クラウドコンサル企業に的を絞った約236億円のVCファンドTerceraがローンチ

クラウド中心の世界への移行が進むにつれ、すべてがより簡単になるはずだった。しかし、実際には多くの可動部分があり、企業はすべてがスムーズに機能するためのサポートを必要としている。そのためには、統合、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境の管理、必要な場所へのデータの取り込みといったタスクでクライアントを支援するために、特定のスキルを持った人材が必要となる。

米国時間1月28日に立ち上げられた新しいベンチャーキャピタルのTerceraは、ヘルパーやコンサルタントとして機能する企業に投資することで、この問題を解決しようとしている。ベンチャーキャピタルが主にソフトウェアとハードウェアに傾倒しがちな世界では、これは一線を画す投資哲学といえる。

Tercera社の創業者兼CEOであるChris Barbin(クリス・バービン)氏は、この件についてはかなり詳しい。彼は2006年に設立されたコンサルティング会社Appirio創業者の1人だった。彼の前の会社は、Salesforce、Google(グーグル)、Workday、AWS(アマゾン ウェブ サービス)などの新しいツールを企業が利用できるように支援を行う会社を設立するというビジョンと先見の明を持っていた。Crunchbaseのデータによると、Appirioは1億1700万ドル(約123億円)以上の資金調達を行った後、2016年にWiproに5億ドル(約524億円)で買収された

バービン氏は現在、複雑さの度合いは増すばかりであり、すべてを噛み合わせるためには、彼が言うところの「人の力」に対するニーズが高まると予測している。「ここ数年、専門サービスを基盤とした企業への投資活動が盛んに行われていますが、この種のビジネスに特化した投資会社はこれまでありませんでした」とバービン氏は説明する。

同社のリサーチ段階で、創業者らはSalesforce、Twilio、Snowflake、DataDog、Cloudflareなどの主要なプラットフォーム企業を特定し、このような企業をサポートするコンサルティング会社は7500から1万社あると見積もっている。「同社の目標は、これらの新興の(プラットフォームの)ためのパワーハウスのような企業を立ち上げる支援をすること、あるいはそれらの(SaaSプラットフォームの)コレクションを実際にツールキットに入れている企業1、2社を支援することです」と同氏は述べた。

同社は目下、収益が500万ドル(約5億2000万円)から2000万ドル(約20億9000万円)で、それを数億ドル規模に成長させることを目指している既存企業をターゲットにしており、1ベットあたり500万ドル(約5億2000万円)から2000万ドル(約20億9000万円)の資本金を投入していくという。

同社はまだスタートしたばかりだが、2021年の半ばまでには8人体制になる予定だ。バービン氏は少なくとも1件の投資がすでに進行中であることを示唆したが、まだ詳細を公表できる段階ではなかった。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Tercera

画像クレジット:alvarez / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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