昨日(米国時間2/2)掲載されたWall Street Journalの記事は、リテイルの超大手Amazonが、400店もの書店チェーンを展開する、と報じている。その記者は関連する多様な話題にも触れ、書店の衰退を招いた企業が今さら書店を作ることを揶揄し、Amazonと競合する企業の株価の動向にまで話題を広げている。
しかし、一つだけ問題がある。実はその記事は、事実ではないのだ。
Amazonに近い筋の確かな情報によると、Amazonに書店のチェーンをひらく計画はない。WSJの記事は、Amazon Booksとは無関係な筋からの情報に基づく憶測だ、と。
しかし昨日以降、その燃え上がる憶測の火元となったSandeep Mathrani(ショッピングモールの運営会社General Growth PropertiesのCEO)が、自分の言葉の真意を明かした。そのCNBCの記事は、彼の見解はAmazonの計画を反映していない、と言っている。
しかしWSJの記事では、Mathrani氏は火曜日(米国時間2/2)に投資家たちを前にして、“Amazonは300から400の書店をオープンする”、と語っている。
Amazonの‘計画’に関する話が簡単に信じられてしまうのには、理由がある。同社は11月に、シアトルに実際に書店を開店した。それは、オンラインの存在であるAmazonと、オフラインのショッピング行動とを、橋渡ししようとするさまざまな新しい試みの一つだ。
Amazon Booksと名付けられたその書店は、5000から6000ぐらいの本を在庫として抱える実験店舗だ。本の種類は、オンライン書店の売れ行きに応じて頻繁に変わる。つまり、ふつうの一般の書店に比べて、有利な、きめ細かい、在庫調整ができる、というわけだ。
Amazonの新しい事業分野への進出は、ペースがとても遅い場合がある。‘書店’も、そのケースのひとつだろう。Recodeの記事によると、たしかに南部カリフォルニア一帯に書店を増やしていく計画はあるらしい。
でも、その後の展開がどうなるかは、あくまでも初期の成果次第だ。Amazonは、自分がキックオフしたトレンド(下図)の行く末に対して、どれぐらいの確信を持っているのか。
Amazonは、この記事へのコメントを断った。