Google Earthに距離と面積の計算機能が加わった、面積計算はMapsにほしいな

数年前までは、Googleの衛星3D画像を見る唯一の方法がGoogle Earthだった。今ではGoogle Mapsで実用上十分に、その地図と対応する機能を利用できるが、しかしそれでもGoogleはEarthの開発を密かに続けていて、今日(米国時間6/25)同社は、面積の計算機能を加えた、と発表した。その機能を使えるのは、Webでは今日から、Androidは今週後半、そしてiOSは“もうすぐ”だ。

それほどすごい機能でもないし、距離はGoogle Mapsの地図に表示されるルーラーでも分かる。でも面積計算は、学生などにとってとくに便利だろう。

また、今回の発表は、Googleは複数の製品にまたがって機能の重複が多いことを、改めて思い出させる。それは、チャットだけではない。今回は、Google Earthに関するとても久しぶりの発表だし、ツアーのようにまだMaps上では利用できないEarthの機能が多少あることも事実だが、でも最近ではEarthのWebやモバイルバージョンが必要なことは、めったにない。今回の面積計算機能も、EarthだけではなくMapsにも加えた方が、実用的だったのでは?

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Oculus Go、専用TVアプリを発表

Oculusは、ヘッドセットOculus Goの大きなバーチャルスクリーンでストリーミングビデオを見るためのTVアプリを公開する。

同社はFacebookのF8デベロッパーカンファレンスで、低価格ヘッドセットの能力を最大限に引き出す専用アプリ4種のうちの1つとしてOculus TVを披露した。アプリは5月末に公開されるはずだったが、ようやく目にすることができた。

Facebookは199ドルのOculus Goの大きなセールスポイントを、最も安いホームシアターにしたいと思っている。Oculus TVは、伝統的ビデオ視聴に関わるあらゆる機能を揃えるための大きな一歩だ。アプリは既存のヘッドセットユーザーに無料で配布されるほか、今後はデバイスにプレインストールされる予定。

アプリは巨大2Dスクリーンのあるバーチャルリビングルームを中心に展開され、ユーザーはそこで好きなビデオを見られる。このアプリが専用ビデオ視聴スペースを持つソーシャルアプリのOculus Roomsと別に存在する理由は明確ではないが、会社としてはこのデバイスのビデオ視聴能力を特別に強調したかっただけなのかもしれない。

公開時点で対応するのはFacebook Watch(当然)の他、Red Bull TVとPluto TV。また、スポーツネットワークのESPNとの提携についても先行紹介した。

Oculus Goはストリーミングネットワークの関心を引くことに期待をかけており、その多くはすでに独自のバーチャルリアリティープラットフォームを作っている。HuluやNetflix、ShowtimeなどでダウンロードしたネイティブアプリをOculus TVアプリ経由で動かすこともできるが、それは組織的な改善にすぎない。

2Dビデオ専用の本拠地を持つことはOculusにとってよい選択だが、ユーザーにとっては自分が興味をもつコンテンツを所有するパートナーをFacebookが確保してくれれば一層嬉しいだろう。

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FacebookのMessenger Kids、米国外にも展開。「思いやり」機能を追加

Facebookの子供に優しいメッセージングアプリ、Messenger Kidsが初めて米国外に進出する。今日(米国時間6/24)からカナダとペルーで使えるようになる。同時に、アプリのフランス語とスペイン語バージョンも公開し、”Messenger Kids Pledge” や”Kindness Stickers”(思いやりスタンプ) など、ネット上のコミュニケーションでポジティブな感情を引き出すための機能が追加され、敬意と共感の推進に力を入れている。

スタンプは “MY BFF”(永遠の大親友)や”Well Done”、”Best Artist”などのことばが、シェアする写真に貼るようにデザインされている。

“Messenger Kids Pledge” も役に立つ。親子で一緒に読むように作られていて、オンラインで振る舞うための基本的ガイドラインなどが書かれている。たとえば、「人とのやりとりには思いやりを」「つねに敬意を持って」などの気持ちを思い出させ、誰かがすぐに返信しないときは忙しいだけかもしれない、と説明する。「安全に」「楽しく」もガイドラインに含まれている。

小さな追加に思えるがもしれないが、これは新しいテクノロジーを使わせるとき親から子供に言っておくべきことだった——多くの人はやっていない。子供がどんなアプリを使っているを知らない親もいる。その結果安全性の低いアプリが犯罪者の温床になっている。

Messenger Kidsは、使うためには親の介入が必要という新しいタイプのアプリだ。子供は親の承認がないと友達を追加することができず、アプリは親のFacebookから直接管理できる。

昨今Facebookを信じにくい人が増えていることは理解できるが、子供が管理された環境で人と交流し、社会生活を行う「練習」ができる場として、ほかに有効な代替手段は見当たらない。子供たちは大人や年長ティーンエージャーに向けられたSnapchatやInstagram、Muical.lyなどのアプリを使いたがるが、個人的には “tween”[8~12歳]には使わせたくないアプリだ。

Messenger Kidsはを使う子供は、少なくとも承認された人たち(親が知っていて信頼する人およびFacebook上の家族メンバー)とプライベートに交流する手段を与えられている。まだ親の監視が必要な年齢にあり、よくない行動があれば正す必要がある。

Messenger Kidsを使う代わり多くの親がしていることは何か——子供が一定の年齢に達するまで一切ソーシャルアプリを使わせず、インターネットの狼たちの中に子供を放り出す。それは本当によいことなのか?

