転職を考える人材と“企業のエース”を10分間ビデオチャットでつなぐ「OnePair」

「転職はうっすら考えてはいるが、具体的な行動に移せていない」。「欲しい人材はいるが、現場が求めている人材がなかなか見つからない」。このような人材採用の課題を解決しようとするサービスがあるので紹介したい。本日ベータ版をリリースしたばかりの、転職を考える若者とビジネスの現場で働くキーパーソンとを10分間のビデオチャットでつなげる「Onepair(ワンペア)」だ。

僕を含め、20代も中頃になると「転職」というワードをよく耳にするようになる。周りで転職する人たちが増え始め、自分もなんとなく考えてはいるけれど、日頃の忙しさにかまけて具体的な行動には移していないという人も多いだろう。Onepairはそんな人たちにピッタリなサービスかもしれない。

Onepairを利用するにはまず、アプリをダウンロードして自分の経歴やスキルなど簡単なプロフィールを入力する。すると、採用を行っている企業の方から直接アプローチが来るという仕組みだ。ここまではよくあるダイレクトリクルーティング系のサービスと変わらないのだけれど、Onepairが新しいのはここからだ。

10分間ビデオチャットでお互いを知る

まず、Onepairを通してマッチングする相手は企業の採用担当者(人事)ではなく、事業責任者などの現場で活躍する“エース”たちだ。企業のエースは、Onepairのアプリに毎日表示される5人の候補者のなかから気になる人をピックアップする。すると、ピックアップされた候補者のアプリには彼らを選んだエースの情報が表示される。候補者がそのアプローチにOKと答えれば、まずはマッチングが成立する。

マッチングが成立すると、候補者は企業のエースたちとアプリ上で10分間のビデオチャットを行うことができる。これはいわゆる”面接”ではなく、「まずは一旦話してみよう」というノリのものだと考えてほしい。このビデオチャットは10分間限定だ。時間が経てば強制的にシャットダウンされる。

現場で実際に働く企業のエースたちは、現場に必要な人材がどんな人物なのかを一番よく分かっている人たち。でも、人材採用は彼らの本業ではないので、なかなかそこに時間を割けないのも事実だ。だからこそOnepairは、スマホアプリで完結し、かつ短い時間で効率的に会話できるビデオチャットという仕組みを取り入れたというわけだ。ビデオチャットのスケジュール調整も数タップで完了するから、ビデオチャット以前のコミュニケーションにも時間がかからない。

候補者にとっても、企業のエースたちと直接話せることで、入社後の自分の“ロールモデル”となる人物を見つけることにもつながるだろう。また、ビデオチャットを行った候補者には1回につき3万円の“入社時ボーナス”が付与され、実際にOnepairを通して転職が決まったときにそのボーナスが支払われる(上限は30万円まで)。

この10分間ビデオチャットという仕組みは、「10分間あれば『この人とは一緒に働けない』などのネガティブなスクリーニングすることができる」という仮説のうえで成り立っている。実際のところ、採用面接が始まってからものの数分で「不採用」という結論にいたることは往々にしてあることだと思う。でも、だからといってすぐに面接を打ち切るわけにはいかず、結局ダラダラと予定の時間まで話してしまうという経験をした人もいるはずだ。

Onepair代表取締役の秋原諒氏は、「実際に候補者と会うことで時間が無駄になってしまうリスクを考えて、結局動かないという人も多いように思う。Onepairによって、『動いた方が得』という世界観が作れれば」と話す。

Onepairは企業側からマネタイズする。料金プランは未定だが、数万円程度の月額課金に加えて成果報酬を受け取るというかたちを予定している。Onepairは本日よりベータ版をリリースするが、現在までに10社への導入が決定した。

「ベータ版をリリースすることで、成果報酬の金額をいくらに設定するのかベストなのか、そして、はたして企業のエース側にもインセンティブを用意する必要があるのかなど、仮説検証をしていきたい」(秋原氏)

Onepair代表取締役の秋原諒氏

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TechCrunch Japan

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