にリスタートしたり、そのほかのダウンしたOpenStackコンポーネントを再起動したりできる。またもちろん、デプロイメントのスケールアップ/ダウンもできる。

CoreOSの協同ファウンダーでCEOのAlex Polviによると、重要なのはOpenStackが単なるソフトウェアである、という認識だ。同社のチームは3週間でこのサービスを構築し、今日それをGitHub上でリリースする。このやり方でOpenStackをデプロイすれば、OpenStackのサービスのライフサイクル管理が容易になり、OpenStackとコンテナの両者をデプロイするための単一のプラットホームが提供される、とCoreOSは主張する。そして、この構造の中でいつでも、OpenStackの上にKubernetesをデプロイできる。

Polviによると、結局のところ今回の仕事(Stackanetes)も、CoreOSの全体的なミッションの一環だ。すなわち、インターネットの安全を確保し、そしてGoogleのインフラストラクチャ(Polviの造語ではGIFEE)を誰もが利用できるようにすることだ。

OpenStack FoundationのCOO Mark Collierはこう語る: “Kubernetesの実力は、OpenStackコミュニティの一員として体験的によく知っている。最近行ったユーザー調査でも、KubernetesはOpenStackのクラウド上でアプリケーションを管理する方法として人気がある。今回CoreOSがKubernetesとOpenStackの両コミュニティを結びつけ、同社の広範なコンテナ専門技術/知識を寄与貢献してくれることは、非常に喜ばしい”。

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Dropboxがクラウド上のファイルを(クラウドにあるままで)ローカルファイルと同列に扱えるサービスProject Infiniteを発表

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Dropboxの、というかすべてのクラウドストレージの問題点は、ローカルドライブ上におけるクラウドストレージのビューの実装だ。ローカルのファイル管理ツールでクラウドのファイルシステムにアクセスしたければ、それが自分のドライブ上に文字通り保存されていなければならない。これではそもそも、ストレージがクラウドにあるという考えそのものが裏切られる。ハードディスクの容量が小さい人は、物理的にも困る。

あるいは、Dropbox.comを開いて別のインタフェイスでファイルにアクセスする方法もあるが、これはほとんどの人が嫌いだ。

Dropboxは、この状況を変えようとしている。

今日(米国時間4/26)ロンドンで行われたDropbox Openカンファレンスで同社は、ファイルがどこにあっても(クラウド、ネットワークドライブ、ローカルドライブ、等)、それらにローカルアクセスできるProject Infiniteと名付けたシステムを、企業顧客向けに発表した。つまり、WindowsのExplorerやOSXのFinderを開くと、Dropboxのすべてのファイルにまるでローカルファイルのようにアクセスできるが、ファイルはユーザーのドライブに保存する必要がない。

Project InfiniteのドライブInfinite Driveは、従来のローカルファイルシステムと同じくシステム全体を視野とするが、ファイルがクラウドにあればクラウドのアイコンが付き、ユーザーのハードディスク上にあってクラウド上にバックアップがあれば、グリーンのチェックマークが付く(下図)。こうして、クラウド上のファイルをローカルファイルのように管理できるが、ユーザーのドライブ上のスペースは専有しない。これまでとは、大きな違いだ。

Dropbox Project Infinite in Mac Finder.

写真提供: Dropbox.

 

Project Infiniteは実際にはinfinite(無限)ではないが、でもユーザーの物理ドライブとDropboxのクラウドストレージの両方をシームレスにカバーする層を提供する。自分のハードディスクに収まりきれないほど大量のコンテンツがあれば、それらをクラウド上のフォルダに入れておいて、必要なものだけをダウンロードすればよい。それでも、そのフォルダの構造は無傷で維持される。ファイルそのものは、ローカルでもDropboxでも、どこにあってもよいのだから。

Dropboxによる今日のProject Infiniteのプレビューの発表では、一般公開の日程が明言されなかった。ぼくと同様、いいなぁと思った読者も、しばし待たなければならない。したがって料金についてもまだ不明だし、最終的には消費者にも可利用になるのか、その点も不明だ。

プレビューではなく、一般公開バージョンが出るころには、これらの疑問への答も提供されるだろう。Dropboxがクラウドストレージの大きな問題のひとつを解決したことは確かだし、それは、そろそろ出てもよいタイミングだった。

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クラウド管理者の需給ギャップを解消するためにOpenStack Foundationが公式の技能検定試験とそのための準備の機会を提供開始

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今や誰もが知っているように、優秀な技術者を見つけるのは相変わらず難しい。OpenStackクラウドの管理のような、複雑で高度に専門的な技能となると、なおさらだ。そこでOpenStack Foundationは今日(米国時間4/25)、人材の社会的在庫を増やし、またITのアドミンたちが自分のOpenStackスキルを実証できるためのプログラム、OpenStackアドミニストレーターの技能検定事業を、オースチンで行われているデベロッパーサミットで初めて立ち上げた。

OpenStack Foundationの理事長Jonathan Bryceが、今日の発表声明でこう述べている: “テクノロジーの大きな変化が起きるときはいつもそうだが、クラウドコンピューティングも企業に、技術者の技能再習得と、企業文化および業務過程の再定義を要請している”。検定試験に合格した、有資格のOpenStackアドミニストレーターが多数輩出するようになれば、OpenStackを採用した企業や団体におけるクラウドアドミニストレーターの需要が満たされ、順調に成長していけるだろう。

最初の試験は、今週のOpenStackカンファレンスで行われる。OpenStack Foundationが言ってるように、LinkedInは最近、”Cloud Computing”を”hottest global skill of 2015(2015年において需要がトップだったスキル)に掲げた。またIndeedのデータによると、OpenStackの求人数は2015年に前年比で倍増した。

OpenStack Foundationは、試験のための準備と試験の開催の両方を提供していくために、Canonical, Hewlett Packard Enterprise, Linux Academy, Linux Foundation, Midokura, Mirantis, PLUMgrid, Rackspace, およびSUSEなどとパートナーした。

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Rackspaceが同社のプライベートクラウドの顧客のためのモニタリングツールとしてAppFormixを選ぶ

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Rackspaceが今日(米国時間4/25)、AppFormixとのパートナーシップを発表し、同社のOpenStackによるプライベートクラウドの顧客に、AppFormixのクラウドモニタリングとパフォーマンス最適化ツールを提供していくことになった。

このパートナーシップによりRackspaceはAppFormixのツールをライセンスし、Rackspaceを利用して自分たちのクラウドを管理しているプライベートクラウドの顧客全員に提供する。それによりR社の顧客はA社のリアルタイムモニタリング、アナリティクス、および最適化ツールにアクセスでき、またR社の技術者も、これらのツールを利用して顧客のクラウドを管理する。

Rackspaceにとって、これはやや異例な動きである。従来、同社のクラウド事業の技術的側面を管理するツールは、同社自身が作るのが通例だった…なんといってもRackspaceは、NASAと共に、OpenStackプロジェクトの創始者だ。Rackspaceのプロダクト管理担当シニアディレクターBryan Thompsonに、なぜ同社のOpenStack Private Cloudビジネスのために、ツールの内製でなくAppFormixを選んだのか、尋ねてみた。

彼は、最初は内製するつもりだったが、“AppFormixにはクラウドツール専門のチームがいた。チームと面談した結果、彼らがたいへん有能であることを知った。われわれがこれまでやろうとしていたことと、相性がとても良い。ツール作りに関しては、彼らにまかせた方が早い、と感じた”、と答えた。

それは、大企業がスタートアップを買収するときのよくある理由付けであり、Thompsonによると、内製よりも買収を選んだことで機嫌を損ねた社員も一部にはいるそうだ。

AppFormixのCEOでファウンダーのSumeet Singhによると、同社は必ずしもOpenStackオンリーの企業ではない。Googleが育てたコンテナ管理ツールKubernetesも、もちろんサポートしている。そして今では、KubernetesとOpenStackの併用は円滑にできるし、とくに問題はない、と。

AppFormixは昨年、August Capital率いるシリーズAのラウンドで700万ドルを調達し、すでにIntelなどとのパートナーシップにより、多くの顧客に同社のサービスを提供している。

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Red Hatが新しいOpenStack製品とクラウドツールセットでクラウド企業への変身を継続

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数年前にRed Hatは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の成功に永遠に依存することはできない、と明言した。そして同社は、求めていた変化への道を、OpenStackとハイブリッドクラウドに見出した。

今日(米国時間4/20)同社は、そのクラウド企業への転身というビジョンを、OpenStack Platform 8Red Hat Cloud Suiteのリリースによりさらに前進させた。RHELは今でも同社の主力製品だが、同社のクラウドへの移行は固い決意と目的意識に貫かれている。

