単眼のカメラから3D画像情報を取り出す次世代3Dセンサー

テルアビブのMultiVuは、1つのセンサーとディープラーニングを組み合わせた新しい画像技術を開発している。同社は米国時間5月16日、700万ドルのシードラウンドを発表した。ラウンドをリードしたのはクラウドファンディングのプラットホームOurCrowdCardumen Capital、および香港のJunson Capitalだ。

テルアビブ大学のイノベーション推進ファンドがMultiVuの中核的技術の初期の開発を支え、それは同大のDavid Mendlovic教授の研究室から生まれた。Mendlovic氏は前にスマートフォン用カメラのスタートアップCorephotonicsの共同ファウンダーだったが、同社は最近サムスン(Samsung)に買収された

MultiVuのセンサーは、従来のような2つのセンサーではなく単眼のカメラを使って3D画像を作り出す。そのたった1つのセンサーが1回の撮影で奥行きと色のデータを取り込む。

従ってセットアップはコンパクトになり、部品が少ないぶん費用も安くなる。それを可能にしているのが、同社が特許を持つライトフィールド技術だ。

現在同社のチームは、スマートフォンなど小型デバイスの顔認証でそのセンサーを利用することにフォーカスしている。それはもちろん成長市場だが、小型の3Dセンサーにはもっと多様なアプリケーションがありうる。顔認識以外のセキュリティ技術や、自動運転車のセンサーにも使えるだろう。

MultiVuのCEO Doron Nevo氏は次のように語る。「この技術は概念実証の段階を終えており、3Dの顔認証技術や、低コストの3D画像技術をモバイルや自動車産業、そのほかの工業分野、そして医療の分野にも提供できる。この技術を商用化する機会が与えられたことを、嬉しく思っている」。

しかし当面は、そのセンサーそのものの市場化に力を入れていく。今回の新たな資金もそのためのマーケティングや事業開発に充てられる予定だ。

OurCrowdの上級パートナーEli Nir氏はこう語る。「未来の3Dセンサー技術に投資できることはたいへん喜ばしく、MultiVuは市場に深く浸透していくだろう。現在の高コストな3D画像技術を利用できない企業はとても多い。David Mendlovic氏の3つめの創業企業に投資できることを誇らしく思うし、またCEO Doron Nevo氏の豊富な起業履歴や高い能力を持つチームにも大きな期待が持てる」。

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データを暗号化するフラッシュドライブeyeDiskは簡単にハックできた

セキュリティの世界に「ハックできないもの」はない。むしろ、そう主張されるものはすべて研究者たちにとって、じゃあハックしてやろうというチャレンジだ。

英国のサイバーセキュリティ企業Pen Test Partnersの最新のプロジェクトは、自称アンハッカブル(unhackable、ハックできない)USBフラッシュドライブと言われているeyeDiskを丸裸にすることだった。そのデバイスは、目の虹彩を認識してアンロックし、デバイスの暗号を解く。

昨年のKickstarterキャンペーンで2万1000ドルあまりを集めたeyeDiskは、3月にそのデバイスを発売した。

しかし1つだけ問題があった。それが、アンハッカブルでないことだけは確かだった。

Pen Test Partnersの研究員David Lodge氏は、そのデバイスのバックアップパスワードを見つけた。デバイスのエラーや、目を怪我したときなどにデータにアクセスできるためだが、あるソフトウェアツールを使ってUSBデバイスのトラフィックをダンプすれば、そのパスワードは簡単に見つかった。

秘密のパスワード「SecretPass」がプレーンテキストで見える(画像提供:Pen Test Partners)

彼は、自分の発見を詳細に述べているブログ記事でこう言っている。「上の図の中で、赤で囲った部分が、ぼくがデバイスにセットしたパスワードだ。誰でもできる盗視だね」。

さらにまずいのは、正しくないパスワードを入力してもデバイスの本当のパスワードが分かることだ。彼の説明によると、デバイスは自分のパスワードを見せてから、ユーザーが入力したものと対比し、それからアンロック用パスワードを送る。だから、でたらめを入力しても本物のパスワードがわかる。

Lodge氏によると、このようなデバイスを使うときは、暗号化を自分でもう一度することが必要だ。

欠陥をeyeDiskに教えたら、直すと約束したが、それはまだリリースされない。この問題にコメントを求めたが、eyeDiskからの返事はない。

関連記事: 常套句「プライバシーやセキュリティを真剣にとらえている」は耳にタコだ

画像クレジット: eyeDisk

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Googleの低価格機Pixel 3a XLがすでにBest Buyの店頭に登場

Pixel 3aが来週のGoogle I/Oにやってくる。それはもう、一種の決まり文句みたいだったが、そのハンドセットがすでに、オハイオ周辺のBest Buyに出回っていると聞けば、今ならそれは本当だろうなと思うしかない。

Googleの旗艦機Pixelの廉価版は、マウンテンビューで行われる5月7日のキーノートでステージに登場するだろう。でも、オハイオ州スプリングフィールドのお店でそのボックスを見た、というAndroid Policeの読者のおかげで、ひと足先にお目にかかれることになった。

その写真からは、Googleがその愚かしい色の名前の慣習に固執していることが分かる。「Purple-ish」(薄紫)とか「Just Black」(真黒)という言葉が見える。前者は新色で、パッケージの写真からは、紫色の電子製品と本当に言えるのか、微妙なところだ。箱の側面に印刷されているスペックは、われわれがすでに知ってることを確認している。XLバージョンではディスプレイが6インチで、ストレージは64GBだ。

このハンドセットはPixel 3のリリースからまだ半年、という時期に出る。今週の決算報告では旗艦機の売上不振対策が発表されたが、その目玉がI/Oで登場するハードウェアだった。昨年までのI/Oにはなかったことだ。しかしGoogleによるこの製品の位置づけはどうなるのか。もともとソフトウェア企業であり、MLやAIにフォーカスしている同社は、今後どんな方向へ同機をアップグレードしていくのか。

