この日はスタートアップであるWorkatoにとって、記念すべき日となった。なにしろ1000万ドルのシリーズAを公表し、同時にワークフローオートメーションプラットフォームであるTuringの最新版の発表を行なうこともできたからだ。
このラウンドは、Storm Venturesの主導により進められ、戦略的投資家たちであるSalesforce VenturesとWorkday Venturesが参加した。設立4年の同社は、これで合計1600万ドルを調達した。
Workatoは、さまざまなSaaSアプリケーションとAPIの接続を可能な限り自動化することで、企業のワークフローの統合を簡単にするものだ。これでSalesforceとWorkdayがそのようなコンテキストの中で、同社を投資対象にふさわしいと判断した理由がわかるだろう。
SaaSアプリケーションの魅力の1つは、単体ですぐに使えることだが、アプリケーション間の連携やワークフローを構築しようとする場合には、事態はやや複雑になる。WorkatoのCEOであるVijay Tellaは、そうしたときには、たとえ単純なツール間連携だとしてもIT部門への依頼が発生するのだと語る。
しかし彼は、それは独立性を求めているエンドユーザーにはふさわしくないと言う。またIT部門も、マーケティング、セールス、ファイナンス、その他の部門のナレッジワーカーたちに、開発者スキルを必要とせずに、必要な統合を構築するためのツールを提供したいと考えている。
よって同社はWorkatoを開発して、可能な限り自動化を行い、ツール間の論理的なフローを提案することで、そうしたエンドユーザーたちが、ワークフローをより簡単に構築できるようにしたのだ。このソリューションでは、基礎となる機械学習アルゴリズムに基づいて、そうした提案を対話形式で行っていく。ユーザーがニーズに合わせてそれらのレシピを調整すると、システムは学習して、より完全なものを提供するようになる、とTellaは語る。
Turingのベータ期間中、Tellaは、レシピの55%が自動作成され、ユーザーに対して提案という形で提示されたと述べた。提案の形式はユーザーが諾否を与えるか、いくつかのオプションを与えることで調整されるようなものだった。
どのようなプロセスも、絶対確実というわけには行かないので、レシピがシステム連携の途中で何らかの理由で失敗した時には、機械学習を用いて自己修復(もしくは少なくとも可能な対応を提案する)を行う。こうした手段の一部には、レシピフローをコードではなく平易な言語で表示することも含まれている。このことにより、ユーザー自身による修正および再実行が可能になる。
Workatoによれば、最初の1週間で顧客の78%が製品を使えるようになると主張している。Workatoが、そのまま使えるたくさんの典型的な統合レシピを、SalesforceやWorkday向けだけでなく(それだけでも驚きだが)、ZendeskやSlack、その他沢山のサービスに対しても用意していることはとても便利だ。
同社は、その製品が、Box、IBM、Cisco、Ideo、Credoなどを含む、2万1000を超える組織で使用されていると報告している。
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(翻訳:Sako)