Amazon Comprehendでは機械学習の技術とは無縁なデベロッパーでも専門用語で自然言語処理モデルを訓練できる

昨年Amazonは、自然言語処理のツールComprehendを発表した。それは情報のコーパスから、よく使われている語や語句を取り出し、ドキュメントを分類する。今日Amazonは同社のデベロッパーカンファレンスRe:inventに一週間先駆けて、Comprehendの機能向上を発表した。それにより機械学習の専門知識のないデベロッパーでも、専門用語や語句のリストを作るだけで機械学習のモデルを構築できる。

その機能アップを発表するブログ記事で、AmazonのディープラーニングとAIのゼネラルマネージャーMatt Woodがこう書いている: “本日Comprehendに新しいカスタム化機能を導入することを嬉しく思う。これによってデベロッパーは、Comprehendを拡張して自然言語で書かれている用語を見つけ、チームや企業や業界にとって専門的なテキストを分類できる”。

重要なのは、すべての複雑な処理をAmazonが面倒見るので、機械学習や自然言語処理の素養のないデベロッパーでも言葉のリストをシステムに与えるだけで、テキストからそれらの語を検出/取り出しできるようになることだ。Woodは書いている: “カスタマイズされた機械学習のモデルを構築、訓練、そしてホストする重労働はすべてComprehendが行い、これらのモデルをプライベートなAPIでデベロッパーが利用できるようにする”。

これには、二つの部分がある。まず、デベロッパーは専門用語などのリストを作る。それは、たとえば法律事務所なら法律用語、自動車会社なら部品番号のリストだったりするだろう。デベロッパーがすることは、これらの用語のリストを公開するだけだ。Comprehendがカスタマイズされた言葉を見つけることを学習し、そのリストに基づくプライベートでカスタマイズされたモデルを作る。

第二の部分は、分類のカスタマイズだ。言葉のリストを作ったら、次は、それらの用語が現れる論理(ロジック)のリストを作る。それについてWoodは、こう書いている:

“言葉の用例がわずか50件でも、Comprehendはカスタムの分類モデルを自動的に訓練し、それを使ってユーザーのドキュメントを各カテゴリーに分類する。たとえばカスタマーサポートのメールを、担当部門ごとにグループ化したり、ソーシャルメディアのポストを製品別に分類、あるいはアナリストの報告書を事業部別に分類したりできるだろう”。

これらの雑多で大量のドキュメントは、カテゴリー分けして初めて役に立つし、適切な担当者にそれを渡したり、あるいはアプリケーションがプログラムの一環として利用したりできるようになる。

Comprehendはユーザーに、カスタマイズされた機械学習のモデルを作る方法を、上述のようなごく単純な方法として提供し、楽屋裏の細部は自分でやる。一般的に言っても、クラウド企業は複雑難解なものを単純化して、専門的な知識や技能のないデベロッパーでも一連のサービスを利用できるようにする。Comprehendの場合は、機械学習の知識のない者がカスタマイズされたモデルを作れる方法を提供する。

Comprehendのこの新しい機能は、今日(米国時間11/19)から利用できる。

〔参考記事
Amazon Comprehend日本語ドキュメンテーション(1)
Amazon Comprehend日本語ドキュメンテーション(2)
Amazon Comprehend用例解説(1)
Amazon Comprehend用例解説(2)
「amazon comprehend 日本語」でググると、さまざまな日本語ドキュメンテーションが出てきます。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

クラウド通信のためのAPIを提供するAgoraがシリーズCで$70Mを調達、Twilioに負けない強みとは?

クラウド通信のためのAPIを作っているAgoraが、Coatue ManagemenがリードするシリーズCのラウンドで7000万ドルを調達し、新しい市場と業種分野の開拓をねらっている。これまでの投資家SIG, Morningside Capital, およびShunwei Capitalもこのラウンドに参加し、Agoraの総調達額は1億2500万ドルになった。

同社のAPIはMeet Group, Xiaomi, Hike Messenger, Momoなどに利用されていて、顧客はそのAPIを使って自分のアプリケーションに音声やビデオ、そしてグループによる通話機能を実装する。Agoraによると、そのSDKのインストール数は最近20億を超え、同社の世界中に分散する200のデータセンターを経由する毎月平均100億分(ふん)のコミュニケーションを支えている。

同社はその成長目標の達成を目指して、比較的速いペースで資金を調達している。この前の資金調達の発表は5か月前で、そのときは同社のシリーズBの3000万ドルの拡張が行われて、ラウンドの合計が5000万ドルになった。

Agoraは2014年にCEOのTony Zhaoが創業した。彼はオンラインコミュニケーションプラットホームWebExの創設技術者だったが、同社は2007年にCiscoに買収された。また彼は、中国のビデオライブストリーミングプラットホームYYのCTOでもあった。Agoraは本社がカリフォルニア州サンタクララにあり、上海にもオフィスがある。同社は、TwilioやTokboxなど既存のコンペティターがいる市場への、比較的新しい参入企業だ。

Agoraのメインのプロダクトは、デベロッパーが自分のアプリケーションに音声、ビデオ、そしてグループによる通話機能や対話的なブロードキャスティング機能を持たせるためのSDKだが、最近ではゲームデベロッパーとFacebookのReact Nativeフレームワーク向けのSDKも提供している。

画像クレジット: Agora

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Office 365とAzure、多段階認証がダウンして接続不能――Microsoftは復旧に全力

読者がMicrosoftクラウドのユーザーなら今朝はグッドモーニングという気分ではないだろう。

月曜の朝から世界的にMicrosoftの多段階認証システムがダウンし、クラウドに接続することができない事態が続いている。このサービスを利用しているユーザーは通常であればアカウント接続にあたってパスワードを入力するとテキスト・メッセージ、音声通話などにより認証コードが送られてくる。ところがパスワードを入力しても何も起きない。テキスト・メッセージも音声通話もその他の方法も一切沈黙だ。

Office 365の サービス・ヘルスのページでも「影響を受けたユーザーはサインインすることができない」と事態を認めている。

ダウンしてからそろそろ半日たつのにサービスはダウンしたままだ。

この記事の執筆時点で、Microsoftは多要素認証をクラウド・サービス本体から切り離すホットフィックスを導入し、一部のユーザーは運用を再開できたとしている。Microsoftでは引き続き「ユーザーが二段階認証が利用できなくなった原因の分析に全力を挙げている」としている。

しかし今のところはっきりした理由は分かっていない。TechCrunchではMicrosoftに問い合わせ中だ。回答があり次第アップデートする。

単なるパスワードによる保護に比べて、多段階認証はセキュリティーを大きく高めた。それだけにこの部分がダウンするとシステム全体のダウンを招いてしまう。セキュリティーが高いのはけっこうだが、ユーザーも接続できないほど高くては困る。やれやれだ。

〔日本版〕Microsoftのサポートページによれば、「ホットフィックスが全ユーザーに展開されるまでには時間がかかる」という。

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滑川海彦@Facebook Google+

Googleは元Oracle幹部だったThomas Kurianに、クラウドビジネスの舵取りを託す

Diane Greeneは金曜日に、3年にわたって務めてきたGoogleのクラウドビジネスの責任者の地位を辞することを発表した。彼女の後継者であるThomas Kurianへの引き継ぎを助けるために、彼女は来年の頭までは留まる予定だ。KurianはOracleを9月の末に辞任しているが、Oracleには20年以上在籍していた。彼の責務はGoogleのクラウド部門をより企業向けなものにすることである。この目標へはこれまで同社はあまり上手く近付けていなかった。

Greeneは、Googleのクラウドビジネスに安定と企業向けの体質をもたらすために、2015年に着任した。彼女はその道筋にそった計画を押し進め、クラウドビジネスを成長させたが、結局十分な成果を挙げることができなかったのだ。Greeneが辞任を決める迄には、何ヶ月にも渡って、様々な不満が積み上げられて来ていた。

そのため、そのバトンが、Googleとはおそらく正反対性質の企業で20年以上を過ごしたKurianに渡されようとしているのだ。彼は、従来型の企業向けソフトウェア会社であるOracleで製品を担当していた。Oracle自身もまたクラウド企業に移行するために苦労してきた、しかし9月にブルームバーグがレポートしていたように、その当時Kuranが休暇をとっていた理由の1つは、Larry Ellison議長とのクラウド戦略上での意見の相違があったせいである。そのレポートによれば、KurianはAWSやAzure(そしてGoogle Cloud)といったパブリッククラウド上で、Oracleのソフトウェアを利用できるようにしたいと考えていたようだ。どうやらEllisonはそれに同意せず、その数週間後にKkurianは辞任を発表した。

Kurianのバックグラウンドは、Googleと完璧にマッチするものだとは見えないかも知れないが、彼の考えが進んでいたことは心に留めておくことが大切だ。また彼は数多くの製品を担当し、大切なOracleのクラウドへの移行を支援していた。彼は企業たちが望んでいる製品を上手に育成した経験があり、それこそが次のクラウドリーダーに対してGoogleが探していた知見なのかもしれない。

Constellation Researchの創業者兼主席アナリストのRay Wangによれば、Googleは企業支援についてまだまだ多くのことを学ばなければならない。そして彼はKurianがGoogleにそうした学びを行わせるための正しい人物だと信じているのだ。「Kurianは、クラウド会社が企業ユーザーたちにとって役立つためには、何が必要とされているかを知っています」とWangは語った。

もし彼が正しいとすれば、従来型の企業の幹部こそ、Googleがそのクラウド部門を企業向けの強固な組織に転換させるために求めていた人物だ。Greeneはずっと、クラウドとしてはまだ初期段階であり、Googleが未開拓の市場の一部を切り取るための時間ははまだ残されていると主張してきた。このことは金曜日の彼女のブログでも繰り返されたポイントだ。「クラウドの世界はまだ初期段階で、先々には巨大なチャンスが残されています」と彼女は書いている。

その点について、彼女は正しいのかもしれない。しかしマーケットシェアの位置付けは厳しさを増しているように見える。市場のトップを走るAWSは、大方の予測では、30%以上という巨大なマーケットシェアを握っている。Microsoftは現時点でAmazonに市場での強さで張り合える唯一の企業であり、Amazon以外で唯一の2桁の市場シェアを持つ企業でもある。事実として、Synergy Researchのデータによれば、Amazonは後続の4社を合わせたものよりも大きなマーケットシェアを握っている。

GoogleはAWSやMicrosoftと並んで、3大クラウド企業とは呼ばれているものの、およそ40億ドルの年間収益では、他の企業と同等のレベルに追いつくにはまだまだ時間が必要である。Greeneの主張にもかかわらず、勝つための時間は失われつつあるのかもしれない。おそらくKurianは、企業たちがより多くの作業負荷をクラウドに移行していく中で、未開拓の市場を手に入れる方向へGoogleを推し進める人物となるだろう。現時点では、Googleは彼がただそれを成し遂げることを期待しているのだ。

画像クレジット: Bloomberg
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(翻訳:sako)

ZendeskはZendesk Sunshineの立ち上げでプラットフォームへと移行

Zendeskはこれまでずっとクラウド内での顧客サービスに力を入れてきた。彼らは9月にBaseを買収することで、セールスオートメーションならびにCRMに幅広く参入することを始めた。そして本日(米国時間11月13日)同社はZendesk Sunshineを発表した。これはZendeskツールセット上に、カスタマー中心のソフトウェアを構築するための新しいプラットフォームだ。

これらの全てが、Zendeskを現在のカスタマーサービスミッションから、より幅広いカスタマーマネジメントビジネスへの移行を示しているように思える。Zendeskの創業者兼CEOであるMikkel Svaneによれば、Sunshineは、多くのクラウド企業が目指す、プラットフォーム化に向けて会社を変えるものだと語る。「Sunshineは顧客の皆さまが独自のアプリケーションを構築し、そのお客様に関わる全てのデータを管理したり保存したりすることができる新しいプラットフォームなのです」とSvaneはTechCrunchに語った。

手始めに、Sunshineプラットフォーム上に構築されたアプリケーションのインフラストラクチャサービスバックエンドとして機能させるために、ZendeskはAWSと提携する。「顧客の皆さまはSunshineの上にアプリケーションを構築することができます。典型的なものはカスタマーエクスペリエンスやカスタマーリレーションアプリです。AWSにネイティブに組み込まれているため、すべてのAWSサービスにアクセスすることが可能です。もちろん、すべてのアプリケーションは情報共有などのためにSunshineプラットフォームを使うことができます」と彼は説明する。

彼は意図的にパブリッククラウドを選んだと語る。なぜなら彼は、そここそが、開発者たちが現在仕事をしたい場所だと信じているからだ。「私たちは、企業や開発者たちがパプリッククラウドパラダイムを活用し、Sunshineのようなフレームワークを使ってアプリケーションを構築するべきだと考えています」と彼は語る。

Svaneは、このアプローチはまず、Zendeskの顧客がこれまでZendeskサービスを使う中で自然に収集してきたデータを活用するアプリケーションを、構築することを助けるところから始めるが、やがて独立した開発者たちがプラットフォームを使って仕事ができるようにもしたいと語っている。

Svaneは、本日の発表を、同社の製品とサービスを拡大するための第一歩と見ており、今後何年かで構築を計画しているものの一部であると考えている。「私たちのプラットフォームミッションを真に取り込むためには、この先ロードマップ上に多くの目標が出てきます。そして私たちの究極のゴールは、望む者なら誰でも、どのような種類の顧客向けアプリケーションでも構築できるような、極めて汎用性の高いCRMプラットフォームとなることなのです。そしてパブリッククラウドとShunshineフレームワークを活用し、サービス、ベンダー、そしてアプリケーションの間でデータがシームレスに流れるようにしたいのです」と彼は語る。

私たちはSAPがQualtricsを80億ドルで買収することで、カスタマーエクスペリエンスが舞台の中心に躍り出たところを見た。顧客の重要性はますます増しており、Zendeskは多くのカスタマーデータにアクセスすることができ、それを使って開発者たちはカスタマイズされたカスタマー中心アプリケーションを構築することができる。この発表で本当に驚くべき唯一のポイントは、Zendeskがもっと早いプラットフォーム化の発表をしなかったということだけだ。

