店内にいる顧客の動線を分析するCosmoseがシリーズAで15.9億円を調達

Cosmoseは、商店内の顧客の動線を記録分析して彼らの行為を予測し、新型コロナウイルス(COVID-19)の経済への影響に悩まされている企業にとってますます重要なデータを提供している。米国時間8月31日、同社は1500万ドル(約15億9000万円)のシリーズAを調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはTiga Investmentsで、以前からの投資家でCosmoseのシードラウンドを一緒にリードした(VentureBeat記事)OTB VenturesとTDJ Pitangoが参加した。

同社によると、Cosmoseの評価額は今や1億ドル(約105億9000万円)を超えている。顧客である店舗の多くは中国と日本にあり、WalmartやMarriott、Samsung、LVMHなども顧客だ。

同社のCEOであるMiron Mironiuk(ミロン・ミロニウク)氏によると、企業が新型コロナウイルスの影響から立ち直ろうとしている際、Cosmoseのプラットフォームは店舗の再開時期やそのときに揃えるべき在庫などに関する意思決定を助け、売上の増加に貢献するという。

例えば、一部の店舗では以前、実店舗で買い物をしていた顧客とつながりを持ち、オンラインでの購入を促したいと考えていたといい、また日本のホテルは売り上げの減少を補おうと、地元住民にレストランを宣伝に力を入れていたという。同社はボストン・コンサルティング・グループと共同で来週発表予定の「中国における新型コロナウイルスとオフラインリテール回復のトラフィック」という報告書に作成している。

Cosmoseのオフィスは上海、香港、ニューヨークそしてワルシャワにある。ソフトウェアの技術者たちがいるのはワルシャワだ。ミロニウク氏によると、2019年12月に行われたPwCによるプラットフォームの正確さに関する監査で、店内の1.6m以内の顧客を追跡できることが確認されており、また同社のデータエコシステムは現在、10億台以上のスマートフォンと36万以上の店舗で構成されているという。Cosmoseは、2022年には20億台のスマートフォンと1000万店舗に拡大する計画だ。

シリーズAは製品開発と対象地域の拡大に充てられる。2020年は東南アジア、その後は中東とインドを対象とする。ミロニウク氏は、2014年に創業したCosmoseは、2021年に黒字転換すると予想している。

同社は主に3つのプロダクトを提供している。まず店内の顧客の動線を追跡するCosmose Analyticsは、データの分析と予測により、リテイラーのマーケティングキャンペーンの企画と販売促進を助けるCosmose AI。そして、オンライン広告のターゲティングを行うCosmose Mediaだ。

Cosmoseを利用するのにハードウェアへのインストールは要らない。Cosmoseが店舗をマッピングした後の定期的なメンテナンスも不要であり、それらはライバルとの差別化に貢献している。

RetailNextやShopperTrakなど、実店舗のフットトラフィッを分析する企業は他にもあるが、追跡することで、プライバシーを気にする顧客を警戒させることになるかもしれない。ミロニウク氏によると、Cosmose AIが集めるスマートフォンのデータはすべて匿名化されているため、買い物客がが誰であるかを同社が知ることはないという。

CosmoseのプラットフォームはOMNIcookiesと呼ばれる英数字のIDを使用し、スマートフォンのMACアドレスや電話番号、メールアドレスなどの個人データは集めない。また、各国のプライバシー関連法を遵守している。ショッパーが追跡をオプトアウトすることもできる。

今回の投資に関する記者発表でTiga InvestmentsのCEOで創業者のRaymond Zage(レイモンド・ザジ)氏は、「Cosmoseが世界的に有名なブランドですでに達成している強力な結果に惹かれたのと同時に、ユーザーのプライバシーを確実に保護していることにも、強い魅力を感じている。Cosmoseのチームは、消費者体験を向上させながら店舗を助けることができる」。

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Cosmose

画像クレジット:Cosmose

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa