コンテンツSEOの意味と戦略・そして達成目標


コンテンツSEO

この言葉がめちゃくちゃ流行っている。
でもこれほど不明瞭な言葉も珍しい。

Web2.0という言葉がその昔流行したが、その解釈は人それぞれ違っており、本来の意味から離れて単に

「新しいインターネットのあり方」

といったような意味で用いられていたように思う。

「コンテンツSEO」という言葉もこれに似ている。

これまで被リンク一辺倒だったSEO業者がこの言葉を盛んに使っているのを見聞きするたび、これってどうなんだよ?
って思うのである。
まあ、リンクでは思うように順位が上がらなくなってきたから、

「しょうがない、コンテンツでも売るかぁ」

というのが流行の理由だと私は思っているのである。

そもそも論で言うなればコンテンツSEOというものは当たり前なのである。

コンテンツなくしてWebサイトは存在しない。
コンテンツとはWebサイトそのものだ。
Webサイトの価値を機械的に計測して順位計算するのが検索エンジンである。
言い換えれば、コンテンツの価値を計算するのが順位計算と言える。

そうなので、コンテンツSEOというのは余りにも当然すぎるほど当然だ。
SEO業者が、

「当社はコンテンツSEOを提供します。」

というのは、飲食店が、

「うちの店では食べるものを提供します。」

というのとほぼ同義である。
しかしながら、今までのSEO業者はこれを提供してこなかった。

コンテンツを良くすることなく、順位だけを上げるといった手法は本来のあるべき対応ではない。

空腹を満たすことを目的として飲食店に入って、

「このサプリメントを飲むとたちどころに空腹を忘れます。食事に比べたらずっと安いですよ。」

って言われるようなものだ。
まあ、確かに空腹であるという状態を解消するのであるから、目的は達成しているものの根本が違う。
本来のお客が求めているものとかい離があるのだ。

人工リンクによるSEOのサービスはこれに似ている。

確かに検索経由での集客を増やすことができるので、目標は達成できているのだが、手段が根本的にずれているのである。

お客もこれが常識になってしまっていて、食事をするのではなくサプリメントを飲むのが当たり前だと思っているのが現状であろう。
普通に食事を提供しようとすると、「時間かかりすぎだし、高えよ」って文句を言われるというのが今の状況かと。


本来SEOというものはコンテンツの価値を高める、あるいはコンテンツを正しく認識させることで、検索経由での集客力を増やすことを指す。
人工リンクはSEOではない。

コンテンツSEOというのは、ごくごく普通のSEOに過ぎないのだ。

それをことさらに強調するというのは、

「うちの食堂ではサプリメントじゃなくって食べ物を提供しますよ。」

ということを強調されているぐらいの違和感がある。
まあ、今までのSEO業者は飲食店で言えば食べ物を提供してこなかったし、提供する技術もなかったのだから「まし」になったとは言えよう。
あくまで「ましになった」あるいは普通になったということである。

では、そのコンテンツSEOとは何か?

である。

コンテンツとはWebサイトそのものだ。
コンテンツを作ってSEOするというのは、それだけでは何も語っていないに等しい。

「Webサイトを良くする取り組みをしますよ。」

というあまりにも曖昧模糊とした言葉である。
Web2.0という言葉が、人によって解釈が様々に分かれたように、コンテンツSEOという言葉も人によって解釈が異なる。

「コンテンツを作ることでSEOすることでしょ?解釈ずれないよ。」

と言われるかもしれない。
でも大違いなのだ。

コンテンツを作るのは

誰に対して何を作るのか?

という根本が問われなければならない。
多くの人はまだコンテンツを被リンクの代わりだとして捉えている。

無理な外部施策で上がらなくなったから、コンテンツを作ろうというのであればそれは人工リンクと変わらない。
これはスパムであり、いわゆるコンテンツミルってやつだ。

人間のためにコンテンツを作るのが前提だ。

その上で、どんな人に対して読ませたいものを作るのか?

  • その商品なりサービスなりを今、欲している人に対して訴求する。
    これはコンテンツではなくセリングと言うべきなのかも知れない。
  • 潜在的ニーズを掘り起こす。
    このような商品を買おうという気がなかった人に対して、気付きを与えるようなページを作ること。これもコンテンツではなくセリングに分類されるだろう。
    これらはSEOを考慮しなくても、コンバージョンを取るためにやるべきである。
  • 知りたいというニーズに応えるページを作る。
    これがいわゆるコンテンツによるSEOというものだ。
    今すぐ客ではなくても、いずれ顧客となりうる可能性がある人を集めるという考え方だ。
    結果としてコンバージョンとして刈り取るのは、リマーケティング広告、ブックマークなどによる再訪問といった経路である可能性が高い。
    直接はコンバージョンを生むことは少ないだろう。
    直接的な成果のみを追うのであれば、コンテンツSEOに取り組むと失望することになろう。
  • リンクを得ること。
    これもコンテンツSEOと言える。
    ソーシャルメディアを一緒に運用することがほぼ必須である。継続すれば大きくバズを取れる言うなればホームラン的記事をたまに書けることもある。

    ソーシャルメディアで交流を続けることで、単なる文字情報を超えた人と人とのつながりを作ることができ、その心のつながりはコンテンツを介してリンクとして結実する。
    コンテンツの中身もさることながら、この人が書いているからといった状況に意味があるといった状況だ。

    私が書いたら別にどうってことのないことでも、辻氏が書いたら、

    「うーん、すごいわ」

    て思われるかも知れない。
    まあ、そういったことも含めてコンテンツを作っていくことだ。

    このレベルは通常はSEO業者には無理である。

    たかぽん氏の記事「3年後に生き残るアフィリサイトを考えてみた①」が詳しくとても良記事だったので、是非ご覧いただきたい。

何を狙っていくのか?
それが曖昧模糊とした状態でコンテンツSEOという言葉でわかったような気になるからうまくいかないのだ。

それは、何の戦略もないWebサイトを作るとうまくいかないということとほぼ同義である。