しかし、おそらくより成熟したベンダーとして、いまやBaseを取り込んで、彼らはこの種の動きに対して、過去よりもずっと準備が整っていると感じていることだろう。理由が何であれ、価値あるエンタープライズクラウド企業はいずれも、開発者向けのプラトッフォームになる努力を重ねてきた。そして今日の発表によって、Zendeskにもその順番が回って来たのだ。

画像クレジット: ERIC PIERMONT / Getty Images

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(翻訳:sako)

分散ストレージCephが独自のオープンソースファウンデーションを設立しLinux Foundationに参加

まだあまり有名ではないオープンソースの分散ストレージCephは、実際にはすでに全世界的に、大規模なコンテナプロジェクトやOpenStackのプロジェクトで利用されている。ユーザーはたとえば、金融のBloombergやFidelity, クラウドサービスプロバイダーのRackspaceやLinode, 通信大手のDeutsche Telekom, 自動車のBMW, ソフトウェアのSAPやSalesforceなどだ。

今日のオープンソースプロジェクトは、その多様な関心を一手に引き受けて処理し管理する管理組織、ファウンデーションが背後にないと、成功を維持し今後の発展を築くことも難しい。そこで当然ながらCephも、自分専用のファウンデーションCeph Foundationを作った。そしてこれまでのオープンソースプロジェクトのファウンデーションの多くに倣い、それをLinux Foundationの下に置いた。

Cephの共作者で、プロジェクトリーダー、そしてRed Hat for CephのチーフアーキテクトでもあるSage Weilはこう述べる: “パブリッククラウドの初期のプロバイダーたちがセルフサービス型のストレージインフラストラクチャを流行(はや)らせ、そしてCephはそれを一般企業や個人、そしていろんなサービスブロバイダーたちに提供している。今では強力で堅固なデベロッパーコミュニティとユーザーコミュニティが育ち、ストレージの分野における未来のイノベーションを推進している。本日のCeph Foundationの立ち上げは、さまざまなオープンソースのコミュニティが協力し合えばデータストレージとデータサービスの爆発的な成長を強力に支えていけることの、証(あかし)になるだろう”。

Cephはすでに多方面で使われているから、ファウンデーションの創設メンバーもすごい顔ぶれだ: Amihan Global, Canonical, CERN, China Mobile, Digital Ocean, Intel, ProphetStor Data Service, OVH Hosting Red Hat, SoftIron, SUSE, Western Digital, XSKY Data Technology, そしてZTEなど。創設メンバーの多くがすでに、非公式団体Ceph Community Advisory Board(顧問団)のメンバーだ。

Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinはこう言う: “企業の高い成長率の維持管理を効果的に助け、彼らのデータストレージの需要を拡大してきたことに関して、Cephには長年の成功の実績がある。Linux Foundationの下でCeph Foundationは、より幅広いグループからの投資を活用して、Cephのエコシステムの成功と安定の継続に必要なインフラストラクチャをサポートできるだろう”。

cepha and linux foundation logo

Cephは、OpenStackとコンテナをベースとするプラットホームを構築するベンダーにとって重要なビルディングブロックだ。実はOpenStackのユーザーの2/3がCephをメインで使っており、またCephはRookの中核的な部分でもある。Cloud Native Computing Foundation(CNCF)傘下のRookは、Kubernetesベースのアプリケーションのためのストレージサービスを、より容易に構築できるためのプロジェクトだ。このように、今や多様な世界に対応しているCephだから、ニュートラルな管理機関としてのファウンデーションを持つことは理にかなっている。でも、ぼくの山勘では、OpenStack Foundationもこのプロジェクトをホストしたかったのではないかな。

今日(米国時間11/12)のこの発表のわずか数日前にLinux Foundationは、FacebookのGraphQLのファウンデーションGraphQL Foundationをホストすることを発表した

[↓Facebookのクエリ言語GraphQLが独自のオープンソースファウンデーションを設立(未訳)]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、シミュレーションを使って段階的なサービス開始を模索

新しいソーシャルメディアサービス、たとえば画像シェアアプリやニッチネットワークなどを作ろうとするとき、まず考えるのは、出来上がったらできるだけ早く世に出すことだ。しかし、Facebookが行ったシミュレーションや実際に提供されたサービスをいくつか見る限り、小さくスタートするのが良い方法なのかもしれない。

これは容易にシミュレーションできる問題ではないが、「真空状態におかれた球形の牛」の精神に立てば、基本的な仮説をテストするためのもっともらしいモデルを作ることは十分に容易だ。今回のケースでは、研究者はノードのネットワークを作り、そこに「バーチャルサービス」の種を蒔く。そこで一定の条件が満たされれば、別のノードに広がるか、永久に消滅する。
コンウェイのライフゲームをご存じなら、概ね似ているがあれほどエレガントではない。

このシミュレーションでは、サービスが拡散する程度はいくつかの仮定に基づいている。

  • ユーザーの満足度は友だちが同じアプリを使っているかどうかに大きく左右される
  • ユーザーはアプリを少しずつ使い始め、満足度に応じて利用が増減する。
  • ユーザーは不満足なら永久に戻ってこない

これらの条件(および多くの複雑な計算)に基づいて、研究者はさーびずを同時に利用する数を変えてさまざまなシナリオをテストする。

こうした基本的条件の下ではできるだけ多くの人たち(非現実的なので全員ではない)に使わせるのが正しい行動であると考えるてもおかしくない。しかし、モデルを見るとそうではなく、少数の濃密なクラスターノードを作ることが最良の結果を生む。

ここから考えると理由がはっきりする。もし多数の人たちが利用できるようにすると、次に起きるのは、始めに十分な友達を得られなかったり、友達が十分アクティブではなかったノードの大量死だ。この死滅によって近くの他のノードへのつながりが減り、さらに死滅を起こす。それはバーチャルアプリが絶滅に至るほどではないが、多くの脱落者が出たため利用人数は永久に制限される。

一方、自給自足できるクラスターを少数作って利用数を高く維持すれば、通常速度で隣のノードに伝播していき安定成長、低脱落、高利用数が約束される。開始時にサービスを離れる人がずっと少ないからだ。

これが現実世界でどうなるのか見てみよう。小規模でアクティブなコミュニティー(社会的に活躍する写真家、有名人、インフルエンサーなどとそれらのネットワーク)にアプリを提供し、既存ユーザーが招待状を送ることて近隣にノードが作られる。

なんのことはない、多くのアプリがすでにこれをやっている! しかし、今それを科学が裏付けたのだ。

これがFacebookの次の大きなサービスに影響を与えるのか? おそらくないだろう。おそらく担当者たちは判断を下すための要素がほかにいくつもあるだろう。しかしこうした研究でクラウドとグループ意思決定をシミュレーションすることが、精度を高め利用を増やすことは間違いない。

FacebookのShankar IyerどLada A. Adamicによるこの研究は、International Conference on Complex Networks and their Applications[複雑ネットワークと応用関する国際会議]で発表される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bubbleは、コーディング経験がなくてもウェブアプリケーションを作れるサービス

Bubbleは自己資金で立ち上げられたスタートアップで、プログラミングのできない人でもウェブアプリケーションを作れる強力なサービスを提供している。大小さまざまな企業が自社ウェブサイトにBubble を利用している。

正直なところ、初めてBubbleのことを聞いたときはかなり懐疑的だった。すでに多くのスタートアップがレゴブロックで遊ぶくらい簡単にコーディングする方法に挑戦してきた。しかし、どれも苛立たしいほど機能が限定されていた。

Bubbleは、一般のウェブサイト構築サイトよりも強力だ。ウェブプログラミングの中心となる柱をすべてビジュアルインターフェースで作ることができる。

まずデザインタブで真っ白なキャンバスを開き、そこにビジュアルエレメントをドラッグ・アンド・ドロップしてウェブページを作っていく。エレメントはどこにでも置くことができて、マップ、テキストボックス、画像などはリサイズできる。プレビューボタンをクリックすれば制作中のページをいつでも見ることができる。

2番めのタブではサイトの背景にあるロジックを作ることができる。MacのAutomatorに似た働きをする。ブロックを加えて時間軸に沿ってアクションを作っていく。各ブロックには条件を設定できる。

3番目のタブで、データベース操作をする。たとえば、サインアップページを作り、プロフィール情報をデータベースに保存できる。いつでもデータのインポート/エクスポートができる。

そのほか数百種類の プラグインを使って、Stripeの支払いを受け付けたり、TypeFormを埋め込んだり、Intercomを使ってチャットでカスタマーサポートを行ったり、Mixpanelを使うことなどが可能だ。さらに、BubbleのデータをBubble以外で使うこともできる。たとえば、Bubbleデータベースに依存するiPhoneアプリを作ることができる。

多くの小さな会社がBubbleを使い始めていて、うまくいっているところもある。たとえばPlatoはバックオフィスで全面的にBubbleを利用している。QoinsMeetawayはBubbleで動いている。3.65億ドルを調達したDividend FinanceもBubbleを使っている。

Bubbleは利用者のアプリケーションのホスティングも行う。アプリケーションが大きくなってインスタンスをリサイズすると料金が高くなる。

この会社は資金調達したことはないが、すでに毎月11万5000ドルの経常利益を上げている。Bubbleはまだ小さなスタートアップなので、大企業ユーザーにとっては心もとなさがあるかもしれない。しかしBubbleは、製品を改善することで顧客がBubbleの限界を感じないようにしたいと考えている。今の課題は、顧客のニーズより早く成長することだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

データサイエンティストたちのモデルの活用度を高めるGoogle CloudのKubeflowパイプラインとAI Hub

今日(米国時間11/8)Google Cloudが、KubeflowパイプラインとAI Hubを発表した。この二つのツールは、データサイエンティストが、自分の作ったモデルをいろんな組織や企業で共通的に利用できるようにすることが主な目的だ。

Google CloudでAIとML製品を担当しているプロダクトマネージメントのディレクターRajen Shethによると、同社は、データサイエンティストたちが、モデルを作るけどそれが一度も使われない、という経験をしょっちゅうしていることを知っている。Googleによると、機械学習を団体競技にたとえるなら、モデルはデータサイエンティストから、それらを使ってアプリケーションを作るデータエンジニアとデベロッパーにパスされなければならない。

対策としてGoogleが発表したのが、Kubeflowパイプラインだ。それはKubeflowのエクステンションで、KubeflowはKubernetesをベースとするオープンソースの機械学習用フレームワークだ。パイプラインは要するにコンテナ化されたビルディングブロックのことで、機械学習のエコシステムに属する人たちを連係させて機械学習のワークフローを作り、管理する。

そうやってモデルをコンテナに入れたら、その後データサイエンティストは必要に応じてその中のモデルを単純に調整し、継続的デリバリのようなやり方で再ローンチできる。Shethによると、これによって企業内のモデルの利用の可能性がさらに広がる。

“Kubeflowパイプラインはユーザーに、いろんなパイプラインで実験する方法を提供し、信頼性があって再現可能な環境の中で最良の結果を作りだすものはどれか、を決められる”、とShethは、この新しい機械学習機能を発表するブログ記事に書いている。

同じく今日発表されたAI Hubは、その名のとおり、データサイエンティストがそこでいろんなMLコンテンツを見つけられる場所だ。そこには、KubeflowパイプラインやJupyterノートブック、TensorFlowモジュールなどなどがあるだろう。それは一種の公開リポジトリになり、Google Cloud AIやGoogle ResearchなどGoogleのさまざまなチームが素材を提供し、研究開発に関わるGoogleの専門的知識技能をデータサイエンティストが利用できる場になる。

しかしGoogleはこのハブに、公開ライブラリ以上のものを求めている。同社の見方では、そこはチームが自分たちの企業内で情報をプライベートに共有できる場にもなって、二重の目的に奉仕する。これによって、重要なビルディングブロックが中央的なリポジトリで可利用になるから、モデルの利用の拡大に大きく貢献するだろう。

AI Hubは今日からアルファで利用でき、Googleからの初期的コンポーネントの一部や、内部的リソースを共有するためのツールが提供される。そして今後は徐々に、提供物と能力の拡大が定常的に行われる予定だ。

Googleによると、これによってモデルが汎用のビルディングブロックになり、それによりモデルを容易に共有できる方法が提供され、モデルがさまざまに実用される機会が増えるだろう。これらのツールは、それを達成するための第一歩だ。

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Google Cloudがマネージドcronサービスを提供、自分でcronするより楽?

Google Cloudに、バッチジョブを動かすためのマネージドcronサービスが登場する。そのサービスはCloud Schedulerと呼ばれ、たぶんあなたが悪戦苦闘することもあるコマンドラインの標準コマンドcronの、すべての機能を提供するが、クラウドで動かすマネージドサービスとしての信頼性と使いやすさも兼備している。

Cloud Schedulerのジョブのターゲットは、すべてのHTTP/SエンドポイントとGoogle自身のCloud Pub/Subトピック、そしてApp Engineのアプリケーションだ。デベロッパーはこれらのジョブを、Google Cloud ConsoleのUIやコマンドラインインタフェイス、あるいはAPIから管理できる。

GoogleのプロダクトマネージャーVinod Ramachandranが、今日(米国時間11/6)の発表声明でこう説明している: “cronのようなジョブスケジューラーはどんなデベロッパーの道具箱の中でも主役級の存在で、タスクのスケジューリングやシステムメンテナンスの自動化を助けている。しかしジョブスケジューラーにも、そのほかの従来的なITサービスと同じ課題がある。つまりインフラを自分で管理しなければならないし、失敗したジョブはいちいちマニュアル(手作業)でリスタートしなければならない、そして、ジョブのステータスを目で見ることができない”。

Ramachandranの説明によると、今まだベータのCloud Schedulerは、ジョブをターゲットに確実にデリバリすることを保証する。重要なジョブは確実に始動し、ジョブをAppEngineやPub/Subに送るとサクセスコードやエラーコードが返される。そして同社が強調するのは、何かがおかしくなったらCloud Schedulerに容易にリスタートさせられることだ。

もちろんこのコンセプトはGoogleが初めてではない。同様のサービスを提供しているスタートアップも数社あるし、またGoogleのコンペティターであるMicrosoftにも、同様のサービスがある。

