3月17日(米時間)、米海軍のバージニア級原子力潜水艦の15番艦 コロラドが就役しました。艦内にXboxのコントローラーを装備する初の潜水艦となります。
Xboxコントローラーがあるからといって、自由時間にゲームで遊ぶわけでも、ゲーム感覚で潜水艦を操縦するわけでもありません。潜望鏡の代わりとなるフォトニクスマストを操作するのに使用します。
従来の潜望鏡は1人しか見ることが出来ませんでしたが、先端にカメラが取り付けられたフォトニクスマストは、その映像をマルチスクリーンに映し出して大勢で見られるというもの。このフォトニクスマストの操作に、これまでは3万8000ドル(約403万円)する専用のジョイスティックを使っていましたが、コロラドではこれを約30ドル(約3000円)のXboxコントローラーに変更したわけです。
単純にコストダウンが出来ただけではなく、若い船員はコントローラーの操作にも慣れており、訓練に時間をかけなくてもすぐに使えるようになるとのこと。
ただ、コストダウンや使いやすさのためとはいえ、民生品のゲームコントローラーを使用するのは信頼性や耐久性などの面で問題も出てくるはず。しかし、この点についても、もちろん考えられています。
バージニア級原子力潜水艦は、もともとコスト削減のため民生品の転用を積極的に行っていく方針で設計されており、艦内の各部がモジュール化されています。こうすることで、壊れた箇所をすぐに交換でき、耐久性などで劣る民生品を使用するリスクを軽減しています。
潜水艦の耐用年数の間、Xboxのコントローラーが存在するかという点も気になりますが、このモジュール化により、実際には他のコントローラーも使用可能なものと考えられます。
なお、米海軍ではコロラドが初となりますが、米陸軍とボーイング社が開発中の車載用レーザー兵器 HEL-MD(高出力レーザー移動デモンストレーター)の操作にもXboxのコントローラーが用いられているようです。
Engadget 日本版からの転載。