数千個の小型衛星のネットワークで世界的ブロードバンド網を建設するSpaceXの計画にFCC〔連邦通信委員会〕が承認を与えた。しかもこの計画は(少なくとも宇宙計画の一般的スピードでいえば)近々実行に移されるはずだ。承認された計画によれば、SpaceXは向こう6年間に計画されている衛星の半数を打ち上げることになっている。
FCCのAjit Pai委員長が先月メモを発表して、アメリカ企業による世界初の衛星による地球規模のブロードバンド網を建設する計画の称賛したため、SpaceXの提案がFCCから承認されることは確実になっていた。無論この称賛にイーロン・マスクも異議を唱えていない。
SpaceXのCOO、Gwynne ShotwellはFCCの承認に関連してTechCrunchに次のようなコメントを寄せた。
われわれはSpaceXの衛星ブロードバンド計画をFCCが詳細に調査した上で承認したことを喜んでいる。きわめて複雑な計画であるため、今後なすべきことは数多いが、FCCの承認はSpaceXが次世代の衛星ネットワークを建設する上できわめて重要なステップだった。このサービスは経済的であり、信頼性が高く、重要な点として現在インターネットに接続する手段を持っていない人々を結びつけるために特に役立つものとなるだろう。
Starlinkと呼ばれるSpaceXの計画は、OneWeb、Spireなど他の衛星事業者から反対を受けていた。単に事業のライバルが増えるということ以外に、何千個もの衛星が軌道と電波の帯域を混雑させることに対する懸念だ。
たとえばOneWebは、SpaceXの衛星軌道は自社の衛星から高度にして125キロ以上離すべきだととしている。もちろん衛星間の干渉を防ぐ必要はあるが、それにしてもこれほどの距離が必要かどうかは疑わしい。
しかし軌道上に散らばるスペースデブリを極力減らすべきだという点はFCCによっても留意された。【略】SpaceXとしては計画を実行に移す前にさらに研究を続ける必要がある。
しかも問題は早急に解決する必要がある。FCCはSpaceXに対して「急がないなら承認を再検討する可能性もある」としている。FCCでは2024年3月29日までに計画している衛星の50%を打ち上げるよう求めている。【略】SpaceXでは最終的に1万2000基の衛星によるネットワークの構築を計画しているが、今回承認されたのは軌道高度が高い4425基の分だ。残りの衛星は高度と使用する周波数帯が異なるため別個の承認を必要とする。
なおFCCのRosenworcel委員は、委員長のものとは別の声明で宇宙の商業利用に関するFCCの諸規制を根本的に見直す必要があると述べている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)