来週マウンテンビューには何が登場するのか。その予測記事がここにある。

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アップルにサファイアガラスを提供するはずだった企業を米証取委が詐欺で告訴

2013年にアップル(Apple)は、サファイアガラスに5億7800万ドル(約642億円)という大金を投じた。それは、4回に分けて支払われるGT Advanced Technologiesへの前払金だった。その極めて硬い素材はすでに同社のホームボタンやカメラに使われていたが、計画ではそれを量産してゴリラガラスをリプレースするつもりだった。

しかしその翌年、GTは倒産した。工場は閉鎖され、ガラスを作る炉は売却され、債務の清算計画が発表された。米国時間5月3日、米証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)は、そのニューハンプシャー州の製造企業と元CEOを詐欺で告訴した

訴状によるとGTは、その素材の生産能力に関して投資家を騙し、また3億ドルあまりの債務をAppleに隠していた。SECはこう書いている。「債務を別の費目に置き換えることによって財務状況を偽装し、GTはAppleが協定に違反したという証拠のない、従って一般に公表もできない主張に依拠して、その契約履行義務から逃れようとした」。

委員会は当時のCEOだったThomas Gutierrez氏を、2014年の決算報告でその生産能力と生産目標を偽り、その後に根拠のない売上予測を発表したとして非難している。その同じ年の後半に同社は破産を申請し、操業を停止して非上場の企業になった。

SECの執行部副部長Anita B. Bandy氏は、プレスリリースに伴う声明でこう述べている。「GTとそのCEOは会社のパフォーマンスと資金獲得能力に関してバラ色の絵を描き、それはGTの存続にとって不可欠だったが彼らはまた、それが会社に壊滅的な結果をもたらすという情報を知ってもいた。経営責任者らは投資家たちに真実を開示するというもっとも基本的な義務を履行していないので、彼らの責任追求を今後も続ける」。

AppleはGTを、コーニング社の技術に依存しているその他のデバイスからiPhoneを差別化するための方法と見ていた。しかしGTの目標不達成とその後の倒産により、ゴリラガラスは今なお、Appleのスマートフォンの主要部位であり続けている。

関連記事: AppleはMade In USAへの取組みを拡大、サファイアガラス工場をアリゾナに建設

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マイクロソフトが発表したHoloLens 2 Development Editionは約39万円

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月2日の午後というやや奇妙な時間帯に、Buildデベロッパーカンファレンスの予告記者発表を行った。

そしてその中には、HoloLens 2 Development Editionの発表もあった。同社は、大幅に改良されたHoloLens 2を2月のMWCバルセロナで発表したが、まだデベロッパーの手には渡っていない。今のところ最短で今年後半と言われているが、Development Editionは通常のHoloLens 2と同時ローンチになるようだ。

Development Editionは、買えば3500ドル(約39万円)、借りれば月額99ドル(約1.1万円)だ。いずれも本体のみだが500ドル(約5.6万万円)のAzureクレジットがつき、Unity ProUnity PiXYZ pluginの3カ月無料試用もある。ゆえに開発時のレンダリングはUnityを使える。

Development Editionを入手したい人は、Microsoft Mixed Reality Developer Programに参加しなければならない。標準エディションを予約した人も、今年後半になればオーダーを変えられる。

HoloLensのニュースにしては、ちょいとわびしいね。Azureのクレジットは誰でももらえる(通常は200ドル)し、Unity Proの無料試用も30日までなら誰でもできる。

おかしなことに、通常のHoloLens 2も3500ドルになるらしい。通常版がもっと安くなるのか、クレジットなしで同額か、そもそもなぜMicrosoftはそんなことをするのか、全然わからない。これを特別に「Development Edition」と呼ぶこと自体、マーケティングの小細工と思えてくる。今日の発表をHoloLensバイザーの未来的な魔力で盛り上げたいのかもしれない。

でも、Unityの連中は大喜びだ。Unityの業務部門のゼネラルマネジャーであるTim McDonough氏が、今日の声明でこう言っている。「HoloLens 2とUnityのリアルタイム3D開発プラットホームがペアを組めば、企業はイノベーションを加速でき、没入的な体験を作り、産業界の顧客をもっと対話的なやり方で取り込める。Unity ProとPiXYZ PluginがHoloLens 2のDevelopment Editionに加われば、企業はリアルタイムの2Dや3D、VR、ARなどの対話的な体験をすぐに作れるようになり、デザインデータをインポートして準備するだけでリアルタイムの体験を作れる」。

Microsoftは今日の話の中で、Unreal Engine 4のHoloLens 2サポートは5月末に利用可能になると述べた。

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MWCで爆発的人気の巨大電池スマートフォンはクラウドファンディングで失速

うーん。自分のクラウドファンディングキャンペーンでは、こんなの絶対に見たくないよね:

勝ち目のない勝負っていろいろあるけど、こいつは目標額120万ドルに対して1万5000ドルだ。この18000mAhのバッテリーを搭載した滑稽なほど肥満体のスマートフォンEnergizer Power Max P18K PopのIndiegogoのページが、今年のMWCで盛り上がったセンセーションのバイラルな広がりに賭けていたのはわかる。会場でこれの写真を撮ろうとして、ジャーナリストたちが押し合っている様子も報道された。

当然ながら作者は、クラウドファンディングのページでも同じことが起きる、と考えた。なんたってこいつは、そのイベントで主役になるはずだったフォルダブルや5Gスマートフォンを脇役に追いやってしまった。本誌も記事にした。本誌のライターLucas Matneyは正しくもそれを、「スマートフォンを内蔵している巨大なバッテリー」と呼んだ。

でも、結果は明瞭だ。みんながその製品を話題にしていることは、だれかがそれを買おうとすることを意味しない。ではそれは何だったのか。あえて言えばそれは、スマートフォンの電池寿命の現状に対するコメント(一種のギャグ)であり、実在する魅力的な製品ではなかった。

