検索エンジンとして世界最大のマーケットシェアを誇るGoogleだから、その年末恒例の“Year In Search”リストを時代精神のものさし、と呼んでもいいだろう。2015年には、バスケットボールの選手Lamar Odomと、パリのテロ事件、そしてアクションゲームAgar.ioが、もっとも頻繁に検索された語のトップスリーだった〔このページ〕。
なお、これらの語の検索頻度はGoogleの上のみだから、中国やロシア、日本、韓国など、Googleのシェアがそれほど圧倒的ではない国では、全体の動向を表していないかもしれない。〔日本。〕
2015年のGoogleでは、パリ(Paris)の検索頻度が8億9700万に達した。この都市は、1月に風刺紙Charlie Hebdoのオフィスが襲われ、11月にはコンサート会場Bataclanなど複数の場所が同時にやられた。
11月の犯行の直後には、Google上のパリに関する検索がこれまでで最高を記録した。フランスと全世界からのもっとも多い質問は“What happened in Paris?”(パリで何が起きたのか?)だった。フランス国内の人びとは安全と追悼行事に関心を示し、“Who were the terrorists?”(テロリストたちは何者か?)と問うとともに、“Pray for Paris”(パリのために祈る)で情報を求めた。パリの夜間外出禁止令についても、質問が殺到した。全世界でもっとも多かった質問は、1)なぜISISがパリをねらったのか、2)今パリへ旅行しても安全か、3)死者は何人か、だった。
そのほかの上位ニュースイベントは、10月にアメリカ中部を襲ったHurricane Patricia(ハリケーン・パトリシア)、テロ集団ISIS、地震後のNepal(ネパール)だ(4月に9000人が死亡)。
ポップカルチャーでは、”Star Wars”が12月14日の封切り前に1億5500万回以上検索された。しかし映画の題名でいちばん多かったのは”Jurassic World”だ。こちらに関して、Googleは質問の内容を分類〜公表していないが、ハイヒールを履いて逃げまくるヒロインがどうやって恐竜に食べられずに助かったか?という質問が、たぶんいちばん多かったのではないか。この“ハイヒール問題”は、いろんなところで議論になっている。
Google上でいちばん質問が殺到した“時の人”トップスリーは、上記Odomと、レスラーのRonda Rousey、そして4月にABC Newsの“20/20”で性転換を発表したCaitlyn Jennerだ。
共和党からの大統領候補として目下トップを走っているDonald Trumpは、マイノリティに関する一連の煽動的な発言で話題になっている(とくに、イスラム教徒を合衆国入国禁止にせよ、説)が、Googleの人物検索頻度では7位だ。彼の上にCharlie SheenやRuby Roseらがいる。