BtoB企業のWebサイトでお客様インタビューや導入事例は最も重要なコンテンツの一つです。
会社情報ページ、価格ページなどの次に閲覧されやすく、コンバージョンに至るユーザはほぼ必ず事例コンテンツに訪れています。
しかし、重要性は認識されているにも関わらず、意外と話が前に進みにくいのも事例コンテンツの特徴。
そこで今回は、営業企画・マーケティング部門の方が社内で事例コンテンツを作成できるようにお客様インタビューのやり方をご紹介します!
お客様インタビューとは
実際に製品・サービスを導入してくれたお客様にインタビューを行い、自社を選んだ理由や導入後の効果を語ってもらいます。
自分たちの口から製品・サービスの良さを語るのではなく、第三者の意見としてお客様の声を届けた方がメッセージの信憑性は高まります。
また、マーケティングコンテンツとしての効果だけでなく、お客様インタビューを行う過程でお客様の抱える意外な課題やニーズを知れたり、選ばれた理由が自社が想定してものと全く違った、など製品・サービスの改善に役立つ発見があることも少なくありません。
インタビューコンテンツ作成までの7つのSTEP
STEP1:インタビュー先を選定する
まずはどの会社にインタビューを依頼するかを決めます。
ここでのポイントは、自社のターゲットに訴求できる企業を選ぶことです。ユーザは「この事例は自分たちにも当てはまるか?」という視点で事例ページを見ています。インタビューをお願いしやすい会社や誰もが知っている有名な会社を選ぶのではなく、業種・規模・担当部署などでセグメントして、ユーザが「この事例はまさに自分たちにも当てはまる!」と感じるような会社を選定しましょう。
また、先方の社内ルールで事例公開ができないこともあるので、候補は多めにピックアップしておくと安心です。
STEP2:インタビュワーを決める
インタビュー許可をもらったら、当日のインタビュワーや同席するメンバーを決めます。
一般的には、営業企画・マーケティング部門のメンバーがインタビュワーを務め、営業担当者が同席するパターンと外部ライターがインタビュワーを務め、営業担当者が同席するパターンのいずれかになると思います。
STEP3:インタビューの事前準備をする
「取材は準備で9割決まる」と言われていますが、お客様インタビューでも事前の準備は大切です。
インタビュワーは営業担当者にプロジェクト内容をヒアリングするだけでなく、インタビュー先のコーポレートサイトを読み込むなどして、当日の流れをイメージしておきしましょう。
お客様インタビューを読んだユーザが、「課題を感じてから導入して、効果を実感するまでの一連のプロセスを擬似体験できる」ようなインタビューが理想的です。
以下はBtoB企業のお客様インタビューでよく使われる質問項目です。
- 導入の背景(いつ、どんなきっかけで)
- 他社ではなく、自社を選んだ理由
- 導入後の効果(定量面と定性面)
- 今後、自社に期待すること
また、魅力的な事例コンテンツに仕上げるために「こういうことを言って欲しい!」というフレーズがあると思います。お客様にそのフレーズを語ってもらうには、どのような質問が必要なのかは別途考えておきましょう。
質問内容と流れが決まったら、事前に先方にアジェンダを送ります。
相手も事前に考えることができるため、当日のインタビューをスムーズに進めることができます。
その際に先方の参加メンバーを確認しておくと、当日に慌てることが少なくなります。
STEP4:インタビュー本番
いよいよインタビュー本番。インタビューの冒頭に大まかな流れを説明すると同時に、
- インタビューコンテンツを使用する場所や公開スケジュール
- インタビュー原稿は公開前に確認・修正いただけること
- インタビュー中に写真撮影すること
- インタビュー内容は録音させてもらうこと
などの注意事項を伝えるようにします。
インタビュー自体はアジェンダ通りに進めれば問題ないと思いますが、写真は多めに撮っておきましょう。インタビューが終わったら、受付のロゴの前などで写真撮影をして終了です。
STEP5:インタビュー後
インタビューが終わったら、記憶が鮮明なうちにインタビューの文字起こしや写真選定を済ませてしまうと効率的です。
先方社内で確認・校閲がしやすいWordファイルにまとめて送付し、OKが出たらWebサイトに載せるためにページ作成に移ります。
STEP6:インタビューページの作成
ページを作成したら先方に最終報告をして、お客様インタビューコンテンツが完成です。
この時、2つ目以降のお客様インタビューページを想定して、ページ構成をフォーマット化しておくと良いでしょう。ガイアックスでは7つの要素を含んだフォーマットを基本に、お客様インタビューページを作成しています。
また、事例ページの数が増えてきた場合、ユーザが自分に当てはまる事例を探しやすい事例一覧ページにしておくと親切です。
※参考サイト
・お客様導入事例|テレビ会議・Web会議のクラウドサービス – ブイキューブ
・シックス・アパート製品 導入事例 (Blog on Business) | Six Apart
STEP7:お客様インタビューが定期的にあがってくる仕組みを作る
ターゲットへの訴求を考えると、業種、規模、抱える課題ごとにそれに対応した事例が用意されているのが理想的です。
また、インタビューコンテンツは活用用途が広いため、一つ作っただけで終わらないよう、継続的にお客様インタビューが行われる仕組みを作りましょう。
具体的には以下のような工夫を行います。
- 製品の設置完了やプロジェクト終了時にインタビュー打診をすることを業務フローに組み込む
- お客様インタビュー経由のお問い合わせ数を営業部門に報告して、インタビューを打診するモチベーションを高める
- Webサイトの運用定例時に、新たにインタビューをお願いできる企業がないか確認する
STEP8:お客様インタビューを様々な場所で活用する
せっかく手間をかけて作ったインタビューコンテンツ。Webサイトでお客様インタビューページとして公開するだけで終わらせず、様々な用途・場所で有効活用していきましょう。
- インタビューを動画にする
※参考サイト:バーバリーの事例 – CRM Salesforce.com - ブログ記事にする
※参考サイト:お客様の声:アーロン·バーマン、はてな | ブログ | ゲンゴ - インタビュー集にまとめてダウロードコンテンツにする
※参考サイト:Blog on Business(製品導入事例集)無料ダウンロード – Six Apart - 紙にして、展示会やセミナーで配布する
- 営業資料、提案資料の中で使う
- インタビューを受けてくれたお客様にセミナーのスピーカーをお願いする
※参考サイト:2011年8月9日(火)セミナー・人事交流会レポート : 内定者・若手人材の育成研修SNS – エアリーフレッシャーズ
最後に
ここまでお客様インタビューを社内で実施するためのSTEPを書いてきましたが、外部のライターや事例制作を請け負うWeb制作会社に依頼することも可能です。
外注することの最大のメリットは、インタビューやコンテンツ作成時に第三者の視点を入れられること。業務で深く関わっているとどうしても発想しにくい質問や視点が出てくるので、自分たちの仕事や製品を客観視する機会になります。
社内リソースや予算との兼ね合いで、柔軟に使い分けると良いでしょう。