シリコンバレーでエンドウマメからミルクを作るRipple、すでに全国販路を確保

ベイエリアは新しい文化や、世界の問題に対する新しい解決方法を育てる。それには、食べ物の問題も含まれる。たとえばシリコンバレーのRipple Foodsは、エンドウマメの蛋白質で酪農産業をディスラプトしようとしている。

ここ数年、同社のように、研究室や実験室から生まれて一般消費者市場をねらう、新しいタイプの食品企業が増えている。Memphis Meatsは、動物の細胞の細胞培養で肉を作っている。Impossible Foodsは植物原料のバーガーを作り、Clara Foodsは、鶏を使わずにイースト菌を使って卵白を作っている。

牛乳は体に良いと言われているが、しかし酪農は、排出する大量のメタンガスにより、地球温暖化の最大の犯人と呼ばれることもある。Rippleのファウンダーたちはこの問題を解決しようとして、エンドウマメという素朴な食べ物に目をつけた。

Ripple

Rippleの最初のノンミルクミルクはエンドウマメの蛋白質が原料だ。

牛乳に代わるミルク製品はすでにいろいろあるが、その多くが問題を抱えている。たとえば大豆の多くは遺伝子組換え作物であり、農薬を大量に使っている。アーモンドミルクは製造過程で大量の水資源を濫費するし、ココナッツミルクは過敏性腸症候群の人たちに合わない。

しかしエンドウマメは資源量が豊富でビタミンが多く、遺伝子組み換え品種がない。ビタミンとミネラルではとくに、ビタミンK、マンガン、食物繊維、ビタミンB1、銅、ビタミンC、リン、そして葉酸が豊富だ。

Rippleは、これまでのものよりも優れた、牛乳代替製品を作れた、と信じている。原料はエンドウマメだが、豆スープの味や食感はなくて、舌触りは完全にミルクだ。

Rippleは“完全菜食者向き”を謳い、ラクトースやナッツ、グルテンを使用していない。遺伝子組み換え作物を使わず、牛乳やナッツミルク、豆乳などに比べて製造過程における水の使用量は96%少ない。

同社はこれまで1360万ドルの資金を調達し、4月に最初の4種類のノンミルク製品を全国のWhole Foods店で発売した。それらは、オリジナル、オリジナル無糖、ヴァニラ、そしてチョコレートだ。

協同ファウンダーのNeil RenningerとAdam Lowryは共に、Rippleの前にも起業に成功した経験がある。LowryはMethod Soapの創業に加わり、そしてRenninger、再生可能化学製品の企業Amyrisの成長を助け、同社は2012年にIPOした。

私は同社のEmeryvilleの研究所でRenningerとLowryに取材し、同社のミルク代替製品を飲ませていただいた。

上のビデオには、私がRippleを飲んでいるシーンもある。ご覧になれば、同社をより詳しく理解できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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