デベロッパーのセキュリティをサポートするSnykが約165億円調達

デベロッパーが開発を行う際のセキュリティをサポートするSnykが1月21日、1億5000万ドル(約165億円)の資金調達を発表した。この調達によりバリュエーションは10億ドル(約1100億円)超になったとほのめかした(正確な数字は明らかにしていない)。

本ラウンドはニューヨークの投資会社Stripesがリードし、Coatue、Tiger Global、BoldStart、Trend Forward、Amity、Salesforce Venturesが参加した。Snykの累計調達額は2億5000万ドル(約274億円)を超える。

Snykは開発プロセスでの安全性をしっかりと確保することに主眼を置いている。別のチームに安全確保を任せるとそれまでの開発スピードを緩めてしまうこともあるが、そうではなくコード委託の一環としてセキュリティを構築する。

同社はデベロッパーがGitHubやBitbucket、GitLabまたは他のCI/CDツールにコードを委託する際、オープンソースの脆弱性を見つけやすくするオープンソースツールを提供している。このアプローチを採用する40万人以上のデベロッパーのコミュニティがすでにできている。

Snykはコンテナセキュリティ製品で収益を上げている。オープンソース製品で使える脆弱性データベースの基礎となるものを商品として企業に提供している。

同社が企業向けの商品を展開しようとしていた2019年に取締役となったCEOのPeter McKay(ピーター・マッケイ)氏は、オープンソースプロダクトは売上につながる製品となり、今回のような投資を引きつけたと話す。「この投資ラウンドは、コミュニティからフリーミアムまでオープンソースモデルにおけるモメンタムだった。それがいま我々が置かれている状況だ」とTechCrunchに語った。

同社が自らこの投資を模索していたわけではなく、同社の成長の勢いを見た投資家側から良い提案があった、とマッケイ氏は話す。「投資家たちは『マーケットを生かしたい。あなたが思うように投資できるようにし、我々全員が非常に大きな好機だと信じているものを生かしたい』と語った」とマッケイ氏は述べた。

実際、Snykは2016年の300万ドル(約3億3000万円)のシードラウンド以来、かなりのスピードで資金を調達してきた。2018年にシリーズAで700万ドル(約7億7000万円)、シリーズBで2200万ドル(約24億円)を調達したのに続き、2019年秋にはシリーズCで7000万ドル(約77億円)を調達した。

同社は2019年の売上高は4倍となったとしている(正確な数字は非公表)。そしてGoogle、Intuit、Nordstrom、Salesforceといった大口顧客も獲得した。Salesforceが投資部門のSalesforce Venturesを通じて今回Snykに投資したことは注目に値する。

画像クレジット: laflor / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。