自動車などの産業IoT/M2Mソリューションを提供するアプトポッドが6.6億円の資金調達

IoTの普及はさまざまなモノやコトの計測・制御の手段と、大量のデータをもたらしている。特に自動運転技術をはじめとした開発・競争が進む自動車産業などでは、ファストデータと呼ばれる膨大かつ短周期な高精細データをいかに制するかが、これからの成長の鍵となると言えるだろう。

自動車産業をはじめとする産業向けに、ファストデータの高速収集/解析ソリューションを提供するアプトポッドは3月8日、総額6.6億円の第三者割当増資の実施を発表した。引受先はSBIインベストメント、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルの各社が運営する各ファンド、および未来創生ファンドだ。

アプトポッドは2006年12月設立のIoTソフトウェア/サービス企業で、これまでに自治体や省庁、国内大手自動車メーカーなどの研究開発部門を中心に、遠隔地データ計測やカーエレクトロニクス、車両通信制御などの分野へソリューションを提供してきた。そうした知見から、ファストデータを高速で収集し、解析やアプリケーションへのデータ活用を行うシステムを開発。自動車業界などの産業シーンを中心にソリューションを提供している。

アプトポッドでは現在、さまざまなセンサーなどから得られるファストデータをリアルタイムに伝送し、可視化・解析・処理することができるM2M/IoTフレームワーク「Visual M2M」と、モバイルインターネット経由でリアルタイムに双方向でのデータストリーミングを実現するファストデータPaaSフレームワーク「intdash」の2つを主軸サービスと位置づけ、開発・提供を行っている。

アプトポッドは、これら製品・サービスをコネクッテドカーへの応用に向けた複数メーカーの研究開発に提供するほか、スポーツ選手の練習時のデータレビュー用に実験的にシステムを提供。また国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受けて日産自動車と兼松が北米で実施する、電気自動車の行動範囲拡大実証事業にもVisual M2Mが提供されている。

今回の調達で、アプトポッドの資本準備金等を含む資本金総額は7.5億円超となる。調達によりアプトポッドでは、より大規模な実用化案件やグローバル展開への対応に備えた、人材採用の強化を行うとしている。また、Visual M2Mを自動車研究開発でのデータ解析に特化させた「Visual M2M for Automotive Professional」や、人や移動体などの動きをスマートフォンなどの加速度センサーから得たデータにより分析する「Visual M2M for Sports Analytics」など製品ラインアップの拡充と、新たな産業IoT実現に向けた研究開発にも注力するとしている。

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TechCrunch Japan

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