Morpholioの新しいiPhone/iPadアプリCritを使うと、デザイナーや建築家、写真家などのクリエイターたちが、文字や言葉ではなくアップロードした画像そのものの上で、ヴィジュアルに、リアルタイムでコミュニケーションできる。
たとえば若手の写真家が作品をどこかのクリエイティブ・ディレクターに送ると、後者はその画像の上に自分の指などでマークアップを入れて、ここをこーしろ、などの伝達ができる(上図中央)。
Critは最初、Morpholioのサービスの部品のような機能だったが、このほど別のアプリとして独立し、それと同時に、描画機能(マークアップ…添削…機能)やコメント機能を充実させた。
ゆうべMorpholioのチームがデモを見せてくれたが、ぼくも以前はデザイナーだったから、便利なことはわかった。UIはクリーンで分かりやすく、それは同社の言うとおりだ。デザインに関して批評をやりとりするには、iPadバージョンの方が便利そうだが、急ぎのときや旅行中にはiPhoneが便利だろう。どっちもある、というのが良いね。
生産性という点では、これで忙しいアートディレクターやクリエイティブ・ディレクターにデザインのコンセプトを見てもらうのは、ちょっと厳しいかもしれない。むしろ、会話をしながらでもどんどん仕事を進めている、という、動きのある現場環境が合っているのではないか。そんな環境なら、ディレクターからの指示をリアルタイムで生かせるだろう。
スタイラスでマークアップできるのは良いけど、もっと複雑なWebデザインや、精密な青写真、ワイヤフレームなどでは、ちょっと難しいかな。
でも、かなりラフなマークアップでもお互いの意思が十分伝わることもあるから、忙しいときには何もないよりましだ。だから、精度など物理的側面にぜいたくを言わなければ、マークアップツールとして十分使えるのではないか。