料金は、1か月に3ジョブまでは無料、その先は1ジョブごとに月額10セントだ。

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Googleが遂に、カスタマーサポートをGoogle Oneに追加

昨年私が、Googleアカウントから1ヶ月に渡ってロックアウトされた辛い話を、覚えている読者もいるかもしれない。それは本当に辛い時間だったが、コンタクトできるカスタマーサポートがないことが、フラストレーションに拍車をかけた。しかしその状況はGoogle Oneユーザーにとっては変わりつつある。もうそうなっても良い頃だったのだ。

先週私はGoogleから、私の有料GoogleストレージプランがGoogle Oneにアップグレードされたというメールを受け取った。Google Oneは今年5月に発表されていた、新しいストレージオプションである。それには2倍のストレージが提供されており、いまやこれまで1テラバイトに払っていた金額と同じ1ヶ月9.99ドルで、2テラバイトが利用可能になった。また、割り当てられた潤沢なストレージを、家族と分け合うことも可能である。だが中でも私の目をもっともひいたのは、実際のカスタマーサポートの存在だった。

最小プランでは100ギガのストレージをわずか月1.99ドルで利用できるGoogle Oneでは、誰もが実際のカスタマーサポートにアクセスすることができる。そこでは誰かと実際に対話できて、パスワードリカバリーなどの問題で助けて貰えることが期待されている。

Google OneのプロダクトマネージャーであるBrandon Badgerは、これは新しいストレージパッケージの重要な要素だと語る。「サポートは私たちにとって重要です。私たちのプロダクトを使う方々に素晴らしい体験をしていただき、疑問や問題にタイムリーにアプローチできるようになった欲しいのです」とBadgerはTechCrunchに語った。さらに彼は、有料ストレージプランを使用しているユーザーは、しばしば他の多くのGoogleサービスやサービスを使用しているので、顧客はGoogleのクラウドエコシステム全体の問題に対する回答を得ることができる、と付け加えた。

写真提供:Google

明らかに、これは相当に遅れて登場したものであり、Googleツールのビジネス版であるG Suiteの顧客には以前から提供されていたものだった。顧客サービスに連絡することができるようになったことは、消費者向けクラウド製品にはこれまで欠けていた成熟を示している。

1人のジャーナリストとして、ロックアウトされた私はGoogleのPRチームの連絡先を使う他に、助けてもらえる選択肢がなかった。多くの試みを経て、私はやっとアカウントを取り戻すことができた。だが私がこの顛末を記事にして以来、私は同じような不幸に見舞われながら、私のような連絡先を持っていない不運な人たちから、沢山の電子メールを受け取った。残念なことに、彼らの苦境に共感しながらも(もちろんそうぜすにはいられなかった)、私には彼らにGoogleの連絡先を教える事くらいしかできることがなかった。私は自分の投稿でそのときの欲求不満度について書いている:

こうした回復手順を踏んではみたものの、普通はGoogleの注意を引くために何をすることが求められているのだろうか?ストレージのために金を払っているのに、彼らにはカスタマーサービスがないのだ。彼らはこのような問題を解決するための合理的なシステムを持っておらず、問題を報告できる手段を用意していない。

私は自分のGoogleアカウントから再びロックアウトされないことを願っているが、もしそうなったとしても私(や私のような他の人たち)が、少なくともその件について問い合わせる先があるということは安心である。それはもちろん、私たちの問題が解決されることを保証するものではないが、少なくともこれまで存在していなかった何らかの解決手段の1つである。

(訳注:Google Oneへのアップグレードのお知らせは訳者には10月3日の時点で届いていた)

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Malte Mueller / Getty Images

Cockroach Labsが複数のクラウドにまたがるデータベースCockroachDBのマネージドサービスを開始

Cockroach LabのオープンソースのSQLデータベースCockroachDBは、昨年の立ち上げ以来徐々に伸びているが、しかしオープンソースの技術が成熟して市場により深く浸透するためには、アーリーアダプターを超えたもっと一般的なオーディエンスに採用されていく必要がある。そのために同社は今日(米国時間10/30)、CockroachDBのマネージドサービスを発表した。

このサービスはクラウドを特定しないが、手始めとしてAmazon Web ServicesとGoogle Cloud Platformで利用できる。2015年にローンチしたCockroachはつねに自分を、Oracleや、さらにAmazonのAuroraデータベースなどをも代替する現代的なクラウドデータベースと位置づけている。

CEOのSpencer Kimballによると、それらの先輩データベースたちは、ベンダーロックインが強すぎて彼の趣味ではない。それに対抗するオープンなデータベースとして立ち上げたのが、Cockroachだ。“Cockroachのクラスターは、クラウドAからクラウドBへダウンタイムなしで移行できる”、と彼は言う。

そのような柔軟性は、他のベンダーが提供しているものと比べて、大きなアドバンテージがある、と彼は信じている。そして今日の発表は、そのアドバンテージをさらに大きくする。データベースと関連インフラストラクチャのセットアップや管理という重い仕事を、これからはサービスとしてのCockroachDBが代わってやってくれる。

Kimballの認識では、このやり方により同社の市場も拡大するだろう。“これまでにもOracleやAWS Aurora、Cassandraからのマイグレーションが相当あったが、これからは、それをためらっていたような企業もManaged CockroachDBにより容易にマイグレーションできるから、うちの市場はより快調に大きくなるだろう”、という趣旨をKimballは声明文で述べている。

そのデータベース本体には、自己回復力の強さというアドバンテージもある。いろんな条件下で安定的に動くから、これまでのデータベースに比べて有利だ、という。大きなアップタイムをレプリケーションによって保証し、ひとつのインスタンスがダウンしたら、すぐに身代わりが動き出す。

これまではエンタープライズ向けの商用バージョンが収益源で、それは通常のオープンソース版にないバックアップやサポートなどのサービスを提供していた。しかしこれからは、“Datbase as a Service”の契約会費収入が主な収益源になる。

1年前に同社は、CockroachDBのバージョン1.0をリリースし、シリーズBで2700万ドルを調達した。そのラウンドはRedpoinがリードし、Benchmark, GV, Index Ventures, そしてFirstMarkが参加した。そのお金が有効に使われた結果、今日発表のマネージドサービスが完成したのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBM、Red Hatを340億ドルで買収へ――ビッグ・ブルー、ハイブリッドクラウドに向けて大きく前進

噂が乱れ飛んでいたこの件だが、今日(米国時間10/28)、 IBMはオープンソースのクラウドソフトウェア企業Red Hatを買収することを確認した。1株190ドルのキャッシュによる買収の総額は340億ドルになる。IBMは「買収はIBM、Red Hat双方の取締役会の承認を受けたが、今後Red Hatの株主と規制当局の承認を受ける必要がある」と述べている。計画どおりに実施されるなら、2019年の下半期には買収が完了するものとみられる。

