SEOコンサルタントの出自と特徴・誰に依頼すべきか


最近は似たような記事ばかり書いている気もするのだが(単にネタ切れって噂もある)、またしょうこりもなくこんなネタで書いてみるのである。

今回のお題は、

SEOコンサルタントの出自と特徴・誰に依頼すべきか

である。
役に立つかどうかは微妙だが、結構個人的には面白いテーマだという気がしている。
まあ興味があればご覧くださいなのだ。

でははじめよう。

1.SEO業者に新卒で入社してコンサルタントになった人

推測なのだが、SEOコンサルタントと名乗っている(名刺に印刷している)人の中ではこのような出自が多いと思う。
この出自の人は実にスキル・経験がピンキリだ。
なんちゃってコンサルタントもたくさん存在する。

SEO業という業種は参入障壁が非常に低く、誰でもリンクを購入すれば始めることができる。
他のSEO業者からリンクを買ってもいいし、代理店をやってもいい。
社内にSEOのスキルがある人が誰もいなくてもできる仕事だ。

「今までテレアポでコピー機を売ってましたけど、どうにもきついのでSEOを売ることにしました」

みたいななんちゃってSEO業者もある。
こういった会社も含め営業戦略上、「SEOコンサルタント」と名刺に肩書を入れた方が売りやすくなると判断すれば、その日からSEOコンサルタントになる。
新卒の頃からSEOコンサルタントの名刺を持って営業している人もいる。

まあ、新卒の頃からSEO業者にいるコンサルタントにも力のある人もいるのだが、私の知っている限りではそれほど多い感じがしない。それはなぜかというと、

「SEOは知識は教えられても、感覚は教えられない」

からだと思うのだ。
しかるべき書籍を読めば知識としては身につくのだが、なかなかSEOの感覚そのものは教えることが難しく人を育成しにくいわけである。これはSEO業者の共通の悩みではないか?

さて、SEO業者のコンサルタントに依頼するのであれば、どう判断すればいいのだろうか?
まず第一に見分けるべきは、そのSEO業者が自社内で施策をしているかどうかである。
これを見分けるのは難しいが、

  • SEOのブログやソーシャルメディアを運営している
  • SEOの担当者がtwitterなどで他のSEO人たちと盛んに交流している
  • 展示会などにSEOを主商材として自社で出展している
  • 担当者と話をした場で様々なサイトのSEO分析などをさせてみて、納得感のある説明をわかりやすくしてくれた

といった見分け方はできると思う。
特に、「SEOの担当者がtwitterなどで他のSEO人たちと盛んに交流している」このあたりはごまかしが効かないので、判別の方法として有用だろう。

代理店ではなく自社でやっていることがわかれば、一番手堅いのはそのSEO業者の創業メンバーのコンサルタントに依頼するのがベターだ。
新卒で入社した社員でも経験を積んでスキルのある人はいるが、なんちゃってコンサルタントをつかまされる可能性も高いので、そんな可能性があると考えておいていいだろう。

SEO業者に新卒で入社してコンサルタントになった人に頼んでもいいかなと自分が思うのは、SEO業者の総合力をあてにしたい場合である。
複数人のコンサルタントが社内にいて、いつでも相談できるって環境にあり、担当のコンサルタントが人間的に信頼できるのであれば悪くはない。
更に言えばSEOだけではなく、ソーシャルの運用や、リスティング、Web制作の専門家などもそろっていれば申し分ない。

2.中途で入社してコンサルタントになった人

この出自のコンサルタントは1と同じかあるいはそれより多いかもしれない。
これまたピンキリであるが、更に分けてみようと思う。

1)前職では営業をやってました

といった経歴は意外に多い。
営業に限らずITには無関係の仕事をやっていたというケースだ。
この種の人もピンキリだが、天才的なSEOエンジニアなんかはこのような出自が多い。

これは仮説なのだが、私なんかはGoogleというものをある種の人格としてとらえている。

「あいつだったらこんな時、こんなこと言いそうだよな。」

人格の理解によって、こんなことを知人について予測できるようになる。
この予測ができる能力がSEOの感覚なのではないか?
って私は思っている。

「Googleの考え方からすると、こうするとよきにはからってくれるのではないか?」

みたいな感覚があり、理論や実験などで補強され強固なSEOの芯を持っているような人である。
こういう人は業界で有名だったり、SEO会社の中でも中核的な位置を占めていることが多いと感じている。

