SEOを行うために最低限必要なインフラは、
自社でWebサイトのページの更新ができるようにすること。
これだけだ。
今であれば、WordPressなどのCMSを導入すればそれで終わりだ。それだけで準備は完了である。
これだけなら外部へ払う費用は限りなく少なくて済む。
しかし、これだけではスタート地点に立っただけである。
Webサイトは作るだけではなく、手をかけていく必要がある。
作物みたいなものだ。
苗を植えてそのままにしておいてもまず収穫は期待できない。
丹念に育てることによって豊饒な実りを迎えることができる。
Webサイトを育てるということもこれと一緒。
水や肥料を与えることで作物は成長するが、Webサイトは、
のである。
単にコンテンツがありさえすればいいのではない。
良いコンテンツが必要なのだ。
よくありがちなのは、Webサイト内に社長ブログなどを置いて更新しているというケース。
最初はその業界のことについて書いているのだが、ネタ切れしたり面倒になったりして、どうでもいい日常の話題ばかりになってしまう場合が多い。
SEOの目的とは、自社のコンテンツの内容を必要としている人を、検索エンジンを介して自社サイトに集客することだ。
品質の低いコンテンツでは、必要とされる要求を満たせないし、そもそもWebサイトに集客することもできない。
とりあえず義務だからというだけで日々更新しているというのであれば、やめてしまったほうがいい。
ビジネスになんら寄与しないので、時間の無駄である。
こう考えてほしいのだ。
もし、そう思える内容であれば、その記事には価値がある。
とは言え、セミナーなどで発表するなど思いもよらない人も多いだろう。
また、PRしたい内容がセミナーを開くことにそぐわない場合もある。
なので、別の表現をしてみることにする。
インターネットにはどうでもいい情報があふれている。
何か物事を発見した人、体験した人が記した情報を、言い回しを変えて記した2次情報が氾濫しており、それをまとめたりさらに加工しただけの3次情報はおびただしい量が存在する。
2次情報や3次情報しかないWebサイトが多い。
何かを知りたくて、ページを読んだときに2次情報を見た場合は、1次情報が記されたページを見たくなる。
2次情報が記されたページは、参考にするかもしれないが多くは忘れられる。
1次情報のあるページをほとんどのユーザーは探し求める。
1次情報を見つけ出し、ユーザーはその内容を深く心にしまい込む。
人々が貴重な時間や、場合によっては会費を払ってセミナーにやってくるのは何故だろう?
成功事例などを実際体験した人から直接話を聞きたいからだ。
1次情報を持っているからそこ金も時間も費やす価値を認める。
インターネットが大きく普及し、誰でも情報にアクセスできるようになり、再編集して発信できるようになった。
それゆえに1次情報の価値は逆に上がっている。
インターネットが普及する前は、1次情報を持っている人しか情報を発信していなかった。
しかし、今は誰でも発信できるゆえに、真の情報の価値が大きく高まっている。
だから、
のである。
1次情報を発信しないのであれば、素人と同じレベルってことだ。
今では素人であっても再編集してある程度書けるので、誰も書いていない内容を書かねばならない。
そのためには、
そのビジネスを熟知している人がコンテンツを作らねばならない。
のだ。
それは会社の社長や、製品を設計している人や、顧客のサポート担当・・・、といった直接ビジネスに関連する人でなければならない。
Web担当者が持っている情報は、それらの人から聞いた2次情報でしかないケースが多い。
それでは人の心に刻み込まれるコンテンツを作ることはできない。
あくまでWebの担当者はサポートができるだけであって、当事者がコンテンツを作らねばならない。
当事者は多忙である。
これらの人にコンテンツを作らせることは、本業の時間を大きく圧迫する。
場合によっては会社の利益を減らすこともあり得るし、そうでなくてもコンテンツ作成に投入すべき人件費は決して少なくない。
SEOは外部へ支払うコストは非常に少ないものの、これに取り組むことは大きな投資であると言っていいだろう。
私の書いているブログであるが、この程度の記事であっても毎回3時間程度はかかっている。
もし、毎日更新ということであれば、1ヶ月に70時間ぐらいはかかる計算だ。
0.5人分ぐらいの人件費であり、しかも計算のベースはパートや一般社員ではなく、ビジネスの中核をなす人材の人件費を想定する必要がある。
SEOで大きく集客を狙うということは、効果が出るまでこの程度の投資を行い続けることである。
技術的な面における難しさはほとんどないものの、非常に難しく、コストが高いといえるのだ。