人気の高いQ&AサイトStack Exchangeの協同ファウンダJeff Atwoodが、今日(米国時間2/5)のブログ記事で、ユーザがディスカッションのためのフォーラムを作って運営するためのプラットホームDiscourseを立ち上げる、と発表した。
その正式の会社名はCivilized Discourse Construction Kit, Inc.,で、目標はオンラインディスカッションの質の向上だ。ただしAtwoodによると、今回は、これまでのStack Exchangeの基本方針: 「必要最小限のディスカッションによって最良の質疑応答を作りだす」とは、まったく逆の方向を目指す:
これまでの(Stack Exchangeの)設計は、ディスカッションを抑えるため、禁ずるために、ありとあらゆる工夫を凝らした。長たらしい罵詈雑言などを無視し、単純に、その質問への答を得ることだけに専念した。
まるまる4年間、ディスカッションはすでに腐敗の帝国に成り下がっているという信念に基づいて、その傾向に反抗するためにStack Exchangeをやってきたが、最近はやや考えが変わった。ここで、サイドを変えてみたらどうなるだろう? これまでとは逆に、ランダムで勝手な議論を認め奨励したらどうなるか? それはこれまでの4年間、それを抑えることが設計目標だったこと、たえずみんなに、それは悪だと主張してきたことなのだが。
これまではX-Wingを作っていた。そんなぼくが、もっと良いTie Fighterを作れるだろうか?
Stack Exchangeは、質問へのベストアンサーを見つけるためのサイトだったが、Discourseは、多くのフォーラムやコメントスレッドを汚染しているトロルやスパムを排除しつつ、もっと幅広いディスカッションをサポートする。
Atwoodと彼のチームは、昨年丸一年、この課題に取り組んでいたようだ。できあがったフォーラムアプリケーションは、“高精細なタブレットと最新のWebブラウザ”向けに最適化されていて、もちろんモデレーションツールもある。そのほかDiscourseのWebサイトには、ジャストインタイムのローディング、自己発言にレスがあったときの通知、長いスレッドをどこまで読んだかというマーク、リンクの自動展開、などの機能が紹介されている。
Atwoodは、本誌TechCrunchなども使っている人気の高いオープンソースのブログ構築プラットホームを名指しして、“フォーラムのためのWordPress”を作りたいと言っても言いすぎではない、と言った。資金はすでにFirst Round CapitalやGreylock Partners、SV Angelなどから調達したそうだ(Atwoodはその金額を公表しない)。
Discourseのソフトウェアは無料で誰もが入手できるが、ホスティングなどの企業向けサービスは有料化する予定だ。