メルカリに相次ぐ現金・チャージ済みSuicaの出品——違反商品の監視を強化へ

「クレジットカードを現金化しているのではないか?」といった声が相次ぐなど、Twitterを中心にSNS上で大きな話題を集めている、フリマアプリ「メルカリ」内での現金出品問題。同サービスを運営するメルカリは問題が起きた4月22日、「利用規約の第8条33項にある、『マネー・ロンダリングを目的とした行為』に抵触している可能性がある」とし、現行紙幣の出品を禁止にした。

「現金を額面以上で販売する」出品は想定外だった

もともと、メルカリは過去の希少価値の高い硬貨・紙幣の取引(例:記念硬貨など)は可能していたが、現行貨幣の出品は禁止されていた。しかし、ユーザーの中には、二千円札や円の位置がずれた五円玉など、「現行の硬貨・紙幣でも希少価値の高いものを出品したい」という要望する人もいたようで、2017年2月14日から現行紙幣の出品を可能にした、という背景がある。

そうした状況の中で発生した現金出品の問題。一部ではマネーロンダリングへの利用やクレジットカードの現金化(ここで言うのは、キャッシング枠でなくショッピング枠で現金を得るために、ショッピング枠で現金を購入する行為)などの可能性があると問題視する声が高まった。これに対してメルカリの広報担当者は「弊社が当初、想定していなかった『現金を額面以上で販売する』という出品が行われ始めたため、未然にトラブルを防ぐために現行紙幣の出品禁止にし、取り締まりを強化しました」と説明する。

すでにサポートが対応して現金の取引については削除を進めており、実際メルカリ内で「現金 貨幣」などと検索してみても、現行の硬貨や紙幣の出品は見当たらない。

まるでイタチごっこ、今度は現金チャージ済みのSuicaが出品

出品規制をかけることで、現金を額面以上で販売する出品はなくなった。しかし、今度は1万円以上の現金がチャージされた「Suica」が出品されるという事態になった。このSuicaの出品に対し、広報担当者は「利用規約の第8条33項にある、『マネー・ロンダリングを目的とした行為』に抵触している可能性がある」として、出品を見つけ次第、順次削除しているという。

ただし、Suicaは記念版など希少価値の高いものの出品も考えられる。それに関しては、「カスタマーサポートが人力で確認し、チャージ額が1万円以上など、明らかに金銭が目的となっているものは削除するようにしています」と広報担当者は語った。

現金の出品規制をかけたら、現金チャージ済みのSuicaが販売など、イタチごっこの状況が続いているが、今後どのような対策を講じていくのか? 「健全なマーケットプレイスを提供することが我々の責務。そのために、カスタマーサポートによる監視をより強化していきたいと思っています」(広報担当者)。

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