米不動産販売が急増する中、IPOを間近に住宅ローンのBetter.comのCTOにダイアン・ユー氏が就任

パンデミックの影響で経済の大部分が壊滅的な打撃を受けたかもしれないが、活発な動きを見せている分野の一つに住宅販売がある。リモートワークや通勤パターンの変化にけん引されて、住宅販売は昨年急増し、全米不動産協会(National Association of Realtors、NAR)は、完全に計算されたあとの総量は過去14年で最高になると予測している

それはBetter Mortgage(SEOのためと思われるが、一般的にBetter.comとしてブランド化されている)にとっては朗報だった。同社によると、現在、月当たり30億ドル(約3118億円)の住宅ローンを引き受けており、それはVCの関心の高さにつながっている。最近では、数週間前にL Cattertonが主導した2億ドル(約208億円)のラウンドで同社の評価額は40億ドル(約4156億円)となった。同社はまた、昨年3月にパンデミックが始まって以来、4000人以上の従業員を新たに雇用している。

その新規雇用の一人であるDiane Yu(ダイアン・ユー)氏は、エンジニアリングと技術戦略をリードするCTOとして同社に加わる。彼女は、ComcastのAdvanced Advertising GroupでCTOとしてエンジニアリング部門を指揮した経験を持ち、広告ネットワークの分野で豊富な経験を持っている。彼女がComcast(コムキャスト)に入社したのは、彼女が以前に共同設立した、広告管理と最適化のためのツールを設計したFreeWheelと呼ばれるスタートアップ を、ケーブルTVとメディアのコングロマリットであるComcastが買収したことがきっかけだった。それ以前は、DoubleClickで10年近くエンジニアリングのリーダーとして働いていたという。

彼女の幹部採用は、昨年10月にCFOとして入社したKevin Ryan(ケビン・ライアン)氏の採用に続くものだ。ライアン氏は元モルガン・スタンレーの投資銀行家で、近年台頭してきた多くのネオ・モーゲージ・レンダーの1つであるRocket MortgageのIPOを主導した人物である。

これらの採用はすべて、数ヶ月前から憶測され、ライアン氏の採用後に噂が激化したIPOに向けての準備のためと思われる。住宅販売がピークに達し、引受業務が急速に成長している中、経営陣も肉付けされたBetterは、ついに公開市場で輝かしいデビューを飾ろうとしているのだろう。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:不動産テック

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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