アップルが日本国内でSearch Adsサービスを開始すると発表しました。Search AdsとはApp Store用の課金制検索広告プラットフォームで、アプリをユーザーに届けたい開発者がこれをうまく活用すれば、アプリを探すユーザーの目にとまりやすい場所にアプリの広告を表示できます。
ユーザーが手持ちのiPhoneやiPadに入れたいアプリを探すとき、だいたいの場合はApp Storeの検索欄にキーワードを入れて探します。このとき、Search Adsを使っていれば、ユーザーの検索ワードに応じて開発者は自分のアプリを優先的に上位に表示できます。
もちろんあくまで広告であるため、アプリの表示は通常のカードとは違って薄青色の背景色が付けられ、広告である旨のバッジも表示されます。それでも、ユーザーの興味を惹きつけるために最初に表示されるメリットは、開発者からすれば何にも代え難いはずです。
Search Adsは、2016年10月に米国で導入されました。2017年12月からはSearch Ads BasicおよびSearch Ads Advancedの2階建てになり英国、スイス、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドといった国々に提供範囲を拡大しています。今回は日本だけでなく、韓国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインで新たにSearch Adsの提供が開始され、合計13か国での展開となります。
日本では、7月26日午前8時にまずSearch Ads Advancedが、そして日本時間8月23日午前2時からはSearch Ads Basicが使えるようになります。
Search Ads Advancedでは開発者がアプリを検索してもらうためのキーワードを設定します。キーワードは検索マッチの結果を見て調整することもできます。さらに、ターゲットとなるユーザーの属性を新規、既存、類似アプリユーザーで指定したり、性別や年齢、地域などで細かく絞り込んだりと多様な設定が可能となります。また分析機能も充実しており、わかりやすいデータ表示で大規模なマーケティング戦略にも活用できる機能を備えます。
一方、Search Ads Basicは難しい設定操作を極力省きたい、どちらかと言えば小規模企業や個人開発者向けのサービス。広告を出したいアプリを指定して月額予算を入力すれば、あとはお任せでApp Storeにアプリ広告が表示されるようになります。管理機能もひと目で確認できる簡単なものが用意され、広告予算の変更や広告の一時停止などを自由に行えます。
もちろん、広告を出すには費用がかかります。しかし、せっかく作った渾身のアプリがなかなかApp Storeでユーザーに見てもらえないと悩む開発者にとっては、もしかするとSearch Adsは状況を一変させるツールになるかもしれません。
なお、広告費用の発生はAdvancedの場合はユーザーがその広告をタップした時のみ発生し、Basicではユーザがアプリを実際にインストールしたときに発生するとのこと。またユーザーの個人情報はAppleのプライバシー基準を遵守しており、広告主に開示したり、第三者に販売するようなことはないとのこと。
Engadget 日本版からの転載。