米国時間2月19日にGoogleは、デザートをテーマにした公式リリースの日々を終え、Android 11のデベロッパープレビューを発表した。プレビューは現在Google自身のPixel端末のシステムイメージとして提供されており、Pixel 2以上で利用可能だ。
今のところ、このアップデートをネットワーク経由でインストールする方法はない。通常それは開発の後期段階になってから提供される。こうした早期リリースはそもそも一般ユーザーのためではない。デベロッパーがオペレーティングシステムの最新機能を早くテストできるようにすることが目的だ。
「Android 11では、ユーザーが最新イノベーションを利用できるようにすると同時に、プライバシーとセキュリティーを最優先にし続けることに集中している」とGoogleのエンジニアリング担当VPであるDave Burke(デイブ・バーク)氏は説明した。「機密性の高いデータやファイルのアクセスを管理するための新機能を複数追加し、OSの回復力と安全を高めるためにプラットフォームの重要部分を強化した。Android 11は折りたたみ端末や5G向けの拡張、迷惑電話API、新しいメディアおよびカメラ機能、機械学習などさまざまな新機能をデベロッパーに提供する」。
これまでのGoogleの早期プレビューと異なり、Android 11の初バージョンはかなり多くの新機能が盛り込まれている。バーク氏が言っていたように、5Gが必須とする帯域推測APIや、接続が定額制かどうかをチェックしてアプリが高解像度ビデオを再生できるかどうかを決められる機能も入っている。
GoogleはAndroid 11で、Project Mainlineのアップデート可能モジュールも10個から22個へと増やした。これでGoogleは、デバイスメーカーがOSをフルアップデートすることに頼ることなく、オペレーティングシステムの重要部分をアップデートできるようになる。ユーザーは、Google Play経由で普通にアップデートをインストールするだけでいい。
Android 11が端末の縁までカバーした「ウォーターフォールスクリーン」を標準でサポートし、新しいAPIを使って縁の近くの操作をデベロッパーが利用できるようになることをユーザーは喜ぶだろう。
ほかには、デベロッパーが会話的操作を扱えるようになる。例えば、通知画面に専用の会話セクションを付けたり、チャットバブルのAPI、通知画面から返信するときに画像を挿入する機能などだ。
当然ながら、Googleはプライバシーとセキュリティーの新機能もAndroid 11に追加する。機密性の高いデータのためのワンタイム許可や外部ストレージのデータをOSが扱う方法の変更などで、後者は昨年プレビューされていた。
セキュリティーに関してGoogleは、通常の新リリースにある強化に加えて、生体認証サポートを拡張し、精度のレベルを追加した。
小さな改善はほかにもたくさんある。その中には機械学習アプリの実行を便利にするための機能がいくつかあるが、Googleは、IT部門が強化されたワークプロフィールを使って企業端末を管理するための新機能がAndroid 11に追加された点を強調していた。
このAndroid 11初のデベロッパープレビューは、以前のリリースのときよりも約1カ月早く公開されたので、GoogleはこのOSを正式リリースするまでに少し時間の余裕がある。現在のリリーススケジュール では、デベロッパープレビューを毎月4月まで提供し、その後3回のベータの後2020年Q3に最終リリースが出る予定だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )