Juniper Networksは米国時間10月19日、スマートワイドエリアネットワーキングのスタートアップである128 Technologyを4億5000万ドル(約475億円)で買収したと発表した。
JuniperがAIを活用したネットワーキング企業を買収するのは、2019年3月にMist Systemsを4億500万ドル(約427億6000万円)で買収した(Juniper Networksリリース)のに続き、ここ1年半で2社目となる。128 Technologyの買収で、同社はより多くのAI SD-WAN技術を手に入れることになる。SD-WANとは、Software-Defined Wide Area Networkの略で、ソフトウェアによって仮想的なネットワークを作る技術、コンセプトで、定義された空間のネットワークではなく、サテライトオフィスのような広い地理的領域をカバーする。
今日の新しいシステムでは、単にソフトウェアで定義されたネットワーキングを行うのではなく、人工知能を使用してセッションやポリシーの詳細を必要に応じて自動化しているため、すべての状況に完全に適合するとは限らない静的なポリシーを扱うことができます。
買収を発表したブログ記事で、Juniperの執行副社長兼最高製品責任者のManoj Leelanivas(マノジ・レラニバス)氏は、レガシーな形態からAI駆動のモダンなネットワーキングへ移行しようとしている同社にとって128 Technologyは、Mistの買収と並んでポートフォリオに大きな柔軟性をもたらす、と述べている。
「128 Technologyの画期的なソフトウェアとJuniper SD-WAN、WANアシュアランス、Marvis Virtual Network Assistant(Mist AI駆動)を組み合わせることで、AI主導の完全なWAN運用への道筋が最も明確かつ迅速に見えてくる。カスタマイズ可能なサービスレベル(個々のユーザーまで)、シンプルなポリシーの実施、プロアクティブな異常検知、推奨される是正措置をともなう障害の隔離、自動運転のネットワーク運用、AI駆動のサポートなど、初期設定から継続的なAIOpsまできわめて多岐にわたる」とレラニバス氏はブログ記事で語っている。
Crunchbaseによると、128 Technologyは2014年に創業され、これまでに9600万ドル(約101億円)あまりを調達している。同社の最近のラウンドは3000万ドル(約31億7000万円)のシリーズDで、それは2019年9月にG20 VenturesとThe Perkins Fundのリードにより行われた。
4億5000万ドル(約475億円)の買収価額に加えてJuniperは128 Technologyに、オーナー企業の移行に際して既存社員の定着を図るために、ボーナスとしてつなぎ留め株式の発行を求めている。その株式をJuniperが正規に認めることも、買収の条件に含まれている。買収はJuniperの会計年度で第4四半期に完了し、規制当局の承認を待つことになる。