Web&モバイルマーケティングEXPO2014春という東京ビックサイトの展示会があり、SEO業者も何社かブースを出しておりそれなりにまあまあ面白かった。
(リンクを張りたいのだが2014年のページとして適切なページがないので張らない。もう少し考えてほしいものである。もったいない)
被リンク一辺倒という業者はなく、ホワイトハットを謳い文句にした(実際は違うのかもしれないが)SEOサービスにシフトした感があった。
リンクでは飯が食いにくくなったことは私も色々なSEO業者から聞いており、
「いやぁ、最近は本当に上がりにくくなりましたよね・・・」
といった営業担当者の嘆きを聞いたりすることもある。
(どことは言いませんけどね)
今でも被リンクで上がることが多いのも事実であるが、ペナルティでガツンと下がるリスクを考えたら割が合わない。
私は色々なサイトの被リンクを分析したりしているが、ペナルティを食らったサイトを見ていると心配になることがある。
発リンクがある同じページから大量のリンクがあり、それ以外の様々なWebサイトへのリンクが張られている。
結構名前の知られている大手企業や、Webサイトを見ていると良心的な商売をしているような会社も多々ある。
それらの順位を調べていると必ずしもペナルティを受けているとは限らない。
ペナルティを受けてないことが多いのだが、ペナルティ予備軍であると言って差支えない。
コップに1滴ずつ水を垂らしていって、いつあふれるか?
あふれたらアウトだという状況に似ていて、これらのサイトは明日にもペナルティを食らう可能性がある。
実際にはペナルティを食らっていても気が付いていないのかもしれない。
いつも見ているサイトはGoogleでは検索結果上位に表示される(パーソナライズ検索)の働きがあるので、実際は順位が下がっていても気が付いていないのだけかもである。
心当たりがあったら一度確認されることをお勧めする。
さて、やっと本題。
である。
- 完全成果報酬による被リンク販売
これまでの主流であった完全成果報酬による被リンクを売っているSEO業者は恐らくはまだあると思う。
完全にSEOスパムを除去することはその頃の検索エンジンにはできていないと私は予想しているのだ。
しかし、検索順位が上がって成果報酬がもらえる確率が下がる、言い換えれば歩留りが下がってビジネスが難しくなる。今と比較して高価なサービスになるだろう。
歩留りが下がったら一つ当たりの単価を上げるしかないからだ。
また、進歩したアルゴリズムに対応するためには、被リンクの質を良くしなくてはならないので、これもまたコストの上昇につながる。価格帯的にアフィリエイターや中小企業が使えるサービスではなくなるし、かといってブランディングを重視する大企業は使わないだろう。
ごく一部の高収益キーワードで売り逃げするようなWebサイトで使うか、旬の短い商品のための特設サイトを上げるためといったニッチな用途になってくると思う。 - 固定報酬制の被リンク販売
成果報酬ではなく月額固定、あるいは初回1回のみといった被リンクサービスである。現在もこのようなサービスを提供してるSEO業者が多いが、こっちのほうがまだ完全成果報酬よりはビジネスとして残りやすいと思う。
ペナルティを食らうほどの無茶な張り方ではなく、チョロチョロ張ることで順位はガツンとは上がらないが、「ほら、上がったでしょ」
みたいな有用性の説明をする。
80位が40位になりましたみたいな感じである。あるいは、単独のページではなく多数の下層ページに数本ずつリンクを付けていくといった、サイト全体の底上げといったリンク商品が生まれてくると思う。
どのキーワードで上がるとも言い切れないので固定報酬制にならざるを得ないし、手間のかかるサービスになりそうなので比較的高額な商品になりそうだ。 - 内部改善のコンサルティング
これで食うのは難しいだろう。
5年後のGoogleはかなり精度が改善していると想像している。
クローラービリティが悪くても、論理的にコーディングができていなくても、ページのテーマをそれなりに適切に認識して、相応の順位に近い順位を返すことがかなり多くなっているはずだ。よっぽど規模の大きいサイトや、ほんの数パーセントの検索トラフィックの増減が大きな金額の増減につながるようなサイトでもなければ、このようなコンサルティングを頼む意味はなくなっている気がする。
- コンテンツ制作業者
本来検索順位は上げるものではなくて、しかるべき順位まで上がるものである。
そのしかるべき順位とは、コンテンツの量・質に他ならない。制作業者としてのコンテンツの企画力・制作力・デザイン力といった総合力を高めてコンテンツ力でしのぎを削る時代になるのではないか?と思うのだ。
こうなると、既にSEO業者とは言えないだろうが、これが本来あるべきSEOの姿と言えるかもしれない。 - 自社で運営するメディアで食う
本当にSEOができるならば、自社でメディアを運営したほうが儲かる。
何故ならば、SEO業者に支払うクライアントは、支払った金額の何倍も何十倍もそこから利益を得ているからだ。自社でメディアをもってSEOの力で食う。という方向へのシフトをどのSEO業者も模索していると思う。
そのためには企画力や、資金力が必要だったりするので簡単ではない。でも、これが成功すれば報酬としてもらえる金額の何倍も何十倍も稼げるのでこれもSEO業者の進む先としては大本命かも知れない。 - 異業種に転換する
SEOの経験や技術が役に立つ業種と言えばWebの制作会社ぐらいしか思いつかないが、この業種は超が付くほどのレッドオーシャンである。
クラウドソーシングといった発注形態も増えており価格の下降圧力は激しさを増している。正直、Webの制作会社に転換して生き残れるとは思えない。むしろ全く違う業種に転換してしまったほうが生き残れるのかもしれない。
- 廃業する
これが実際は多いのではないか?
前述の全てに失敗したり、資金力がなかったりした場合はこうなる。大手は自社メディアの運営やSEO以外の事業の売上比率を増やして生き残り、中小のSEO業者は淡々と廃業していき5年後にはほとんど残っていないのではないか?
そんな気がしているのである。
どんな業種であってもずっと安泰ということは基本的にはあり得ない。
SEOをやっている担当者は考えなければならないことがあると思う。
SEOというスキルに意味がなくなってしまったらどうなってしまうのか?
5年後を考えたときにどうするべきか?
遠いようで近い将来の話である。