オンライン食品デリバリー界の雄Just Eatが、イギリスのスタートアップFlypayへの投資を行った。Flypayは、チェーンレストランやパブが、用途に応じて使い分けている個々のシステムを統合するためのプラットフォームを運営している。350万ポンド規模となった今回のラウンドは、先日英メディアTimeOutがリードインベスターとなって700万ポンドを調達したラウンドAの延長とされている。
”戦略的提携”とも言われているJust Eatによる投資の結果、同社はFlypayが運営するFlytプラットフォームにおける、最新のパートナーテック企業となった。このプラットフォーム上では、予約やロイヤルティープログラムからデリバリーやレビュー管理まで、レストラン・パブ・バーが普段利用しているさまざまなシステムを統合することができる。
Flypayは当初、”ウェイターフリー”で会計ができるようなテーブル会計アプリの開発に注力しており、その後、オーダー・受け取りやテーブルでのオーダー、カウンターでの支払、ロイヤルティープログラムといった機能をそこに追加していった。
しかし、その頃から同社は、飲食業界で使われている個々のシステムと競合するのではなく、それらをまとめるようなプラットフォームを開発した方がサービスの価値が高まるのでは、と考えるようになった。
「私たちが新たに提供する、飲食店の運営会社向けのFlytプラットフォームを使えば、電子取引周りのシステム環境を大幅に簡素化できます。顧客やオーダーの管理を全て独自のアプリに統合することもできれば、私たちのプラットフォームを経由して、情報集積アプリやメッセージ・ボイスコマース、その他最新の技術を利用した他のプラットフォームへ各システムを接続することもできます」とFlypayのファウンダー兼CEO Tom Weaverは語る。
さらに彼は、「私たちの顧客は、さまざまな街に店舗を構えているカジュアルダイニングやパブブランドです。現在はWahaca・GBK・Jamie’s Italian・Fuller’s・Chilangoやその他多くのブランドにサービスを提供しており、最近イギリスでもっとも人気のレストランブランドとも契約を結んだところです。もう少しで情報が公開される予定で、その会社とは今までにないようなお店を作ろうとしています」と付け加える。
この点についてJust EatとFlypayは、今後ブランドを問わず全てのカジュアルダイニングの運営会社に対して”デジタルエクスペリエンス”を提供するために協業していくと話している。このコラボレーションを通して、Flypayはレストランやバーが既に持っているアプリに、Flyt経由でデリバリー機能を追加するサービスを開始予定だ。しかし、まだこれは始まりに過ぎない。
両社はさらに、実店舗での情報とJust Eatの顧客データーベースを紐付け、レストランやパブ、バーの運営会社が”デリバリーシステムを採用・有効活用”しやすくなるような施策を打ち出していく予定だ。
Just Eat CEOのDavid Buttressは声明の中で「Flypayへの投資によって、注文・支払・カスタマーサービス・デリバリー機能などを備えた、飲食サービス利用者のための、シームレスなシステムの開発を私たちは続けることができます。そうすれば、レストラン側はJust Eatを利用してデリバリサービスを提供できるようになりますし、カジュアルダイニングチェーンに対する私たちのサービスの訴求力も高まります。Flytプラットフォームは、カジュアルダイニング界のデジタルな部分を大きく変える力を秘めており、私たちはその可能性を信じています」と語った。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)