囲われた砂場のような環境でありながらも、子供たちはMessenger Kidsが好きだ。そこには、彼らの欲しがる大人向けアプリ(写真フィルターやスタンプ)の機能があるからだ(できればFacebookの新しいリップシンク機能を加えてくれれば、Musical.lyが欲しいという要求を毎日聞かずにすむので、ありがたい)。

思いやりと敬意の追求と関連して、Messenger Kidsは近々アプリ内のインタラクティブガイドとして “Appreciation Mission” を公開予定だ。これは子供が友達や家族に対する感謝の気持ちを発見し表現することを推進する機能だ。子供がビデオ通話や写真を送るやり方を知るための”Mission” セクションに置かれる。

Facebookによると、同社はYale Center for Emotional Intelligenceおよび、世界中のアドバイザーグループの協力を得て、これらのソーシャルや情緒的な学習に着目した機能の開発を行っている(Yale Centerは有償のアドバイザー)。

考えてみれば、多くの大人もこの種の機能の恩恵に預かれるはずだ。FacebookとTwitterも、アプリに思いやりリマインダー機能をつけるべきなのかもしれない。

Messenger Kidsは、ユーザーのフィードバックに基づいて、親2人が子供のアカウントを管理できる機能を、追加した。

アプリはiOSおよびAndroidで無料ダウンロードできる。

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プログラマーのための即席ファイル共有ツールTransfer.shはコマンドラインで使う

今日このごろファイル共有ツールはあまりにもありふれている。Dropboxがあり、Google Driveがあり、iCloudがある。でも、コマンドラインで迅速容易にシェアしたい、と思ったらどうだろう? そこでプログラマーのRemco Verhoefは、Transfer.shを作った。

このサービスは要するにファイルダンプで、curlでtransfer.shにファイルを送ると14日間保存されて、その後自動的に削除される。たとえばぼくは、この画像を、自分の.bashrcにちょっとコードを加えることによってアップロードした。

このシステムは、よくある、必要な仕事だけをしてくれる小さくて巧妙なツールの例だ。Verhoefは、仕事中に簡単にファイルをアップロードしたいから、これを作った。

彼曰く: “ぼくがこのアプリケーションを作ったのは、sshシェルの中から誰かにログのデータをシェアする必要があったからだ。そこでぼくは、コマンドラインを使ってcurlでファイルを簡単にアップロードしたり変えたりできるWebアプリケーションを作った。コンテンツを暗号化したり、それらに対してgrepなどを使ったりもできる。curlは、ほとんど、どんなプラットホームにもあるからね。アプリケーションはオープンソースにしたから、ほかの人たちも使えるし、みんなぜひ、自分のサーバーを動かして使ってほしい”。

“ビジネスモデルなんか、ないよ。今でもサイトを動かしているのは、一種の礼儀だな。でも人気が出てきてユーザーが増えてるから、このまま動かすのは難しい”、とも言っている。彼には自分のデベロッパーショップがあって、ICOのセキュリティなど、いろんなプロダクトを売っている。

Verhoefは、彼のプラットホームのセキュリティは約束していない。単純に便利なツールであるだけだ。彼は、ファイルをgpgにパイプしてアップロードすることを勧めている。

このプロダクトが、善いことだけに使われていないことが、彼のチームの不満だ。

“たくさんの人たちが使っている。ログファイルをアップロードするために使っている人もいれば、隠し撮りビデオを全部エクスポートするやつもいる。マルウェアやボットネットなどの配布に悪用されることもある。でもそれらは、なるべく早く見つけてやめさせている。ポルノサイトがポルノ写真のサーバーとして使ったこともあるが、それを見つけたときは、写真を全部、犬と子猫の写真にリプレースしたよ”。

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AppleがMacBooksとMacBook Prosの不良キーボードを無料で修理する、申し込みはお早めに

2016年にAppleは、MacBook Proのキーボードの設計を変えた。彼らがおそらく望んだように、消え去りはしなかったが。

その後すぐに、キーの不具合に関する苦情が殺到し始めた。押すと、そのまま戻らないキーがあった。動きは正常だが反応しないキーもあった。

それから2年経ったが、その間には訴訟もあった。そしてついにAppleは問題を公式に認め、キーボードを無料で修理することになった。

これまでに、Appleに有料で修理してもらった人はどうなる? 連絡し、相談せよ。サポートページによると、これまでの修理代は返金するようだ。

Appleによると、無料キーボード修理の対象機は以下のとおり:

  • MacBook (Retina, 12-­inch, Early 2015)
  • MacBook (Retina, 12­-inch, Early 2016)
  • MacBook (Retina, 12-­inch, 2017)
  • MacBook Pro (13­-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (15-­inch, 2016)
  • MacBook Pro (15-­inch, 2017)

まずやることは、上記該当のラップトップをApple公認のサービスプロバイダーかAppleのリテールストアへ持ち込む。郵送してもよい。彼らは、ジュースやコーヒーをこぼしてキーボードが壊れたのではなく、確かに問題の機種であることを確認し、キーボードまたは基板を交換する。ただし、その修理は、すぐには終わらないことが多い。コンピューター全体を、一度完全に分解するらしい。数日かかる、と覚悟しよう。

保証期間が過ぎていても、Appleによれば、このキーボードの修理にかぎり、保証期限とは関係なく購入後4年以内の製品なら対象機となる。製品の設計不良の問題だから、もっと長くてもよいと思われるが、まあ、出だしはこんなところだ。

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MicrosoftはXbox上のVRの約束を破りWin 10上のPCゲームに没頭か

[筆者: Sarah Wells]
Microsoftが2016年に約束した仮想現実機能をまだ待ってる人に、不幸なニュースがある。先週のE3でMicrosoftのチーフマーケティングオフィサー(CMO)Mike NicholsがGamesIndustry.bizに、同社にはその約束を果たす計画がない、と語った。

彼は同誌に、“仮想現実や混成現実のXbox固有の計画はない”、と述べている。

しかし2年前にはXboxのチーフPhil SpencerがThe Vergeに、Xbox One X(当時はXbox Scorpioというドラマちっくな名前だった)は、“今PCにあるようなハイエンドのVRを”サポートする、と言っている。

Xbox One XのリリースにはVRを統合するというニュースが伴わなかったが、しかしそのころMicrosoftは、Windows 10用のヘッドセットWindows Mixed Realityをリリースして、PCゲームのVRや混成現実に踏み出していた。

今日のNicholsの説では、Microsoftは当面、PCゲームの世界に固執するらしい。

“PCは没入的なVRやMRにとってたぶん最適のプラットホームだ。しかしXboxに関しては、ノーだね”、と彼は言っている。

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Google Assistantの‘継続会話’機能が今日から使える(アメリカのユーザーのみ)

5月のGoogle I/OカンファレンスはAssistantのニュースで溢(あふ)れかえっていたが、でも、あの神秘の“自動電話かけロボット”Duplexを別にすれば、継続会話(Continued Conversation)がなんと言っても、いちばん心惹かれる発表だった。それはAIの会話機能をもっと人間らしく自然にする試みで、それは、すでにいろいろ出回っている音声によるスマートアシスタントの、究極の目標でもある。

