LPOに興味はあるのですが、時間はなかなかとれない、上司を説得することは難しいなどの理由でLPOに踏み切れないという話を時々耳にします。そのよう な時には小スケールでのLPO施策をおすすめします。 小スケールのテストですと、企画・セットアップの時間・負担を抑えることができ、比較的に短期間でLPOのテストを実施することが出来ます。
「小さなLPO施策」では、ページ内の一つか二つのエリアに絞って企画をします。例えば、ヘッドラインだけのテスト、商品写真だけのテスト、アクションボタンだけのテスト。商品/サービスのUSPを表現するヘッドラインのテストが最初のテストとしては有意義だと思います。コンバージョンの改善を目指すだけではなく、どのUSPがコンバージョンに繋がるかはマーケティング全体には大きな参考となります。
どのように商品/サービスのヘッドラインをテストする? 一つの例で説明します:
自動車メーカーTは、高級車Lについての資料請求数を増やしたいと思っています。
ところが、高級車Lには様々なアピールポイント(訴求)がありまして、どの訴求が一番多くのコンバージョン(資料請求数)をもたらすかは簡単には言えないのです。
自動車メーカTのマーケティング担当は「日本CAR OF THE YEAR受賞」という訴求が一番効果的なのではと考えています。 ただし、それはあくまでも一つの「仮説」にすぎません。要するに「日本CAR OF THE YEAR受賞」という訴求が一番効果的であるかという100%の保証はありません。その「仮説」が正しいであるかどうかは、LPOツールによるテストで分かるようになります。 今回の車の例でいくつかのアピールポイント(訴求)が考えられます。
テスト要素
① 評価の訴求: 「日本CAR OF THE YEAR受賞」
② 価格の訴求:「327万円~。この値段で次世代の車」
③ 顧客満足度の訴求:「ユーザーの97%が満足」
④ 低燃費の訴求:「30km/l! 高級車でありながら驚きの低燃費!」
⑤ 環境配慮の訴求:「環境にやさしい、あなたに優しい」
上記の5つの訴求を1ヵ月ほどテストします。1ヵ月間のトラフィックは10,000人です。
テストの結果: (例)
① 評価の訴求: 「日本CAR OF THE YEAR受賞」 CV率:2% ⇒ コンバージョン数:200件
② 価格の訴求:「327万円~。この値段で次世代の車」 CV率:1.8% ⇒ コンバージョン数:180件
③ 顧客満足度の訴求:「ユーザーの97%が満足」 CV率:2.3% ⇒ コンバージョン数: 230件
④ 低燃費の訴求:「30km/l! 驚きの低燃費!」 CV率:2.7% ⇒ コンバージョン数: 270件
⑤ 環境配慮の訴求:「環境にやさしい、あなたに優しい」 CV率:1.7% ⇒ コンバージョン数: 170件
今回の例で上記④の低燃費の訴求がコンバージョン率の向上に一番貢献しているという意外な結果が出た場合、 即座にWEBに「低燃費」の訴求を採用します。もちろん、WEB意外の宣伝媒体にも、訴求④の活用は考えられます。
ページ内の複数のエリアを同時にテストした方はより大きなコンバージョン改善は期待できますが、一つのエリアをテストすることでコンバージョン率が上がる可能性は十分にあります。さらに、一つのエリアに絞ることでコンバージョン改善の因果関係が非常に分かりやすくなっています。テストするのはひとつのエリアだけですから。
時間に余裕のない企業様、LPO経験の浅い企業様、LPOの効果に関して半信半疑というような企業様には是非、「小さなテスト」をおすすめいたします。