Barracuda Networks(バラクーダネットワークス)は、ニューヨーク拠点のXDR(拡張検出・対応)サービスのチャネルパートナー向け専門プロバイダーであるSkout Cybersecurity(スカウト・サイバーセキュリティ)を買収した。
契約条件は非公開。これでカリフォルニア拠点のサイバーセキュリティ会社は急成長中のXDR市場への参入を果たした。
ビジネスがクラウドへ移行し、ハイブリッドワーキングを採用したことで、サイバー攻撃が増え続けた結果、セキュリティ専門家の80%がXDRソリューション(複数のセキュリティレイヤーからデータを収集、分析して脅威の検出を改善する)を最優先にすべきだと発言しており、企業の68%が2021年および2022年にXDRを実装する計画だ。最新の調査結果による。
SkoutのXDRプラットフォームを同社のセキュリティチームとともに導入することで、BarracudaはMSP(マネージドサービス・プロバイダー)にリアルタイムの連続的セキュリティ監視機能を提供、より効率的に脅威に対応できると言っている。アーリーステージのcyber-as-a-service(サービスとしてのサイバーセキュリティ)スタートアップであるSkoutは、RSE VenturesとClearSkyから総額2500万ドル(約27億9000万円)の資金を調達しており、他にAIベースのエンドポイントプロテクション、Eメールプロテクションサービス、およびOffice 365モニタリングを自社のXDRプラットフォームを通じて提供している。
この買収は、最近ゼロトラストアクセスプロバイダーのFyde(ファイド)を買収したBarracudaの戦略的M&A機運を継続させるものでもある。
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「MSPは顧客のもつエンドユーザーやそのデバイス、およびデバイスがアクセスするデータを、ますます高度化する脅威から守る必要があります。このレベルの保護を顧客や自分自身に対して実現するために、MSPはビジネス形態を「セキュリティ中心」の運用に変えつつあります」とBarracuda MSPのSVP兼ゼネラルマネージャー、Brian Babineau(ブライアン・バビノー)氏は語った。
「Skoutが加わったことで、BarracudaのMSPパートナーは環境を横断してセキュリティソリューションを展開することが可能になり、データフィードを統合された24時間運用システムと接続して迅速な分析と対応ができるようになります」。
買収契約は2021年7月中に完了する見込みで、規制当局や第三者の了解、その他の慣例的な締結条件を満たす必要がある。
かつて上場企業だったBarracudaは、2017年11月に非上場株式投資会社のThoma Bravoに16億ドル(約1785億円)で買収されて非公開化された。Palo Alto Networks(パロアルト・ネットワークス)やSymantec(シマンテック)と競合する同社は、クラウド接続のネットワークとアプリケーションにセキュリティ機能を提供し、Delta Airlines(デルタ航空)、Hootsuite(フートスイート)、Samsung(サムスン)をはじめとする20万以上の顧客を有している。
カテゴリー:セキュリティ
タグ:Barracuda、買収、XDR
画像クレジット:Krisztian Bocsi/Bloomberg / Getty Images
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(文:Carly Page、翻訳:Nob Takahashi / facebook )