今回のRed Hatの発表は、オースチンで行われる今年のOpenStack Summitに合わせたかのように、その開会の1週間前に行われた。

OpenStack製品は、昨年リリースされたOpenStack Libertyがベースだ(最新バージョンのMitakaは、発表されたばかり)。Red HatのOpenStack Platformはリリースが新しくなるたびに改良が進んでいるが、今回の8では、複雑なシステムの頭痛のたねである管理性が向上し、またストレージとネットワーキングとコンピュートまわりのアップグレードが行われた。Red Hatが主要市場としてねらいを定めている通信企業や、Open
Stackへの移行を検討していて大きなネットワーキングを運用している大企業向けの、改良も行われている。

Cloud Suiteは、クラウドとDevOpsとコンテナ関連のツールセットで、このようなスイートに期待される、ツール集合でありながら単一のソリューションのように使える管理レイヤだ。それはRed Hat OpenStackにコンテナ環境OpenShiftと、プライベートクラウドをセルフサービス的にセットアップし管理するCloudFormsを組み合わせている。一種の統合化パッケージだが、これらのツールを個別に導入して、他社製品と併用することもできる。

企業は今、レガシーシステムを抱えながら、徐々にクラウドへ移行しつつある。Red Hatは、一方にRHELを置き、他方にOpenStackを置くことによって、両者の橋渡しを提供したいと考えている。多くの点で、Red Hat自身の昨今の変化が、そのまま顧客の変化の姿でもある。しかもそれは、必然的に起きていることだ。

Red Hat Cloud Infrastructureのプロダクト担当James Labockiは、こう説明する: “多くの顧客が既存のインフラストラクチャとアプリケーションを抱えている。弊社はその両方をRHELで支えているが、Red Hatのクラウドインフラストラクチャツールを使えば、弊社が提供するコントロールパネルと管理ツールによりそのインフラストラクチャを最適化して、より効率的に動かせるようになる”。

そういう、既存のインフラを生かしつつの移行は、うまく行ってるようだ。Red Hatは昨年、オープンソース企業としては初めての20億ドル企業になったが、最新の(3月の)決算発表では四半期売上が5億4400万ドルとなり、前年同期比17%の成長を見せた。まだ、売上の大半はRHELだが、クラウド部門も利益が出始めている。数字には、反論できないね。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕
[graphiq id=”6f1Tc9GAZSZ” title=”Red Hat Inc. (RHT) Actual & Estimate Revenue – Last 5 Quarters” width=”650″ height=”503″ url=”https://w.graphiq.com/w/6f1Tc9GAZSZ” link=”http://listings.findthecompany.com/l/19060804/Red-Hat-Inc-in-Raleigh-NC” link_text=”Red Hat Inc. (RHT) Actual & Estimate Revenue – Last 5 Quarters | FindTheCompany”]

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分散PostgresデータベースのCitusがAWSと組んでクラウドバージョンCitus Cloudを立ち上げ

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分散データベースのCitusは、最近ちょっとニュースが多い。二週間前に同社は、そのPostgres起源のデータベース製品をCitus 5にアップグレードしたが、もっと大きなニュースはそれをオープンソースにするという大胆な発表だった。そして今日同社は、それをクラウド化した新製品Citus Cloudを発表した。Database as a Serviceの誕生だ。

Citus 5では、メモリと処理能力のスケーリング能力が強化されたが、大量のビッグデータを扱わなければならない今日では、スケールアップの費用も大きい。しかしデータセンターを自前で持たずにクラウドサービスに依存するなら、最近のクラウドは“エラスティックな”リソース割り当てを提供しているから、無駄なリソース費用は、発生しない(はずだ)。

スケーラビリティだけでなく、管理も問題だ。企業が自力でデータベースの世話をするとなると、その時間と費用が相当な量になる。クラウドからのサービスとして提供されるCitusなら、その重荷がない。メンテナンスの責任が顧客からCitusへ移り、継続的なアーカイビングと災害復旧能力により、事故時にもデータベースの健康が維持される。

スケーリングは、クラウドの場合も、サーバーの費用は増えるが、データベースの管理をデータベースの専門企業がやってくれることは、顧客企業から重い負担を取り除く。

Citusの顧客はこれまでも、AWSの上でCitusを使っていることが多いので、今回始まるクラウドサービスも、AWSとのパートナーシップのもとに行う。将来的には、そのほかのクラウドサービスからの提供も考えているが、リソースに制約のあるスタートアップとしては、まず世界でもっともポピュラーなIaaSから始めて、その後、ほかのオプションも検討する。

この新しいクラウドサービスは、6月か7月までをベータ期間とするが、でもファウンダーでCEOのUmur Cubukcuによると同社は、顧客のためにできるだけ多くのものを自動化したいので、ベータの参加企業の協力を得て、要望されている機能のほとんどすべてを実装していきたい、という。そしてそのあとに、Citus Cloudは一般公開される。

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