最新の研究によると、4人に1人の子供が自宅でFarmVilleをプレイできないことに関して、われわれはあまり心配する必要がない。
「われわれの研究によると、パソコンの所有そのものが、低所得児童の短期的学業成績に大きく影響を与える可能性は極めて低い」と、Robert W. FairlieおよびJonathan Robinsonは、カリフォルニアで行われた大規模な無作為パソコン無料配付に関する研究について報告した。一面これは、パソコンを持たない子供たちの破滅の日予言が誇張であったことを示す良いニュースだ。しかし、パソコン無料配布は貧困による学業格差を解消する容易な方法の一つと考えられており、それが振り出しに戻ることになる。
「実験はパソコンの所有と利用時間には多大な影響を与えたが、学業成績、標準テストの得点、単位取得、出席状況、懲罰等、さまざまな教育成果に関する影響の証拠はみられなかった」と最新結果を説明した。これはインターネットのない子供たちが試験で著しく不利であるというこれまでの証拠に反する。
パソコンが利用できないために貧しい生徒が不利になるという(理にかなった)不安に基づき、カリフォルニア州では州中央部の15校に通う小6~高1生1123名にパソコンを無料提供した。重要なのは、統計に強い管理者が無作為に生徒の半数を対象に選んだことで、このためパソコンを受け取った子供が普通以上に高い意識を持っていたことを心配する必要はない。
懸念の通り、49%の子供たちがインターネットからファイルをダウンロードする方法も知らなかった。当然ながら、パソコンの利用時間が増えるにつれ、彼らが教育的とはいえないゲームに触れる時間も長くなった。「自宅にパソコンがあると、学校の勉強のためのパソコン利用時間が増えると同時に、ゲームやソーシャルネットワークその他のエンターテイメントに費やす時間も増えるので、両者は相殺されるかもしれない」と研究者らは推測する。
もちろん、パソコンは教育以外の効果ももたらす可能性がある。基礎的なコンピューター・リテラシーは知識経済に間違いなく役立つ。しかし本当の問題は、貧困な子供の多くが情報技術関連の職につく機会すら持てないことであり、貧富格差は広がる一方だ。SATスコアの格差は40%に拡大し、大学卒業に関しては1980年代以来50%に急増した。
これは、一番それらしい犯人の方がはあるかに問題であることを意味している・・・家族と環境だ。私は非行の恐れのある青少年を何年か教えたことがあり、大学を重視しない親たちがいかに熱心な子供たちの意欲を削いでいるかを目の当たりにした。私の家庭では、それが何であるかを知る以前から大学へ行くことを期待されていた。
同じ期待をされていない子供たちは大きな不利を強いられており、それを修復できるガジェットは存在しない。
[H/T: @markwarschauer]
[Image Credit: San Jose Library]
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(翻訳:Nob Takahashi)