そして率直に言って近年では、省電力モードや大容量電池を搭載したスマートフォンが増えている。だから少なくとも近未来に5Gがやってくるまでは、電池寿命の問題はあまり意識されなくなっている。それに今ではポータブル充電器が800万台も使われていて安くなっている。だからますます、P18K Popが愚かに見えてくる。そして言うまでもなく、たった1つの機能に惹かれて買ったスマートフォンは、そのほかの部分で問題が起きる可能性が高い。

しかしそれでも、キャンペーンを閉じた作者たちは希望の言葉を述べている。「目標額には達しませんでしたが、デザインや厚さなどで、P18Kの改良には取り組んで参ります。電池寿命が信じられないほど長いスマートフォンへの関心は高まっている、と信じています。しかも、ポータブル充電器として使うことも可能です」。

確かに、サムスンやファーウェイの製品は、パワーシェアリングが強力なセールスポイントであることを証明した。でもそれに、このEnergizerのロゴが付くことはないだろうね。

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Alphabetはスマートフォン市場の逆風を認めハードウェア新製品の発表を匂わす

Googleの親会社であるAlphabetの2019第1四半期は、主に広告収入の過小によりウォール街を落胆させた。また、ほとんどすべての選手たちに影響を与えたスマートフォンのグローバル市場の不調のせいもあって、ハードウェア部門も苦しかった。

CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、昨年秋のPixel 3Pixel 3 XLに続く同社のスマートフォン系列を指して「逆風が収まらないまま年を越した」と述べた。確かに彼の言うとおり同社はハードウェア部門を独立させてからまだ日が浅いが、同時に彼はまた、今後のイノベーションへの明るい希望も述べた。

「5Gとフォルダブル(折り畳み式スマートフォン)には今後も大きな期待が持てるし、それらはAndroidの重要な活躍の舞台でもある」、と決算報告で彼は語った。Androidのフォルダブルに関しては、そのUIの設計でGoogleが重要な役割を担い、サムスンの最近遅れが発表されたフォルダブルでも密接に協働している。

CFOのRuth Porat氏のコメントもピチャイ氏とほぼ同様だが、将来についても暗示した。「第一四半期の結果はスマートフォンの高級機の全市場的な不調を反映しているが、しかしGoogleアシスタントを実装したHome製品の好調は喜ばしい。とくに良いのはHome HubとMiniデバイスだが、ハードウェアチームは5月7日のGoogle I/Oカンファレンスで新しい発表をするようだから、それも楽しみにしていただきたい」。

上で「スマートフォンの高級機の不調」とあえて言っているのは、中級機ならという思惑があるからだ。その噂のミドルレンジ機のPixel 3aは、来月のI/Oでデビューするらしい。もしかしたらこれによって、Pixelの売上が持ち直すかもしれない。

ピチャイ氏がとくに言及したのは、同社が最近オープンした「キャンパスとエンジニアリングハブ」だ。苦境のハンドセットメーカーHTCで大きな買い物をした結果、Googleの台北R&Dセンターは同社のスマートフォン事業の拠点になるだろう。また彼はAmazonと競合するHome製品、とくにMiniとHubについて、ハードウェア部門の明るい材料、と言った。

彼はこう語る。「Google Homeとアシスタント製品だけを見れば、これまでも良くやっている。市場で勢いがある。グローバルで見れば、弊社はこのカテゴリーにおけるマーケットリーダーだ」。

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任天堂とソニーはE3を前にして新製品への期待を打ち消す

E3(Electronic Entertainment Expo)があと1カ月あまりに迫ってきたが、いつものようにこの時期のニュースからは、この巨大ゲーム見本市の会場では聞けないような内部情報が漏れてくる。昨年おそくにはソニーが、例年の大規模なプレスカンファレンスはやらないと発表した。それはこのほぼ四半世紀の中で初めて、このゲーム大手の大きな不在を示すものになり、代わりに同社は「2019年における我が社のコミュニティに関わるための新しくて親しみやすい方法を探求する」そうだ。

ゲーム業界をフォローしている人たちにとっては、このような感情はすでにおなじみのはずだ。数年前には任天堂が同じ動きを見せ、記者たちが実際に集まるプレスカンファレンスを避けてオンラインのNintendo Direct “Treehouse”で新しいトレーラー(予告編)を披露した。それ以降ずっと、任天堂はこのやり方だ。

ソニーが使わなくなったゴールデンアワー的な時間枠にはスクエア・エニックスがうれしそうに滑りこみ、今回のロサンゼルスのイベントではマイクロソフトが3大コンソール(ゲーム機)中で唯一生き残って、プレスカンファレンスをやることになった。もちろん、E3のようなビッグショウの死は毎年、大げさに言われている。こういうことには周期性があり、誇大に言われることの多くはとくに、新しいシステムの発表に結びついている。

マイクロソフトは今月、光学式ディスクを使わないXbox One S “All-Digital Edition”を発表し、ではいったい6月には何を発表する気か、とみんなが不思議に思った。一方ソニーは今週初めに、PlayStation 5がもうすぐ出るという話を打ち消した。詳細は例によってあいまいだが、同社によると次世代コンソールが今後の6カ月以内に出ることはない。

また任天堂の決算報告では同様に、Switchの廉価版が出るという噂を打ち消した。このコンソールは直前のWii Uの失敗でめげていた同社にとって狂喜の大成功になったが、売れ行きの鈍化は任天堂の長年の伝統である改良版ハードウェアの登場を示唆した。噂の多くは、ポータブルモードだけでプレイできる廉価版のSwitchを指していた。

というわけでここまでの話には新製品のプレビューがまったく出てこない。企業は通常、そうやって記者たちの関心をそそるのが好きだが、でも今回ビッグスリーは、ショウへの期待感を静めている。そうなると当然、ほかの選手たちがやる気を出す。E3は長年、ビッグスリーに支配されていた。開会前の今広まっている噂の中には、NVIDIAのゲーム用2-in-1(ツーインワン)タブレットがある。

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マイクロソフトが50インチ大でポータブルなSurface Hub 2Sを6月発売

マイクロソフトは今週、何かSurfaceっぽい隠し玉を用意していることはわかっていた。判明したのは、だいぶ前に発表したSurface Hub 2Sがやっと発売にこぎつけたことだ。2015年のWindows 10が載った対話型ホワイトボードの後継機種である2Sは、何もかもポータブルであることがウリだ。

ちょっと見ると、壁にかける事務用品という雰囲気しかない製品だが、これだけ高額であるからには多用途性が顧客の購買意欲を喚起する鍵だ。そしてまさに同社は、オフィス家具のSteelcase社とパートナーして、この製品のためのキャスターのついた可動式スタンドを特製した。

2Sは、前のモデルよりも60%薄くて40%軽い。ポータブルであることの鍵は、モバイル(可動性)用のバッテリーをAPCからハブに加えられることだ。うっかり電源コードがぬけてしまっても仕事はなくならない。このような、コラボレーションのためのデバイスでは当たり前のようなことだし、第1世代機が出たあとは、要望がとても多かった機能だろう。

ポータブル以外にも、スペックはアップしている。50インチのディスプレイは3840×2560ドットの4K+だ。スピーカーとマイクロフォンとカメラはすべて改良された。プロセッサーはIntel Core i5の第8世代、メモリー8GB、ストレージ128GB。そしてグラフィクスはIntel UHD Graphics 620。マイクロソフトによると、前の機種より50%速いそうだ。発売は6月、価格は9000ドル(約100万円)となる。

マイクロソフトは年内にスタンダードなSurface Hub 2も出す計画だ。そのディスプレイはペンや画面タッチで操作できる。また来年は、2Sの85インチバージョンを“選ばれた顧客”を対象にテストする。

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Parrotのドローン新製品はサーマルカメラ搭載、各分野のプロフェッショナル狙う

Parrotはここ数年間で、Bluetoothヘッドフォンやスピーカーからドローンへ、という興味深い転身を遂げた。同社のANAFIブランドのドローンは、DJIのヒット機Mavicと十分対抗できる位置にいると思うが、でも同社は、ホビイストや一般消費者をちょっと超えたところで勝負したいらしい。

同じクラスの他機との主要な差別化要因は、この記事のタイトルにもあるように、Flirのサーマルカメラを搭載したことだ。そのANAFI Thermalと呼ばれるドローンは、高解像度の画像の上に感熱層をかぶせた画像を撮る。

これによってこのフランスの企業は、そのドローンの市場を監視や検査を必要とするさまざまな業務用分野にも広げたいと願っている。ちょっと思いつくユースケースとしては、消防、ソーラーパネルの検査、建設業界などが思い浮かぶ。たとえばビルの壁の断熱性や熱漏れをチェックできるだろう。

そのほかに4K HDRのカメラも搭載しており、その性能は21メガピクセル、3倍ズームだ。ジンバルに載っていて上下も90度、角度を変えられる。これまた、ビルの点検などに適しているのではないだろうか。電池寿命は26分で、前よりやや良くなった。電池3つが同梱されている。

ANAFI Thermalは、1900ドルで来月発売される。

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企業と社員のアップル製デバイス管理を自動化するFleetsmithが海外進出を目指す

Fleetsmithは2016年に、クラウド上のApple(アップル)製デバイスを管理することをミッションとしてローンチした。同社はAppleのDevice Enrollment Program(日本語ページ)を利用して、これまでは複雑だったITの活動を単純化する。同社は昨年そのサービスを大幅に充実し、そして米国時間4月8日、Menlo VenturesがリードするシリーズBのラウンドで3000万ドルを調達したことを発表した。

Tiger Global ManagementとUpfront Ventures、およびHarrison Metalがこのラウンドに参加した。契約の条件として、MenloのパートナーですNaomi Pilosof Ionita氏が同社の取締役会に加わる。彼女の同僚であるMatt Murphy氏が取締役会のオブザーバーになる。同社発表のデータによると、これで同社の調達総額は4000万ドルあまりになる。

同社の共同創業者でCEOのZack Blum氏によると、最初のミッションは痛点の解消を目指し、共同創業者はAppleのデバイスを管理する現代的なアプローチを手探りで探した。Blumはこう説明する。「Fleetsmithを利用すると、顧客企業はデバイスを社員たちに直接配布できる。そして、それをもらった社員はWi-Fiに接続し、デバイスは自動的に管理システムに登録される」。

彼によると、このような自動化と、同社プロダクトのセキュリティおよびインテリジェンスの機能が合わさって、ITはデバイスの登録やアップデートについて心配する必要がなくなる。社員は、世界中のどこにいてもよい。

最初は主に中小企業に問題解決を提供していたが、最近では規模の大小を問わず、ワークフォースが分散している企業が主な顧客だ。そういう企業にとっては、どこからでも自動的に登録ができるのでとても便利だ。登録が完了したら顧客企業は、会社の全社員にセキュリティアップデートをプッシュしたり、必要ならアップデートを強制できる。ただし社員がクライアントところで会議に出ていることもあるので、そのようなアップデートができない場合には、強力なリマインダーを送る。

昨年同社は、ITが管理下のすべてのデバイスを一望にできるために、ダッシュボードを開発した。それを見ると、個々のデバイスの健康状態や問題点が分かる。たとえば、ディスクの暗号化をやっていないMacBook Proが数台見つかるかもしれない。

このダッシュボードは、Office 365やG Suiteのアイデンティティ管理部位に統合できる。ITはこれら両ツールから直接に社員をダッシュボードへインポートし、すると社員はFleetsmitこれらツールの認証情報でサインインできるから、全社員を管理下に収めることが迅速にできる。

スクリーンショット提供: Fleetsmith

Fleetsmithはまた、Managed Service Providers(MSPs, 各種のマネージドサービスのプロバイダー)とのパートナー事業により、そのリーチをさらに広げた。MSPsは中小企業のITを管理しているから、彼らとの関係を構築すればFleetsmithの拡大も迅速に行える。

現在同社は社員数30名、顧客企業数1500社に成長しているから、このやり方がうまく行ってるようだ。今回の新たな資金は今後のさらなる社員増と、プロダクトの能力拡大、そして海外進出に充てられる(これまでは米国市場のみ)。

関連記事: 中小企業の多様なApple製品の利用を自動化クラウドサービスで管理するFleetsmith$7.7Mを調達(同社シリーズA時)

画像クレジット: MacFormat Magazine / Getty Images

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Salesforce Ventures初のハードウェア投資先はエンタープライズドローンのKespry

業務用のユーザーにサブスクリプション方式でドローンサービスを提供しているKespryは米国時間3月27日、Salesforce Venturesからの資金調達を発表した。それは、Salesforceのベンチャー部門としては初めてのハードウェア方面への投資だ。これによりSalesforceとKespryとのパートナーシップが実現し、前者の保険業界向けツールに後者のドローンサービスが統合されることになった。資金の調達額は公表されていないが、Salesforce Venturesのそのほかの投資に比べて相当大きいと思われる。

2013年に創業されたKespryは、主に鉱業や骨材業界(砂利、砕石など)に強く、ドローンで撮影した画像から採掘容積を求める。その他に同社は、最近では建設や保険、エネルギー部門にも顧客を広げている。

CEOのGeorge Mathew氏によると、Kespryの現在の顧客は300社あまりで内200社以上が鉱業と骨材業界、そして40社以上が過去1年以内の新規登録ユーザーだ。

今は、ドローンも人気の盛りを過ぎたかもしれないが、同社のように初期にニッチ市場を見つけた企業は好調だ。CEOはこう言う。「今では活用範囲が広がっているからドローンビジネスは活気があり、また変化も激しい。うちはもっぱら商用利用に目をつけてきたから、産業界の非常に難しい課題にも対応できる。しかしドローンで大規模で有効なビジネスモデルを見つけるのは容易じゃないから、問題を抱えているドローン企業もある」。

彼によるとKespryが好調な主な理由は、そのサブスクリプションモデルと顧客にエンドツーエンドのハードウェアとソフトウェアのソリューションを提供していることだ。

Salesforceからの投資は、ある業界イベントでCEOのMarc Benioff氏にたまたま会ったことがきっかけだ。Salesforceは保険業界向けの業種特定型アプリケーションを目指していたから、当然そこにはKespryの役割もあった。「大きな災害などのあとには保険会社への支払い請求がどっと押し寄せる。すると保険会社は、大量の土地や建物の被害の査定を短期間でしなければならない。明らかにそれは、ドローンの出番であり、その需要は今きわめて多い」とMathew氏は言う。そんな場合Salesforceのツールを使って査定官を現場に送り込むが、彼ら請求査定官は今度はKespryのサービスを利用してドローンを飛ばし、家の屋根がどれぐらい壊れているかなどを調べる。

KespryはSaleforceとのパートナーシップの一環として後者のPledge 1%プログラムに登録している。それは、社員の全労働時間の1%を企業の社会的責任とチャリティ努力に投ずるという企画だ。

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アップルがiMac系列を最新プロセッサーとグラフィックスでアップグレード

アップルは来週のビッグイベントを控えているというのに、そのほかのいろんなニュースで盛り上がっている。今週はまずiPadのアップグレードがあったし、そして3月19日には同社の岩盤であるiMac系列に少々のアップグレードを行ったことを発表した。

何年経っても人気が衰えないこのオールインワン機は、系列機とハイエンドのiMac Proとのギャップを埋める重要なアップグレードをいくつか行った。とくに重要なのは、インテルの第9世代プロセッサーと、Radeon Pro Vegaグラフィックスだ。ニューモデルは価格もルックスも前と変らない。いいことだ。2つのスタンダードモデルについてすこし詳しく言うと、次のようになる。

21.5インチ:第8世代の4コアに6コアオプションが加わり、従来機より60%(1.6倍)速くなった。さらにRadeon Pro Vegaにより、グラフィックスのスピードは最大80%(1.8倍)アップした。4Kのデスクトップ機は税別14万2800円から。

27インチ:この大型モデルは第9世代のインテルプロセッサーを搭載、コア数は6または8になる。こちらもRadeon Pro Vega使用。5Kのシステムは税別19万8800円から。

どちらのシステムも旧型機をリプレースする。アップルのサイトや店頭に登場するのは米国時間3月19日からだ。抜本的なリニューアルではないが、この長寿な系列機をアップツーデートに維持するには十分だ。これからも引き続き、クリエイティブのプロたちの仕事の相棒として、またホビイストのゲーマーたちの愛用機として生き延びるだろう。これ以上のものをお望みの方は、iMac Proを検討すべきだ。ただしこちらのデスクトップは、このところしばらく仕様が変わっていない。

関連記事:Apple updates iMac Pro options(未訳:iMac Proのメモリオプションなどがアップデート)

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NVIDIAの次世代RTXポッドは1280基のGPU搭載、ネット上のハイエンドビジュアルを狙う

このところNVIDIA(エヌビディア)は、クラウドの大物になりたがっている。もともとは高性能なグラフィクスカードでゲームファンの人気企業だったが、最近ではデータセンターやAI、機械学習の推論、そして推論エンジンやデータ視覚化用のGPUに力を入れている。米国時間3月18日に開催されたGTCカンファレンスで同社は、ハリウッドのスタジオなどビジュアルなコンテンツを迅速に作りたいと願っている企業向けに、RTXサーバーの最新の構成を発表した。

そのRTXサーバーポッドは、32のRTXブレードサーバー上で最大1280基のTuring GPUをサポートする。それはサーバー1つあたり40のGPUを意味し、ひとつのサーバーがEIA規格で8Uのサイズになる。GPUは、構成にもよるがQuadro RTX 4000または6000だ。

今日の発表声明はこう述べている。「NVIDIAのRTX Serversは、Optix RTXレンダリングとゲーム、VR、AR、プロフェッショナルな視覚化アプリケーション向けに最適化されたソフトウェアスタックを持ち、レイトレーシングで強化された映画クラスのグラフィクスを、同じ性能のCPUベースのレンダリングクラスターよりもずっと低いコスト(電気料金)で提供する」。

このパワーを複数のユーザーで共有でき、バックエンドのストレージと相互接続ネットワークは、NVIDIAが今月初めに69億ドルで買収したMellanoxの技術が支える。その買収と今日のニュースはNVIDIAの未来にとってデータセンターがいかに重要であるかを物語っている。

DellやHP、Lenovo、Asus、SupermicroなどのシステムメーカーがRTXサーバーを顧客に提供しており、そのすべてをNVIDIAが検証し、それらの上で動くワークロードの管理には同社提供のソフトウェアツールを使用する。

NVIDIAは、これらのサーバーはARやVRをエッジで動かしたり、5Gネットワーク上でビジュアルをクライアントにサーブするのに適している、と力説している。それはあまりにもバズワードまみれとも感じるし、ARやVRに一般消費者が関心を持ったり、5Gネットワークがメインストリームになるのは、まだかなり先だろう。しかしそれでも、例えばゲームプレーをクラウドからストリーミングで提供するといったニーズには今日すでに、これらのサーバーが活躍できそうだ。

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オポチュニティの最後の火星パノラマ写真は素晴らしすぎて言葉がない

火星探査車オポチュニティは、公式には永久にオフラインになったが、その科学と画像の遺産は存続する。そしてNASAは米国時間3月13日、あのロボットがその後塵の毛布に包まれていく前に送ってきた最後の、完全に近いパノラマをシェアした。

火星の表面にこれまで5000日(地球日ではなく火星日で)以上いたオポチュニティは、その最後をエンデバークレーターの中、その東縁にあるパシビアランスバレーで迎えた。生存の最後の1か月彼は、自分のまわりを規則正しく撮影し、多くの感動的なパノラマにまた一つを加えた。

パノラマカメラ「Pancam」は、撮影をブルー、グリーン、ディープレッド(深紅色、近赤外線色)の順にフィルタをかけて行い、354の画像で多様な地形や自分の一部、そして谷を踏み歩いた軌跡を拾う。下の画像をクリックすると完全な注釈つきのバージョンを見られる。

それは、人が望みうる火星の風景画像としてこれ以上のものがありえないほど完璧で、細部の違いまで詳細だ。色を加工しているので、この世のものとは思えぬ独特の美しさがある(元の色のバージョンはここにある)。そしてそのため、この探査車の最後のショットだという切なさが胸を打つ。彩色は実は完成していない。左下にあるモノクロの部分は、これから彩色する箇所だ。

厳密に言うとこれは、探査車が最後に送った画像ではない。あの致命的な塵の嵐が迫ってくるとき、オポチュニティは最後のサムネイルを送ったが、本体画像は送られなかった。それは、日没寸前の太陽の画像だ。

塵の雲が完全に太陽を覆い、オポチュニティが漆黒の闇に包まれたことは最後の送信でわかる。

上の画像中にある閃光やドットは、すべて画像センサーのノイズだ。本当は完全な闇で、その嵐の規模が全惑星サイズであることから考えると、数週間は続くだろう。

オポチュニティは、とてつもない幸運に恵まれた。設計寿命の何十倍も長持ちして旅をし、チームの最長予測すら超えた。しかも最後の日まで美しくて価値あるデータを取り続けたことは、その設計と制作が堅牢かつ細心であったことの証明だ。

画像クレジット: NASA/JPL

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鳥やコウモリのように「そこらへん」に止まれるドローン

ドローンはいろんなことで便利に使えるが、その便利さは彼らが空中にとどまれる時間に制限されることが多い。もっと軽くなるべきかもしれない。でも、上図のようなかぎ爪をつけたドローンなら、どこにでもとまったり自分をひっかけたりして電池の無駄遣いを防ぎ、飛行時間を延ばせるだろう。

そのかぎ爪は、この記事の最後でご紹介するように、ものすごく多国籍の研究者チームが鳥やコウモリからヒントを得て作った。チームは、鳥などの空を飛ぶ動物が、自分がとまりたい面の性質に合わせて独自の脚やかぎつめを発達させていることに気づいた。どこかに座ることもあれば、どこかにぶら下がることもある。羽根をたたんで、どこかに寄りかかることもある。

研究者たちは、こう書いている。

これらのどんな場合でも、動物の足の適切な形をした部分が環境中の面と対話をして、飛ぶ努力を減らしたり、完全にとまったりする。私たちの目標は、このような、「とまる」(Perching)という行為を無人航空機にさせることだ。

え、ドローンを鳥のように木にとまらせるの?まさか!

