ビデオに使われているオーディオの音質を向上させるAccusonus(アクソナス)が、シリーズAで330万ドルを調達した。このラウンドをリードしたのはギリシャ・アテネのVenture Friendsで、Big PiやIQBility、PJ Tech、それにAccusonusの共同創業者で前はAware Inc.のCEOだったMichael Tzannes(マイケル・ツァネス)氏が率いる米国の投資家グループが参加した。Accusonusは、ギリシアと米国のいわば二重国籍だ。
2014に創業したAccusonusの創業者は、これまでも多くの他社よりもずっと長く、さまざまなオーディオや音楽のアプリケーションにAIを利用してきた。同社の最初の製品であるDrumatom(ドラマトム)は、ドラムを録音するときのマイク漏れをコントロールする。2017年にAccusonusは第2弾の製品としてRegroover(レグローバー)をリリースした。これはAIを利用したソフトウェア楽器で、オーディオのループを個々の楽器(スネア、シンバル、バスドラなど)に分解して、新しいビートの作成などを可能にする(参考記事)。
同社のプロダクトは、Bob Dylan(ボブ・ディラン)やLou Reed(ルー・リード)、Goo Goo Dolls、Super Furry Animals、Wilco、Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)などなど多くのミュージシャンが使ってきたと言われている。
しかし最近の同社は、音をきれいにしたいと願うビデオやポッドキャストのプロデューサーのための、シンプルで使いやすい一連のツールを開発してきた。今ではスマートフォンなど消費者向け録画録音機器の普及で毎日膨大な量のコンテンツが作られているから、音楽の製作以外の市場がものすごく大きい。
共同創業者でCEOのAlex Tsilfidis(アレックス・シルフィディス)氏によると、AccusonusはAIを利用したツールによって、高品質なオーディオへのアクセスを万人のものにしたい。従来のオーディオソフトに必要だった厳しい学習曲線を不要にしたい。
彼によると、新しいアルゴリズムの発明とUXの微調整に苦戦した結果、Accusonusのオーディオツールは初心者でも使いやすくなり、またオーディオやビデオのプロにとってはワークフローの効率化が図れた。
具体的には、AccusonusのツールであるEnhancement and Repair of Audio(ERA)を使えば、そのソフトウェアの中の1つの仮想ノブを回すだけでオーディオの録音をクリーンアップできる。ERAツールはプラグインとして動作するので、ビデオやオーディオのメジャーなプラットホームと互換性がある。それは入門レベルのエディターAudacityやGaragebandでも、あるいはもっとハイエンドなAdobe Premiere ProやApple Final Cut、Avid Pro Tools、Apple Logic Pro、Da Vinci Resolveなどでもいい。
シルフィディス氏によると、初心者とプロという2つの顧客グループをサポートすることにはメリットがある。プロのユーザーから寄せられるフィードバックは、ノンプロ向け製品の改良に役立つことが多い。もちろん2つのグループには重複部分もある。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)