勤怠管理や経費精算、カレンダーなどの機能を一箇所に集約した業務管理プラットフォームの「TeamSpirit」。同サービスを提供するチームスピリットが7月19日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は8月22日だ。
有価証券報告書によると同社の平成28年8月期(第20期)における売上高は5億4027万円、経常損失が1億3853万円、当期純損失が1億3893万円、平成29年8月期(第21期)における売上高は7億7296万円、経常損失が9666万円、当期純損失が9736万円だ。
なお平成30年5月期(第22期第3四半期)までの各数値については売上高が8億8626万円、経常利益が7215万円、当期純利益が4914万円となっている。
株式の保有比率については、代表取締役の荻島浩司氏が36.35%を保有する筆頭株主。ついでDraper Nexus Technology Partners2号投資事業有限責任組合が13.58%、salesforce.comが12.64%と続く。
チームスピリットは有限会社デジタルコーストとして1996年11月に設立し、2008年4月に株式会社へ組織変更。現在の主力サービスであるTeamSpiritは2012年4月のスタートで、同年9月に商号をチームスピリットに変えた。
同社がDraper Nexus Venture Partnersやsalesforce、日本ベンチャーキャピタルから4億円を調達した2015年にTechCrunchでも紹介しているが、TeamSpiritは簡単に言えば従業員が日々利用するシステムを一つにまとめたプラットフォームだ。
具体的には勤怠管理、就業管理、経費精算、工数管理、電子稟議、SNS、カレンダーといった機能を備え、従来は複数のツールをまたいで入力していた作業を効率化。各従業員の働き方に関するデータがリアルタイムに蓄積されていくので、業務の削減だけでなく「トップパフォーマーの時間の使い方などを分析し、SNSでのコーチングに役立てる」なんてこともできる。
特に近年は働き方改革の実現に向けて生産性の向上を目指す企業も多く、そのためのサポートツールとしてのニーズも増えてきた。ビジネスモデルはユーザー数(ライセンス数)に応じたサブスクリプション型。2018年5月末時点で同サービスの契約社数は932社、契約ライセンス数は12万9944人となっている。
今後は同サービスの海外展開のほか、蓄積されたデータを活用した人的リスクの予兆管理や社内の業務改善、組織・人材の活性化など「AI×ビッグデータ」の新サービスも検討しているようだ。