Bridgefyが抗議行動や災害時にエンド・ツー・エンドで暗号化メッセージをやりとりできるアプリを公開

BluetoothとWi-Fiを革新的に使ってオフラインでメッセージをやり取りするBridgefyは、管理体制の厳しい当局によってインターネットの利用が制限されている中でも世界中の多くの抗議行動参加者が連絡を取り続けられるアプリとして知られるようになった。

最近ではナイジェリアとタイの活動家が支援者に対してBridgefyをダウンロードするように推進し、2019年には香港の抗議行動参加者がこのアプリをダウンロードして、当局による携帯電話サービスやデータ接続の検閲に対抗した。Bridgefyによれば、ここ1年で200万ダウンロードに達したという。そして現地時間10月30日にはトルコとギリシャが大きな地震に見舞われ、それ以降にこれらの地域でアプリのダウンロード数が急速に増えている。

Bridgefyは活動家にとって重要な新機能であるエンド・ツー・エンドのメッセージの暗号化を搭載したメジャーアップデートを公開した。この新機能により利用者はデータ通信を利用できないときでも安全にメッセージを送受信できる。この機能にはWhatsAppやFacebook Messengerでも利用されている暗号化プロトコルのSignalが使われる。

2014年に創業者たちがメキシコシティの地震で連絡が取れなくなった問題を認識して、Bridgefyを始めた。2017年にはTechCrunch Disruptに登壇した(未訳記事)。モバイルアプリとしてスタートし、数年後には他のアプリがインターネット接続なしで動作できるようにするためのSDKを追加した。現在、BridgefyのSDKはユーザー数に基づく年間サブスクリプションモデルで企業にライセンスされ、40社以上の決済、メッセージング、ゲーム、ソーシャルメディア、出会い系、災害対応アプリと統合されている。技術的にはGoTennaやチャットアプリのFirechatなどが競合だが、Bridgefyは活動家たちの間で知名度を上げている。

Bridgefyは現在シードラウンドの調達中で、Twitter共同創業者のBiz Stone(ビズ・ストーン)氏、Alchemist Accelerator、GAN Venturesなどの投資家からすでに80万ドル(約8400万円)を調達した。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Bridgefy

画像クレジット:Bridgefy

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(翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

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