職場や家庭において、パスワードの共有は普通に行われていることだが、それを安全に行うのは難しい。1Password(ワンパスワード)は、この問題を解決するために、アカウントを持っていない人とも安全な方法でログイン情報を共有できる新機能の提供を発表した。これは、Password Secure Sharing Tool(パスワード安全共有ツール)を略して「Psst!」と呼ばれるもので、ユーザーから最も要望の多かった機能の1つだという。
同社の調査によると、多くの企業で従業員による認証情報の再利用が行われているという。そのうち約36%の人が、電子メール、チャットアプリ、スプレッドシート、文書、テキストなどの安全でない方法を介して、他の従業員や顧客とログイン情報を共有していることを認めている。また別の調査では、ほとんどの家庭では家族の間でパスワードを共有しており、その場合もパスワードを書き留めたり、メッセージで送信するなど、安全ではない方法で伝えていることが明らかになったという。
Psst!は、1Passwordのアカウントを持っていない人でもアクセスできる情報のリンクを生成することで、誰とでも認証情報を共有することができる。リンクの有効期間は、1時間から30日の間で選択でき、その後は自動的に期限切れとなる。また、リンクを知っている人全員と認証情報を共有するか、特定の人のみと共有するかを選択することもできる。後者を選択した場合、このサービスでは、アクセスを許可する前に、受信者のメールアドレスを使って本人確認が行われる。
この新機能とともに、1Passwordでは獲得した企業顧客が10万社を超え、従業員数が500名に増えたことも発表された。1PasswordのJeff Shiner(ジェフ・シャイナー)CEOは、声明の中で次のように述べている。
パスワードやその他の認証情報を社外や家族で共有できるようにすることは、最も要望の多かった機能の1つです。1Passwordのお客様だけでなく、すべての人がオンラインで安全に過ごせるようにするために、本日Psst!を発表することができ、私は大変うれしく思います。当社の企業顧客が10万社を超えたことは、企業がパスワードやその他の機密情報をオンラインで保護する必要性を理解していることを明確に示しています。
編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したMariella Moonは、Engadgetの編集委員。
画像クレジット:1Password
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(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)