旅行者に海外商品の輸入代行を依頼するBackpack

欲しい薬が国内で手に入らず、個人で輸入するには非常に高くついてしまうようなケースがある。そうしたとき、その商品を扱っている国に渡航する人に頼んで買ってきてもらったりすることはよくあることだ。話は薬に限らず珍しいハムや、あるいは場所によってはiPhoneなどが対象となることもあるだろう。こうした仕組みをシステマティックに行おうとするのがBackpackというサービスだ。商品を手に入れたい人と、商品を安く運んでくることができる旅行者を結びつけようとするサービスだ。

このBackpackは、Y Combinatorが支援するスタートアップで、購入者は海外製品を安く手に入れることができるようになる。購入者は商品を持ってきてくれる旅行者に手間賃を含めた代金を支払う。

商品のオーダーはBackpackのサイトからAmazonやEbayを検索して指定するか、あるいは商品リンクを示すことで行う。旅行者に支払われる手間賃は商品のサイズなどによって変化する。共同ファウンダー兼CEOのFahim Azizによると、複数の商品を取り扱うことで、旅行者側の取り分は250ドルにもなるケースがあるとのことだ。

サイトにアクセスすると、まずTravel(旅行者)かShop(購入者)かを選ぶようになっている。Shopの方を選ぶと商品を探して購入依頼を出すことになる。尚、商品を指定する際には条件や、販売国を指定することもできるようになっている。欲しい商品の指定が終われば、条件にかなう商品を提供できるTravel側の利用者が名乗りをあげることになる。こうして売買が成り立つわけだが、支払いはBackpackのエスクローの仕組みを利用して行う。

支払方法としてはPaypal、小切手、銀行振込などに対応している。

ちなみにサイトでTravelを選ぶと、旅行をする日と場所が共有されることになる。Shopを選んだ人の商品購入地指定が合致する場合、旅行者に希望商品がある旨の通知が送られることとなる。旅行者側は、自分のステータスに合致する商品があった場合、そのリクエスト商品を受け付けるかどうかにつき、6時間以内に返答することとなっている。Azizによれば、現在のところは3分の2程度の商品リクエストが受け付けられているそうだ。利用者が増えればより多くの商品リクエストが受け入れられるようになるだろうと見込んでいる。

このBackpackがスタートしたのは2月のことだ。主な利用者はバングラディッシュで、徐々に中国にも広まりつつあるところであるとのこと。サービスを開始して1週間のうちに、86ヵ国から7万の閲覧があったとのことだ。そして毎週15%ずつの伸びを示してもいるそうだ。

尚、本サービスについては元GoogleのNash Islamからのアドバイスも受けて、買い手がいる国を訪問する旅行者がいる場合にのみサービスを提供する方針をとっている。しかしそうした制限にもかかわらず、中国や南米、あるいはヨーロッパにもサービスの提供地域を拡大しつつあるのだそうだ。

ちなみに何か問題が生じたい場合、Backpack側にて問題に対処するというのが基本方針であるようだ。しかしいまのところは、保証方針などはサイト上に明示されてはいない。

「商品デリバリーのサービスの亜種であると考えている人もいるようです。しかし私達のサービスはさらなる可能性を含むものだと思うのです」とAzizは言う。「単なる購買サービスではなく、より多くの可能性を含むものだと考えています」とのことだ。

世界中に利用者が増えるような事態になれば、サービスの有用性は増すこととなる。サービス事態はシンプルなものであるが、可能性を含むものであるということもできるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H