この買収はこれまで長らくレガシーなサーバービジネスに依存してきたIBMがクラウドに大きく賭けたことを意味する。詳しくいえば、オンプレミスとクラウドをミックスしたハイブリッド・アーキテクチャによるクラウド事業だ。両者はすでに今年5月に協力関係に入ってこの方向を(今から考えれば)テストしていたようだ。 Red HatはIBMのHybrid Cloudチーム(IBMによれば190億ドルの大ビジネスとなっている)の中で重要な地位を占めることになる。また今後もオープンソース・ソフトウェアの開発に集中していくことになるだろう。

IBMの会長、社長、CEOを兼ねるジニ・ロメッティは声明で「Red Hatの買収はゲームチェンジャーだ。これでクラウド・ビジネスのすべてが変わる。IBMは世界でナンバーワンのハイブリッド・クラウドのプロバイダーとなるだろう。多くの企業にビジネスのすべての可能性を解き放つクラウド・ソリューションを提供できる唯一のプロパイダーとなる」と述べた。

IBMとRed Hatの統合により、総合的なクラウド・マネージメントだけでなく、Linux、コンテナ、Kubernetes、マルチ・クラウド・マネージメント、オートメーションなどあらゆる分野にソリューションを提供できるとIBMは述べている。また統合された両者は他の有力なクラウド提供ビジネス、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、 Alibabaなどとも提携関係を強化していくと付け加えた。

TechCrunchのJosh Constine記者がこの記事で指摘しているとおり、340億ドルというのはテクノロジー関連の買収として最大級のものだ。ソフトウェアに限っていえば、おそらナンバーワンの規模だろう(DellはEMCを670億ドルで買収したが、これにはソフトウェアだけでなくかなりのハードウェアとストレージ・ビジネスが含まれていた)。

Amazonはクラウドに100%集中しているものの、多くの大企業は、クラウドへの移行を段階的に進めている。IBMによれば、業務の80%は「依然としてクラウド化されていない。これは現在のクラウドがそれぞれ異なる独自のソリューションであることによる」としている。Red Hatの買収はIBMがこの80%の領域に進出することを助けるという。

ロメッティCEOは「大半の企業ではコンピューティング能力をレンタルしてコストを削減できるクラウド化はまだ20%しか進んでいない。そこで残る80%の業務をクラウド化し、ビジネスの価値と成長の可能性を最大限に活かすことが次の課題となる。これがクラウド化の来るべき章だ。これにはビジネス・アプリケーションをハイブリッド・クラウド化していくことが欠かせない。これによりサプライチェーンからセールスまでビジネスのあらゆる側面からさらに柔軟にデータを抽出、処理することが可能になる」という。

またこれに加えてIBMはRed Hatが築いてきた成果を手に入れたことにより、オープンソース・ソフトの分野でこれまでよりはるかに強力な足場を得た。【略】

IBMではRed Hatの売上、荒利益、フリーキャッシュフローなどの数値を買収手続き完了後12ヶ月以内にIBM本体の統計に加えると述べている。

画像:Craig Warga/Bloomberg / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

Microsoftは100億ドルのJEDIクラウド契約を引き受けることにためらいはない

ペンタゴンの100億ドル規模のJEDIクラウド契約の入札プロセスは、多くの注目を集めている。今月初めに、倫理的配慮からGoogleは入札を撤回した。Amazonのジェフ・ベゾスはWired25のインタビューに答えて、大手企業が米軍に背を向けるのは間違いだと思うと語った。これにはMicrosoftの社長であるBrad Smithも同意している。

本日(米国時間10月26日)のブログ記事では、例えMicrosoftの従業員の一部には異論があったとしても、Microsoftは政府/軍の契約の参加することを明確に述べた。人工知能のような現在の最先端技術に対する倫理的配慮と、それらが悪用される可能性は認めながらも、彼はMicrosoftが政府ならびに軍との仕事を続けることを明言した。

「まず、私たちは米国の強力な防衛力を信じています。そしてその防衛をする人たちが、Microsoftのものを含む、この国の最高の技術にアクセスできるようにしたいのです」とSmithはブログ記事の中に書いている。

そのために、同社はJEDIクラウド契約を勝ち取ることを望んでいる。その姿勢は、今回の契約の勝者総取りの性質に対しては批判しながらも、最初から明らかだった。そのブログの記事では、Smithは米国政府と緊密に協力したいという同社の望みの一例として、JEDI契約を引用している。

「最近Microsoftは、重要な防衛プロジェクトに入札しました。それは、DOD(国防総省)のJoint Enterprise Defense Infrastructureクラウドプロジェクト、別名”JEDI”と呼ばれるものです。これはペンタゴンから現場の軍人たちの支援までをも含む、国防総省のエンドツーエンドのインフラストラクチャを再構築するものです。契約はまだ受託が決定していませんが、これが私たちがやるべき仕事の一例なのです」と彼は書いている。

彼は、Bezosと同様に、収益性の高い契約を獲得するためではなく、企業の哲学を愛国心のレトリックで包み込むように語った。「われわれは、この国の人々、特にこの国に奉仕する人々に、Microsoftの私たちが彼らを守ることを知って欲しいのです。彼らは私たちが生み出す最高の技術にアクセスすることになるでしょう」とSmithは書いている。

Microsoft社長のBrad Smith写真: Riccardo Savi/Getty Images

投稿全体を通してSmithは、大きな企業の中の様々な従業員の間には異なる意見があることを認めながら(米国市民ではない従業員もいる)、米軍を支援する愛国的な義務に対して細心の注意を傾けた。結局のところ、彼は政府が先進技術を利用するときには、技術企業がその検討に参加することが重要だと考えているのだ。

「しかし、この技術を最もよく知る技術セクターの人びとが、この検討から離脱してしまっては、新しい開発が賢明に使われることを期待することはできません」とSmithは書いた。

Bezos同様に彼は、義務感もしくは経済的な側面から、あるいはその両方の理由から、同社はJEDIのような契約の追求を推進しようとしていることを明らかにした ―― たとえ従業員たちが賛成しようとしまいと。

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(翻訳:sako)

画像: Stephen Brashear / Getty Images

ブラウザーのURL欄に‘doc.new’とタイプするだけでGoogle Docsが新文書で立ち上がる

Google Docsが今日から提供する時間節約のためのテクニックは、DocsだけでなくSheets, Slides, Sites, Formsなどのヘビーユーザーに喜ばれるだろう。それは.newというドメインで、これらのサービスでこれを使うと、新しいファイルが一瞬にして作られる。

これまでのように、Google Driveへ行って、“new”ボタンをクリックして、それから、これから使うサービスを指定しなくても、たとえば“doc.new”とタイプすると新しいGoogle Docが開かれる。

Googleはすでにいろんな形の.newを登録しているから、たとえばdoc.newだけでなく、documents.newでもよい。

Googleのそのほかの生産性ツールでも同じトリックを使えるから、たとえばこんなものを使える:

  • sheet.new
  • sheets.new
  • spreadsheet.new
  • site.new
  • sites.new
  • website.new
  • slide.new
  • slides.new
  • deck.new
  • presentation.new
  • form.new
  • forms.new

(“www”はタイプしない。ドメインだけだ。)

Google Docsをよく使う人は、これによってかなり時間を節約できるだろう。ショートカットとして使うドメインをブックマークしておけば、いつもワンクリックで同じブランクドキュメントが得られる。

