映像・写真機材の共有・売買サービスのShareGridが英国のBorrowFoxを買収

米国で映像・写真機材の共有と売買のマーケットプレイスを運営しているShareGrid(シェアグリッド)が、海外進出の一環として英国のBorrowFox(ボローフォックス)を買収した。

BorrowFoxは「ピア・ツー・ピア」のレンタルコミュニティを運営し、利用者は使っていない映像・写真機材を貸し出すことができる。ShareGridは、英国で2020年にサービスを開始する予定だという。英国ではFat Lamaなどと競合することになるだろう。

買収の条件は明らかにされていないが、ShareGridはBorrowFoxの資産をすべて取得する模様だ。両社は、買収の取引は現金か株式かその両方か、BorrowFoxの投資家は誰かを公表していない。ただし、BorrowFoxの創業者であるArthur Pierse(アーサー・ピアース)氏とAlastair Wood(アラステア・ウッド)氏はShareGridにはジョインしないそうだ。

米国のShareGridは、シネマカメラ、スチルカメラ、レンズ、オーディオ機材、ドローン、照明機材、ジンバル、アクセサリ類などのほか、スタジオやロケーション、車をユーザー間で貸し借りするサービスを提供している。

このサービスの背景には、クリエイターが一流の機材を安いレンタル費用で利用して、使っていない機材から収入を得られるようにしようという考えがある。ShareGridは売買のサービス、カスタムのプロダクションの見積、即時に利用できる保険も提供し、映画制作者、写真家、プロダクションのための「ワンストップショップ」として機能している。

買収により、ShareGridは両社のプラットフォームを合わせて今後10万人以上のユーザーにサービスを提供し、10億ドル(約1080億円)ぶんを超える映像・写真機材が使えるようになる見込みだという。買収が完了しShareGridが英国でサービスを開始すると、現在のBorrowFoxの会員はShareGridのアカウントに変更することが求められる。

ShareGridの共同創業者でCEOのMarius Ciocirlan(マリウス・シオシルラン)氏は声明の中で「ShareGridは、すべての映画制作者や写真家が、バックグラウンドや予算、場所に関係なく最先端の機材を手頃な費用で利用できるようにすることを目指している。BorrowFoxの買収は英国の市場に進出し、最初から同様のビジョンを持っていた企業の基盤の上にビジネスを構築できる素晴らしいチャンスだと考えている」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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