子供たちにプログラミングを教えようとするオンラインリソースは数多く見つけることができる。ここで紹介するのは、そうしたものとはちょっと違って、言わば「昔ふう」に家族ゲーム(1980年代には、家族で遊ぶといえばボードゲームが多かった)を楽しみながら、プログラミングの基礎を身につけさせようとするものだ。名前はRobot Turtlesで、ゲームの作者は、アントレプレナーであり、かつGoogle ComparisonのCEOを務めるDan Shapiroだ。現在は日々の業務からは距離をおいていて、こうして自分の気に入ったプロジェクトに時間を割くことができるようだ。
プレイヤーは自分の駒(亀)を、何種類かの命令カードを使って動かす。この「命令」に従った動作を行わせることで、プログラミングの基礎を学ばせようとするわけだ。ゲームの観点からするボード上を動き回る目的は、迷路を抜けて宝石をゲットすることだ。しかし真の目的は、プログラムとは何なのかを感じさせることなのだ。たとえば命令カードの種類は限られていて、そのカードを使って思ったとおりに動かそうとすれば、各命令をうまく組み合わせる必要がある。動作の順序にも気を配る必要がある。また失敗に気づいた時には命令を組み替えるという動作を通じて、デバッグ能力も身につけさせようとする。これもまた、プログラミングにはなくてはならないスキルだ。
ゲームに慣れてくれば、一度に1枚の命令カードを使うのではなく、3枚のカードを適切に組み合わせて一回の指示とするといった使い方もできる。最終的には目的達成のための手順をすべてまとめて「プログラム」として提示するレベルまでいけば素晴らしい。もちろん(必ず発生する)バグを潰す練習も将来に向けて重要なものとなる。ゲームに慣れてくれば、「Function Frog」というカードを使えるようにする。このカードはプログラムにおける「関数」のように使い、あわせてなるべく少ないカード枚数で迷路を抜け出せるようにする。
「プログラミングというのは、子供に身につけさせてあげることのできる素晴らしい能力のひとつだと思うのです。将来的に経験するさまざまなイノベーションにも対応する力を身に付けることになるでしょう」とShapiroは言っている。Shapiroは、自身の4歳になる双子の子供にコーディングの楽しさを伝えようと、このゲームを発案したのだそうだ。
ところでShapiroは本プレジェクトをKickstarterプロジェクトとして登録した。そこでRobot Turtlesを世に出す資金を集めようとしたわけだ。資金はすぐに集まり、登録後わずか一日で、目標としていた2万5000ドルのほぼ倍額が集まることとなった。そこで彼は面白いことを言っている。「Kickstarterは本当に面白い仕組みだと思います。『プロジェクト』を外部の人々が支えてくれることというのは、これまでに経験したことのない体験でした。私は人生のほとんどを企業人として活動してきました。OntelaではVCから3000万ドルの資金を預かっていました。Sparkbuyは、最終的にGoogleによって買収されました。そうした中で私は、日々戦略やビジョン、今後の進むべき方法などに頭を悩まし続けてきたのでした。当時は世の中に出すべきものは『プロダクト』であり、『プロジェクト』は自らの力のみで実行すべきものでした」とのこと。
Robot Turtlesは3歳から8歳を対象とするもので、Kickstarterでの支援者は29ドルで入手できる。支援者に対する商品の発想は12月を予定している。すなわちホリデーにはゲームを楽しめるというわけだ。
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(翻訳:Maeda, H)