これが可能なのはGoogleが.newドメインを保有しているからで、そのサイト上でどんなサブドメインでも作れるのだ。

[アドレスバーにdoc.newとタイプするだけでG Docsが立ち上がるのは、まるで別世界だ。]

Googleがこのニュースをツイートしたのは木曜日(米国時間10/25)だが、感激したユーザーたちはすぐに、そのほかのドメインをリクエストし始めた。たとえばあるTwitterユーザーは、“drawingsもぜひお願いします”、と言っている。別のユーザーは、“email.newもぜひ”、とリクエストしている。

Googleはこれらのリクエストにまだ答えていないが、でも今後はもっといろんなのが、続々登場することだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

使い慣れたプログラミング言語を使ってクラウドのインフラストラクチャを管理できるPulumiが商用バージョンを開始

シアトルのPulumiを使ってデベロッパーは、自分が知っているプログラミング言語を使ってクラウドインフラストラクチャを指定しそれを管理できる。同社は今日(米国時間10/22)、Madrona Venture GroupがリードするシリーズAのラウンドで1500万ドルを調達したことを発表した。Tola Capitalがこのラウンドに参加し、同社のマネージングディレクターSheila GulatiがPulumiの取締役会に加わる。Madronaからはすでに、元Microsoftの役員でMadronaのマネージングディレクターS. SomasegarがPulumiの取締役会に加わっている。

資金調達の発表に加えてPulumiは今日、その商用プラットホームをローンチした。それは、同社のオープンソース製品をベースとするものだ。

Pulumiの協同ファウンダーでCEOのEric Rudderはこう語る: “これまでは企業とコミュニティの両方からの関心がどちらも大きくて、彼らから大量のオープンソースのコントリビューションが寄せられている。たとえばVMwareとOpenStackのサポートは、コミュニティの尽力によるものだ。だからうちでは、オープンソースのコミュニティの活力が大きいが、それと同時に、商用化への関心も大きかった。つまり企業のチームはPulumiの運用面の充実を求めており、それを彼らのプロダクションに入れることと、プロダクトとして購入できることを要望していた”。

そこで、その機会に応えるべく同社は、チームとプロダクトの両方に底入れするために、新たな資金調達を決意した。そして今では、そのプロダクトには商用バージョンの‘team edition.’(チームエディション)が含まれ、この新しいエンタープライスバージョンには、ユーザー数を限定しないサポートと、サードパーティツール(GitHub、Slackなど)の統合、ロールベース(役割に基づく)のアクセスコントロールとオンボーディング(研修など)、そして12×5のサポート(月-金、昼間のみ)が含まれる。無料でシングルユーザーのコミュニティエディションと同様、このチームエディションもSaaSプロダクトとして提供され、すべてのメジャーなパブリックおよびプライベートクラウドプラットホームへのデプロイをサポートする。

Pulumiへの投資の動機を聞くとTolaのGulatiはこう答えた: “クラウドは今や規定の結論だ。でもエンタープライズがクラウドへ行こうとすると、厄介な問題を多く抱える。しかも、今のエンタープライズは、仮想マシンとコンテナとサーバーレスのすべてを理解し使いこなせねばならない。しかもそれを、1)単一のツールセットで、2)実際のプログラミング言語を使って、3)今日的な最新のスキルを使い、そして4)企業にとってもっとも有効にクラウドを利用しなければならない。率直に言ってPulumiは、このような複雑な課題と、それらをめぐるデベロッパーとITの現実によく応えている。デベロッパーとITは、ランタイムとデプロイの両側面から良好な関係を築かなければならない。それを助けるプラットホームとしては、私の知る限りPulumiがベストだ”。

オープンソースのツールは、今後も開発を続ける。また、コミュニティの構築にも厚く投資していく。同社によると、Pulumiにはすでにこれまでも相当な勢いがついていたが、新たな資金によりその努力を従来の倍にできる。

新たな資金により、オンボーディングのプロセスを容易にし、それを完全なセルフサービス型にしたい。でもそれをすべて企業任せにすることはできないから、Pulumiとしては売る前と売った後のお世話も充実させる必要がある。今現在は、この段階のスタートアップの多くがそうであるように、同社の社員はほぼ全員がエンジニアだ。だから営業の充実が、当面の優先課題になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人気の接続ストレージに脆弱性、パスワードなしでアクセス可能に

人気接続ストレージのソフトウェアに脆弱性、アタッカーがアクセス可能に
セキュリティー研究者らは、人気のインターネット接続ストレージ4機種に、ハッカーがユーザーのプライベートデータや機密データをアクセスできる欠陥があることを発見した。

Paulos YibeloとDaniel Eschetuによると、彼らがテストしたデバイスのうち3機種——NetGear Stora、Seagate Home、およびMedion LifeCloud——を制御しているソフトウェアは、アタッカーがパスワードなしでデータを読み取り、変更、削除することができるという。

今週TechCrunchに情報提供したYibeloは、研究結果をブログでも発表し、ほかにも多くの機種が危険に晒されていると言った。

Axentra社が開発したHipservというソフトウェアは、彼らが発見した4つの欠陥のうち3つに関して主たる責任がある。HipservはLinuxベースで、さまざまなウェブ技術——PHPを含む——を利用してウェブインターフェースを構築している。しかし研究者らは、認証なしでドライブ上のファイルをアクセスできるバグを発見した。さらに、”root” ——最高アクセス権限を持つ標準ユーザーアカウント——として自由にコマンドを発行できるため、そのドライブのデータは詮索好きな目に晒されたり破壊されたりするリスクがある。

本誌はAexentraにコメントを求めたが、本稿執筆時点でまだ返答がない。

Netgearの広報担当社は、Storaは「すでに販売が中止されたサポート対象外製品である」と言った。Seagateは本誌の締切までにコメントしなかったが、状況が変わり次第続報の予定。現在Medionを所有するLenovoはコメント要求に返答していない。

研究者らは、WD My Book Liveドライブにも別のバグがあり、アタッカーがリモートでルートアクセスを可能であることを報告している。

WD広報担当者は、この脆弱性は2010年に発売され2014年に販売中止されたデバイスに影響を与えるものであり「当社のソフトウェアサポート期間の対象外である」と言った。さらにWDは「これらの旧製品を使い続けたいユーザーは、リモートアクセスを防止するようファイアウォールを設定することを推奨する」と付け加えた。

いずれの脆弱性も、アタッカーは対象ドライブのIPアドレスを知るだけでよい。IPアドレスはShodanなどのサイトのおかげで、昨今さほど入手困難なデータではない。

影響を受けるデバイスの数は見方によって様々であり、Shodanは31万1705と言っているが、 ZoomEyeは180万デバイスに近いと発表している。

研究者らはバグについてある程度の情報を公開しているが、アタッカーが欠陥を利用するのを防ぐために、侵入コードを公開する予定はないとしている。

彼らからのアドバイス:クラウドドライブを運用しているなら、「デバイスをインターネットから切り離すこと」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの作成アクションによりGmailの中でいろんなSaaSアプリケーションを利用できる

最近Googleは、メールを送るときの省エネ省時間化に励んでいる。たとえばスマートレスポンス機能は、定型的な返事なら既製品で間に合わせようとする。先行入力(type ahead)機能は人間が文字をタイプする前にコンピューターが先回りしてその文字を入力する(意外と正確だ)。そして今日から一般公開で立ち上げたのが、作成アクション(compose actions)*と呼ばれる省時間機能だ。〔*: ‘作成’は、メールの‘作成’(compose)の意味。〕

それはG Suiteに導入される一種のコネクターで、メールの作成をしながらその中でほかのSaaS(Box, Dropbox, Egnyte, Atlassian Jiraなどなど)にリンクできる。ソフトウェア企業はよく、ほかのアプリケーションに切り替えなくても、自分のアプリケーションで仕事を続けながら、その中でほかのアプリケーションも使えることを強調するが、それと同じことを作成アクションはねらっている。

GmailとChatのプロダクトマネージャーAakash Sahneyが、ブログにこう書いている: “作成アクションにより、Gmailの中でメールを作成しながら、添付ファイルや参考データをどこかのクラウド上から加えたり、お気に入りのサードパーティアプリでこれから作るコンテンツで、メールを楽しくすることなどが容易にできるようになる”。

サービスへの接続はG Suiteの中でGmail Add-onツールを使って行なう。Gmailのワークフローの中にサードパーティ製のツールを簡単に統合できるために、GoogleはGmail Add-onを作った。目的のツールをアドオンとして認可したら、それがメールの作成ウィンドウにオプションとして現れる。それをクリックすればGmailから出ずにそのツールを使える。G Suiteのアドミンが、それらのアプリ/アプリケーションを、限定することもできる。

たとえば、BoxやDropbox、Egnyteなどのファイルやフォルダーを取り入れたいときは、そのアプリを認可してから、メールの作成ウィンドウに表示される作成アクションをクリックしてサービスにアクセスし、ファイルを利用する(下図)。

Gif画像提供: Google

Atlassianを統合すると、プロジェクトのファイルを直接、メールに挿入できる(下図)。

Gif画像提供: Google

それほどすごい機能ではないかもしれないが、これによって節約されるキータイプの量や操作の回数は、一日の作業量としては相当なものだ。目的のサービスとコンテンツを別ウィンドウで開くのではなく、メールの中で目的のコンテンツそのものをメールにコピペできたりするのだ。作成アクションをクリックしてGmailから直接、そのサービスにアクセスして。

作成アクションは、7月にGoogle CloudのNextカンファレンスで発表された。G Suiteのユーザーは、それを今日(米国時間10/18)から利用できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

サーバーレスのインフラをモニタするEpsagonがステルスを脱して正式ローンチ

イスラエルのEpsagonが今日(米国時間10/17)ローンチしたサーバーレス開発のためのツールは、そのインフラストラクチャのモニタリングを支援する。それが、どこにある何かをデベロッパーが知らなくても。

デベロッパーがインフラのことを知らないのは、サーバーレスの本質でもある。サーバーのリソースは短時日で変わることもある。デベロッパーは一連のイベントトリガーを作り、クラウドのベンダーが必要なサーバーのリソースを動かす。このやり方の美点は、プログラマーがインフラストラクチャのことを気にせずにコードを書けることだ。でも欠点は、オペレーションにとってインフラストラクチャをコントロールしたり理解する方法がないことだ。

Epsagonはこの問題を、サーバーレスのアーキテクチャを見える化することによって解決する。CEOで協同ファウンダーのNitzan Shapiraはこう語る:“うちがやることを一言で言えば、サーバーレスのための分散トレーシングと観察性とコストのモニタリングだ。これまではこそこそとやってきたけど、今日からは会社を正式にローンチする”。

サーバーレスではエージェントを使えない。それをどこへ置けばよいか、分からないからだ。それを置くための固定的なサーバーはない。だから、従来的なログツールも使えない。Epsagonはこの問題を、ライブラリを使うエージェントレスの方式で迂回する。Shapriaによると、同社はそのライブラリをオープンソース化して、それらをデベロッパーにとってより魅力的にしたいと考えている。

同社が最初にサポートするのはAWS Lambdaだが、来年はそのほかのクラウドプラットホームもサポートする予定だ。EpsagonにサインアップしたらAWSの認証情報を入力する。するとただちに、パフォーマンスに関する情報をEpsagonのダッシュボードに表示し始める。ただしShapiraによると、本当の価値はライブラリにある。“このライブラリこそが、うちの道具箱だ。つまり、エージェントと同じ働きをする”、と彼は言う。

スクリーンショット提供: Epsagon

提供するものは、従来的なモニタリングデータだけではない。顧客が費消している費用も分かる。サーバーレスでは、クラウド企業が必要に応じてリソースを提供するが、それゆえにユーザー側のコスト管理が難しい。Epsagonは、今実際にどれだけ使っているかを見せてくれる。

Epsagonの利用料金はまだ確定していないが、最初はセルフサービス方式を採用している。同社のWebサイトにサインアップすると、無料から始まっていろんな料金オプションが並んでいる。いずれも、最初の2週間は無料の試用期間だ。

テルアビブに拠を置くEpsagonは、現在の社員数が11名、営業とマーケティングとサポートの体制ができたら、アメリカにオフィスを持ちたい。同社は1月に、Lightspeed Venture Partnersがリードするラウンドで400万ドルを調達した。

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企業のクラウド化を助けるServiceNowが自然言語検索のFriendlyDataを買収、データ駆動の裾野を広げる

企業のクラウドサービスの導入や管理を助けるServiceNowが今日(米国時間10/10)、FriendlyDataの買収を発表した。これにより同社のNowプラットホーム上のアプリケーションが、自然言語による検索をできるようになる。2016年に創業されたFriendlyDataの自然言語クエリ(natural language query, NLQ)技術により、企業顧客は、専門用語を知らないユーザーでも技術的な質問ができる検索ツールを、作れるようになる。

FriendlyDataのNLQ技術は、ユーザーが何を言おうとしているのかを推察し、答をテキストや、分かりやすい視覚化データで提供する。ServiceNowによると、同社はFriendlyDataの技術をNow Platformに統合して、そのサービスメニューの充実を図る。同プラットホーム上には今、企業のITや人事、セキュリティ、カスタマーサービスの管理、などのアプリケーションがある。FriendlyDataの技術は、デベロッパー用のプロダクトや、ServiceNowのパートナーからも利用できるようにする。

ServiceNowのdevops担当SVP Pat Caseyが、声明で述べている: “ServiceNowはNow PlatformにNLQを導入して、企業が技術的質問を日常的な英語でできて、答をすぐにもらえるようにする。これによって誰もがデータに基づく意思決定をできるようになり、生産性の向上と企業のより速い成長に資することができる”。

ServiceNowはこれまでも、さまざまなAIツールで企業顧客におけるサポート業務の円滑化を図ってきた。FriendlyDataの買収も、その一環だ。たとえば同社は5月に、チャットボット構築ツールVirtual Agentを立ち上げたが、これによって同社の企業顧客は、SlackやMicrosoft Teamsのようなツールを内製でき、機械器具の購買リクエストなど、ルーチンのインクワイアリを自動的に処理できるようになる。同じ時期に同社は、チャットボットにNLP(自然言語処理)を導入しているParloを買収した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa