オンライン完結型ファクタリングサービス「クラウドファクタリング」を提供するOLTAは9月15日、MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険との業務提携契約を締結したことを明らかにした。
今回の提携により、あいおいニッセイ同和損保の取引信用保険に加入している全国の中小事業者が、クラウドファクタリングを利用することでより手軽に素早く運転資金を調達できるようになる。
OLTAでは、約20万社の法人データに基づくAIスコアリングモデルを開発。このモデルを基にオンライン完結型のファクタリングサービス提供しており、最短24時間での現金化を実現している。提供開始から約2年で申込総額は200億円を突破しているとのこと。今後は、全国の金融機関やSaaS企業などと幅広く連携していく予定だ。
ファクタリングとは、売掛債権を買い取ってその債権の回収を行う金融サービスのこと。OLTAでは利用者・利用企業から請求書を買い取って、まずは請求金額を利用者・利用企業に全額振り込む。その後、利用者・利用企業は取引先から支払われた実際の売掛金の全額と2〜9%の手数料をOLTAに支払う(弁済)するという流れだ。なお、ノンリコース(償還請求権なし)のため、売掛先が万が一倒産した場合は自社の負債にはならない。
利用者・利用企業は通常は2カ月以上かかる売掛金の入金を待たずに手元に現金を確保できるほか、取引先にファクタリングを利用していることを知られることはない。なお手数料の利率については、請求先の信用情報に加え、利用者の利用実績やOLTAに提出した財務情報などに基づき都度判定しているとのこと。同社では長期利用者に向けた優遇コースを準備中で、詳細は不明だがクラスが上がることで手数料などが優遇されるようだ。
あいおいニッセイ同和損害保険としては、新型コロナウイルスの流行により、売掛債権の回収不能を補償する取引信用保険のニーズが高まっていることが背景にある。また流行の長期化によって事業活動の資金繰りが厳しくなってきているという中小企業を支援する目的で、クラウドファクタリングを取引信用保険契約者向け付帯サービスとして利用することなった。取引信用保険とは、商品の買主が売主(保険契約者)に対して支払うべき代金(売掛債権)が、買主の倒産などによって支払われない場合に、保険契約者が被る損害を補償する保険のことだ。