入札価格より高いクリック単価が課金される場合のチェック項目

『えーーーー、50円で入札してたつもりなのに、1クリック100円で課金されてるんですけどぉぉぉぉ!』

入札価格より高いクリック単価が課金される

特にエンハンストキャンペーンが導入されて以来、こんな質問をよく受けるようになりました。

もちろん何らかのシステムエラーが生じている可能性もゼロではないと思いますが、その大半が人的なミスによる場合がほとんどです。

今回は、入札価格より高いクリック単価が課金される場合に、どこをチェックして対応すれば良いのかということを紹介したいと思います。

※ 以下、前提として『クリック単価を手動で設定する』を使用している(拡張CPCによる単価が高くなるケースも除外)ことを条件とします。

キーワード単位での入札価格の変更

まずは基本的なところですが、キーワード単位でも入札価格を設定してないかをチェック。(通常はグループ単位)

キーワード単位での入札価格の変更

特に、キーワード一覧から First Page Bid の見積 があったので、そこでキーワードの単価を編集してしまって、そのまま忘れてしまうケースが多いようです。

スマホの単価調整比

次も分かりやすいところですが、スマホの単価調整比をチェック。『引き下げ率』と『引き上げ率』の選択間違いは注意が必要。

スマホの単価調整比率

あとは、エンハンストキャンペーン導入後も、PCとスマホのキャンペーンを無理やり分けている場合に、スマホの単価を +300% で設定しているのを忘れて、50円で入札していたつもりが実は4倍の200円だったなんてオチも…

グループ単位でのスマホの単価調整比率

スマホの単価調整比率は、キャンペーン単位だけではなく、グループ単位でも可能です。

厄介なのが、AdWords Editor では簡単にグループ単位のディバイス単価調整比を編集することができるのですが、管理画面上ではその設定画面になかなか辿り着けないため、事故った時に原因が分からないことが多い。

グループ単位でのスマホの単価調整比率

管理画面上では、グループを選択した状態で、[設定] → [ディバイス] から比率をチェック・変更します。

その他の項目による単価調整比率

ディバイス別の単価調整比の他に、下記の項目についても、それぞれ単価調整比を変更することが出来ます。

  • 地域
  • 時間帯
  • ユーザーリスト

地域・時間帯に関しては、キャンペーンの設定から

地域・時間帯の単価調整比

ユーザーリストに関しては、ユーザーリストのタブから

ユーザーリストの単価調整比

エンハンストキャンペーンは、キャンペーンを細分化しなくても良い代わりに、チェック項目が増えた気がします…

ディスプレイネットワークでのセグメントによる入札単価

ディスプレイネットワークには、下記のセグメントに対して、それぞれ入札単価を変更することが出来ます。

  • ディスプレイネットワークのキーワード
  • プレースメント
  • トピック
  • インタレストとリマーケティング
  • 性別
  • 年齢

※ 入札を比率で変更するのではなく、セグメントごとに直接単価を調整します。

ディスプレイネットワークでのセグメントによる入札単価

※ 新しくセグメントを追加する場合には、適用範囲の仕組み(AND条件なのか、OR条件なのか)も理解したうえで追加してください。([表示項目の変更] → [属性] → [適応範囲] を選択すると、設定状況を把握しやすいと思います。)

グループ単位での入札戦略の変更

エンハンストキャンペーン導入後、グループ単位でも目標CPA(コンバージョンオプティマイザー)DCO(ディスプレイキャンペーンオプティマイザー) を使用できるようになりました。

グループ単位での入札戦略の変更

[表示項目の変更] → [属性] → [入札戦略] [入札戦略タイプ] 設定状況を把握しやすいと思います。

※ 入札戦略に関しては、[共有ライブラリ] の [入札戦略] から確認できます。

テストツール(ACE)の使用

かなりマニアックな設定になりますが、テストツール(ACE) からも入札単価を変更出来ます。

テストツール(ACE)の使用

正直このツールを使える方は、そもそもリテラシーは高いと思うので、心配はないと思うのですが…

まとめ

これ以外に、漏れてる項目があったら、下のコメント欄から連絡頂けるとありがたいです。

エンハンストキャンペーンの導入により、セグメントによりキャンペーンを複数作成する必要が無くなったと同時に、入札価格をコントロールできる項目が増えたのが原因だとおもいます。

注意してくださいね。

エンハンストキャンペーンは、コンバージョンオプティマイザーにどう影響するの?

エンハンストキャンペーンの最終移行日が迫る中、表題にあるような質問を受けました。

質問をくれる人はまだイイのですが、コンバージョンオプティマイザーDCO:ディスプレイキャンペーンオプティマイザーについても同じ)を導入しているにもかかわらず、そのあたりを考慮しないまま7月22日を迎えようとしている人を目にするようにもなりました。

『コンバージョンオプティマイザーは、ユーザーのデバイスも考慮して自動的に単価調整を行なってくれるんだけど、そもそもモバイルの入札単価調整を手動で変更したらどうなるの?』って疑問に思ってる人すら少ない気がする。

まずはその答えから言うと、エンハンストキャンペーンでコンバージョンオプティマイザーを導入した場合、モバイルの入札単価調整を手動で設定しても、その入札調整は適応されません。(ただしモバイル単価を-100%にした場合に限り、モバイルへ配信されない設定になります。)

※ 言葉の確認ですが以下、モバイル=スマホという扱いで話を進めます。

PCのキャンペーンをアップデート

っということは、現在PC限定でコンバージョンオプティマイザーを導入しているキャンペーンを、エンハンストキャンペーンにアップデートすると、-100%にしない限り、自動的にモバイルに勝手な単価で出稿されます。

もっと言えば、アカウント内にモバイル用のキャンペーンが存在する場合は、その履歴を引き継いでくれるみたいなので良いのですが、エンハンストキャンペーンにアップデートすると同時にモバイルをはじめる場合は、そのモバイルの過去のパフォーマンスデータが存在しないので、どういう動きになるのか分かりません。

モバイル限定のキャンペーン

逆に、エンハンストキャンペーン導入後もモバイル限定のキャンペーンを使用しようと考えている方。

※ 話を聞いていると、『スマホキャンペーンを+300%にしてPCの単価を広告が出ないくらいの低単価にすることで、エンハンストキャンペーン導入後もモバイル限定のキャンペーンで運用する』という方が、結構な割合でいる気がします。

この場合、コンバージョンオプティマイザーを導入すると、+300%の入札調整を無視することになるので、必然的にPCの広告も出稿されることになります。

通話コンバージョン

更に、エンハンストキャンペーンになると、60 秒を超える通話を『通話コンバージョン』としてカウントできる設定にすることができるみたいなんだけど、そのコンバージョンをコンバージョンオプティマイザーの対象にカウントできるかどうかも、まだ開発中で未発表のまま。

まとめ

考えてみると、いろんなケースが想定されますので、今までPC・モバイルの両方に広告を出していて、その上でコンバージョンオプティマイザーを使っていた人でない限り、ちょっとコンバージョンオプティマイザーの仕様は控えたほうが良いような気がします。

グループ単位で『目標CPA』の設定もできたりするので、そういうことも絡めると、もっと話がややこしくなる気がしますし、エンハンストキャンペーン導入後にある程度コンバージョンが取れてきた後で導入のほうが、賢明かな… (良いツールなんだけどね。)