我々は、回転翼で飛ぶ無人航空機のために、外部動力で動作するモジュール構造の着陸装置を設計した。それは、動力式の握り部(Gripper、グリッパー)モジュールと、それの指に装着される接触部(Contact、コンタクト)モジュールから成る。

モジュール構造にしたために、とまったり休んだりするために使える構造物の形状や種類の範囲が、単純に鳥の脚やかぎつめを模倣する場合に比べて大きく広がった。

関節のある足のような単体で複雑な構造物を避けて、チームはドローンに、3Dプリントで作った特殊な形状の静的モジュール複数と、ひとつの大きなグリッパーを与えた。

ドローンはLiDARなどの奥行き検知センサーを使って自分のまわりを調べる。近くにある面の性質も検知して、自分がとまれる面の例を収めたライブラリとマッチングする。

上図右上のような四角いエッジでもAのようにとまれる。柱ならBのようにバランスをとる。

柱があってそこにとまりたければ、その柱を上からつかむ(上図下左)。水平方向の棒なら、握ってぶら下がったり、必要なら起き上がったりする。棚のようなものなら、小さな穴を開けて自分をその隅に固定する(上図A)。そのとき、モーターは完全に停止できる。これらのコンタクトモジュールは、ミッションの性質や状況に応じて形を変えられる。

率直に言ってこれは全体的に、プロトタイプにしてはできすぎだ。難しいのは停泊に使える面の認識と、正しく着地するための姿勢制御だろう。でも現状ですでに、十分実用性がある。業務用や軍用なら、これでも十分ではないか。数年後にはこれが、すべてのドローンの標準装備になるかもしれない。

このシステムを説明しているペーパーは、Science Robotics誌に載っている。省略してもよい人は一人もいないと思うから執筆者全員を挙げると、エール大学と香港科学技術大学とスウェーデン王立工科大学のKaiyu Hang氏、Ximin Lyu氏、Haoran Song氏、Johannes A. Stork氏、Aaron M. Dollar氏、Danica Kragic氏、そしてFu Zhang氏だ。

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Augustのワイヤレスドアベルカメラ「View」が今月2.6万円弱で発売

スマートホームのメーカーであるAugust Viewは、CESでは何もローンチせず自分のブランドのささやかな紹介だけで終わった。でも同社に関する初期のリークは、もっぱらドアベルカメラに集中していた。

そのワイヤレスの新機種は、余計なもののないすっきりしたデザインになり、1440pのセンサーで精細度を高めている。基本的にはAugustの既存のドアベルカメラ製品がベースで、モーションアラート(動きを検知して警報)や、オンデマンドのストリーミング機能がある。

ビデオはズームして顔などをアップにできる。料金は、15日から30日までの留守の間は課金されない。

当然ながら、同社のほかの製品との互換性があり、その一連の製品はアパートなど、勝手にAC電源を引けない住まいに適している。

3月28日に230ドルで発売される。お安くはないが、Augustでスマートホームを揃えようとしている人なら買いだ。この新デザインは、表面カバーが4種の素材(サテン調ニッケル、オイル塗りブロンズ、サテン調真鍮、ミッドナイトグレー)×4種の色(黒、赤、青、白)で計8種ある。

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コアラを感知するドローンが絶滅危惧動物の個体数推移の調査に貢献

コアラの個体数を常時調べることはオーストラリアの人たちにとって当然のように重要だが、いつも森の中の木の上にいる連中をどうやって数えるのか? ドローンとAIを使うのだ、もちろん。

クイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology、QUT)の新しいプロジェクトは、前からよく知られているいくつかのテクニックを新しいやり方で組み合わせて、あの有名なふわふわ有袋類の野生状態の個体数を調べる。まず、ドローンに赤外線画像で熱を感知するビデオカメラを乗せる。そして撮影した映像を、コアラのような熱痕跡を見つけるよう訓練されたディープラーニングのモデルに見せる。

QUTは前にも、これと似たやり方で、絶滅危惧種の海牛ジュゴンの個体数を、海岸の航空写真と機械学習で調べたことがある。しかし今回は、それよりずっと難しい。

この研究のペーパーの共著者Grant Hamilton博士が、ニューズリリースで言っている。「ビーチにいるアザラシと木の上にいるコアラでは、違いがとても大きい」。ジュゴンという言葉を避けたのは、知ってる人が少ないからだ。

博士は曰く、「木の上や森の中という複雑性も、今回の研究課題のひとつだった。難しいから、おもしろい。ドローンを飛ばして動物の数を数える、という単純な仕事ではなく、ものすごく複雑な環境で、それをやらなければならなかったのだ」。

チームはドローンを早朝に飛ばして、外気の寒いところと、木の中の、コアラの体温で温かいところとの明瞭なコントラストの撮像を求めた。ドローンは、木の上辺を刈る芝刈り機のような航路で飛行した。そうして、広い範囲のデータを集めた。

赤外線画像(左)と関心領域を高輝度にするニューラルネットワークの出力

その映像を訓練済みのディープラーニングシステムに通すと、コアラの体温で温かくなっているところのサイズや密度を認識し、車やカンガルーなどそのほかの物は無視した。

初期のテストでは、システムの精度をコアラの推測位置や実測による地上データと比較した。そのために調べる参照動物には、GPS装置や電波発信タグをつけた。その結果、この機械学習によるコアラ検知システムは約86%の精度であることがわかり、「コアラを見つける名人たち」の70%という精度を上回った。精度だけでなく仕事も早い。

博士曰く、「人間が1日かけて調べる範囲を、2時間で調べる」。しかし人間のコアラ発見名人や地上チームをリプレースするわけではない。「人が行けない場所もあるし、逆に、ドローンを飛ばせない場所もある。人力とドローンが互いに補完できる最良の方法を、見つける必要がある。コアラは広範囲にわたって絶滅に瀕しているし、そのほかの多くの種もそうだ。彼らを救う魔法のような特効薬はない」。

クイーンズランドの1つの地区でテストしたら、今度はオーストラリア東海岸部の他の地域で試す予定だ。今後は、コアラ以外の危惧種動物の個体数調査に使える、温度のヒートマップ以外の別の識別子も加える計画である。

彼らのペーパーは、今日発行されたNature Scientific Reportsに載っている。

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MWC 2019に見るモバイル技術の多様化でスマホ以外にもハイライト

長年、話だけが先行した5Gが、やっとMWC 2019に到着した、かのようだ、あくまでも。バルセロナは、今年後半に発売される数種の5Gハンドセットの打ち上げ台になった。と、これもあくまでもぼくの個人的感想だけど。

