「Office」を使うのであれば、クラウド対応サブスクリプション制の「Microsoft 365」(旧Office 365)を購入してほしいというのが、Microsoft(マイクロソフト)の本音だろう。しかし、同社が約束しているように、当面の間、スタンドアローンで使える永続ライセンス版のOfficeは、引き続き提供されるようだ。しばらく前に発表された「Office 2019」には、標準的なOfficeツール一式が含まれているが、サポート期限が設定されており、定期的な機能アップデートやサブスクリプション版に付属するクラウドベースのツールの恩恵は受けることができない。
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Microsoftは米国時間2月18日、いわゆる買い切り版Officeの新バージョンとして「Microsoft Office LTSC(Long Term Servicing Channel)」と呼ばれる製品を発表した。2021年4月には商用プレビューとして提供が開始される予定で、Mac版とWindows版、32ビット版と64ビット版がリリースされるという。
以前のバージョンが発売された時と同様、Microsoftが本当に望んでいるのは、ユーザーがすでにクラウド版に移行していることであるのは明らかだ。しかし、誰もがクラウドに接続できる環境で使えるわけではないこともわかっているため、このバージョンは一度支払えば、その後は(または互換性のあるハードウェアを持っている限り)使いたい限り使い続けられる永続ライセンスを備えた「特殊なシナリオのための特殊な製品」と同社では呼んでいる。その「シナリオ」には、Microsoftが同意しているように、何年も機能アップデートを受けることができない規制対象のデバイスや、製造現場のプロセス制御デバイス、あるいは単にインターネットに接続できないデバイスなどが含まれる。
「私たちは、Office LTSCを使用するほとんどのお客様が、組織全体ではなく、特定のシナリオでのみ使われることを想定しています」と、Microsoft 365担当執行役員であるJared Spataro(ジャレド・スパタロ)氏は、同日の発表で書いている。
特殊な製品であるためMicrosoftはOffice Professional Plus、Office Standard、および個別のOfficeアプリの価格も最大10%値上げする予定だ。
「将来的に仕事を促進するためには、クラウドの力が必要です」とスパタロ氏は述べている。「クラウドは私たちが投資を行い、イノベーションを起こし、お客様が組織内のすべての人に力を与えることを支援するソリューションを我々が発見する場所であり、私たち全員が順応していく仕事をするための新しい世界でもあります。しかし、時間が止まったシナリオの中にあるお客様に対応する必要があることも我々は認識しています。今回のアップデートは、お客様がこの必要性に対応することを支援するという当社のコミットメントを反映しています」。
このような特殊なユースケースにある人は、価格の上昇を気にすることもないだろうし、Microsoftが将来的に、この長期チャネル版で他の製品のリリースも約束していると聞けばうれしく思うだろう。
今回の新バージョンの目玉としては、ダークモードのサポート、ExcelにDynamic ArraysやXLOOKUPなどの新機能が導入されることが含まれると、スパタロ氏は述べている。もう1つの変更点は、Skype for Businessではなく、Microsoft Teamsのアプリが出荷時に同梱されるということだ(とはいえ、必要ならSkype for Businessをダウンロードすることも依然として可能だ)。
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画像クレジット:Billy H.C. Kwok / Bloomberg / Getty Images
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)