天気のデータと予報を提供しているClimaCellが米国時間2月24日、小型気象衛星による同社独自のコンステレーションを打ち上げる計画を発表した。ClimaCellは、レーダーを装備した衛星により地球の気象をより理解できるようになり、予報を改善できるという。最初の打ち上げは、2022年の後半を予定している。
ClimaCellのCEOであるShimon Elkabetz(シモン・エルカベッツ)氏が発表声明で指摘しているように、地上のレーダーでは雨や雲の構造に関する情報は得られるが、その情報にはムラがあり、米国内においても、基本的な天気予報すら難しくなっている。宇宙には高額なレーダー衛星があるが、それらは同じ領域を3日に1度訪れるものが多いため、あまり有益ではない。そこでClimaCellは、コンステレーションを小さくして、専用の衛星が同じ領域を1時間おきに再訪できるようにしたいと考えている。
「私たちは独自のセンサー技術とモデル作成技術により、世界のどの地点でもより正確に天候を予測します。また、そのデータを利用する独自のソフトウェアプラットフォームは、構成次第であらゆる仕事や業界向けに予報することができます。というわけで、私たちはこれから、宇宙が動かすSaaS企業に進化していきます。私たちは衛星コンステレーションを打ち上げて、全世界の天気予報を改善します。世界で初めて、常時稼働のレーダーコンステレーションで地球を取り囲み、地球のあらゆる地点の観測データをリアルタイムで天気予報に提供していきます」とエルカベッツ氏は述べている。
確かにそれは、同社にとって大きな一歩だが、近い将来にはこういうものが他にももっと登場するだろう。10年前という近い過去でも、企業が十分な資金を獲得して独自に衛星を打ち上げることは困難だった。今では、それも変わった。打ち上げサービスを容易に利用できることや、レーダー衛星の製造に革新的な技術が登場したこと、そして地上局などの補助的サービスを利用できるといった要因がこの変化に貢献している。現在、AWSやMicrosoftも同様のサービスを提供しており、衛星の製造に特化したベンダーのエコシステムもある。ClimaCellのチームによると、同社は現在、多くのベンダーと協議しており、いずれ最適な企業を選びたいという。
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カテゴリー:宇宙
タグ:ClimaCell、衛星コンステレーション、天気予報
画像クレジット:ClimaCell
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)