もうひとつ、話題が先行していたスマートフォンの技術、フォルダブルディスプレイも、ついに日の目を見た。数社がフォールダブル機を発表し、中にはハンドセットとして価格が決まってるものもあったが、コンセプトだけというところも多かった。そしてその多くは、ガラスケースの中に鎮座していた。

そのほかの注目すべきトレンドは、カメラ、AR/VR、そしてありとあらゆるセキュリティだ。以下に、この世界最大のモバイルショーの傑作と駄作の両方をご紹介しよう。そして今年はその両方が、これから先の変化に賭けていたのだ。

5Gの成熟

MWCの話題としては長年主役級だったが、今年は実物の5Gハンドセットがついに登場した

Huawei Mate X
LG V50 ThinQ 5G
Samsung Galaxy Fold
Samsung Galaxy S10
Xiaomi Mi Mix 3
ZTE Axon 10 Pro 5G

昨年、5G列車に最初に飛び乗ると約束していたOnePlusはハンドセットを発表しなかったが、プロトタイプをデモし、クアルコム(Qualcomm)や英国のEEと共催する5Gアプリのコンテストを発表した。

未来は折りたたまれていたか

折りたたまれていたのは、顧客のお財布だろう。最初のフォルダブルが、平均2000ドル弱という価格で登場した。それはまるでスマートフォンを2台買うようなお値段だが、確かにスマートフォンが2つあると考えてもよい。でも実際に2000ドルの価値があるのか? それはまた、別の問題だ

Huawei Mate X
Samsung Galaxy Fold

TCLはプロトタイプを出品して、来年中にはもっとスペース効率の良い製品を出す、と約束した。オッポ(Oppo)も、まだまだプロトタイプの段階だ

AR/VR/MR

世界最大のスマートフォンショーの最大のヒットは、スマートフォンではなかった。マイクロソフト(Microsoft)はこのイベントを利用して、同社HoloLensの第2世代機をローンチした。それは、ビジネスにしっかりフォーカスしたヘッドセットだ。

Microsoft HoloLens 2
Microsoft Azure Kinect
Vive Focus Plus
Qualcomm XR chips

セキュリティ

同社の5G機器をめぐってセキュリティの脅威が喧伝されているHuaweiには、言いたいことが山のようにあった。その点では欧州委員会(EC)のデジタルコミッショナーも同じだ。一方、Androidは今後ますます、パスワード不要のログインを目指すようだ。

その他

Energizer18000mAhスマートフォン
Lightはスマートフォンのカメラから自動運転車に事業拡張
HTCのブロックチェーンフォーンを法定通貨で買える
Sprint5月に4都市で5Gサービス開始
Facebookがインターネットインフラプロジェクトを拡張
microSD Expressフォーマットは超高速な転送と長いバッテリー寿命を約束
スマートフォン全体がウェアラブルになるNubia

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HTCのスタンドアローンVRヘッドセット「Vive Focus」で悪者たちをぶん殴る!

今年のMWCでHTCが第7会場にショップを開いたことは、効果的だ。サムスンやファーウェイなどの皆様方と肩を並べることをやめて同社は、周辺機器やアクセサリーのメーカーたちの中へ紛(まぎ)れ込んだ。確かにブロックチェーンハンドセット「Exodus 1もニュースだったが、ショーの本当のスターはViveだった。

1月のCESで「Vive Pro Eye」を披露した同社は、今週のバルセロナのショーでは決意を見せるかのように軽量級で勝負した。すなわち、「Focus Plusのローンチだ。このヘッドセットは、HTCのスタンドアローンVRの最新の試みで、「Oculus Go」や「Quest」などに近いものだ。

その最新の装備は、ビジュアルとコントローラーが良くなり、後者はカメラを使う従来型のモーショントラッキングを超音波を利用するフィードバックシステムで置き換えた。米国時間2月26日の午後、会場でちょっと試してみたが、なによりもまず言いたい、言う意義があると思うのは、世界最大のモバイルカンファレンスの会場が、どんなものにせよ消費者向けテクノロジー製品をテストするための最適の場所ではないことだ。それが新製品のVRデバイスなら、なおさらだ。文句、終わり。

また、高価な「Pro Eye」と比べるのもアンフェアだ。そっちも会場でホームランダービーをちょこっと試してみたが、前と同じくSnapdragon 835を搭載したそいつは、そもそも製品としての狙いが違う。HTCはその多機能性を熱心にデモしていたが、その点でもFocusの出番ではない。そこで、Focusで試したのはヘルスケアシミュレーターと戦闘ゲームだった。

前者(ヘルスケア)は明らかに、Focus PlusをHoloLens 2の横に並べる気だ。もちろんVRヘッドセットとマイクロソフトのARデバイスではアプリケーションが全く異なると思うし、599ドルという安くはないお値段もHoloLensが求める価格の数分の一にすぎない。

その医療アプリ「SimforHealth」は、なかなかおもしろい。医師や看護師などの知識や心構えを現実世界のいろんな状況に対して準備させるための一連のシミュレーションがあって、その1つだ。コントローラーの操作を、物をつまむなどの現実の動作としてできるようになるまで、慣れが必要だ。レスポンスタイムにも、ちょっと問題がある。超音波フィードバックという新しい技術は、高度なカメラ追跡ほど正確でないのかもしれない。それとも、自分の設定ミスか。いずれにしても、こちらもやはり慣れが必要だ。

ゲームの「Superhot VR」は、まだましだった。同社はFocus Plusだけでなく5G Hubのデモにもこれを使っていた。殴る撃つなどの単純な力づくのアクションだから、セットアップもうまくいく。だからこのゲームは、デモに向いている。ただし会場の混みあったブースで想像上の悪漢たちを殴りまくるのは、やさしいとは言えない。

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