その継続会話機能が今日(米国時間6/21)、アメリカのAssistantユーザーに、Home, Home MiniそしてHome Maxに載ってやってきた。その自然な対話をする設定をonにすれば、もう毎回いちいち“Hey Google”と呼びかけなくてもよい(最初だけ必要)。Googleは、その使い方の例をブログ記事で紹介している〔実際は英語〕:

朝起きて空が曇っていたら、“Hey Google, 今日の天気は?”、と尋ねよう。…そして、“明日はどう?”… “ショッピングリストにレインコートを加えておいてね”… “明日の朝は傘を持って行くことを思い出させてね”…“ありがとう!”、と継続できる。

Homeなどのデバイスの上で、この機能を設定することが必要だし、最初の“Ok Google”や “Hey Google”はやはり必要だ。しかしそのあとは、最長で8秒間、Assistantは次の話を待っている。それは、対話にはなっていないが、“Hey Google”などのコマンドを何度も何度も言うかったるさからは解放される。

スマートスピーカーの爆発的な人気に伴って、プライバシーの心配も広まっているが、それに配慮したGoogleは、ウェイクワード(Wake Word, 起動語)以外では正しいユーザーを認識しないようにしている。

8秒は十分に長くはないが、プライバシーが超心配な人は、それでもこの継続会話の機能をoffにしたいだろう。

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Uberのドライバーが受け取ったチップは年間総額6億ドル

昨年ようやくアプリ内でチップを渡す機能を導入して以来、Uberのドライバーは計6億ドル以上のチップを手にした。Uberは昨年8月にチップ総額5000万ドルを達成している。

今年5月に評価とチップを乗車中に入力できるようにして以来、チップ金額は30%増加した、とUberのプロダクトマネージャー、Dhruv Tyagiがブログに書いた。去る4月、Lyftは開業以来のチップ総額が5億ドルに達し、平均チップ額は2016年から2017年にかけて8%近く上昇したと発表した。

もちろんLyftは、Uberほど多くの地域で利用できるわけではない。Lyftは米国とカナダのみで営業しており、一方Uberは、米国、カナダ、中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカ、東アジア、南アジア、東南アジア、オーストラリア、およびニュージーランドで運行している。すなわち、利用できる大陸と都市が多いことはチップの機会も多いことを意味している。

Uberドライバーが最も多くチップを得た都市は、ユタ州ソルトレイクシティ、テキサス州サンアントニオ、ミズーリ州カンザスシティ、ルイジアナ州ニューオリンズ、およびテネシー州ナッシュビルだった。Lyftが数字を公表したときに最も気前がよかったのは、ニューヨーク市、アトランタ、デトロイト、ダラス、サンノゼ、ミネアポリス、およびニューヨーク州ウェストチェスターの乗客だった。

時間帯で見ると、木曜、金曜、土曜日にチップが多い。意外ではないだろうが、チップがいちばん多かったのは、木曜日の午後8:12、土曜日の午後10:33、および日曜日の午前5:17だった。

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AdobeのProject Rushは誰でもプロ並みの作品を作れるオールインワンのビデオエディターだ

Adobeが今日(米国時間6/19)、新しいビデオエディターProject Rushのローンチを発表した。それは、同社の一連のプロ用ツール、Premiere Pro, After Effects, Auditionなどの主要な機能を全部集めて、もっと使いやすくしたツールだ。でも、喜ぶのはまだ早い。リリースは今年の後半で、おそらく10月に行われる同社のMaxカンファレンスにおいてだろう。

Rushのターゲットは、プロが作ったような結果が欲しいといつも願っている、YouTube上の平均的なクリエイターだ。しかも頻繁に新しいコンテンツが求められる場所だから、はやく作りたい。Rushはオンラインのコンテンツを作ってシェアするための、なんでもありのビデオ編集アプリを目指していて、しかもそのために、高性能なデスクトップでもiPhoneでも、どんなデバイスの上でも使えることを設計目標にした。ユーザーのプロジェクトはすべて、自動的にクラウドへシンクされるから、どこからでも仕事ができる。

Rushには、これまでAdobeがそのプロ用ツールのために開発してきたさまざまな技術が使われている。たとえばビデオクリップの色を調整したいと思ったら、Premiereで仕事をしている編集者と同じアルゴリズムでその作業ができる。またMotion Graphicsのテンプレートをサポートしているから、タイトルのシーケンスやグラフなどを作れるし、ビデオクリップのオーディオをAIツールで改良できる。さらに、Adobe Stockを統合しているから、自分のビデオを適当なストック・フッテージで味付けすることもできる。

デモを見たかぎりでは、どの機能も使いやすくて、PremiereよりもiMovieに近い感じだ。

自分のビデオが完成したら、当然それを公開しなければならないが、クリエイティブな仕事をはやくやることがモットーのRushには、YouTube, Facebook, Instagram, Twitter, Snapchatなど主な共有プラットホームへ公開するためのツールも内蔵されている。

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人間の脳とロボットをつないで、失敗を未然に防ぐシステム

ロボットに壊滅的なことをしないよう教えるにはどうしたらよいか? 言葉やプログラムで命令を与えることもできるが、人間の脳を見て苦痛の兆候を感じ取り、自らを止めさせる方法もある。MITのロボティクス研究所が作った新しいシステムは、人間の脳とつないでロボットに作業の指示を出す。

初期のシステムは実にシンプルだ。作業ロボットのBaxterには頭皮上脳波計と筋電計がつながっていて、ロボットがやってはいけないことをすると、人間が手を振るなどの身振りでやめさせる。決められた仕事——ドリルで穴を開ける等——をこなすことのできるロボットが、慣れない状況に遭遇したとき、すべきことを人間が身振りで指示することもできる。

「筋肉と脳の信号を両方を見ることによって、人間の自然な身振りを解釈して、何がおかしくなったかをすばやく判断できる」と博士候補生のJoseph DelPretoは語った。「こうすることで、人間は人間に対するのと同じようにロボットとコミュニケーションがとれる」

このシステムでは、身振りや感情的反応などの微妙なニュアンスを用いるため、ロボットを訓練して障害のある人とやりとりをしたり、懸念や危険を言葉で言われる前に察知して、事故を防ぐこともできる。これによって作業員は、何かを壊す前にロボットを止めたり、作業が始まる前にわずかな変更をロボットに理解させたりできるようになる。

