新年早々初めてのブログのテーマは
である。
こんなことを書いているのも、私自身がSEOそのもの対して興味があまりなくなってきていたりするせいもあるかもしれない。
SEOって結局のところビジネスの目的を達成するための一手法にしか過ぎない。
ビジネスを高い地点から俯瞰して、目的に到達する方法を色々考えることの方が楽しいと思えるようになってきたからだろう。
大切なことはビジネスの目的を達成することで、その方法の選択は各自に委ねられている。
SEOは目的を達成するための重要な選択肢ではあるが唯一無二ではない。
手っ取り早くコンバージョンを取りたいならLP+リスティングがいいし、露出を増やしたいならSEOだけでなくいかにして口コミを巻き起こすか?に知恵を絞った方がいいかもしれない。
そもそも、SEO以前に集客できたとしてもコンバージョン絶対しないだろうってサイトもあり、集客以前にボトルネックを解消しなくてはならない。
私が最近見た事例では、テレビCMなどに大量に販促予算を使っているにも関わらず、問い合わせフォームの入力が難しすぎた会社がある。
問い合わせフォームを改善しただけで、数ヶ月分のコンバージョンをわずか1週間で稼いでしまったということもある。
まずはSEOに取り組む前に、自分のサイトは何のためにSEOをするのか?
今のサイトは集客してコンバージョンする見込みがあるのか?をよく考えるべきだろう。
さて、今回は私なりにSEO以前に考えるべきことをまとめてみた。
これらをサイトの企画の時点、リニューアルの時点、SEOを行う前に考えて欲しいのである。どちらかというと戦略寄りの話しである。
実はここが最も重要だ。
いくら露出しても、誰のためにもならないサービスも存在する。
サイトの企画そのものがどう考えても失敗ってケースが多い。
ネットでそれを買いたい、その情報を知りたい人がいるのか?
そんな対象者が存在しないというケースが多い。
私はかつて様々なネット系のサービスの立ち上げに参画したり、その手のベンチャー企業に対しての投資の適格性を判断したりしてきた。
最初はその手のサービスを見聞きすると、心がときめいたりしたものだが、そのうちだんだんうんざりするようになったものだ。
「これはニーズがある。だからやりたい。だから出資して下さい。」
いい加減聞き飽きたわ。って感じである。
「じゃああなたはそれを自分の財布から金を出して買いたいと思う?」
って聞くと、
「いや、私は思いませんが、これを買う人はいるはずです。」
最もその商品なりサービスを知っているはずの人すら買わないものを、見ず知らずの誰が買うものですか?
である。
自分の生活と無関係のBtoB系のサービスだったとしたら、そのサービスを利用する対象者に聞いてみて、
「それ、あったら今すぐ買うわ」
って誰か答えただろうか?
ネットでは面と向かって説明するよりもはるかにメッセージは伝わらない。
面と向かって説明しても買うっていう人がいないサービスに利用価値は全くないのだ。
これは全く新しいサービスだけに限らない。
今まで世の中に普通にある商品やサービスについてもあてはまる。
なんの特徴もないティッシュペーパーを、値段も普通だったら誰が買うか?
と、考えてみればわかる。
こんな例だったらすぐ判断できるのに、いざ自分が普段売っているものだったりすると、思い込みがあるせいで、
「ネットでも売れるに違いない」
と思いがちである。
自分だったら買うか?を考えたほうがよい。
ティッシュペーパーであってもとても値段が安いとか、使い終わった箱を集めると何か面白いものが作れるといった「何か」価値があれば、ネットで売る意味が出てくる。
そして重要なこと、サイト内に、
「何か」
がきちんとアピールできているか?
が重要なのだ。
これがアピールできていないサイトにはほとんど会社パンフレット以上の意味はない。
あれもできます、これもできます、あれ売ってます、これ売ってます・・・
って書いてあるだけのサイトから何かを買ったり、問い合わせをすることはまずない。
このサイトでなくてはならない理由、それがきちんとアピールできているか?
「アピールすることがない」
と思っている人も多いかもしれない。
ならば、あなたの会社で売っているものはネットの世界において競争力が全くないのである。
独自のサービスを付け加える、今まで誰も考えなかった、ネットの中では好まれる、
といった「何か」が必要である。
抽象論を書いていてもしかたがないので、一つだけ例を挙げておこうと思う。
釣り船の一俊丸はまれに見る成功例だろう。
専門職だと考えられてきた釣り船の船頭さんを、サービス業に転換して大成功した例だ。
釣り船といった昔からあり、かつネットとの親和性が低そうな業種であっても工夫次第ではやれるということだ。
一つ考重要なことがある。
思い切りである。
この釣り船の例だが、禁煙にするといった変革を行ったそうだ。
それによって今までの固定客は全く来なくなったらしい。
今までの成功事例を頭の中から消し去る勇気が必要である。できないのであれば、ネットで商売するのは無理かもしれない。
下請けの工場に対して、
「5%コストダウンしろ、しないと別の会社から買うぞ」
と命じると、それまで散々コストダウンを行ってきた工場だともうコストダウンの余地がなく、ギブアップせざるを得ないことがある。
これとは逆に、
「30%コストダウンしろ、しないと別の会社から買うぞ」
と命じられると、30%のコストダウンは今までのやり方の延長上では不可能なので、根本からやり方を最高せざるを得ない。
やり方を根本から見なおすことで達成できたりする。
こんな無茶な要求の善悪はともかく、このような発想の転換が必要なのである。
1.2.がきちんとできているサイトであれば、サイトに集客することができれば、多分コンバージョンが得られるであろう。
しかし、阻害要因があれば話は別である。
記事の冒頭で述べたように問い合わせフォームが駄目だったりというのは論外なのだが、そんなケースも多い。
しかし、そんな論外を除いて重要なことは個人情報を預けるにふさわしい信頼感を感じられるか?
そこが重要だ。
信頼感の欠如は重大な阻害要因である。
サイトの作りが素人っぽい場合であっても信頼感のある作りというものはある。
「そのサイトを運営している人が信用できると思えるか?」
である。
例えば旅館のご主人が一生懸命作ってますって感じのサイトであれば、デザインが素人臭くてもさほど問題にならない可能性が高い。
2.がきちんとアピールできていて、それを欲する人がサイトに来訪したのであればコンバージョンするであろう。
有名な会社以外は、運営者の人となりであったり、会社が確かに運営されていることを最低限示さねばならない。
ここに3つの考慮事項をまとめてみたが、この3つは最低限である。しかし、最低限すら満たしていないサイトが実に多い。
まずは、新年にこの観点から自サイトを見なおしてみるというのはいかがだろうか?