スキルがあるのかどうかを見抜くのは難しいのは一緒だが、いろいろ評判を聞いてみれば情報が得られる可能性もある。
ソーシャルメディアのアカウントを持っているか聞いてみて、その人の発言だけでなく、交流している様を眺めればよくわかるかもしれない。
私としては結構お勧めであるが、口だけうまいのかもしれないので注意である。

2)以前はWeb制作をやってました

このパターンの人も少ないが存在する。
SEOとデザインは時には相反する要素となることがあるが、このような出自の人はうまく折り合いをつけてくれる可能性がある。

SEOしかやったことがない、あるいはアフィリエイター出身の場合だとブランドイメージを損なうようなゴリゴリのSEOをやってしまう場合がある。
ブランディングを重視しなくてはならないSEOの案件などにおいては、Web制作の経験があるSEOコンサルタントに頼むのがベターであると思う。

3)以前はSEでした

IT関連の職種であり、一見近そうな職種に見えながらもシステムエンジニア出身のSEOコンサルタントは少ない。
私の知人にもSEは非常に多いが、どうもシステムエンジニアリングという仕事と、SEって仕事は意外に遠いように感じる。
SEにSEOのことを説明しても、理屈は分かってくれても納得してもらえないケースが多い。
SEOは定量的に説明できない部分が大きく、どちらかというと文系分野の仕事に属するように感じる。

「じゃあ、それをやったらどんだけ上がるの?」

なんて説明しようがない。

「上がるかどうかわからないんだったら、開発工数なんか割けないよ」

っていうのがごく普通のSEの発想である。
たまにSE出身のSEO人はいるが、インハウス担当者だったりしてあまり表に出てこない。
まあ、私があまり知らないだけなのかもしれないのだが、こういう出自のSEOコンサルタントに出会うことは少ないだろう。

データベースと連携する大規模なサイトのSEOの案件であれば、このようなコンサルタントに担当してもらえればラッキーだがそれを求めるのは難しそうだ。

3.以前はアフィリエイターだった

このケースは比較的多い。
アフィリエイター出身のSEOコンサルタントはとにかく腕力があるのが特徴である。
実戦で鍛えているので、実践に即したSEOの施策を提案してくれるはずだ。
SEO業者に新卒で入社してずっとコンサルタントをやっている人がお公家さんだとしたら、アフィリエイター出身者は野武士のようなもので、ある意味対極をなすような存在である。

また、なんちゃってコンサルタントはまったくといっていいほどいないのもこの出自の人の特徴だ。

たいていブラックハットの施策にも詳しいため、何としても短期に収益化しなくてはならないような案件の場合にお願いするのもよいだろう。
誰よりもブラックハットの手法に詳しく、その上でホワイトハットやるといったコンサルタントもいるのだが、まさしく最強だと思う。

この出自のコンサルタントに依頼をするのはよい選択だが、ブランドイメージを大切にしなければいけない場合、ペナルティを受けてはいけないような場合には注意である。
ビジネスの目的をよく理解して、その上でやってくれるのであればとてもいいが、アフィリエイトサイトと同じようなやり方でSEOされるとまずいことになる可能性が高い。

あともう一つは、アフィリエイトをやっていて稼げなくなった、あるいは疲れたのでコンサルタントに転身したって人もいる。
このような人に頼むと失敗する可能性がある。むしろ何も仕事をしないコンサルタントの方がましかもしれない。


こうやってつらつらと書き連ねてきたが、なかなかにSEOコンサルタント選びは難しいということが改めてわかったような気がしてきた次第である。

SEOコンサルタントが信頼できるか 初心者でもできるチェック8項目

この記事を以前書いたので、合わせて参考にしていただきたい。
かなりなんちゃってSEOコンサルタントに頼む危険性を減らすことができるはずだ。

Webデザイナーの稲垣氏SEO情報の受け取り方と個人的見解(制作向け)という記事を昨日書いており、こちらも合わせてご覧いただけたらと思う。
稲垣氏はWebデザイナーであるが、SEOについての理解はかなりのレベルであり、そんじょそこらのなんちゃってSEOコンサルタントの及ぶところではないと思う。