テストでは、Baxterに飛行機胴体にドリルで穴をあける訓練をした。作業内容はときどき変更され、近くにいる人間が穴の位置の変更を身振りでロボットに教える。こうすることで、現在の作業をしている最中に、新しい作業を教えることができる。しかも、ここで人間の側はプログラミング自体には関わることがなく、ロボットに右か左かを教えるだけだ。いちばん重要なことは何か? 機械とつきあうために人間が特別な考え方をしたり、自分を訓練したりする必要がないことだ。

「このアプローチがすばらしいのは、ユーザーに決められた考え方を教える必要がないことだ」とDelPretoは言った。「機械が人間に寄り添う。その反対ではない」

チームはこの成果を、Robotics: Science and Systems (RSS) カンファレンスで発表する。

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Instagramの月間アクティブユーザー10億に到達、IGTVは広告媒体としての魅力増大か

Instagramの華々しい成長が続いている。対照的にSnapchatやFacebookは停滞している。今日(米国時間6/20)のInstagramの発表では、2017年9月に8億を超えた月間アクティブユーザー数(MAU)が、ついに10億に達した。1日のユーザー数は5億だ(MAUは月内の同一ユーザーの複数回アクセスを数えない)。

この大量のオーディエンスは、今日(米国時間6/20)ローンチした長時間ビデオハブIGTVの大きな吸引力になるだろう。IGTVの収益化の仕組みが動き出すのはまだ先だが、露出とファン獲得を争うコンテンツメーカーは早くから群がるだろう。

Snapchatの1日のユーザー数は2018Q1に1億9100万で2.13%の伸び、そしてFacebookのMAUは21億9600万で3.14%の伸びだが、Instagramの四半期成長率は5%に近い。

ユーザー数10億のオーダーに達したInstagramはFacebookファミリーの中では重くなりすぎて、自身の収益化もままならないかもしれない。FacebookはInstagramの売上を公表しないし、そのヒントもくれない。しかしeMarketerの推計では、Instagramのアメリカでの2018年の売上は54億8000万ドル、前年比70%の増だ。Facebookのモバイル広告の売上の28.2%がInstagramだ。

IGTVによって、テレビに広告を出していたような企業も群がるようになり、よりおいしい広告媒体をInstagramは持つことになる。その余波でFacebookの株価も2.2%上がり、202ドルになった。

というわけでInstagramのブランド力はますます、Facebookの救命ボートに見えてくる。Facebookの人気はこのところ、ティーンを中心に落ち込んでいるし、相次ぐプライバシーの不祥事に揺さぶられている。でも実際には、InstagramがFacebookの子会社であることを知らない人がほとんどだ。Facebookとは無関係に、この写真共有アプリを愛している。ユーザー数10億に達した今後は、企業もコンテンツクリエイターも、写真やビデオをなお一層、重視せざるをえない。あなたの友だちの世界がそこから見える窓を提供することは、儲かる商売なのだ。

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あなただけではない。米国成人の40%がニュースは誤情報だと思っている

最新の調査結果は、誰もがすでに知っていることを浮き彫りにした。人々は伝統的メディアを以前ほど信じていない。ソーシャルメディアのことはもっと信じていない。そして、共和党支持者と高卒以下の学歴の人たちを含む一部の層が、自分たちの読むものの正確性を最も疑っている。

The Gallup/Knight Foundationは、無作為に集めた米国人1440人を対象に、米国の成人がどれほど誤情報を信じているか、主要インターネット会社は誤情報の拡散防止にどれほど責任を持っているかに関する最新調査結果を公開した。

結果は芳しいものではない。米国人全体では、テレビやラジオ、新聞で見聞きするニュースの39%は人を欺くことを意図していると考えている。ソーシャルメディアを通じて見つけたニュースに関してはさらに悪く考えている。同調査によると、ソーシャルメディアを通じて発見したニュースの2/3が何らかの誤情報であると考えている。

想像できるように、政治的傾向も認識に影響を与えている。共和党員の51%、自称保守主義者の54%が、伝統的メディアを誤情報と認識する傾向が強い。対して民主党員では23%、リベラル派では24%だった。

露出機会も影響を与えている。伝統的ニュースに「大いに」注目していると答えた人たちは、ニュースの37%が誤情報であると答えたのに対して、全国ニュースにほとんどあるいは全く注目していない人たちは、53%が意図的な誤情報であると考えている。

ニュースの効果あるいは効果のなさについての認識に関しては、教育も要因の一つだ。大学院卒資格をもつ人たちは伝統的メディア(テレビ、ラジオ、新聞)の29%が誤情報であると推定した。大学卒は35%、高卒以下の人たちは43%の伝統メディア記事が何らかのレベルの誤情報を含んでいると答えた。

こうした発見に心を痛めているレポーターがいたらは安心されたい。ソーシャルメディアの方がずっとひどい。

Facebookの2015、2016年の選挙介入疑惑のニュースを追っている人には当然のことだが、信頼できる正確な情報を見つける場所としてソーシャルメディアを信頼している人の数は…多くない! 事実、米国成人の65%が眉に唾をつけてソーシャルメディアを読んでいる。

ではこれほど多くの人達が「フェイクニュース」を読んでいる新世界で、いったいわれわれはどうすればよいのか? ソーシャルメディアは伝統的メディアより対処しやすい、と本調査の対象者は考えている。回答者の76%が、インターネット企業は自分のサイトやプラットホームやアプリの記事が誤情報だと断定したら、ユーザーにそのことを警告する義務があると答えた。

事実、過半数をわずかに上回る回答者が、誤情報の識別はソーシャルメディア企業の需要な責務の一つだと言っている。彼らは、「信じるに値する」ニュースをフィードで優先的に流すために、ユーザー調査を利用して質の高いニュースソースを選び、センセーショナリズムや誤情報と戦うという1月にFacebookが発表した方針を思い浮かべたのかもしれない。その行動に勇気づけられた可能性もある。調査によると、70%以上の回答者が、信頼できるニュースソースの記事への注目度を高くするなどの誤情報拡散防止対策について、少なくとも「何らかの効果」が期待できると答えた。

詳細を知りたい読者のために、誤情報に関する研究結果はここで、メディアとソーシャルネットワークの偏向に関する調査結果はここで読むことができる。

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サッカーのゲームをテーブルの上の拡張現実の3D映像で見る

ワールドカップのシーズンなので、機械学習の記事もフットボールを取り上げないわけにはいかない。その見事なゲームへの今日のオマージュは、試合の2Dビデオから3Dのコンテンツを作り、すでに拡張現実のセットアップのある人ならそれをコーヒーテーブルの上でも観戦できるシステムだ。まだそれほど‘リアル’ではないが、テレビよりはおもしろいだろう。

その“Soccer On Your Tabletop”(卓上サッカー)システムは、試合のビデオを入力とし、それを注意深く見ながら各選手の動きを追い、そして選手たちの像を3Dモデルへマップする。それらのモデルは、複数のサッカービデオゲームから抽出された動きを、フィールド上の3D表現に変換したものだ。基本的にそれは、PS4のFIFA 18と現実の映像を組み合わせたもので、一種のミニチュアの現実/人工ハイブリッドを作り出している。

[入力フレーム][選手分析][奥行きの推計]

ソースデータは二次元で解像度が低く、たえず動いているから、そんなものからリアルでほぼ正確な各選手の3D像を再構成するのは、たいへんな作業だ。

目下それは、完全にはほど遠い。これはまだ実用レベルではない、と感じる人もいるだろう。キャラクターの位置は推計だから、ちょっとジャンプするし、ボールはよく見えない。だから全員がフィールドで踊っているように見える。いや、フィールド上の歓喜のダンスも、今後の実装課題に含まれている。

でもそのアイデアはすごいし、まだ制約は大きいけどすでに実動システムだ。今後、複数のアングルから撮ったゲームを入力にすることができたら、それをテレビ放送のライブ中継から得るなどして、試合終了数分後には3Dのリプレイを提供できるだろう。

さらにもっと高度な技術を想像すれば、一箇所の中心的な位置からゲームを複数アングルで撮る/見ることも可能だろう。テレビのスポーツ放送でいちばんつまんないのは、必ず、ワンシーン==ワンアングルであることだ。ひとつのシーンを同時に複数のアングルから自由に見れたら、最高だろうな。

そのためには、完全なホログラムディスプレイが安く入手できるようになり、全アングルバージョンの実況中継が放送されるようになることが、必要だ。

この研究はソルトレイクシティで行われたComputer Vision and Pattern Recognitionカンファレンスでプレゼンされた、FacebookとGoogleとワシントン大学のコラボレーションだ。

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VirusTotalは、アンチウイルスの「誤判定」からデベロッパーを守る

GoogleがVirusTotalを買収してから6年が過ぎた。VirusTotalは、ユーザーがアップロードしたファイルにマルウェアやウィルスが入っていないかをチェックするサービスで、70種類のアンチウイルスとドメインブラックリストサービスのデータベースとアルゴリズムを利用している。 現在はAlphabet傘下のセキュリティー会社、Chronicleの一部となっているVirusTotalは、ここ数年の間に中立的公共サービスとしての地位を確立し、ユーザー、デベロッパーの両方から信用を勝ち取ってきた。デベロッパーはAPI経由でも同サービスを利用できる。

本日VirusTotalは、新しいツールを公開して中核サービスを拡大した。これはデベロッパーが新しく書いたコードを同社のパートナーである複数のアンチウイルスシステムでスキャンすることで、アンチウイルスが誤ってマルウェアと判断しないようにするものだ。この種の誤判定(偽陽性)問題は驚くほどよく起こっており、マルウェアに関係のないデベロッパーにとって大きな頭痛の種になっている。

このほどデベロッパーに一般公開されたVirusTotal Monitorは、デベロッパーがコードをアップロードすると、VirusTotalがチェックを行い、いずれかのアンチウイルス・パートナーが誤ってマルウェアと判断した場合、各パートナーとデベロッパーに通知する——そして解決策を見つけるための橋渡しをする。

VirusTotalの技術責任者、Emiliano Martinezは、誤判定問題はデベロッパーにとって頭痛の種であるばかりでなく、アンチウイルス業界にとっても広報災害となりかねないことを指摘する。アンチウイルス会社は、自分たちのツールが誤ってマルウェア認定したために、ユーザーが最新バージョンのアプリケーションを使えなくなる責任をとりたくないと考えている。「そこでわれわれは、Google Driveのような場所にソフトウェアデベロッパーがプログラムをアップロードできるようにした——プログラムの公開前でも公開後でもよい」とMartinezは説明した。

これは、主として商業デベロッパー向けのツールだが、大企業で業務アプリを作っているデベロッパーにも有効だ。

VirusTotal Monitorは、アンチウイルス会社には無料で提供される。デベロッパーからは料金を取ることで収益化する計画だ。「つまるところデベロッパーは、誤判定されて利用禁止になれば莫大な損害を被る」と、この収益モデルの理由を尋ねた私にMartinezは言った。

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米軍の中に宇宙軍ができる、国防長官の反対を押し切って

【抄訳】
大統領のDonald J. Trumpは米軍の中に宇宙軍(Space Force)を作るつもりだ。この驚愕の発表は、ホワイトハウスでこのほど再召集された宇宙評議会(Space Council)の三度目の会議で行われた。

“空軍とは別に、それと同格なものとして宇宙軍を持ちたい。それには十分な理由があり、きわめて重要だ”、と大統領は言った。

昨年議会がこのアイデアを初めて提案したとき、国防長官のJames “Mad Dog” Mattisは、軍に新しい部門を作ることに反対した。

議会の第一党が昨年、宇宙戦を専門とする、軍の6番目の部門を作るという説を最初に流した(残念ながらエイリアンの昆虫の侵入日本語Wikipedia)は防げないようだが)。そのときMattisは直ちに、そのアイデアを激しく非難した。

議会における宇宙軍構想のリーダーの一人である、オハイオ州選出共和党議員Mike Turnerに宛てた書簡で、Mattisは述べている:

省の複合的戦闘機能を統一すべく努力しているこのときにあたって、宇宙の作戦に狭くて偏ったアプローチを提示しかねない単独の部門を加えることを、私は望まない。

どうやら大統領は、その後の数か月で考えを固めたようだ。

Trumpは今や、“軍の6番目の部門としての宇宙軍の設立に必要なプロセスを直ちに開始するよう、国防総省とペンタゴンに指示している”。

【中略】

“アメリカを守るためには、宇宙にアメリカのプレゼンスがあるだけでは不十分だ。われわれは宇宙に、アメリカの支配力を持つ必要がある”、と大統領は言った。

【後略】

〔訳注: さまざまな‘宇宙セレブ’が招かれているSpace Councilに、テクノロジー界隈から参加しているのは、今のところ、Jeff BezosのBlue OriginのCEO Bob Smithのみ。〕

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Apple、iOS 12でiPhoneの位置情報を緊急センターに通知(米国のみ)

今日(米国時間6/18)午前Appleは、iOS 12の新機能を発表し、米国ユーザーがiPhoneで911通報した際、自動的に位置情報が初期対応者に送られるようになる。この動きは携帯電話から緊急電話をかけたときの問題に対処するものであり、旧来のシステムでは携帯電話の発信者の位置情報を迅速正確に取得することが困難だった。

911呼び出しの約80%が携帯電話からであることから、システムの改善は急務である。

2015年にAppleは、GPSおよびWi-Fiアクセスポイントを利用して発信者の位置情報を推定するHELO(Hybridized Emergency Location)と呼ばれるシステムを提供した。本日のAppleの発表によると、同社はさらにRapidSOSのインターネットプロトコルベースのデータパイプラインを利用して、このHELO位置情報を911センターに安全に送信することで、応答時間の短縮を目指している。

RapidSOSの技術は、多くの911センターにインストール済みのソフトウェアに統合される。

またAppleは、FCC(連邦通信委員会)は携帯通信業者に対して、2021年までに発信者の80%の位置を50メートル以内の精度で特定することを要求していることを指摘した。現在同社の位置情報サービスの精度はこの要求を満たしており、今後911センターは同じ精度のデータをアクセス可能になる。

いつものAppleらしく、同社は新機能のデータプライバシーを強調した。ユーザーの位置データは緊急目的以外に共有することは不可能であり、911センターのみが通話中に位置情報を利用できる。

この911対応は、今月行われたAppleのソフトウェア中心のカンファレンスであるWWDCのキーノートでは発表されなかった。そこでは、プライバシー、セキュリティーやAI利用など今年iOS 12に導入される数々の機能が紹介された。例年通りであればiOS 12は9月に一般公開される。

「社会は緊急時に911センターを頼りにしており、そこでは利用可能な最高の技術を利用できるべきだとわれわれは信じている」とApple CEOのTim Cookが新機能発表の声明で言った。「一瞬一瞬が重要な場面で、これらのツールは顧客がいちばん助けを必要としているときに初期対応者が手を差し伸べるのに役立つだろう」

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Atomsは、究極のフィット感を提供するミニマリズムのスニーカー

Atomsは1/4刻みのサイズを揃えたスニーカーだ。私はこの2ヶ月間毎日Atomsを履いている。これはセミフォーマルな場面でも使える初めてのスニーカーでありながら、何時間歩いても快適で、ハイキングにも行ける。

Atomsが届ける最新のフットウェア体験のしくみはこうだ。

  • サイズを1/4単位でたとえば10.25を選ぶ。するとAtomsは10s、10.25s、10.5sの3足と靴下を送ってくる。
  • 試しに履いてみて、気に入ったペアを選ぶ。左右別々のサイズでもいい。残りは送り返す。
  • ロゴはついていない。Atomのカラーはジェットブラック、ピュアホワイト、または上が黒下が白の3種類で、あなたの足に広告を載せない。
  • 編み込まれた銅の糸が細菌を防ぎ防臭する。
  • 伸縮性の靴紐と楕円形の紐通し穴のおかげで、Atomは紐をほどかずに履くことができ、めったに紐を占める必要がない。
  • 古いAtomsを分析と寄付のために送り返すと、次の一足がディスカウントされる。

Image via Jeff Macke

179ドルのAtomは、100ドルのNikeや79ドルのAllbirdより高価だ。しかしバスケットボールシューズの巨人は1/2サイズ刻み、Allbirdは整数サイズしかないのでぴったりと足に合う人は稀だ。左右それぞれの足によく合った1/4サイズの靴は、体と一体化しているように感じられる。

「より良い靴を作るためには、なぜ人は靴を履くのかを知る必要がある」とAtomsの共同ファウンダー、Waqas Aliが私に言った。「人は決して履くことのないファンシーなドレスシューズを買い、子供っぽいデザインとブランディングに失望する。私たちはAtomsを日々の生活で使うことを念頭に開発してきた。歩く、立つ、通勤する。消費者は人間であり広告塔ではない。だからロゴはつけない。

それでもAtomsはベータテスト中からバイラルに広まった。一番に欲しい人たち4000人が 予約待ちの行列に並んだ。米国でのAtomsの発売は今年の夏だが、第一群の予約客たちは6月末から7月はじめに靴を手に入れる。

ビッグバン

Waqas AliとSidra Aliの夫婦ペアは、2012年にパキスタンのオカラでMarkhorという最初の靴の会社をスタートさせた。彼らは起業家にとって最大の特性ともいえる「好奇心」を武器に市場に挑戦した。先入観を捨て、世界中を回って人がどのように靴を履いているのかを調べた。「みんな『イタリアではみんな革靴を履いている』と思うかもしれないが、若者たちは皆スニーカーを履いていた」とWaqasは言う。

Kickstarterでプロジェクトを立ち上げたあと、Ali夫妻はシリコンバレーに来て、定評あるスタートアップアクセラレーター、Y Combinatorの2015年夏学期に参加した。

履き心地とスタイルがスニーカー購入の大きな決定要素だったので、ふたりはそこで差別化を図った。調査の結果70%以上の人たちが、左右の足で少なくとも1/4サイズ以上、7%以上が1/2サイズ違うことがわかった。だったらなぜ靴メーカーは1/4サイズを作らないのか?山ほどの種類の靴を作っているのに」とWaqasは言う。。

2つの基本方針が急遽一致した。男女兼用のモデルを1種類だけ限られたカラーでデザインすることで余分な布地や型紙を排除し、1/4刻みのサイズを作ることができる。事実、顧客の35%は左右で別のサイズを選んだ。こうしたブレークスルーによって、56万ドルのシード資金を元LinkedInのグロース責任者Aatif AwanとShrug Capitalから調達した。

しかしAtomsはシリコンバレーのシューズというラベル付を避けようと決意をした。プログラマーたちではなく、画家やグラフィックデザイナーのようなクリエイティブタイプの人たちにアーリーアダプターになって欲しいと考えている。目標は、コック長が一晩中履いても痛くならず、それでいてシックなダイニングルームに自信を持って立ち入れるエレガントなスニーカーを作ることだ。

フットウェアの未来

「市場にある履き心地の良い靴のほとんどが、心地よいのは試着したときだけだ」とWaqasは嘆く。別の靴スタートアップであるAllbirdsを見てみよう。超ソフトなウール製で、最初の何歩かはまるで雲のスリッパを履いているように感じる。しかし10ブロックも歩くと、曲がりやすい靴底はあまり足を保護していてないことがわかる。

そこでAtomsは靴ビジネス18年のベテランでポートランドと韓国でAdidasとPumaに勤めていたSangmin Leeを雇った。彼は大量の試作品を作り、その結果生まれたのが堅牢だが軽く、滑り止めと軽量化のための切れ込みの入った靴底だった。一方靴上部に使われている丈夫なメッシュ素材は通気性を保ちつつ形状を維持し、汚れにくい。

Image via Adam Bain

「靴メーカーは持続可能な材料を使っていると言うが、工場に履いていくとバラバラになってしまう」とSidraが私に言った。われわれの靴が環境の優しいのは、長持ちするからだ」とWawasが笑いながら言った。

現在Atomsは、購入者を永久利用者に変えるためのコマース・イノベーションを起こそうとしている。インソールに特殊なパターンを印刷し、体重のかかる位置のパターンが消えるようにする。利用者がディスカウントを受けるために古い靴を送ってきたら、インソールのパターンを分析して将来のモデルの形状を改善するのに役立てようという考えだ。

大手靴メーカーがミニマリストの1/4サイズスニーカーに進出してきたときのために、顧客ロイヤリティーが必要だ。1スタイルでカラーも限られていることから、テイストに合わないという人も多いだろう。ジムに行くのにもスーツにも似合わないかもしれない。しかし、しかし、控えめで丈夫で余計なことを考える必要のない靴がほしい人にはAtomsは最適だ。

膨大な広告とリアル店舗の流通力によって大ブランドが支配する市場で、スタートアップが手がかりをつかむためには、迅速さと完璧な顧客体験に頼るほかはない。ライバルの靴スタートアップに感謝すべきなのは、「世界はNikeとAdidasだけが支配しているのではないことをAllbirdsが示した」ことだろう。。

幸いAtomsには、交換可能なスニーカーの世界で強力な差別化要因を持っていることだ。「1/4刻みのサイズなんてジョークかギミックだと思っていた。10.25sを試すまでは」とAirbnbのデザイナー、Bryce Danielがツイートした。「10.25がこんなにぴったりなのに10.5には戻れない」。個人的には、過去十年間に私の生活にここまで深く浸透したIT製品やスタートアップ製品は、AppleのAirPods以来だ。

「靴をハックする方法はない」とWaqasは結んだ。「良い靴を作るしかない」。

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AT&TがTime Warnerの買収を完了…メディア買収が通信大手の生き残る道?

AT&TがTime Warnerの買収手続きをを完了し、ここにメディアとテクノロジーの大型統合がまたひとつ実現した。

その額は854億ドルで債務負担を入れると1080億ドルになるが、最初に発表されたのは2016年の10月で、今週初めに裁判所が認可し、木曜日(米国時間6/14)に完了した

完了まで長くかかったが内容は複雑で、AT&TはTime WarnerだけでなくケーブルテレビのHBPとWarner Brother’sの映画スタジオ、そしてテレビ局Turnerのチャンネルも支配下に置く。これだけあれば複雑な衝突が起きるのも当然で、なにしろこれにより、メディアの配信とコンテンツの制作が同じ親会社の傘下になるのだ。

AT&Tの会長兼CEOのRandall Stephensonは声明でこう述べている: “Warner Bros., HBO, そしてTurnerのコンテンツとクリエイティブの陣容は第一級だ。そのすべてがAT&Tの消費者に直接届く強力な配信網と合体すれば、他に類のない高品質なモバイルファーストのエンターテインメント体験を提供できる。われわれは、メディアとエンターテインメント産業が消費者とコンテンツクリエイターとディストリビューターとアドバタイザーズのために仕事をしていくやり方に、新しいフレッシュなアプローチを導入したい。”。

買収は、AT&Tという企業の生死にかかわっていた。同社によると、“シナジー効果”により25億ドルの費用節約が見込まれ、4年後には売上が成長に転ずると期待される。Time WarnerとTurnerを含むAT&Tの新事業は、昨年の年商が310億ドルだった。

今週の裁判所の決定の前には、政府が反トラスト法により買収をブロックしようとしていた。いわゆる垂直的合併…上流と下流が一体になること…により、価格操作が可能になり、消費者を害する、とされた。この買収は10年前の反トラスト訴訟の亡霊と揶揄され、初めて裁判所が、垂直的合併を単純に悪とする議論に断を下(くだ)した。携帯電話やスマートフォンが発明されたことにより、メディアと配信の業界構造が変わったことを、裁判所は指摘した。

一件落着したことによってAT&T-Time Warnerは、そのほかの大メディア買収に道を拓(ひら)いた。今週はComcastがFoxを650ドルで買収すると名乗りを上げ、12月に524億ドルを提示していたDisney(ディズニー)と戦うことになった。

情報開示: TechCrunchのオーナーであるOath〔旧AOL〕はVerizonのデジタルメディア分野の子会社であり、この親会社は〔通信大手として〕ComcastやAT&Tと競合している。

画像クレジット: KENA BETANCUR/AFP/Getty Images / Getty Images(画像は加工した)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

監視カメラがあなたを認識して警告や解説をメッセージするパーデュー大学のPHADEシステム

[筆者: Sarah Wells]
今や、通りにも、美術館にも、お店にも、どこにでもカメラがあるという認識は、人間の第二の天性になっている。でもそんなカメラが、人間とコミュニケーションできたらどうだろう? パーデュー大学のコンピューターサイエンスの研究者たちは、そのディストピア的な未来を現実化して、今日、ペーパーに発表した。ただし彼らによると、それはそんなに怖いものではないそうだ。

そのシステムはPHADEと呼ばれ、PHAの部分は“private human addressing,”(プライベートな人間アドレシング)の頭字語だ。プライベートというのは、カメラと個人の携帯電話がコミュニケーションするけれども、そのときにIPやMacのアドレスなどに相当する個人データはいっさい送信されない、という意味だ。この技術が依存するのは、そんな具体的なデータではなく、動きのパターンから人物の所在を突き止める方法だ。だからその通信にハッカーが割り込んだとしても、人の物理的な位置はわからない。

美術館の通路を歩いていると、自分が知らなかった絵に目が止まった。ガイドは団体客の世話に追われている。お金を払わなかったので、オーディオツアーのヘッドホンは使えない。その作品の前で考え込んでいると、突然スマホのブザーが鳴り、その美術作品とそれを描いた画家についての詳しい情報を、自分の手のひらの中で知ることができた。

そんなことができるために研究者たちは、テーマパークなどで使われている方向性オーディオ(directional audio)に似た技術を使う。その技術は、ライブのビデオデータを分析して、歩行者の個々の動きのパターンを同定する。そしてそれが、絵画の前など特定の範囲にあれば、その映像を捉えているカメラの位置(“モーションアドレス”)へ、解説のアナウンスを流す。ユーザーのスマートフォンは、モーションアドレスが自分の位置とマッチしたら、解説メッセージを受信する。

この技術は、このように美術館の作品解説などに役に立つだけでなく、歩行者を犯罪から護ることもできる、と研究者たちは考えている。

コンピューターサイエンスの助教授でこの技術の共同開発社であるHe Wangは、声明文でこう述べている: “われわれのシステムは監視カメラと人間を結ぶ橋になる。犯罪や事故の多い地区で監視カメラをこの技術で強化すれば、たとえば“あなたをつけている不審者がいる”などと、警告することができる”。

テクノロジーをフルに利用する監視社会に対しては批判の方が多いが、カメラがあなたを見守っていてくれることには、利点もありそうだ。

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Amazon、開発者向けAIカメラ “DeepLens” を249ドルで販売開始

昨年11月のre:Inventカンファレンスで、Amazon AWSはDeepLensを発表した。これは開発者向けに作られたもので、視覚に特化した機会学習モデルの開発とプロトタイピングに利用される。同社は数ヶ月前にDeepLensの予約を開始し、今デベロッパーに向けて出荷が始まった。

今日の発売に先駆け、私はシアトルのワークショップでDeepLensのシニアプロダクトマネージャー、Jyothi Nookula、および AmazonのAI担当VP、Swami Sivasubramaniaとともにハードウェアとソフトウェアサービスを体験する機会を得た。

DeepLensは実質的にはUbuntu-/Intel Atomベースのカメラ付き小型コンピューターで、単体でビジュアル機械学習を実行できる能力をもっている。DeepLensは総合性能は約106 GFLPSだ。

ハードウェアは一般的な入出力ポート(Micro HDMI、USB 2.0、オーディオ出力など)を備え、カメラが裏庭でクマを見つけたら警告を送るおもちゃアプリから、工場のベルトコンベアーを監視する産業アプリまでさまざまなアプリのプロトタイプを作ることができる。4 Mピクセルのカメラは何か注目を浴びるものではないがほとんどの用途に十分適している。当然ながらDeepLensは他のAWSサービスと深く統合されている。AWSのIoTサービスであるGreengrassはDeepLensにモデルを配信する際に利用し、Amazonの機械学習モデル構築用最新ツールであるSageMakerとも連携する。

こうした連携は、非常に簡単にカメラを使い始められるのにも役立っている。あらかじめ用意されているモデルを使えば、10分足らずでDeepLensを設定しモデルを組み込んで利用できる。プロジェクトテンプレートの中には、20種類の物体を識別する別体検出モデルや、カメラ画像をゴッホ風に変換するスタイル変換モデルや顔認識モデル、猫と犬を区別するモデル、約30種類の動作(ギターを弾く、など)を認識できるモデルなどがある。DeepLensチームは、頭部の姿勢を追跡するモデルも開発中だ。そうそう、ホットドッグ検出モードもある。

それだけではない。開発チームはワークショップの中で、機械学習の経験がまったくないデベロッパーでも既存のテンプレートを簡単に拡張できることを強調していた。ひとつには、DeepLensプロジェクトが2つの部分からなっているためだろう。モデルおよびモデルの出力に基づいてモデルのインスタンスをアクションを実行するLambda機能だ。AWSは、ベースにあるインフラストラクチャーを管理することなくモデルを簡単に作るためのツールとしてSageMakerを提供している。

DeepLensのハードウェアは実質的に小さなコンピューターなので、それ自身でさまざまな開発が可能だが、おそらくもっと強力なマシンで開発してからAWSコンソールを使ってDeepLensに転送する方がいいだろう。それでもDeepLensを低性能デスクトップマシンとして使いたいという人のために、Ubuntu 16.04がプレインストールされている。

機械学習のフレームワークに慣れているデベロッパーなら、DeepLensを使うとCaffe、TensorFlow、MxNetなどほぼすべての人気ツールから簡単にモデルをインポートできる。またAWSチームはMXNetモデルをDeepLensデバイスでより効率よく動作するための最適化ツールも作ったことも報告しておく。

ではなぜAWSはDeepLensを開発したのだろうか? 「DeepLensカメラを作った理由は、われわれが自身に問いかけたある単純な疑問にあった:機械学習もデベロッパー全員の手に届けるにはどうすればよいか?」とSivasubramanianは言う。「ブレーンストーミングを重ねた結果、最も有望な発見は、デベロッパーは実際にデバイスに手を触れて開発するのが大好きだというアイデアだった」。しかしなぜAWSはパートナーと協力するのではなく独自にハードウェアを作ったのか?「われわれには具体的な顧客体験のアイデアがあり、すべての体験が本当に簡単であることを確かめたかったからだ」と彼は言った。「このハードウェアを買って、Amazonからこのツールをダウンロードして、などと言っていると環境が揃うの2~3日かかってしまう。それでは、ディープラーニングを学んで何か楽しいものを作ろうとワクワクしている人にとっては長すぎる」

そういうわけで、、これから機械学習を使ったプロジェクトを始めたい人は、DeepLensをAmazonから購入できる。249ドルは安くはないが、すでにAWSを使っていて——しかもすでにLambdaも使っていれば——おそらく簡単に機械学習アプリケーションを作り始めることができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook