Kubernetes/Docker Swarm両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher LabsがシリーズBで$20Mを調達

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KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher Labsが今日(米国時間5/9)、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードした同社の新しい投資家は、中国の投資企業GRC SinoGreenで、既存の投資家MayfieldとNexus Venture Partnersも参加した。これで同社の資金調達総額は3000万ドルになる

新たな資金は、営業とマーケティングの強化および、ユーザーの要望に合わせての製品の改良に充てられる、という。

Rancher LabsのCEO Sheng Liangは今日の発表声明の中でこう述べている: “コンテナ化によって企業は、アプリケーションのパフォーマンスと可利用性とコストを改良するための、すばらしいことがいろいろできるようになった。このパズルの次のピースはコンテナ技術の完成に貢献するものであり、それはコンテナの管理に関連するツールだ。ユーザーがコンテナ技術をフルに利用して、コンテナが約束する財務的および組織的な利益を得ていけるための、正しいツールを提供していくことが、弊社の目標である。弊社が今後もこの目標追求のための努力を継続できることは、きわめて喜ばしい”。

コンテナプラットホームの市場はやや混み合ってきたが、Rancher Labsによれば、KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートしているために、Rancherはエンタープライズのコンテナ展開のための正しいツールになっている。しかしおそらくさらに重要なのは、 それが、使用するクラウドを特定しないこと、およびエンタープライズがパブリックとプライベート両方のクラウドと、さらに従来からのデータセンターで、コンテナを使えることだ。

なお、Rancherはマルチテナントプラットホームなので、各チームが自分たちのニーズに即したやり方で自分のクラスタを管理できる。この方式では、たとえば、Kubernetesのクラスタのセットアップがわずか5分でできる。(ただしクラスタのデプロイを初めてやる方は、もっとかかるかもしれない。)

コンテナのデプロイを容易にするために同社は、アプリケーションカタログを提供している。それを利用すると、かなり複雑なアプリケーションのデプロイでも、わずか数クリックで簡単に構成できる。

投資をリードしたGRC SinoGreenのパートナーDr. James Zhangは発表声明の中でこう語る: “コンテナはソフトウェアの開発とITのオペレーションを急速にディスラプトしつつある。Rancher Labsはそのすばらしいオープンソース技術によって、ソフトウェア開発の加速化のためにはコンテナ管理が重要であることを企業に示し、同じく適正なコンテナ管理によってアプリケーションをプロダクション(本番稼働)における高い信頼性と効率で動かせることを、示してきた”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

迅速安全なAPI開発のためのプラットホームPostmanがシードで$1Mを調達…登録ユーザ数150万に

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問題解決への意欲から、強い企業が生まれる。それは、ファウンダを個人的に苦しめた問題であることも多い。APIを開発するチームのためのプラットホームを提供するPostmanも、それが良いスタートを切るためのバネだった。加えてこのインドのスタートアップは、Nexus Venture Partnersから100万ドルのシード資金を獲得した。

PostmanのCEOで協同ファウンダのAbhinav Asthanaは、Yahooでインターンをしていた2009年にAPIの開発を手伝い、その問題に遭遇した。

“APIの制作と、それを使った開発とのあいだを、行ったり来たりしなければならないんだ”、と彼は説明する。“その結果、APIも目的アプリケーションも、どちらも、ものすごく時間がかかる。時間がないから、APIのドキュメンテーションもきちんと整備できない”。

バンガロールのオフィスでAsthanaは、その後もこの問題に付きまとわれた、と語った。彼が2010年にパノラマ写真のアプリケーションTeleportMeを作ったとき、それはその後2012年に苦労してオープンソースのソリューションを開発するきっかけになったのだが、サイドプロジェクトの方がおもしろい、と感じる機会があった。そこで彼は2013年9月にPostmanをスタートし、元AdobeのエンジニアAnkit SobtiをCTOに迎えてAPI開発用プラットホームの構築に着手した。

それから18か月経った今、PostmanのサービスはChromeのアプリケーションとして可利用になり、一気に成長した。今、登録ユーザのデベロッパは150万に以上おり、そのうち80万あまりがアクティブユーザだ。ユーザは世界各国に分布し、合衆国ではBoxやMicrosoft、Ciscoなども利用している。

インドの社員9名の企業にしては悪くない結果だが、今回のシード資金で年内にサンフランシスコにオフィスを開く予定だ。社員増も、考えている。ただし、あまり大人数の会社にはしたくない、とAsthanaは言っている。

Postmanの中心的な機能は、APIのためのGoogle Docs、といったところだ。つまりチームが変化変更を追跡でき、コラボレーションで仕事ができる。それにより、破綻のない、コミュニケーションの齟齬のない、APIの開発ができる。

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つまりPostman Syncは、API開発のワークフローの全体を一つの場所に置く。検索ができ、アプリ内のAPIをチェックすることもできるので、複数のサイトやドキュメンテーションを行ったり来たりして、どこで何がどう変更されているかなどを調べる必要がない。

またPostmanは、ユーザであるデベロッパにAPIのアップデートに関するニューズフィードを提供し、データをクラウドへシンクする。これによってバグをなくし、変更によってAPIが不具合になることを防ぐ。そして、サービスやアプリケーションが完全な管理下に置かれる。

“APIの扱い方を変えたいんだ”、とAsthanaは言う。“APIの最大の問題点は、仕様等がよく変わるけどそれがドキュメンテーションされないことだ。だから必然的に、アプリケーションはぶっ壊れる。うちは、そんな野蛮時代を終わらせたい”。

このサービスには無料のバージョンもあるが、Postman Syncの有料サービスはデベロッパ10名までが月額49ドルだ。Asthanaは、登録ユーザのせめて5%は有料会員にしたい、と願っている。また大企業などが利用するときは、料金の相談に応じる。

口コミで伸びてきたPostmanだが、今はSyncのコラボレーションプラットホームを改良中だ。それが終わったら、今度はネイティブアプリを作りたい、とAsthanaは言っている。モバイルアプリからの利用が多くなる、と見込めるならば、ということだが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa