セキュリティ企業のMcAfee(マカフィー)は米国時間3月9日、プライベートエクイティ企業のSymphony Technology Group(シンフォニー・テクノロジー・グループ)が率いるコンソーシアムに、法人向け事業を40億ドル(約4370億円)で売却すると発表した。
McAfeeは、2020年2月に同コンソーシアムが20億ドル(約2182億円)で買収したもう1つの法人向けセキュリティ企業、RSAと相性が良いはずだ。
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McAfeeの社長兼最高経営責任者であるPeter Leav(ピーター・リーヴ)氏は、同社のリソースを個人消費者向け事業に向けることに決めたと述べている。「今回の売却によって、McAfeeは消費者向けビジネスに専念し、消費者のためのパーソナルセキュリティ分野でリーダーとなるための戦略を加速させることが可能になります」と、リーヴ氏は声明で述べている。
McAfeeは、10年ぶりとなる再上場を果たした2020年、いくつかの動きを見せている。2021年1月には数百人の従業員を解雇し、テルアビブにあるソフトウェア開発センターを閉鎖したと報じられた。
シンフォニー社はRSA社の買収を直接指摘してはいないが、2つの投資は同社にとって大きな複合レガシーセキュリティ事業を生み出すことになる。どちらも強力なブランド認知度を持つが、市場ではより現代的な競合他社と比べると、いくらか競争力に陰りが見えていた。
McAfeeが2021年2月24日に発表した2020年第4四半期の決算報告書を見ると、一般消費者向け事業は法人向け事業よりもはるかに活発に成長していることがわかる。前者は前年同期比23%増であったのに対して、後者は5%とはるかに低い成長率だった。
通期では、2020年度の総収益が前年比10%増の29億ドル(約3165億円)と報告されている。内訳は、消費者向けの純収入が前年比20%増の16億ドル(約1746億円)、法人向けの純収入が通年でわずか1%増の13億ドル(約1419億円)となっている。
同社の歴史は複雑だ。1987年の創業当初は、ファイアウォールソフトウェアを販売することから始まった。2002年には株式公開を果たしたが、2010年にIntel(インテル)に77億ドルで買収され、上場廃止となった。2014年にIntel Security(インテル・セキュリティ)と社名が変わった後、2017年にインテルが過半数の株式を投資ファンドのTPGに42億ドル(約4583億円)で売却したことで、社名をMcAfeeに戻している。
今回の買収は、規制当局の監視の下、2021年末までに完了する見込みだ。
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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)